映画の心理プロファイル

カテゴリ:映画(か行)( 116 )

『ゲット・スマート』(2008 米 )

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原題:『GET SMART』(111分)
監督:ピーター・シーガル
脚本:トム・J・アッスル マット・エンバー
ブライアン・シンガー
音楽:トレバー・ラビン
出演:スティーヴ・カレル
    アン・ハサウェイ
    ドゥエイン・ジョンソン
    アラン・アーキン
    テレンス・スタンプ  
    マシ・オカ
    ジェームズ・カーン
    ビル・マーレイ

東西冷戦の象徴、ベルリンの壁が築かれたのが1961年。
そのせいもあってだろう、僕が少年時代を過ごした1960年代は『007』を筆頭にスパイ映画全盛の時代だった。
だけど、難しい政治の話はよくわからないし、映画はそう行けるものでもない。
というわけで、もっぱら見ていたのはTVでやってるスパイドラマ。
『0011 ナポレオン・ソロ』や、そのスピンオフ『0022アンクルの女』、英国製の『プリズナーNO.6』、そして『スパイ大作戦』・・・
そういった番組を姉貴と一緒に夢中になってみてた。

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そんな番組の中で、異彩を放っていたのが『それいけスマート』
スパイドラマのスプーフ(冗談・戯画)モノで、放映時間は30分。
そんな短い時間にパロディやギャグが詰まってて、これまた毎週楽しみにしておりました。

何をやっても、その行動がドジな結果を生んでしまうマクスウェル・スマート(ドン・アダムス)はスパイ組織「コントロール」の一員で、コードネームは86号。
そんな男が美人だけど少しおっちょこちょいのエージェント99号(バーバラ・フェルドン)と組んで、世界征服を企てる秘密結社ケイオスの陰謀と戦う、というお話。

その劇場版リメイク作が公開中だというので、昨日観てきた。

TV版で今でも覚えてるのはオープニング。
勇ましげなテーマ曲が流れる中、コントロールの本部にオープンカーで乗りつけたスマートは、縦や横に開くドアをいくつも抜けて電話ボックスに入る。すると、電話ボックスの底が抜けて、スマートはアッという間に地下の本部に運ばれちゃう。
嬉しや、それが映画でもそのまま再現されていた♪

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ただ、冷戦が終わった後、コントロールは名目上解散したことになっていて、
スマートたちが使っていたスパイ道具、スポーツカーや靴型携帯電話(左上の画像♪)などは冷戦時代の珍遺産として博物館に展示されてる(その博物館の地下がコントロールの秘密本部になってるんだけどネ^^ゞ)。

後半、スマートはその懐かしのスパイ道具を使って大活躍することになるんだけど、
左の写真を見ると、靴型携帯電話を使いながら移動するときは、片方は靴下のみで歩かなきゃならないのね、当然だけど(^^;

さすがに映画版だけあって、チープさはない。
お金も潤沢に使われている。
出演陣も豪華だ。
相変わらずいい味出してるスティーヴ・カレルはもちろん、
99号に扮するアン・ハサウェイも、今まではお人形さん的であまり好みではなかったんだけれど、今回ちょっと見直したな。
上司役は、『リトル・ミス・サンシャイン』(2006)でカレルと共演済みのアラン・アーキン。
敵役は、終始表情を変えないテレンス・スタンプ。他にも、大統領役に、ジェームズ・カーン。
孤独な連絡員13号役でビル・マーレイがカメオ出演してくれたりと、いろいろと楽しませてくれる。

スパイ映画のパロディも満載でそちらも楽しめる。
ただ、この類の映画の宿命だけど、お話は継ぎ接ぎだらけにならざるを得ないんだね、やっぱり。
それに、笑わせて欲しいところでギャグが滑る滑る(^^;。

あと、『ヒーローズ』のマシ・オカさんは、どうも苦手な俳優さんだということを
今回、再認識してしまいました(^~^;。

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by kiyotayoki | 2008-11-04 13:06 | 映画(か行)

『クワイエットルームにようこそ』(2007 日)

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監督・原作・脚本:松尾スズキ
主題歌:LOVES『Naked Me』
出演:内田有紀
    宮藤官九郎
    蒼井 優
    りょう
    平岩 紙
    大竹しのぶ

