映画の心理プロファイル

カテゴリ:映画(あ行)( 109 )

『インポッシブル』(2012 西・米)

出だしから黒いスクリーンには“Based on a true story”という文字が浮かび上がる。
そして聞こえ始める地響きのような音。
これは、2004年に起きたスマトラ島沖地震による津波に巻き込まれたスペイン人一家の実話
を基にした映画。

あの3.11から2年半近く経ったとはいえ、津波の恐怖をここまで克明に描いた映画の公開には
配給サイドでも少なからず戸惑いはあっただろうな。

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原題:『THE IMPOSSIBLE』(114分)
監督:J・A・バヨナ
原作:マリア・ベロン
脚本:セルヒオ・G・サンチェス
音楽:フェルナンド・ベラスケス
出演:ユアン・マクレガー
    ナオミ・ワッツ
    トム・ホランド

オープニングで聞こえた地響きのような音は、実は旅客機の飛行音で、ちょっとホッ。
いきなり地震や津波のシーンから始まったらやはり辛いものね。
スクリーンには長閑な海のリゾート地が映し出される。
舞台となるタイのカオラックはアンダマン海を望むビーチリゾート。日本人に馴染みのあるプーケット島の北に位置していて、特に西ヨーロッパの観光客に人気のスポットらしい。
そこへ、クリスマス休暇を利用してベネット夫妻と3人の息子たちがやってくる。

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5人は、恐怖のカウントダウンが始まっているのも知らず、クリスマスを祝い、バカンスを楽しむ。
そして、運命の26日の朝を迎えるのだけれど、実は観ているこっちも虚を突かれてしまった。
というのも、津波の前には当然“地震の模様”が描かれると思っていたからだ。
ところが津波は、地震という前触れもなく突然襲ってくる。
なぜ?
その疑問は、帰って調べてみるまで未解明のままだった。

なんとカオラックなどアンダマン海に面したリゾートを津波が襲ったのは、
地震発生(マグニチュード9.1)から約2時間半も後だったらしいのだ。
早朝の地震で、しかも発生から随分と時間が経っていたので油断したんだろうか。
それとも津波がどんなものかという予備知識がなかったのか?
それとも、実は僕自身がそうだったけれど、津波を軽く考えていたのか?

とにかく突然の津波に抗うすべもなく家族はのみ込まれてしまう。
その描写は凄まじい。
起きたのが熱帯のビーチだけに、流されていく人々は肌を露わにしている。
そんな無防備な肉体を襲う津波の威力は容赦がなく痛々しいのだ。
瓦礫にむき出しの太腿を深くえぐられながらも、母親として気丈に振る舞おうとする母。
その母と一緒にやっとのことで津波から逃れた長男は、母の痛々しい姿を直視できない。
前半はこの二人がいかにサバイバルしていくか、そして、ややセルフィッシュな長男が「母に守られる立場」から「母を守る立場」になってどう変化していくかが描かれていく。
この映画、長男の成長物語でもあるんだね。
この辺りまでは緊張感が続いて、映画も締まってた。

ただ、この二人と離ればなれになった父親と下の子供達のエピソードになると、ややペースダウンしちゃったかな。
それに、実話なだけに、家族の再会は予想できるし、その再会の仕方はやや凡庸にも思えたな(事実なら仕方ないと自分に言い聞かせておりました)。
とはいえ、心を揺さぶられ、涙が止まらないシーンがいくつもあったのも確か。

サプライズは、なんといってもジェラルディン・チャッブリンかな。
この監督とは前作からのお付き合いのようなのだけど、久しぶりにお顔を拝見したし(もうすぐ69歳)、
その面差しは喜劇王で父親でもあるチャップリンにそっくりだし、
登場シーンで絡むのが5歳くらいの次男なだけに、思わずパパチャップリンの『キッド』とダブって見えてしまったのでした。

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二度と観光客が戻らないのではないかともいわれたカオラックも、様々な努力で一年後には驚くほど復興し、
観光客も以前にも増してやってくるようになったという。
福島をはじめとする東北被災地との違いは、そこには原発がなかったということだろう。
原発と、それを推進してきた政治と行政、見て見ぬふりをしてきた自分たちの責任は
それだけ重いということを、改めて思い知らされた映画でもありました。





   
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by kiyotayoki | 2013-07-08 08:51 | 映画(あ行)

『アウトロー』(2012 米)

『アウトロー』で検索をすると、1976年と2012年の2作品がヒットする。
1976年のは、クリント・イーストウッド監督・主演の西部劇で、アウトロー(無法者)がわんさかいた時代のお話。
だけど、2012年、つまり今公開中の映画の舞台は現代。アウトロー(無法者)にはすこぶる生きづらい時代のお話だ。
さて、そんな時代に出現したアウトローはどんな活躍を見せるのだろうか。
しかもこのアウトローも、イーストウッドが演じた主人公同様ストイックに自らが信じた正義を貫こうとする。
そんなクールで一徹な男を演じるのは、トム・クルーズ。
監督・脚本は、ああ、知らなかった、ミステリー映画の傑作『ユージュアル・サスペクツ』の脚本で
オスカー像を手にしたクリストファー・マッカリーだったんだね。

