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映画の心理プロファイル

『ターミネーター4』(2009 米)

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原題:『TERMINATOR SALVATION』(114分)
監督:マックG
脚本:ジョン・ブランカトー マイケル・フェリス
音楽:ダニー・エルフマン
出演:クリスチャン・ベイル
    サム・ワーシントン
    アントン・イェルチン
    ブライス・ダラス・ハワード
    ヘレナ・ボナム=カーター
    マイケル・アイアンサイド

猿の惑星』(1968)は、意外性のあるストーリーといい、特殊メイクといい、寓意性といい、ラストの衝撃の大きさといい、傑出したSF映画として強烈に記憶に残っている。
世界的にも大ヒットした作品だったので、続編も作られた。それも4本も。

まず、『続・猿の惑星』(1970)。
これは、まさに前作の続きで、テイラー(チャールトン・ヘストン)捜索のためにやって来た宇宙飛行士ブレントの冒険譚だった。
これで終わらせておけば、まだ金字塔に傷はそれほど付かなかったのかも。
だけど、欲張っちゃったんだな、これが。

続いて公開されたのが、『新・猿の惑星』(1971)。
前作のラストで消滅した地球から過去の世界(現代)にタイム・トラベルしてきたチンパンジーのジーラとコーネリアスを描いたものだった。アイディアとしては「あり」だったし、僕も劇場に足を運んだもんです。
だけど、これを作ったんで時間のループ(輪)が完成するまでシリーズがやめられなくなっちゃった。

翌年には、『猿の惑星・征服』(1972)が公開された。
「新・猿の惑星」で誕生したコーネリアスとジーラの息子マイロが猿族を率いて人間に叛旗をひるがえし、シーザーと名乗るまでを描く近未来モノ。シーザーは『ターミネーター』でいうと、ジョン・コナーの役どころかな。
仇役は、『バス停留所』(1956)でマリリン・モンローと共演したこともあるドン・マレーだった。
でも、映画としての人気は急降下。

というわけで、シリーズを終わらせるために作られたのが、『最後の猿の惑星』(1973)。
そういえば、これは今に至っても一度も観る機会がなく、どんな内容かさえ知らない(^^;

そんなわけで、SF映画の金字塔『猿の惑星』シリーズはなんとも情けない終わり方をしてしまったのでありますが、さて、『ターミネーター』シリーズはどうなんでしょ。
同じ轍を踏む心配はないんだろうか。『猿の惑星』同様にループを完成させるまでやめられなくなっちゃったみたいだし、前作の『3』はちょっとがっかりだったし(^^;。

で、怖いもの見たさで行ってまいりました、先行ロードショー。
観た感想はというと・・・

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なんとかシリーズの面目は保ったかな、というのがファースト・インプレッション。
シリーズとしては初めて近未来(2018年)へシフトしたこともあって、映画の雰囲気はがらっと変わった。
“審判の日”後の世界ということで、風景はどこも荒涼としてる。
それを表現するために色調を落としモノクローム風にしたことで、戦時下のムードはバッチリ。
まあ、近未来モノでは見慣れた光景ではあるのだけれど(^^;。

また「3」の評価を悪くした第一の原因であるジョン・コナー役も、今回はクリスチャン・ベイルがやっているので「2」の少年時代の面影をオーバーラップできるようになり、評価アップにつながってる。
ちなみに、奥さんのケイト役には、ちょっと人間離れした眼差しの女優ブライス・ダラス・ハワード。『ヴィレッジ』の彼女です。
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あらまあ、とちょっと驚いたのは、後にジョン・コナーの父親になる予定のカイル役を若手俳優のアントン・イェルチンがやってたこと。
この人は、つい先日観た『スタートレック』にもチェコフ役で出ていたし、これからますます注目されてく男優なのかもしれない。

このシリーズが『猿の惑星』と違って一応のポテンシャルを保っていられるのは、続編が矢継ぎ早に公開されないからなのかもネ。
1作目から2作目までは7年、3作目なんか12年も間が空いてる。今回も6年ぶりの新作だ。
それだけにフアンにはある種の飢餓感・待望感があるのだろう。


ループはまだ完成していない。
さて、次回作「5」はいつごろ公開されるんだろう。
そのとき、ジョン・コナー役のクリスチャン・ベイルはオファーを受けるだろうか・・・・。
by kiyotayoki | 2009-06-08 16:24 | 映画(た行)