予告編の印象が強かったので、軽いノリのコメディ映画なのかなと思っていたら、案外、ホネのある作品だった。

冒頭に大きな謎をどーんと提示して、そこから始まる迷路に主人公と観客を誘い込んで、惑わせ驚かせながら少しずつ謎を解く鍵を拾わせていく構成はまさにサスペンス映画の手法だ。
それだけに、見始めたら目が離せなくなる映画ではありました。

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フリーライターの佐倉明日香(内田有紀)は、ある日目覚めると、見たことのない白い部屋でベッドに縛りつけられている自分に気づく。そこは、精神科の女子閉鎖病棟の中にある通称クワイエットルームと呼ばれる保護室だった。
なぜ私はこんなところに?どうして縛られてるの?自分ではそれが思い出せない。
これが大きな謎。

「ど」がつくほどクールな看護士(りょう)の説明で、自分が薬とアルコールのオーバードーズ(過剰摂取)で昏睡状態となり、ここに運ばれて来たことは判明する。
それでも、なぜ拘束までされているのかがわからない。
どうやら、自殺の危険性があると判断されたようなのだが、自殺なんてこれっぽっちも考えたことがないと思っている明日香にはどうにも合点がいかない。

なんとか拘束生活からは解放された明日香だったけれど、精神科の閉鎖病棟だけに周りにいるのは精神面に難しい問題を抱えた患者たちばかり。
洋画ファンなら、ここで名作『カッコーの巣の上で』(1975)や『17才のカルテ』(1999)を思い浮かべた人も多いことだろう。

ボタンの掛け違いは、明日香が自分は正常だと思っていたこと。
ところがどうもそうじゃなかったことが、患者や看護士、そして同棲中だった鉄雄
(宮藤官九郎)との会話の中から明らかにされていく。
その事実が、あちこちに散りばめられたスラップスティックなギャグに
ナハハと笑っているうちに突きつけられるのがちょっと怖い(っていうか、この監督の手練れなところかな)。

そして、そもそも正常って?異常って?その境目ってあるの?
そんな素朴な疑問が次々にわいてくる映画でもありました。
一応、正常な人間の部類に入る放送作家の鉄雄やその弟子(妻夫木聡)のほうがよっぽど壊れてる感じがするし(^^;。
心の闇となんとか折り合いをつけながら、自分の属する社会にしがみついていられる間は“正常”と認定してもらえるのかなぁ。

主役の内田有紀の体当たりの演技は、思いの外よかった。
摂食障害の女性を演じた蒼井優、ほのぼのナース山岸役の平岩紙、
過食症の中年女役の大竹しのぶといった面々もその個性が光ってた。

そんな中、セリフらしいセリフもないのに何気に目立っていたのが、
ホンモノ(!?)な感じのする箕輪はるかでありました(^^ゞ。

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by kiyotayoki | 2008-10-19 10:47 | 映画(か行)

『カーズ』(2006 米)

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原題:『CARS』(122分)
監督:ジョン・ラセター
脚本:ジョン・ラセター、ドン・レイク
音楽:ランディ・ニューマン
声の出演:オーウェン・ウィルソン
       ポール・ニューマン
       ボニー・ハント 他

ポール・ニューマンが声で出演した『カーズ』をやっと観た。
録画したまま、なんとなく見そびれていた作品。
ポールさんが思い出させてくれた。
(実は数日前、近いうちに観ようと思ってTVのそばに置いていたのです。これって「シンクロニシティ=意味のある偶然」ってやつかしらん^^;)

いやあ、ピクサーのアニメにハズレなしだなぁと、また実感させられました。
子供はもちろん喜ぶけど、大人がもっと喜ぶようなつくりになってるんだな、ピクサーのアニメって。
今回もクルマ好きで「ルート66」を知ってる世代には嬉しい内容になってる。
とにかく、どんなところも手抜きをしないし、隅々にまでユーモアを忘れない。
泣かせどころもちゃんと心得てる。
だから、見る側だけでなく、声をあてる側も役を思い切り楽しんでいる感じがする。