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原題:『JACK REACHER』(130分)
監督・脚本:クリストファー・マッカリー
原作:リー・チャイルド
音楽:ジョー・クレイマー
出演:トム・クルーズ
    ロザムンド・パイク
    リチャード・ジェンキンス
    ロバート・デュヴァル

観る予定はなかった映画だったので、ほとんど予備知識なし。
でも、それが結果としてみたら良かったのかも。意外性があって、楽しめたもの。
というのも、トム・クルーズ主演だから、てっきり派手なアクションとCGてんこ盛りの映画だと思っていたから。
観てみたら、いやいやなんの、探偵映画華やかりし頃のムードを漂わせる
ハードボイルドミステリーに仕上がっているじゃありませんか。
しかも、主人公ときたら拳銃どころか携帯やスマホも持たないアナログ男だ。
いや、着の身着のままで、家も妻子も免許証(身分証明書)さえ持っていないから、
下手をすると浮浪者にだってなりかねない男なのです。
なのに主人公ジャック・リーチャーがそうならないのは、元米国陸軍の秘密捜査官という経歴な上に、
明晰な頭脳と鍛え上げられた肉体の持ち主だから。

米国陸軍のそういう組織というと、『将軍の夜』(1999)でジョン・トラヴォルタが演じていた捜査官を思い出す。
あの映画を観た時に知ったことだけど、米国陸軍にはC.I.D(米国陸軍犯罪捜査司令部)という組織があるらしい。
ジャックもその一員だったのかな?

お話は、白昼のピッツバーグ近郊の川沿いで、向かいの駐車場から発射された銃弾で
5人の通行人の命が奪われる凶悪な無差別殺人事件が起きるところから始まる。
ただ、容疑者は呆気なく捕まり、事件は一件落着かと思われた。
が、そこにふらりと現れた一人の男ジャック・リーチャーが、単純に見えたその事件の裏に隠された
真実を次々と暴き出していく・・・というもの。

ジャックの捜査方法は当然ながら、体を張ったハードボイルドタッチになるのだけれど、
その過程でやり取りされる会話や相手の行動から、五手先、十手先を読んで推理を展開していく
ジャックの謎解きは、本格的な推理小説の手法そのままで、説得力があって楽しめるものだった。

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登場人物もそれぞれがはまり役。
ジャックと共に事件の真相を探ろうとする弁護士ヘレン役のロザムンド・パイクは、知的な役が合う女優さんだし、
そのヘレンの父親役リチャード・ジェンキンスも脇で光る味のある俳優さんだ。
だけど、それより何より嬉しかったのは、お話の後半に射撃場の管理人役でロバート・デュヴァルが出てきたこと。

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ロバート・デュヴァルさん、もう82才になるんだね。最近、久しくお顔を見ていなかったので、
お元気なのか、ちょっぴり心配していたところだった。
だけど心配は杞憂でした。いやいや元気元気。飄々とした役柄と持ち前の人懐っこい笑顔が
緊迫感のあるクライマックスにユーモアをひと味加わえた感じで、この作品に愛着さえ覚えたほどだった。
この味のあるキャスティングも続編への布石だとしたら、上手いなぁ。
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by kiyotayoki | 2013-03-07 17:01 | 映画(あ行)

『アルゴ』(2012 米)

前評判も良く、
ベン・アフレックの『ゴーン・ベイビー・ゴーン』『ザ・タウン』に続く
監督作だというので、さっそく観てまいりました。

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原題:『ARGO』(120分)
監督:ベン・アフレック
脚本:クリス・テリオ
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:ベン・アフレック
    ブライアン・クランストン
    アラン・アーキン
    ジョン・グッドマン
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映画が始まって、いきなり、ちょっとした違和感が。
ワーナーブラザーズのロゴマークがやけに古くさいのです。
んん?

