映画の心理プロファイル

『激情』(2009 スペイン・コロンビア)

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東京国際映画祭で最後に観た作品は、『激情』
エクアドル出身のセバスチャン・コルデロ監督がスペインで撮った、破滅的でパッションみなぎる愛の物語。
夜の9時半という遅い時間から始まるのに、観たいなと思ったのはプロデューサーに『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロ監督が名を連ねていたからでもあった。

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原題:『RABIA』(89分)
監督・脚本:セバスチャン・コルデロ
出演:グスタボ・サンチェス・パラ
    マルチナ・ガルシア

スペインのバスク地方。
南米から出稼ぎでやってきた建設作業員ホセ・マリアは“怒り(rabia)”を抑制できない男で、口論の末、現場監督を誤って殺してしまう。
ホセは身を隠すべく同じ移民で恋人のローザがメイドとして働く屋敷の屋根裏に忍び込む。
痕跡を残さないように食べ物を盗み、ローザにすらその存在を知らせず、屋根裏からひっそりと愛する彼女を見守るホセ・マリア。
ローザは自分の子を身ごもっていたのだ。
けれど、すぐそばにいるのに話しかけることも触れることさえできない。彼女への思いは募るばかりだ。
ホセは家の住人に知られずになんとかコンタクトを取ろうとするのだが......

屋根裏から家の住人をのぞき見する話・・・・というと、江戸川乱歩の短編『屋根裏の散歩者』を思い出してしまうけれど、主人公の執着心、全体に漂う淫靡な香りはあの小説に通じるところもある作品に仕上がっていた。

屋敷の主は、医者夫婦。夫婦には金食い虫の息子がいるんだが、この息子は女グセも悪く、ローザは乱暴されてしまう。しかし、それを助けることもできないホセ。焦燥の日々は続く。
そのうち、夫婦のもうひとりの子供(娘)が離婚して孫たちを連れて出戻ってくる。
それまで安心して使っていられた屋根裏部屋へ孫達が侵入してくる。生活圏を侵され焦るホセ。
そのあげく、屋根裏で物音がするのはネズミのせいだと思った夫婦たちが業者に頼んで殺鼠剤を噴霧したものだから、ホセは生命の危機にまで陥ってしまう。

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そんなこともあり、また数ヶ月に及ぶ屋根裏生活のせいで、身体にだけは自信のあったホセもやせ衰え、目だけがぎらつく亡霊のような姿になってしまう。
そんなホセを熱演しているのはグスタボ・サンチェス・パラという役者さん。

上映後に舞台挨拶に現れたコルデロ監督によると、
「まず、急激なダイエットをしてもらい、超スリムな体型になってもらった。そして、ストーリーとは逆の順番に撮影したんだ」とのこと。
主演女優のマルチナ・ガルシアさんによると、グスタボさんは毎日パイナップルしか口に入れていなかったんだとか。“パイナップル・ダイエット法”は効くってことかな。

そんな努力の甲斐もあってか、その演技には鬼気迫るものがあった。
ただエンディングは、個人的には愛する彼女のためにも別の終わり方をして欲しかったなとは思ったけれど・・・。

日本ではまだ公開されるか、未定のよう。
でも、映画祭で良い評価が得られたら日の目を見ることもありそうだし、そうなることを祈ってます。

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               ちなみに美脚のスレンダー美人、マルチナさんはこんなお顔(↓)です。
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by kiyotayoki | 2009-10-23 10:02 | 映画(か行)