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特に、ポール・ニューマン。
citydeさんも書いてくださったけれど、
まるで、氏のためにあつらえたような役だから、
声をあてている時は、歳を忘れられたんじゃないだろうか。
実は、これを観るまでは、最後の作品がアニメというのはどうもなぁ・・・と思っていたんだけれど、この作品が最後で幸せだったかもと思い直したくらいだった。
アニメらしくステレオタイプなキャラが多い中、ニューマン演じるドク・ハドソンはわりと陰のある複雑なキャラクターだったし。ニューマンみたいに、いくつになってもいい意味の“悪ガキ”の部分を残した役だったから。

左の画像は、今年の3月、インディ・カーレースでのスナップらしい。
自分もオーナーの1人であるレースカーをピットから観戦中のポールさん。
最後まで、クルマへの情熱は衰えることがなかったんだね。


造形で面白いのは、擬人化されている車たちの目の位置かな。
普通は、なんとなくそれらしく見えるライトを目にしてしまいそうなところだけれど、
このアニメでは目がフロントガラスにある。
考えてみると、車にとって目の役割を果たしているのは運転してるドライバーだから、
フロントガラスに目があるのは当然なんだろうね。

舞台は、高速道路のせいで置き去りにされた田舎町ラジエーター・スプリングス。
ボクの田舎(熊本)も今、新幹線の工事が急ピッチで進められているせいか他人事じゃなかった(^^;
主人公のライトニング・マックィーンはこの町に迷い込んだおかげで、自己チュウそのものだったクルマとしての生き方を劇的に変える体験をすることになる。


劇中、車の形をした小さな虫がブンブン飛んでるから、何だろうと思っていたら、
あ、そういうことだったんだ(^~^

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by kiyotayoki | 2008-09-30 10:01 | 映画(か行)

『キンキーブーツ』(2005 米・英)

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原題:『KINKY BOOTS』(107分)
監督:ジュリアン・ジャロルド
脚本:ジェフ・ディーン他
音楽:エイドリアン・ジョンストン
出演:ジョエル・エドガートン
    キウェテル・イジョフォー
    サラ=ジェシカ・ポッツ

知らなかったけど、この映画の舞台となる英国のノーサンプトンという街は、20世紀の前半くらいまでは靴の都といわれて、靴工場や高級靴店が軒を並べていたんだそうな。
安価な大量生産品が出回るようになってからは、街は見る影もなく廃れてしまったようだけど、この映画に出てくる靴工場もかなり傾きかけています。もう倒産寸前。

父親の急死で、そんな靴工場を相続してしまった優柔不断な男が、ひょんなことからドラッグクイーンと二人三脚で工場の再生に奮闘する姿を描いた英国産ハートフル・コメディ。実話がもとになってるんだって。
こういう斜陽の町のワーキングクラスの群像劇はイギリス映画の得意とするところ♪

工場の復興をかけて主人公が作ろうと思い立ったのは、
男性用、それもドラッグクイーン用の風俗ブーツ、キンキー・ブーツ
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そのヒントをくれ、デザイナーも買って出てくれるドラッグクイーンを演じるのは、キウェテル・イジョフォー。この人、最近では『アメリカン・ギャングスター』にも出ていたけど、とにかく芸域の広い人。しかも印象に残る演技で魅せてくれる。

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それに比べると、主人公を演じるジョエル・エドガートンは、いかにも田舎の木訥な青年って感じ。こんなに印象が薄くて、これからやっていけるのかなと心配になるほどだったけど、いやいや、さすが役者です。
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『スモーキン・エース』(2006)では、まったく違う個性的な役柄(あっという間に殺し屋に殺されちゃうんだけど、顔型をとられて殺し屋がその男に成り代わるという役)でびっくり!