その疑問は、すぐに氷塊。
物語は、1979年末から始まる。監督は、それに合わせて当時のロゴマークを使ったんだな♪

この映画、冒頭の数分間だけで緊張感を観客に植えつけてしまいます。
それは冒頭で描かれるのが、現代史の衝撃的な断片を当時の映像も使いつつ再現したものだから。
1979年11月4日、米国の傀儡政権のようなパーレビー王制が倒れ、イラン革命が激化するなか、テヘランにある在イラン米国大使館は群衆により占拠され、52名の大使館員が人質となります。
暴徒と化した群衆の姿は、先日の中国での日本バッシング&デモを彷彿とさせ、ちょいとばかし背筋がヒヤリ。
そんな混乱のなか、大使館から6名の職員が密かに脱出。彼らはカナダ大使の私邸に身を隠します。
でも、見つかれば彼らの命はもちろん、捕らわれた人質も処刑は免れないという状況。

そうした絶望的な事態を打破するべく、CIAは人質奪還のプロ、トニー・メンデス(ベン・アフレック)を呼び
任務に当たらせることにするのだけれど・・・と、ここまでが本作のプロローグ。

メンデスが思いついたのは、架空のカナダ製映画企画をでっち上げ、6人をロケハンに来た
カナダ人スタッフに偽装させて堂々と出国させるという、あまりにも大胆なもの。これが実話だというから驚く。
フィクションであっても、プロデューサーから「もっとマシなアイデア考えてこいよ」ってダメ出しされてしまいそうだものね。
だけど、他の案はもっと非現実的だったため、上からGOが出ちゃう。

さっそくメンデスは、ハリウッドに飛び、「猿の惑星」の特殊メイクでアカデミー賞に輝いたジョン・チェンバース
(ジョン・グッドマン)や大物プロデューサーのレスター・シーゲル(アラン・アーキン)の協力を取り付け、
SF映画「アルゴ」の製作に乗り出します。
メンデスがSF映画に目をつけたのは、もちろんこの2年前に『スターウォーズ』が公開されていたことが
大きかったんだろうね。世界的大ヒット作だから、イラン人にも受け入れやすかったんだと思う。

やるからには“本物”に見せかけなきゃいけないわけで、製作会社を立ち上げたり大々的に製作発表したりと、短時間に架空の映画話をでっち上げてしまう。
そして、いよいよイランへ、サスペンスもいよいよ佳境へ。

ただ、実話ベースの物語には短所がある。
事実はねじ曲げられないので、ドラマを盛り上げるための映画的な飛躍(派手な銃撃戦やアクションなど)は御法度だということ。そして、結末がわかっているので、どうしてもサスペンスとしての興味が薄れること。

それにあえてチャレンジして、サスペンスフルな作品をつくり上げたベン・アフレックの
監督としての手腕はさすがという感じ。
ただ、俳優としてのベン・アフレックは、役柄のせいか終始クール(感情を表に出さない)な上に、
口のまわりに髭をたくわえているので、存在感という意味ではちょっと物足りなかったかな(スパイだから目立っちゃいけないのはわかってるんだけどね)。
メンデスという名前からすると、ご本人はメキシコとかそっち系の人だと思うので、
アイリッシュ系のアフレックじゃない人を主役に持ってくるという手もあったかも。

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だけど、脇役陣にはいいいメンツが揃ってます。
ハリウッドの大物を演じたアラン・アーキンとジョン・グッドマンのお二人はハマり役で、重いテーマのこの作品においては貴重な息抜きの時間を提供してくれておりました。


そうそう、一番上のポスターに妙な縦線が入っているのは、このお話にシュレッダーが大きく関与しているから。
暴徒に占拠される直前、大使館の職員は重要書類の大半を焼いたりシュレッターにかけたりしたのだけど、
イランの革命政府はシュレッダーにかけられた短冊状の紙を大勢の子供達を使って人海戦術で選り分けさせて、書類を元通りに復元しようとするんですね。
その中には、潜伏中の6人の顔写真もある。その顔写真が復元されたら、彼らが国外へ脱出するのは不可能に近くなる。
そんなサスペンスを盛り上げるのに、シュレッダーは大きく寄与してるんですよ♪


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by kiyotayoki | 2012-11-05 13:56 | 映画(あ行)

『アーティスト』(2011 仏)

本年度(2012年)のオスカー受賞作を観てまいりました。

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原題:『THE ARTIST』(101分)
監督・脚本:ミシェル・アザナヴィシウス
音楽:ルドヴィック・ブールス
出演:ジャン・デュジャルダン
    ベレニス・ベジョ
    ジョン・グッドマン

ご存知の通り、 アカデミー賞5部門の他、いろんな賞をかっさらった本作品は、 白黒でサイレント
しかも、アメリカのハリウッドが舞台で全編英語なのにフランスが作った映画という異色作。

実は一部だけ音声は出るけど、それがどこかは見てのお楽しみ。

それにしても、セリフってここまで削れるものなんだなと改めて実感(大量の字幕を使わずに物語を
理解させるテクニックを身につけるためにサイレント映画をかなり勉強したとウィキにあった)。

