映画の心理プロファイル

カテゴリ:映画(は行)( 139 )

『複製された男』(2013 カナダ・スペイン)

仕事先で「清田さん向きの映画」と勧められたので観てまいりました。
『複製された男』。
映し出された都会の風景、空気感が違うな(霞がかかったような大気で、ちょっと寒々しい)と思ったら、
舞台はアメリカではなくカナダのトロントだった。
その空気感、この映画には図らずも合っていたような気がした。

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原題:『ENEMY』(90分)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
原作:ジョゼ・サラマーゴ
脚本:ハビエル・グヨン
音楽:ダニー・ベンジー
出演:ジェイク・ギレンホール
    メラニー・ロラン サラ・ガドン
  
平凡な大学講師のアダムがある日、同僚に勧められた映画の中に“自分にそっくりな男”を
見つけたことから始まる不条理ミステリーです。

ドッペルゲンガーってご存じだろうか。自分の姿を第三者が違うところで見たり、
自分で自分そっくりな人を見る現象のことをいうらしい。
この映画の主人公にもまさにその現象が起きる。しかも、そっくりさんを目撃するだけでなく、相手と接触までしてしまう。
パラレルワールドの時空が何かの拍子でくっついて、別の世界の自分と出会ってしまうような感じかな。

皮肉なのは、外見も中身も同じだからか、そっくりさんは自分以上でも以下でもないというところ。
そっくりさんは講師をしているアランと違って俳優をしているのだけれど、決して才能あふれるスターじゃない。
うだつの上がらない自分と同じく、目立たない三流の脇役俳優なのだ。
しかも、性癖や女性の好みも同じだから、つき合っているのはどちらも金髪でスレンダーな女性だ。
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僕らって案外自分のことは知っているようで知らないものだ。
また、知らないからこそ呑気に生きていられるのかもしれない。
だけど、この映画の主人公は自分と瓜二つの男と出会うことで、知らなくていいことまで知るはめになる。
それがどんなに苦痛か。それをこの映画は教えてくれる。
だから原題が『Enemy(敵)』なのかな。

原作の作者は、ポルトガルのノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴ。
だからか知らないけれど、うわべの理屈でお話を理解しようとすると???マークがいっぱいついてしまう
作品ではありました。









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by kiyotayoki | 2014-08-12 17:36 | 映画(は行)

『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(2011)

『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』(2011)という米国製の映画がある(原題「The Big Year」)。

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北米大陸最大の野鳥観察大会に人生をかける男たちの姿を描いた
意外とハートフルなコメディ映画なのだけど、
そこでアメリカとカナダで通常観察される鳥の数は675種と紹介されていた。

昨日、テレビを見ていて知ったのだけど、日本で見られる野鳥の数は633種なんだそうな。
ほぼ同じじゃないの!

野鳥王国なんだね、日本って☆☆☆

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by kiyotayoki | 2014-02-02 10:20 | 映画(は行)

『ハングオーバー!!! 最後の反省会』(2013 米)

お笑いとコメディ映画が大好物の友人と
『ハングオーバー!!! 最後の反省会』を鑑賞。

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原題:『』
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス クレイグ・メイジン
音楽:クリストフ・ベック
出演:ブラッドリー・クーパー
    エド・ヘルムズ
    ザック・ガリフィナーキス

「ハングオーバー」シリーズ第3弾にして、一応、最終章なのかな?
映画のポスターにも「トリロジー(三部作)」とあるし。
でも、テキトーな映画なので、ひょっこり「リターンズ」が作られないとも限らないけれど。

けれどね、しばらくは鳴りを潜めていたほうが賢明だろう。
映画は、ひとことで言えば“出がらしのお茶”みたいな内容だったから。
だってタイトルが「ハングオーバー(二日酔い)」のくせに、主人公たちったらシラフだし。
ストーリーには大したひねりもないし。
ザック・カリフィナースキの問題児ぶりも、いい加減飽きちゃったし。
今回、脇からセンターに躍り出たケン・チョン扮するミスター・チャウは、その存在が痛すぎて笑えないし。
・・・と、辛口評ばかりを並べてしまったけれど・・・。

とはいえ、このシリーズにつき合ってきた人間なら、思わずニヤニヤ、ニマニマしてしまうシーンは
ちゃんと用意されてはおりました。
それに、最後の最後は、このシリーズらしいシーンで締めくってくれたしね。
だから、「金を返せ」とまでは言わないことにします。

印象に残ったのは、「Hang in there」というフレーズ。
これで「諦めるな」「くじけるな」って意味になるんだな。
何かと使えそうなフレーズだよね、これ。


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オープニングに、ちょこっと出てくるキリンさん。
このシーンで大笑いできる人って、よほどの脳天気か、天の邪鬼か、悪趣味か、
それとも、過去にキリンに酷い目にあって(そんなヤツいるかしら)恨みに思っているニンゲンだけだろう。
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by kiyotayoki | 2013-07-15 22:35 | 映画(は行)

『ヒッチコック』(2012 米)

ファーストデイを利用して『ヒッチコック』を観てまいりました。
ヒッチコック映画を観て育ったといっても過言ではないので、とても興味深く鑑賞☆☆☆

その感想は、日を改めて書きたいと思っていますが、
映画を観ていて「おやっ」と思ったことを先に書いておこうかなと。

なぜ「おやっ」と思ったかといえば、『サイコ』の脚本家ジョセフ・ステファノ役でこの人が出てきたから。

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この顔ってもしかして、彼じゃない?
久しくスクリーンではお目にかかっていなかったけど、
おじさんになっても、この童顔。うん、これは彼に違いない。

そう、『ベストキッド』(1984)で一躍人気者になったあの青春スター!