英国製ドラマの登場人物は、至言・名言もよく吐く。
この映画の中にもこんなセリフがあった。


「人が何を成し得たかは、他の人の心に何を残したかで測るべきよ」


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by kiyotayoki | 2008-04-24 15:08 | 映画(か行)

『クローバーフィールド/HAKAISHA』(2008 米)

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原題:『CLOVERFIELD』(85分)
監督:マット・リーガス
製作:J・J・エイブラムス
脚本:ドリュー・ゴダード
出演:マイケル・スタール・デヴィッド
    オデット・ユーストマン

巨大で強大な破壊者が街を蹂躙する映画は数多あるけれど、ここまで徹底して蹂躙される側の視点で描かれた映画はなかったかも。

情報を小出しにすることで、噂が噂を呼んで話題になっていた映画、やっと観てまいりました。
話題になってたわりには、お客の入りは大したことなかったけれど(^^;。
この映画のファンは、もうとっくの昔に観ちゃってるんだろうね。

映画の発想の原点は、やっぱりアメリカ人の心に染みついた9.11の恐怖があるんだろうな。
それまで、アメリカは攻撃・空爆することはあっても、されることはほとんどなかっただろうから、される側の恐怖を味わうことも、想像することもなかっただろう。
でも、あの出来事で被害者になることにリアリティが生まれたんじゃないだろうか。

突然の惨劇に見舞われた人間は、それにどう対処するか、できるのか。
それが臨場感たっぷりに描かれている。
徹底して被害者の視点で描くことを可能にしたのは、映像がすべて被害者が手にしているムービーカメラで写されたものだから。
その手法は、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』で試されているし目新しくはないんだけれど。そのために疑似ドキュメンタリー風になっているところも同じだ。
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巨大な破壊者からすれば、人間なんて地面にへばりついて生きている蟻の群のようなもの。
二次元世界に住んでいるようなものだから、突然、三次元世界から現れた怪物に唖然・呆然としちゃう。全体像が見えないんだから、無理もないよね。
何か大変なことが起きてるんだけど、何が襲ってきているのか、事態をどう解釈して、どっちへどう逃げればいいのかわからない。
その混乱ぶりが、ブレた映像となってスクリーンに映し出される。
そのうち、どーん、どどんと、物体が放物線を描いて飛んできたかと思ったら、それがなんと自由の女神の首だったりするもんだから、もう辺りは茫然自失。大パニックに陥っちゃう。
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『ブレア・ウィッチ~』同様、夜の闇が不安と恐怖をよりかきたてている。
不安と恐怖の違いは、前者が「持続的」であるのに対して、後者は「瞬間的」であるということ。
観客を持続的に不安にさせるには、延々と続く夜の闇が効果的なわけですね。
違う点は、特撮にそれなりにお金が使われていること。
だから、モンスター・パニック映画としても十分楽しめる。
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うまいな、と思ったのは、撮影に使われているビデオテープ(ディスク?)が一度録画されたものであること。重ね撮りをしているので、時々、映像と映像のあいだに以前録画された映像がチラッと映ったりする。その断片的な映像がいかにものどかでハッピーなだけに、登場人物たちに降りかかる災難が余計悲惨に、無情に思えてしまう仕掛けになっている。
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それにしても、登場人物たちが手にしているムービーカメラはタフです。
どんなに過酷に扱っても壊れないし、長時間使ってもバッテリー切れしない。

メーカーは、どこだろ(^~^。
   
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by kiyotayoki | 2008-04-19 17:01 | 映画(か行)

『クイーン・メリー号襲撃』(1966 米)

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原題:『ASSAULT ON A QUEEN』(107分)
監督:ジャック・ドノヒュー
原作:ジャック・フィニイ
脚本:ロッド・サーリング
音楽:デューク・エリントン
出演:フランク・シナトラ
    ヴィルナ・リージ
    トニー・フランシオサ
    リチャード・コンテ

こないだ、うちの両親が南太平洋クルーズの旅に出ているという記事を書いた時、
あ、そういえば・・・
と、思い出した映画。
フランク・シナトラ、50歳時の海洋アクションです。

大昔にTVの洋画劇場で観たっきりなので、大まかなストーリーしか覚えていないんだけど、しっかり覚えているのは、
一攫千金を夢見る男たちが襲うのが英国の豪華客船クイーン・メリー号であること。
そして、襲うために彼らが用意したのが、わざわざ海底から引き上げて改修したUボートであるってこと。
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Uボートが登場する映画といえば、
まず思い出すのが名作『眼下の敵』(1957)。
それから、個人的には『マーフィの戦い』(1971)。
最近では『U-571』(2000)って作品もありました。
でも、それらは戦争中の映画。
こちらは、戦争が終わってから20年もたってからのお話。
なのになぜUボートなの?
ってところが興味を引く映画でした。
でも、肝心の「なぜ」ってところをよく覚えていないのです( ̄x ̄;トホホ。
テレビでやるとは思えないし、これはジャック・フィニイの原作を読むしかないかな。