犬のアギーも、 前評判ほどではなかったけれど、主人公を支え続ける役を好演していた。

舞台は1927年のハリウッド。
1927年といえば、第一回のアカデミー賞でサイレント映画の『つばさ』がオスカーを獲得した年だ。

そんな年、サイレント映画の大スター、ジョージ・ヴァレンティンは、彼に憧れる女優の卵ペピーと出会い、
自身の主演作でエキストラの役を手にした彼女に優しくアドバイスをおくる。
そのアドバイスとは、
「女優を目指すのなら、目立つ特徴が必要だよ」
ジョージはそう言って、アイライナーで唇の右上に小さなホクロをつけてやるのです。
なんだかマリリン・モンローのエピソードを思い出すけど、つけボクロってこの頃から流行っていたのかしらん。

そんな中、時代はセリフのあるトーキー映画へと大きく変わっていく。
けれどジョージは、自分は芸術家だと主張してサイレント映画に固執するあまりに時代から取り残され、
あれよあれよという間にスターの座から滑り落ちてしまう・・・。

ストーリーはありがちな話だし、一見するとオスカーをとるほどかなと首を傾げてしまいかねない作品なのだけど、
どころどころに光る部分があるので、最後までスクリーンから目の離せない作品には仕上がっておりました。

たとえば、主人公のジョージが自分はまだまだサイレントにこだわるぞと
社長(激痩せしていたので最初はジョン・グッドマンだと気づかなかった)に啖呵を切って
撮影所をあとにするシーン。
社長室を出たジョージは階段を下りていくのだけれど、その階段はまるで舞台のセットのような造りになってる。
つまり、1台のカメラで階段全体が映せるように特注で造られた階段なんだね。
そうすることで、サイレント映画らしい雰囲気を醸し出すと共に、
下りていくジヨージと上ってくるペピーをすれ違わせることで、2人の立場が逆転していくのを観客に予感させてくれる。

字幕が少なくてすむのは、
そうした目で見てわかりやすい演出が随所にちりばめられているからなのかもしれないな。
そういうところは、今の映画を作っている人たちも学ぶところがいっぱいあるのかも。


そうそう、フランス映画ではあるものの、ハリウッドを舞台にした映画だけに、
ハリウッドで活躍しているバイプレーヤーが何人も出てきて、映画を盛り上げてくれています。

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たとえば、『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェル(68歳)とか。

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激やせしたジョン・グッドマン(59歳)とか。

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『ベイブ』のジェームズ・クロムウェル(72歳)。この人、身長2m1㎝あるんだって。

渋いところでは、エド・ローター(71歳)もちょこっと。
この人、『ロンゲスト・ヤード』の底意地の悪い看守役で世に出た人なんだけど、
あまりにもちょこっとなのでいい画像がなくて。たぶん左端の人がエド・ローターだと思います(^^;。
ペピーの最初のお抱え運転手として登場しますので、興味のある方は目を凝らしてご覧になってみてください(^^ゞ

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ちなみに、こちらが『ロンゲストヤード』の時のエド・ローター氏です。ああ、懐かしや。
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こんな写真を見つけました。
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by kiyotayoki | 2012-04-18 09:12 | 映画(あ行)

『おとなのけんか』(2011 フランス・ドイツ・ポーランド)

出演者は、ジョディ・フォスターにケイト・ウィンスレット、
それに曲者クリストフ・ヴァルツとジョン・C・ライリー、
この4人だけ。
だけど、4人のうち3人はオスカー受賞経験があり、残りの1人もノミネート経験ありという芸達者ぞろい。
しかも、監督があのロマン・ポランスキーときた。
これは観ないわけにはいきません。

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原題:『CARNAGE』(79分)
監督・脚本:ロマン・ポランスキー
原作戯曲・脚本:ヤスミナ・レザ
音楽:アレクサンドル・デプラ
出演:ジョディ・フォスター
    ケイト・ウィンスレット
クリストフ・ヴァルツ
ジョン・C・ライリー

上のポスターがまさにドラマの流れを物語っております。
まずは、上段のような和やかな雰囲気で始まり、ちょっと雲行きが怪しくなって中段のような表情になり、
そしてついには下段のように4人が4人ともエゴ丸出しになってしまう。

発端は、些細なこと。
なにしろ子供同士の喧嘩ですから。
ただ、一方が棒(木の枝?)を振り回したものだから、それが相手の口に当たり前歯を損傷させてしまったので、
単なる子供の喧嘩では済まされなくなっちゃった。

で、怪我をした子の親ペネロピ (ジョディ・フォスター) とマイケル (ジョン・C・ライリー) は、
平和的解決を探るために怪我をさせた子の親ナンシー (ケイト・ウィンスレット) とアラン (クリストフ・ヴァルツ)
を家に招くことにしたんですね。

