「ほっ」と。キャンペーン

映画の心理プロファイル

『普通じゃない』(1997 米)

a0037414_912432.jpg
原題:『A LIFE LESS ORDINARY』(103分)
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー
    キャメロン・ディアス
    ホリー・ハンター
    デルロイ・リンドー
    イアン・ホルム

イギリスの俳優さんが多いなと思ったら、ダニー・ボイルって「トレインスポッテング」の監督さんだったんですね。
どおりでちょっとオフビートなロマンティックコメディに仕上がっています。 

主人公のロバート(E・マクレガー)は小説家を夢見る青年。
でも現実は厳しく、今の職業は大企業のビルの清掃人。
ところが清掃にロボットを導入することになり、ロバートはあえなくクビ。
それに抗議するためロバートは社長室に乗り込みますが、あっという間に警備員に取り囲まれ、たまたま居合わせた社長令嬢セリーン(C・ディアス)を人質にとって逃げ出すハメに。

とまあ、ひょんなことから誘拐犯になってしまったロバートは、一筋縄ではいかないワガママお嬢様に振り回されながらも、
誘拐犯の務めを果たすために社長に身代金を要求します。
お話は、これに天からつかわされた男女の天使コンビが絡んで、こけつまろぴつ恋の大団円に向かって突き進んで行きます。

それにしても夢見る青年ロバートには、超ワガママお嬢様セリーンは荷が重すぎました。
せっかくロバートが作った手料理はなんだかんだと文句を言って手をつけないし、身代金の要求の仕方にまでダメだしをする。
おまけに酒の飲み比べでも口論でもロバートを簡単に負かしてしまいます。
たとえばこんな感じ。
「もし私が歯科医の彼と寝たとしてもなたに何の関係があるの」
「う・・・・」
「私たちの間に何かある?」
「・・・もしかしたらいい関係になれるかも」
「じゃ、どうしたいの、私にプロポーズでもする?」
「そんなこと・・・」
「考えてたくせに」
「・・・ちょっとね」
「ほらね、やめて!」
「わ、わかった、しないよ」
こんな具合ですから、ロバートは自分がどうすればいいのか、
彼女に対する自分の気持ちをどう整理すればいいのかわからなくなってしまいます。
心理学的に言えば、彼は『ダブルバインド(二重拘束)』状態になってしまったのです。
人は「好き」と「嫌い」という矛盾した情報を与えられると、混乱して思考停止(お手上げ)状態に陥りがちなのです。
この心理状態は、恋人に暴力をふるわれても別れられない人の心理と同じ。
暴力をふるわれても、翌日「悪かった、俺はお前がいないとダメなんだ」と平謝りされると、
相反する相手の感情に拘束されてどうしていいのかわらなくなり、ずるずると関係を続けてしまいがちなんですね。
一方、セリーンのほうもちょっと屈折しています。
ロバートのことを好きになってるのに、素直に好きと言えず、かえっていじめてしまうのです。
そんな心理を『反動形成』といます。好きな女の子のスカートをめくっちゃう男の子の心理と同じかな。

そんな2人の恋の行方は、さて如何に。
[PR]
by kiyotayoki | 2004-09-04 09:11 | 映画(は行)