部分的にすごく印象に残っているのは、
Uボートを英国潜水艦に偽装し、英国海軍士官に扮してクイーン・メリー号に乗り込んだ主人公たちとQM号船長とのやりとり。トニー・フランシオサ扮する若造のしゃべりを聞いて、QM号の船長がおもむろにこう言うのです。

「君はイギリス人ではないね」
「・・・(゚д゚;)」
「言葉にカナダなまりがある」

中学時代の英語教師が英国式の自分の発音を自慢する人だったせいか、妙にこのセリフが頭に残ってるんだなぁ。
妙に印象に残っているのは、その頃の英語に対するコンプレックスと記憶が絡み合ってるせいかもしれません(^~^;

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                    紅一点のヴィルナ・リージ

 
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by kiyotayoki | 2008-01-25 20:11 | 映画(か行)

『キャリー』(1976 米)

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原題:『carrie』(98分)
監督:ブライアン・デ・パルマ
原作:スティーヴン・キング
脚本:ローレンス・D・コーエン
音楽:ピノ・ドナッジオ
出演:シシー・スペイセク
    パイパー・ローリー
    ウィリアム・カット
    ナンシー・アレン
    ジョン・トラヴォルタ
    エイミー・アーヴィング

ボー・BJ・ジングルズさんの記事を読んで以来、久しぶりに観てみたいなぁと思っていたこの作品、WOWOWでやってくれたので、やっと念願が叶いました♪

なにしろ映画館で観たのは30年前。前半部分はすっかり失念しておりました(^^;。
ひゃあ、オープニングにこんなシャワーシーンがあったんだっけ。
湯煙の中で、体育の授業を終えた女子高生たちがキャアキャア嬌声をあげながらシャワーを浴び、着替えるシーンが延々と映し出されます。
そんな喧噪から逃れるように、離れたところでひとり黙々とシャワーを浴びるキャリー。
というのも、彼女は同級生たちから鼻つまみもの扱いされているから。
洋の東西を問わず“いじめ”ってのは厳然としてあるのね。
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と、突然、キャリーが悲鳴をあげる。
何事かと思いきや、キャリー、17歳にして初潮を迎えてしまったのでした。
ここぞとばかりに嘲り、はやし立てる同級生たち。
なるほど、このシーンはキャリーの人となりと、同級生たちとの関係性を表現するには無くてはならないものだったのね(^~^。
それにしても、当時新人だったナンシー・アレンの脱ぎっぷりはお見事。

考えてみたら、シャワーシーンは敬愛するヒッチコック監督へのデ・パルマ監督なりのオマージュでもあったんでしょうね。
しかも、キャリーが通う高校の名前が「ベイツ高校」ときた。これも、もちろん『サイコ』の舞台となるベイツ・モーテルのもじり。キンキンと鳴り響く効果音も、いかにも『サイコ』っぽい(^^。
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しかもキャリーは、『サイコ』の主人公ノーマン同様、母親の呪縛に囚われてる。
この母親を演じている女優パイパー・ローリー、どこかで見たことがあるなと思ったら、『ツインピークス』のあの変なおばさんだったんだね。

ノーマンと違うのは、彼女には怒りを引き金として念動力(サイコキネシス)を発揮する力があること。その力がクライマックスのプロムの夜の惨劇を生み出すことになっちゃうんですね。
画面分割を多用して描かれるそのクライマックスは今見ても十分迫力がありました。
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共演してるウィリアム・カット、懐かしい~。
彼の主演した『ビッグ・ウェンズデー』を観て、サーフィンに憧れたもんなぁ。
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いじめっ子ナンシー・アレンの彼氏を演じるジョン・トラヴォルタも若い若い。
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幸せの絶頂からいきなり不幸の極みへと突き落とされる可哀想なキャリーをシシー・スペイセクが見事に演じきってるこの作品。未見の方にぜひそのさわりでも味わってもらいたいと思い、最近やたらとお世話になってるYouTubeで探してみたら、ありました、ありました、予告編♪

