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映画の心理プロファイル

フロイトと映画

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ウィーンのフロイト博物館で興味深かったのは、フロイトの娘アンナ・フロイト自身が語る父フロイトの思い出映像だった。
それは、フロイトの晩年の約10年間が綴られたプライベートフィルムで、最後は家族そろってロンドンへ亡命したところで終わっていた。

アンナ・フロイト(1895~1982)は、父から精神分析学を学び、ジクムントが癌に冒されてからは父に代わって精神分析学会をとりまとめ、亡命した英国で父を看取った後は、児童心理学の研究者として活躍をした人。

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「へえ~」と思ったのは、フロイトの愛犬がチャウチャウだったこと。
愛犬家だとは聞いたことがあったけど、中国産の犬だったとは!

この子の名前はたぶんヨフィ(ジョフィ)。

ヨフィだけは診察室に入ることができ、この子が立ち上がって
あくびをしたら診療時間は終わりと決まっていたんだとか。

フロイトは「ヨフィが嫌がるような人間はどこかおかしい」
と言って、愛犬が気に入らないお客はフロイトも嫌ったらしい。

フロイトって、どの写真を見ても、いかにも学者風で、謹厳実直なイメージがあったけれど、けっこうお茶目な部分もあったんだな(^~^。


ヒトラー率いるナチスドイツがオーストリアを併合したのは1938年3月13日のこと。
すべてのユダヤ人をせん滅しようとしたナチスは、その年の10月に5万人をオーストリアからポーランドの強制収容所へ移した。
そんなウィーンに踏みとどまっていた82歳のユダヤ人フロイトが英国へ脱出できたのは、ある女性の尽力があったからだった。
その人の名は、マリー・ボナパルト。
ボナパルトという名からも推察できるように、この人、あのナポレオンの弟の血筋につらなる貴族。
ギリシア国王の弟と結婚していたので王妃でもあった。
マリーはフロイトに心酔し、精神分析学をフランスに広めるのに一役も二役も買っていた。
そんな彼女の尽力もあって、フロイト一家は2日間かけて英国への脱出に成功したのだとか。
もちろん、愛犬も一緒にね♪

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知らなかったけれど、そんなマリーとフロイトの関係、そして、脱出行の顛末を紹介した映画があるのだそうな。
それが、こちら(←)、『公女マリー・ボナパルト』(Princesse Marie)。

本国フランスでは2003年に公開されたそうなんだけど、日本では東京の日仏学院などで公開されただけだったんだとか。気づいていれば観に行ったんだけどなぁ。
マリー・ボナパルトに扮しているのは、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーブ。

そうそう、フロイトが登場する映画といえば、
いつだったかデヴィッド・クローネンバーグ監督の次回作がフロイトとユングの確執を
描いた作品になるという記事を読んだ気がするんだけど、あの話はどうなったんだろ。


※クリストファー・ハンプトン脚本の『The Talking Cure』の映画化作で、
内容は精神分析学の創始者であるユングとフロイトを主人公に、
彼らと美しきロシア人女性ザビーナ・シュピールラインとを加えた
複雑な友情と愛憎を描く物語とのこと。

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by kiyotayoki | 2009-07-02 23:20 | 備忘録