映画の心理プロファイル

『クロコダイル・ダンディ2』(1988 豪・米)

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原題:『“CROCODILE”DUNDEE Ⅱ』(111分)
監督:ジョン・コーネル
出演:ポール・ホーガン
    リンダ・コズラウスキー

オーストラリア奥地で暮らすワニ狩り名人ミック・ダンディーの活躍を描いて
ヒットした『クロコダイルダンディ』(1986)の続編。
ここで取り上げたのは、この作品の中に「飛び降り自殺を止めるシーン」が
出てくるからです(実は、そういうシーンを集めるのを趣味にしていた時期
がありまして)。
ニューヨークの高層ビルの窓辺から今にも飛び降りそうな男。
それを見つけたミックはさっそく外壁の縁を歩いてお節介を焼きに行きます。
日頃、岩山を飛び歩いているミックにとって、そんなことは朝飯前。
「止めてもムダだぞ!オレは飛び降りるんだッ」
ヒステリックにそう叫ぶ男に、ミックはこう応えます。
「そこを通らないと昼飯を食いに行けないんだよ。飛び降りるんなら早くして
くれない?見てると、やりづらいんなら後ろ向いてるからさ、ホラ」
と、後ろを向いてしまうミック。
拍子抜けした男は飛び降りる気力をなくしてしまいます。

このシーンを心理学的に見てみると、ミックは「リアクタンス」の心理を利用
して、見事に飛び降り自殺を防止したと考えられるのです。
「リアクタンス」とは「心残りの心理」。
自殺を止めてくれるのかと思ったら、止めてくれないどころか早くしろと言われ
てしまう。すると、心に「リアクタンス(心残りの心理)」が芽生えて、飛び降りる
に降りられなくなってしまうのです。

この「リアクタンス」の心理テクニックは、いろんなところで使われています。
例えば、TVの人気番組『トリビアの泉』でナレーターが「トンカツは・・・」
で一呼吸置いたり、そのままCMになってしまったりします。
なぜそんなことをするかといえば、視聴者の心に「リアクタンス」の心理が芽生
えるから。すると、その後の情報がとても貴重なもののように思えて、「トンカツ
は・・・」のあとが是が非でも聞きたくなってしまうのです。

ちなみに『ダーティー・ハリー』(1971)にも、クリント・イーストウッド扮する
ハリーが「リアクタンス」を利用して飛び降り自殺を止めるシーンが登場します。
興味のある方はご覧になってみてください。
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by kiyotayoki | 2004-08-06 16:04 | 映画(か行)