で、そこからは、ほぼリアルタイムで物語は進んでまいります、しかも最後まで。正味79分。
前段の子供の喧嘩はオープニングタイトルの遠景でさり気なく簡潔に処理されているので、
まるで、一幕もののお芝居!
・・・と思ったら、これは大ヒットした舞台劇の映画化作品だったんだね。なるほどと納得。
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そんなお話なので、まず思ったのは「この映画、撮影期間はどれくらいだったんだろう」だった。
映画だからカットごとに撮っていくんだろうね。
だから、芝居みたいに一気に撮ってしまうなんてことはないんだろうけど、それにしても
撮影期間はかなり短かったんじゃないかしらん。
ウィキペディアによると、2011年の2月から3月にかけて、パリで撮影は行われたんだそうな。
NYのブルックリンが舞台なのにパリで撮影が行われたのは、
もちろんポランスキーのアメリカへの入国が30年以上前の少女への淫行容疑が原因で困難だから。

原題は「carnage」。激戦がくり広げられる戦場などの“修羅場”を表す言葉だそうな。
4人による話し合いは、初めこそ和やかだったものの、次第に建前が崩れだし、
それぞれの本音が顔を出し、ついには「carnage」、まさに“修羅場”と化していきます。
いや、その演出、その演技はさすがという感じ。

人間の中に潜むエゴというか、悪魔的なもの引っ張り出すのは、ポランスキー監督の得意技といってもいいかもしれません。
なにしろ、ユダヤ人というだけで、つい昨日まで笑顔で近所づき合いしていた人々に裏切られるわ、
ユダヤ人ゲッドーに押し込められるわ、母をアウシュビッツで殺されるわという
過酷な体験を少年時代に嫌というほど味わっているんですから。

いくら紳士淑女の仮面をかぶっていても、ひと一皮むけば人間誰でもエゴの塊だってことを
これでもかと、けれど決して深刻にならず、ジョークが大好きなユダヤ人らしくブラックな笑いでまぶして、
人間の愚かさを見せつけてくれる。

そのために4人の演技者たちも、もうなりふりかまわずやってくれます。
ケイトは豪快に胃の内容物をぶちまけてくれるし、
企業弁護士役のクリストフは高慢ぶり無神経ぶりを遺憾なく発揮してくれる(この人が建前崩壊のきっかけを作るんですけどね)。
ジョディはジョディでオーケストラのコンサートマスターのように、
他の3人をいつの間にかエゴの塊に変えていく役割を果たしてくれるし、
ジョンはジョンで庶民のオヤジ代表として全女性を敵に回しそうな役を軽々とこなしてくれる。

その演技合戦を見るだけでも映画館に駆けつける価値は充分にあると思いますよ♪

ちなみに、2組は11歳の息子を持つ夫婦なのだけど、その実年齢は以下のとおり。
ジョディ・フォスター 49歳
ジョン・・ライリー 46歳
ケイト・ウィンスレット 36歳
クリストフ・ヴァルツ 55歳

子役でデビューしたジョディ・フォスターも今年で50になるんだなぁ。。。

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by kiyotayoki | 2012-03-18 09:18 | 映画(あ行)

『妹の恋人』とバスター・キートン

ジョニー・デップの若かりし頃の映画に『妹の恋人』(1993)という作品がある。
デップが演じるのは、寡黙で風変わりな旅人。
映画のオープニングに、そんな彼の愛読書がどんなものかがわかるシーンがある。それが下の画像。

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デップが持っている本のタイトルは『The Look of Buster Keaton』。
希代の喜劇人バスター・キートンのライフワークを豊富な写真と共に紹介した本のようだ。
読んでみたいなと思ってアマゾンでチェックしてみたら、
中古で1万5千円もする!ちょっと手が出ないなぁ(本国のほうだと、中古で2千数百円で買えるみたいだけど)。

映画を観てると、主人公がいかに無声映画時代の喜劇スターに憧れているかがわかるのだけど、
それにしても旅人(放浪者)が持って歩く本じゃないないと思うな、これは(;^^
だってハードカバーで1.3キロもあるんだもの(ノートパソコンを持ち歩いている人なら苦にならない?)。




そうそう、『The Look of Buster Keaton』って本のタイトルで思い出した曲がある。
『The Look of Love』、日本でのタイトルは『恋の面影』。中学ぐらいの頃、ラジオからよく流れていた曲です。
調べてみたら、1967年に公開された映画『007 カジノ・ロワイヤル』」の挿入歌だったんだそうな。
作曲したのはバート・バカラック。
バカラックさん、もう83歳になられるそうだけど、まだご健在なんですね。
いろんな人がカヴァーしているけれど、この甘い歌声は、ロン・アイズレィ。




ダイアナ・クラールのジャジーな歌声もいい感じ。


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by kiyotayoki | 2012-01-23 12:52 | 映画(あ行)

『宇宙人ポール』(2010 米)

初笑い(というより初にっこりかな)してきました。

それにしても、宇宙人の名前が何でポールなんだろう。

そのナゾ解けた ような気がする(^_^)v

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原題:『PAUL』(104分)
監督:グレッグ・モットーラ
脚本:サイモン・ペッグ ニック・フロスト
音楽:デヴィッド・アーノルド
出演:サイモン・ペッグ
    ニック・フロスト
    セス・ローゲン(ポールの声)

