『お熱いのがお好き』(1959 米)
『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』
その感動を味わいたくて、府中へGO♪
この映画祭は「世紀の傑作外国映画を、全国の大スクリーンで」と銘打って
全国のTOHOシネマズ25劇場で始まったもの。
1950年~70年を中心に、歴史に残る洋画の傑作娯楽映画50本を、1年間にわたり連続上映するという嬉しい企画。
観たのは、子供の頃から大好きな1本『お熱いのがお好き』。
原題:『SOME LIKE IT HOT』(121分)
監督・脚本:ビリー・ワイルダー
原作:R・ソーレン
音楽:アドルフ・ドイッチ
出演:ジャック・レモン
トニー・カーティス
マリリン・モンロー
実は、六本木でやっている『ショーシャンクの空に』とどっちにしようか迷ったのだけれど、
『お熱いのがお好き』は午後4時からもやっている!というのが決め手となって、東京の郊外・府中まで準急に乗って行ってまいりました。
無理して行ってよかった♪
この映画、何回か観ているけれど、すべてテレビで途中にはCMが入ってた。
それを最初から通しで、しかも大スクリーンで観ることができたんだもの。
それにこの映画、有名なセントバレンタインデーの虐殺(1929.2.14)に似せたエピソードがきっかけで物語が展開していくので、この時期に観るにはピッタリなんだね。
主人公は、マフィアによる虐殺現場を目撃してしまったばかりに女の子だけのバンドに女装して潜り込みシカゴを逃げ出した二人のバンドマン。扮しているのは、大好きなジャック・レモンと、今もご健在のトニー・カーティス(84才だって!)。2人は同い年なんだな。
今回、ちょっと驚いたのはトニー・カーティスの身の軽さ。今ならスタントマンがやりそうなことを軽々とこなしてる(昔は当たり前だったのかな?)♪
2人の女装も笑えるけれど、脚本(ビリー・ワイルダーとI・A・L・ダイアモンドの共作)が上手いから掛け合いだけでも笑えちゃう。
しかもお話はテンポがいいし転換も鮮やかで無駄もない。さすがビリー・ワイルダー監督♪
女性だけのバンドに潜り込んで、いきなり2人が目をつけたのがマリリン・モンロー扮するシュガー。
バンドでの彼女のパートはウクレレなんだけど、それはお飾り(^^。担当するのはもっぱらボーカルなので、彼女の歌声を堪能できるのもこの映画のいいところ。あの有名なナンバー「I Wanna Be Loved by You」(ププッピドゥー♪ってやつ!)も聴けます♪
そして、ジャック・レモンファンには堪らないシーンがやってくる。
レモン扮するダフネがモンロー扮するシュガーと寝台列車の狭いベッドで添い寝をするシーンだ。
マリリンみたいな女の子にピタッとくっついてこられて、ウィスパーボイスで甘い吐息を吹きかけられたら、そりゃあどんな男だって全身いきり立っちゃう。だけど、男だとバレちゃいけないから「俺は女だ、女だ」って必死に自分に言い聞かせて我慢するレモン。
その必死の様は、何度見ても笑えちゃう。
寒さと暗さに沈むシカゴから、一転フロリダの太陽の下に舞台を移して進むという転換の妙もあって、2時間はアッという間。
だけど、今回調べてみて「へえ~」と思ったのは、フロリダのホテルだと思ってたらカリフォルニアのサンディエゴのホテルだったみたいね、撮影地。
それはそれ、オーストリアからナチスの迫害を逃れて亡命してきたビリー・ワイルダー監督だけあって、さりげなく母国の偉人フロイト博士の名前を出すシーンがあったりと、新しい発見もあって十二分に楽しんだ2時間でした。
今どきの映画はエンドロールがやたらと長いので、それが無い!というのもとっても新鮮でしたよ。
料金も千円だし、また行ってみたいな、『午前十時の映画祭』♪