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映画の心理プロファイル

『花嫁のパパ』(1991 米)

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原題:『FATHER OF THE BRIDE』(105分)
監督:チャールズ・シャイア
出演:スティーヴ・マーティン
    ダイアン・キートン
    マーティン・ショート

スペンサー・トレイシーの味のある演技が堪能できる名作『花嫁の父』(1950)
のリメイク作品です。今回、S・トレイシーに代わって花嫁の父を演じるのは
『ロンリー・ガイ』で茶目っ気たっぷりの演技を披露したスティーヴ・マーティン。
お話は、ローマに留学していた娘が一時帰国早々に結婚宣言するところから
始まります。
面食らう父を尻目に娘は婚約者とアツアツデレデレ。
妻(D・キートン)はといえば結婚に大乗り気で大はしゃぎ。
ひとり蚊帳の外に置かれた観のある主人公は、婚約者の男に
「もうお父さんと呼んだほうがいいでしょうか」と問われて、
「まだ早すぎる」と答えるのが精一杯。

そんな父親の気も知らず、娘は恋人を連れてドライブへ。
父親は大切な娘を気遣って「シートベルトを忘れずに」と言おうとします。
ところが彼の口から出てきた言葉は、なんと
「コンドームを忘れずに」!
あわてて言い直すものの、娘には軽蔑され、妻には呆れられる始末・・・。

さて、こうした言い間違いはなぜ起こるのでしょう。
精神分析の祖フロイトは、
「本人が意識している意図と無意識の意図が衝突するために起きる」
と考えました。
無意識の意図のほうが大きなエネルギーになると、意識のエネルギーを
押しのけて自分の意志とは関係ない言葉や抑圧していたホンネがポロリと
出てきてしまうというのです。
心理学ではフロイトの名をとって『フロイディアン・スリップ』と呼ばれています。

父親は娘を気遣って、運転をするならシートベルトを忘れずにつけてほしいと
思っていました。けれど、ホンネの部分では「嫁入り前なんだから妊娠だけは
してくれるな」と強く願っていたのでしょう。その思いは抑圧していたものの、
そのエネルギーは本人の想像以上だったんでしょうね。
だから、思わずポロリと「コンドームを」というホンネが口から飛び出しちゃった
というわけ。

こうした言い間違いは、ドラマではよく使われます。登場人物のホンネを
ストレートに、でも嫌みなく視聴者に伝えることができるからです。映画にも
ちょくちょく出てくるので、注意してご覧になってみてください。
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by kiyotayoki | 2004-08-19 12:42 | 映画(は行)