なぜポールなのか、その物語上の理由は映画を観ているとすぐにわかる。
ポールは、ある女の子が飼っていた犬(ラブラドールレトリバー)の名前だったのだ。
その名前をなぜ地球にやってきた宇宙人が名乗ったのか。
そのちょっと泣ける理由は、是非映画をご覧になって、ご自分で納得してくださいまし。

じゃ、作り手、特に脚本を書き主演もしているサイモン・ペッグとニック・フロストは、
なぜポールなんて名前を犬(宇宙人)に付けようと思ったのか。

その理由は、原題を眺めていて「あっ、そっか♪」と、合点がいった。
原題は『PAUL』。そのまま読むと『パウル』だ。
パウルといえば・・・
そう!サッカーのワールドカップの時に試合の勝敗を当てることで有名になったタコのパウル君と同じ名前だ!
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タコといえば、昔は宇宙人、特に火星人というと、H・G・ウェルズが1897年に出した小説
『宇宙戦争』の挿し絵の影響か、タコの化け物みたいに描かれておりました。
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パウル君の名声は2008年頃からもうすでにドイツだけでなくヨーロッパ中に知れ渡っていたらしいから、
サイモン・ペッグとニック・フロストも知っていたはず。
だとしたら、
「宇宙人の名前?そりゃあ、タコのポール(ドイツ語読みではパウル)で決まりでしょ」
となっても不思議じゃないよね。
さて、真相はいかに?

それはそれ、映画のほうは評判どおりの出来映えでしたよ。
SFパロディネタから下ネタ、ホモネタ、カルト宗教ネタまで満載だったけれど、
想像以上にホノボノしていたのは監督がいつものエドガー・ライトじゃなく、米国人のグレッグ・モットーラだったからかしらん。

二人が演じているのは、コミックオタクの英国人、
SF作家のクライヴ(ニック・フロスト)とイラストレーターのグレーム(サイモン・ペグ)。
サイモン・ペッグは、元日に観た『ミッション・インポッシブル』の新作にも重要な役で出ていたので、
嬉しい二連チャンとなりました。

二人は、オタクの殿堂コミコンを訪れるためにアメリカにやってきたのだけど、
そのついでに、キャンピングカーで宇宙人にまつわる場所(SFオタクにとって聖地)巡りをすることにします。
まず、『スタートレック』のロケに使われたヴァスケス・ロックス。
ロズウェル事件で有名なエリア51。そして、UFOが頻繁に出没することで知られるETハイウェイのメールボックス・・・といった具合に。
SF好き、UFO愛好家にとっては堪らないルートらしく、実際に巡る人が結構いるらしい。
そんなさなかに偶然出会ってしまうんですね、ポールと名乗る宇宙人に。その姿はまさにリトルグレイ!
だけど、その姿とは裏腹に、中身はどう見ても気のいいアメリカ人のオッサンで、アメリカンスラングはバンバン使うわ、
タバコはふかすわ、すっかりアメリカの生活に馴染んでしまっている風なのが可笑しい(声は『50/50』のセス・ローゲン)。
聞くと、60年に渡って米国の秘密施設に閉じ込められていたことでアメリカナイズされ、
すっかり“アメリカ人らしいアメリカ人”になってしまったようなのだ。
だけど、もう用済みってことで解剖手術が間近に迫ったために施設から逃げ出してきたんだという。

それから始まる、ロードムービー、カーチェイス、映画へのオマージュといった米国映画得意の組み立ての中で、
最後にホロリとさせる大人向けのコメディに仕上がっておりました。

エイリアン(alien)には、「宇宙人」という意味の他に「外国人」という意味がある。
この映画は、サイモン・ペッグとニック・フロストというエイリアン(英国人)の視点から、
現代のアメリカととそこに住む人々の国民性や生態を見つめた作品でもあるんだな。

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そうそう、ポール捕獲を目指す組織の連中は、ビッグ・ガイという謎の女から指令を受けております。
samurai-kyousukeさんも書いていらっしゃったけど、僕も見ているうちにビッグ・ガイにキャスティングするとしたら、あの女優さんしかいないと確信しました。
そうしたら、まさにその女優さんが登場するじゃありませんか♪
そんなSF映画ファンを喜ばせる仕掛けもふんだんに盛り込まれた映画なんですよ、これ。
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by kiyotayoki | 2012-01-09 12:23 | 映画(あ行)

『エレクション 死の報復』(2006 香港)

WOWOWでジョニー・トー監督作を3本続けてやってくれた。
『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009)
『エレクション』(2005)
そして、本作『エレクション 死の報復』(2006)。
『冷たい雨に~』は録画したまま、まだ観ていないので、まずは先に観た本作の感想をば。