予告編


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by kiyotayoki | 2007-12-06 21:20 | 映画(か行)

『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』(1989 米)

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原題:『THE FABULOUS BAKER BOYS』
(109分)
監督・脚本:スティーヴ・クローヴス
音楽:デイヴ・グルーシン
出演:ミシェル・ファイファー
    ジェフ・ブリッジス
    ボー・ブリッジス

以前、TVで中途半端に見たことはあったけど、しっかり観たのは今回が初めて。

最近、注目されている若手のピアノ・デュオに『レ・フレール』という兄弟ユニット(斉藤兄弟)がいるけれど、この映画の主人公の2人も兄弟でユニットを組んでいるピアノ奏者です。
演じているのは、実の兄弟でもあるボー・ブリッジスとジェフ・ブリッジス。

カメラはピアノを弾く2人、特にジェフ・ブリッジスの手元をしっかり映してる。それを見る限り、本人が弾いてるとしか思えない。もしかしたら、2人共、ピアノの心得がかなりあるのかも。
ジャズピアニストとしても知られるデイヴ・グルーシンが音楽を担当しているだけに、思わずサウンドトラックを買いたくなっちゃった。

フランクとジャックは11歳と7歳でピアノを弾き始め、プロになってもう15年というベテランピアノデュオ。ピアノの才能は断然、弟のジャックが上。だけどマネージメント(世渡り)としゃべりは兄のフランクがいないとどうにもならない。
というわけで、2人は互いをなくてはならないパートナーとして認め合い、これまでやってきた。
が、人気はジリ貧。ピアノデュオという当初の物珍しさもなくなり、フランクのワンパターンのしゃべりに反応する客もあまりおらず、クラブのオーナーから契約の打ち切りを告げられることもしばしば。

やむなく2人がとった起死回生の手が、女性ヴォーカルの起用でした。
場末の稽古場でやったオーディションの、最後の38人目にやってきたのがミシェル・ファイファー扮するスージー。そこで彼女が歌ったのは、「more than you know」。
ミシェル・ファイファーの歌声を聴いたのは先日観た『ヘアスプレー』に続き2度目(『グリース2』でも自慢の歌声を披露してるようだけど、未見)。
何曲も歌ってくれていますが、特に印象に残ったのはエンディングで流れた
My Funny valentine」かな(^~^。
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この女性ヴォーカル起用が当たって、一気に人気が回復。高級ホテルに招かれてステージをこなすまでになる。そこでも拍手喝采。
だけど、絶頂期は長くは続かない。原因はジャックとスージーが恋に落ちたせい。
それでも、ちゃんと落ちれば何とかなったのに、ジャックはスージーの思いを受け止められない。それを敏感に察知したスージーも思いとどまってしまう。2人とも、恋で満たされた経験がなかったのかも。だから、不安が先に立ってしまう。
そんな時こそ「more than you know」が歌えればよかったのにね。
「あなたが思う以上に、私は心からあなたを愛してる♪」ってラブソングだもの。

そのうちスージーにCMの仕事が舞い込み、グループは解散の憂き目に・・・。
ジャックとフランクのステージは華を失って一気に色褪せ、以前より悲惨な状態に。
“FABULOUS(素晴らしい)”とは到底形容しがたいステージになってしまうのでした。
嗚呼・・・。

“FABULOUS”とは言い難い不器用な大人の恋の物語・・・。
でも、後味は悪くはありません。
そういえば、ジャズの名曲にも、不器用な恋をうたった歌が多い気がします。
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by kiyotayoki | 2007-11-22 19:00 | 映画(か行)

『恋人はゴースト』(2005 米)

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原題:『JUST LIKE HEAVEN』(95分)
監督:マーク・ウォーターズ
原作:マルク・レヴィ
脚本:ピーター・トラン他
音楽:ロルフ・ケント
出演:リース・ウィザースプーン
    マーク・ラファロ
    ジョン・ヘダー

オープニングにかかるのはザ・キュアーのヒットナンバー「JUST LIKE HEAVEN」。この作品の原題にもなってる。歌っているのはグルジア出身の歌姫ケイティ・メルア
その透明感のあるキュートな歌声に、いい気持ちでたゆたっていた主人公がハッと目を覚ますところから物語はスタートします。

