映画の心理プロファイル

東京国際映画祭'09 『石油プラットフォーム』

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今年で22回目を迎えるという東京国際映画祭、
映画が始まる前には「この映画はグリーン電力で上映しています」
とのお知らせが入る。
そのわりに、グリーン電力がどういう形で作られ供給されているのか説明はなかった。
環境への配慮は今や大きな社会的責任の一つだけど、ポーズやお題目で終わらないようにしてもらえるといいんだけどな。

さて、日曜日に鑑賞したコンペティション部門の3作品、
2本目は、環境問題も絡むドキュメンタリーだった。

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タイトルは『石油プラットフォーム』。
(原題:La Cité du Pétrole [Oil Rocks - City Above The Sea])

初めて知ったことだけど、映画によるとカスピ海には“世界最大の人工構造物”があるんだそうな。
それが“オイル・ロックス”と呼ばれる長大な海上石油プラットフォーム群。
何百というプラットフォームが300キロにもわたる橋で繋げられていて、大きなプラットフォームには最高9階建てのビル群や公園、運動場まで造られている。
“世界最大の人工構造物”というと万里の長城を思い浮かべるけど、こんな構造物もあったんだね。

建造が始まったのは、スターリン時代の1949年。以来60年、今もなお操業中なんだそうな。
日本にも石炭掘削のために造られた軍艦島ってのがあるけど、あれが積み木のおもちゃに見えるほどの規模の大きさなのです。
撮影クルーは、許可された短い期間の中で、そこで働く人々を中心にこの長大な構造物を映し出していく。

映画を観て、まず思ったのは、「早く家に帰ってグーグルアースで“オイル・ロックス”の全貌を見てみたい」だった。
あまりにも長大なので、全貌がスクリーンではつかめなかったのだ。

で、さっそく見てみました。それがこの画像。
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画像が切れているところがあって、グーグルアースでもその全貌を見ることはできなかったけれど、
沢山のプラットフォームが橋で繋がっているのは見てとれる。

知らなかったけど、カスピ海には中近東に匹敵するほど石油が埋蔵されているらしい。
調べてみて驚いたのは、19世紀の末、バクー(印)の石油に目をつけて大儲けしたのがダイナマイトの発明で有名なノーベル兄弟だったこと。
ひょっとしてノーベル財団って、オイルマネーをバックにして作られたのかしらん。

レーニンによってソ連邦が立ち上がると、ノーベルは追い出され、ソ連がほぼ独占的に石油開発の権利を握ることになる。
ソ連崩壊後は、カスピ海周辺を取り囲むアゼルバイジャン共和国、イラン・イスラム共和国、カザフスタン共和国、トルクメニスタン、ロシア連邦の五カ国が権利を主張し合ってる。

だけど、長年の石油掘削でカスピ海の環境はかなり深刻な状況になっているようだ。
「閉ざされた海」であるカスピ海では、有害化学物質がすべて海中あるいは海底に蓄積されるんだってね。
そりゃあ深刻な状況になるはずだ。
なのに、米国や日本も石油掘削には絡んでるというから、どこからも非難の声はあがりづらい。
国家間のエゴがカスピ海を死の海へと追いやろうとしているわけです。

これは、チョウザメの漁獲量が減ってキャビアが高くなって食べられないなんて騒いでる場合じゃありませんね((>_<;)。
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by kiyotayoki | 2009-10-21 22:34 | 閑話休題