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原題:『ELECTION 2 黒社會 以和為貴』(92分)
監督:ジョニー・トー
脚本:ヤウ・ナイホイ イップ・ティンシン
音楽:ロバート・エリス=ガイガー
出演:サイモン・ヤム
   ルイス・クー
   ウォン・ティンラム
   ニック・チョン

前作から2年後という設定で始まった本作。
衝撃的な結末が印象に残る前作。
さて、この作品は続編の宿命を乗り越えられるだろうか。

香港黒社会の会長選挙は2年ごとに行われるので、
前回会長に就任したロク(サイモン・ヤム)の任期は残り少なくなっており、
次期会長として誰が立候補するかが関心の的になっている。
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だけど、任期が2年というのはどう考えても短い。
しかも、再選は基本的に認められていないし、前例もないときた。
2年間、権力を思いのままにしてきたロクとしては、まだ続けたいという欲がある。
それに、立候補しそうな顔ぶれを見ると、前回しのぎを削ったディーほどの逸材は見当たらない。長老たちは組織の稼ぎ頭であるジミー(ルイス・クー)を推しているけれど、ジミー本人は商売の拡大に熱心で会長選挙は眼中にない。
そんな空気を察知して、ロクは再選に向けて動き出す。

にしても、黒社会って、腕と度胸と才覚があれば、2年やそこらでチンピラが幹部にまで昇格できる世界なんだね。

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原題のサブタイトルは『以和為貴』。
和を以(もっ)て貴しと為す・・・これ、聖徳太子の言葉としてよく知られてるけれど、出典は孔子の『論語』らしい。
それはともかく、聖徳太子の時代も権力争いは熾烈なものがあったようだし、だからこそ聖徳太子もまずこう言って諫めなきゃならなかったんだろうな。
会長選挙を2年に一度設けたのは権力を集中させないためだったんだろうけれど、それは抗争に拍車をかける諸刃の剣であることは明白。
それを長らく続けてきたということは、“和”を乱しさえしなければ対抗馬を力ずくで蹴落とし
(証拠さえ残さなきゃ消し)ても黙認されてきたんだろう。
実際、現会長のロクもそうだった。

お話は“因果応報”を地でいくような展開を見せていく。
会長選挙に興味を示していなかったジミーが、商売上の理由から選挙に参戦してきたからだ。
それからの抗争は、前作以上にえげつなくなっていく。
その象徴が、彼らが使う武器だ。前作はナタだったけど、今回はハンマーだもの。
「ぶった切る」から「叩き殺す」へ。見せられる側としては、叩く音が控えめだったのがせめてもの救いだったかな(^^;

ロクを演じるサイモン・ヤムの、笑みに隠された凄み、
ジミーを演じるルイス・クーの己が運命を受け入れた後の豹変ぶりも見応えがあったけれど、
前作に引き続きご登場の組織の最長老タンを演じたウォン・ティンラムさんが、今回もいい味を出しておられました。
残念ながら、ティンラムさん、去年11月、83歳で亡くなられたそうだ。

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で、この作品が続編の宿命を乗り越えられたかどうかだけれど、
大健闘したと思う。
だけど、3作目は無しかな・・・・見終わった後、そう思ったのも事実でありました。
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by kiyotayoki | 2011-06-13 10:02 | 映画(あ行)

『イリュージョニスト』(2010 英・仏)

ジャック・タチが娘のために書いた幻の脚本「FILM TATI No.4」。
結局作られることなくお蔵入りになってしまったらしい(理由は諸説あり)のだけれど、
娘であるソフィー・タチシェフさんがシルヴァン・ショメの作品に父の世界と通じるものを感じ、
遺稿をショメ監督に託すことにしたのだとか。
そうしてついに完成したのが本作『イリュージョニスト』。
一幅の絵画のような映像、
そして、ユーモアとペーソスで淡く彩られた佳作でありました。

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原題:『L'ILLUSIONNISTE』(80分)
監督・脚本・音楽:シルヴァン・ショメ
オリジナル脚本:ジャック・タチ

観ていて、まず思ったのはジャック・タチの遺した脚本がどのように書かれていたのかということ。
タチ作品の特徴は、セリフの極端な少なさにある。
この映画もセリフはほとんどない。登場人物の表情や仕草・動きで表現していく。
ってことは各シーンはほとんど地の文で書かれていたのかしらん。
それとも絵コンテで補足されていた?

