映画の心理プロファイル

『恋人たちの予感』(1989 米)

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原題:『WHEN HARRY MET SALLY』(96分)
監督:ロブ・ライナー
音楽:ハリー・コニックJr.
出演:ビリー・クリスタル
    メグ・ライアン
    キャリー・フィッシャー

こちらはニューヨークの冬だけでなく四季折々が楽しめる作品です。
というのも、この映画、ハリー(B・クリスタル)とサリー(M・ライアン)がNYに
移り住んでからの11年間を描いたラブストーリーだからです。
といっても2人は最初から恋愛関係にあったわけではありません。
そういう関係になったのは最後の1年位で、それまではつかず離れずの間柄
でした。

人間関係は第一印象が大事だといいますが、2人の互いの第一印象は最悪。
旅費節約のために交代で車を運転しながら生まれ故郷からNYへやってきた
2人は、ワシントンスクエアで別れるまで口論ばかり。特に、
「男と女の間に友情はセックスが介在するかぎりあり得ない」と言い切るハリ
ーのシニカルな物言いには、サリーは心底うんざりした様子。
心理学にも『初頭効果』という用語があり、第一印象がのちのちまで強い影響
力をもつことが様々な心理実験で実証されています。
事実、数年後に空港で偶然再会した時のサリーのハリーに対する態度は相当
よそよそしいものでした。
そんなサリーの心境が変化する時がやってきます。
書店で久しぶりに出会った2人、喫茶店で話をしている内にサリーは
「おやっ?」と思います。というのも、あんなに皮肉屋で言葉にトゲがあった
ハリーがなぜか謙虚なのです。いろんな人生経験をして丸くなった感じ。
思わずサリーは自分から「今度、お食事でも」と、誘いの言葉をかけてしま
います。
この心境の変化は、『新近効果』が生んだものと思われます。
これは、新しい情報のほうが強い印象を与え、それまでのイメージが一変して
しまう現象をいいます。

恋をした人の中には、
「初めて会ったときは下ネタばかり連発して下品な人って思ってたけど、
次に会ったら案外マジメな人だったんで、なんだか好きになっちゃったの」
などと言う人がよくいます。これこそ『新近効果』。
ですから、第一印象で失敗したとしても、恋をあきらめるのは早計。
次に会ったときに、初回とはまったく違った態度でのぞめば『新近効果』が
働いて、恋をゲットできるかもしれないんですから。
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by kiyotayoki | 2004-08-25 15:34 | 映画(か行)