リース・ウィザースプーン得意のラブコメ。今回は、ファンタジーで味付けされています。
日本語タイトルからも想像できるけど、ゴーストを恋人にしてしまうお話。なにせ相手が迷える霊魂だから触れ合うことさえできない。もどかしくも切ない恋。
この手のお話は人の心をつかむ力があるようで、昔から手をかえ品をかえ作られてる。
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たとえば、『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990)。
タイトルも似てるけど、内容的にも似てるところがある。たとえば『ゴースト』に出てきた霊媒師オダ・メイ(W・ゴールドバーグ)みたいな役どころで、霊が見えるオカルト書店の店員が出てくるし。演じているのは、『バス男』のジョン・ヘダー(以前Ruijiさんが注目されておりました)。
  ※オカルト書店の名は「ABANDONED PLANET」
   といって、サンフランシスコに実在しているみたいです。

ただ、『ゴースト』は男が死んで霊魂になっちゃうんだけど、こちらは逆で、さまよえる霊になるのは女のほう。
それに、正確にいうと彼女は死んではいない。
交通事故に遭い、植物人間状態で入院しているのです。
なのに、霊魂(生き霊)だけは愛着のあるアパートメントの自分の部屋に戻ってきちゃった。
でも、そこにはもう新しい住人がいたものだから、さあ大変。

普通、霊魂というのは実体がないから、人間の目には見えないというのが相場。
ところが、新しい住人になったデヴィッドにだけはなぜか彼女(生き霊)の姿が見えちゃう。
その謎(ってほどのものじゃありませんけど)は、映画を観ていくうちにだんだんわかってくる仕掛けになっております。

「あんた何者?なんで私の家にいるの。早く出てって!」
生き霊のエリザベスにすごい剣幕でまくし立てられて、混乱するデヴィッド。

面白いのは、このお話の中では霊魂は体から抜け出る時、記憶をなくしてしまうという不文律があること(体内に戻る時も!)。肉体から抜け出た魂は、もう次の転生に向けての準備を始めちゃうってことでありましょうか。
映画を見ると、執着心のない記憶ほど消えちゃってる。
自分が医者であることも忘れてた。
恋もせず、仕事ひと筋に生きてきたエリザベスだったけど、覚えていたのは安らげる自分の部屋だけだったというのは皮肉だけど十分あり得る話だなと思いましたよ。
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そんなだから、やっと自分が実体のない霊魂だと知ったエリザベスは、まず自分探しをしなきゃならないハメになる。それに協力することに生き甲斐を感じ始めるデヴィッド。
そんなふたりに恋心が芽生えても不思議じゃありませんよね。ラブコメだし(^^

ネックは、エリザベスの肉体がこの3ヶ月、生命維持装置なしでは呼吸もままならない状態であること。しかも、病院側は生前、エリザベスが延命措置に反対していたという事実を実の姉に突きつけて、生命維持装置を外すように迫ってくる。

さあて、エリザベスの運命は・・・。
そして、触れ合うことさえできないふたりの恋は成就するのでありましょうか?!

・・・と、結構楽しく観ることができたのに、この映画って日本では未公開だったんだね。
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by kiyotayoki | 2007-11-14 18:15 | 映画(か行)

『グッド・シェパード』(2006 米)

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原題:『THE GOOD SHEPHERD』(167分)
監督:ロバート・デ・ニーロ
製作総指揮:F・F・コッポラ
脚本:エリック・ロス
出演:マット・デイモン
    アンジェリーナ・ジョリー
    アレック・ボールドウィン
    ロバート・デ・ニーロ
    ウィリアム・ハート
    ジョン・タートゥーロ
    ジョー・ペシ

2時間47分・・・、それほど長くは感じなかったものの、しかめっ面のマット・デイモンをこんなに長くは見たくなかったなぁ。

物語は重厚。
ストーリー展開も、CIAの誕生時からキューバ危機に至るまでの、あまり知られていない出来事なので興味津々。
出演者も長編にふさわしい顔ぶれで申し分なし。


・・・と、いいこと尽くめのようだけど、なんか物足りないまま終わった感じ。
なぜかしらん。
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by kiyotayoki | 2007-11-09 09:39 | 映画(か行)