それがとっても気になったのだけどそれはそれ、お話の舞台は1950年代のパリです。
戦後10年余り経ったパリはすでに流行の発信地になっていたんだろう。
時代の流れと共に、人々が求めるものも急速に変化していった時代。
新しいもの(ロックバンド)が受け入れられ、古いもの(奇術)は排除されていく。
見事な技を披露する老手品師のタチシェフも、客が入らないからすぐにお払い箱になってしまう。
この老手品師が、顔立ちから立ち居振る舞い、そしてズボンの短さまでジャック・タチそのままで、
見てるこちらも思わず顔がほころんでしまう。

やむなくタチシェフは、つてを頼って海を渡りスコットランドの寒村へ。
辺ぴな田舎町だとタチシェフの芸もまだまだ大ウケだし、バーで下働きとして働いていた少女アリスなどはタチシェフを“魔法使い”だと信じてしまうほど。
穴のあいた靴をはいている少女を哀れに思ったタチシェフは、
店で赤い靴を買い求め、あたかも魔法で出したかのようにしてプレゼントをしてやる。
誤算は、それに感激した娘が仕事を終えて町を去るタチシェフについてきてしまったこと。
戸惑うタチシェフ。
けれど、落ちぶれた自分を尊敬の眼差しで慕うアリスに、いつしか生き別れた娘の面影を重ねてしまい、同行を許してしまう。

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イリュージョニストは、観客をひとときの夢の世界に招待するのが仕事。
そして夢の世界に幕が降りたら、すーっと消えていくのが務め。決して楽屋裏(ネタばらし)は見せない。
そんな人生を生真面目に送ってきたタチシェフが、図らずも楽屋裏に入り込んできた娘に振り回される姿は滑稽というより切なさが募った。

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心に残る味わい深い作品だったけれど、
シルヴァン・ショメの、というよりジャック・タチ色の強い作品だったので、
次回作はショメ監督らしい作品を観てみたいなと思ったのも確かでありました。


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by kiyotayoki | 2011-05-11 09:45 | 映画(あ行)

『エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち』(1997 米)

こんなゆるゆるの映画を最後まで観たのは久しぶりだったけれど、
録画したのには一応理由がありました。
だって、出演者の欄に、ベニチオ・デル・トロ、クリストファー・ウォーケンの名前があったもんですから。
1997年公開ということは、撮影時はデル・トロさん、まだ29歳ぐらいだからホントに若い!

ただ、『エクセス・バゲッジ/シュガーな気持ち』というタイトルからして、内容があまり期待できないってことは十分予想できたんですが(^^;

ちなみに、エクセス・バゲッジというのは「超過手荷物」って意味なんだね。

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原題:『EXCESS BAGGAGE』(101分)
監督:マルコ・ブランビヤ
脚本:マックス・D・アタセムス
音楽:ジョン・ルーニー
出演:アリシア・シルヴァーストーン
   ベニチオ・デル・トロ
   クリストファー・ウォーケン
   ハリー・コニック・Jr

ベニチオ・デル・トロ扮するヴィンセントは高級車ばかりを狙う車泥棒。
今日も今日とて、とある駐車場から手際よくBMWを盗み出したのだけど、ひとつだけ計算違いがあった。
実は、車のトランクの中にエクセス・バゲッジ(超過した荷物)が入っていたからです。
それがアリシア・シルヴァーストーン扮する18歳の女の子エミリー。

何でエミリーがそんなところに入っていたのかといえば、仕事第一の大富豪の父を困らせ心配させるため。
それ故、じゃじゃ馬娘のエミリーは狂言誘拐事件をでっち上げて、自分で自分の身体を縛りトランクに収まっていたのです。

そうとは知らないヴィンセント、意気揚々と盗んだ車を飛ばしていると、パトカーが何台も追っかけてきたので狼狽します。
誘拐事件としてエミリーの車は手配済みだったんだから当然です。
そこはなんとか逃げ切ったヴィンセントだったのだけれど、それからが大変で・・・。

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若い頃のベニチオ・デル・トロは、二日酔いした朝のブラピみたいな顔をしております。

一方、クリストファー・ウォーケンの役はというと、エミリーの叔父さん(レイおじさん)。
でもただの叔父さんじゃない。元CIAの腕利きスパイだったらしく、ヴィンセントの隠れ家を見つけることなんてお茶の子さいさい。
ウォーケンにはお似合いの役ではあるけれど、この人は役を選びませんね。どんな映画のどんな役のオファーでも気軽に受けてこなしてしまう(同じ年に公開された『マウスハント』では偏執狂のネズミ駆除係を熱演していたし^^;)。

残念だったのは、主人公を演じたベビーフェイスのアリシア・シルヴァーストーン。
ひねくれた役柄のせいで可愛げがないし、顔だけでなくボディまで幼児体型なので、女性としての魅力もいまひとつ。
最後まで、“シュガーな気持ち”にはなれなかったなぁ。
最近、見かけないけど元気で女優業をやっていらっしゃるんだろうか。

お話としては、特にひねりもなく、似たような設定の『普通じゃない』には遠く及ばない作品ではあるけれど、
今日みたいな休日の昼下がりに、のんびり何かしながら観るのには丁度いいかもしれません(^^ゞ
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by kiyotayoki | 2010-11-20 13:57 | 映画(あ行)