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映画を見てる時は名前が思い出せなかったので、後で調べてみたら、やっぱり彼だった。
そうそう、ラルフ・マッチオだ。

あの頃13才だった彼も、もう51才か。
長らくくすぶってたみたいだけど。
でもね、お元気でなにより(^_^)。
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by kiyotayoki | 2013-05-02 11:19 | 映画(は行)

『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの』(2012 米)

『ハーブ&ドロシー』(2008 米)の続編が公開されのを知って、
急遽予定を変更して観てまいりました。

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原題:『HERB & DOROTHY 50X50』(87分)
監督:佐々木芽生
音楽:デヴィッド・マズリン
出演:ハーバート・ヴォーゲル
    ドロシー・ヴォーゲル

NY在住のごく平凡な郵便局員とその妻が、少ない稼ぎの中でコツコツとアート作品を買い集めていたら、
いつしか世界屈指の現代アート・コレクターになっていた、という奇跡の人生を描いた佐々木芽生監督の
アート・ドキュメンタリー『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』の、これは続編です。

原題は、『HERB & DOROTHY 50X50』。なぜ、50×50?
その理由は、すぐにわかります。
2人は、もはや彼らの1LDKの小さなアパートでは収まりきらなくなった膨大なコレクションを、
アメリカ国立美術館(ナショナル・ギャラリー)に寄贈することにしたのですが、
その貴重なコレクションはあまりにも膨大でナショナル・ギャラリーだけでは収蔵・管理できないことが判明。
そこで、全米50州から選ばれた美術館に、一カ所に50点ずつ(合計2500点)寄贈することにしたんですね。
そのプロジェクト名が“50×50”だったというわけ。
本作はそんな歴史的な寄贈プロジェクトの顛末と、高齢となり人生の最終章を迎えた夫婦の姿を
淡々と、でも温かい眼差し見つめていきます。

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久しぶりにお目にかかったお二人は、元々小柄だったけれど、歳を重ねてますます小さくなっておられて。
特に、ご主人のハーブは歩くのもままならず、車椅子の世話に。それを押すドロシーの腰も奇妙に曲がっている。
2012年春の時点で、お二人は89才と77才だから、それも致し方ないのかも。。。
そう思ったのも束の間、ドキュメンタリーには付きもののハプニングが起きる。
ハーブが亡くなってしまったのだ。2012年7月22日。来月になれば90才を迎えるというその時に。
そして、結婚50周年を迎えたその年に。
長年連れ添ったハーブを失ったドロシーの心中はいかばかりであったろう。。。

そのため、編集の最終段階に入っていた映画は、その結末を変更せざるを得なくなったようだ。
そして映画としての味わいも、随分と変わってしまった。

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夫婦を続けていれば、ハプニングが起きて同時に死なない限り、いつかはどちらかを看取ることになる。
否応なく、看取る側、看取られる側、どちらかの立場に身をおくことになる。
できることならどちらの立場にもなりたくはない。なのに、人生は非情だ。
僕の場合は、看取る側をやらせてもらった。
結果的にはそれで良かったと、今は思ってる。

もう二度と御免だけれど。
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by kiyotayoki | 2013-04-02 15:48 | 映画(は行)

『フランケンウィニー』(2012 米)

新年最初の映画は、ストップモーションアニメの 『フランケンウィニー』。
ティム・バートン監督にしてみれば原点回帰した感じかな。
本作は、監督が25才の時、まだディズニー社に勤めていた頃に作った短編映画を
長編アニメとしてリメイクしたものです。

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愛らしい作品だった。
犬と暮らしたことのある人なら、ハンカチは必須かも。

いやいや僕は大丈夫。
と思ったら、隣に座ってた5才くらいの女の子が感動の場面でグスングスン。
こんなちっちゃな子でもわかるんだ。
そう思ったら、思わずこちらまでもらい泣き。

年をとると涙腺ゆるむのかな(^_^;)


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by kiyotayoki | 2013-01-11 14:45 | 映画(は行)

『ブラック・サンデー』(1977 米)

新聞なら「毎朝新聞」、省庁なら「国防省」・・・といった具合に、
映画や小説のようなフィクションの世界では実際にある会社や組織の名前を
それらしく匂わせるだけに留めるケースが多いけれど、
この映画は、「黒い九月」という当時世の中を騒がせたテロ組織の名前をそのまま使ってる。
しかもタイトルも「黒い九月(ブラック・セプテンバー)」をもじった「ブラック・サンデー」だ。
そのせいもあってか、公開直前に「上映中の映画館を爆破する」という脅迫が入り、
あえなく公開中止になり、用意したプリントは廃棄され、幻の映画となってしまった。

それから早35年、その映画が「午前十時の映画祭」で公開中というのを知って、
日比谷のみゆき座へ行ってまいりました。

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原題:『BLACK SUNDAY』(143分)
監督:ジョン・フランケンハイマー
原作:トマス・ハリス
脚本:アーネスト・レーマン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ロバート・ショウ
    ブルース・ダーン
    マルト・ケラー

今回、初めて知ったのだけど、原作はハンニバル・レクター・シリーズで有名なトマス・ハリスだったんだね。
トマス・ハリスとしては最初のベストセラー作だったようだ。

監督は、『大列車作戦』(1964)『フレンチコネクション2』(1975)など社会派アクション映画の名手として
知られるジョン・フランケンハイマー。
主演は、『007 ロシアより愛をこめて』(1963)の冷酷な殺し屋役や『JAWS/ジョーズ』(1975)の
シャークハンター役などが印象に残るロバート・ショウ。
どちらも当時40代後半。油の乗り切った2人の仕事ぶりはさすがに見事だったけど、
テンポのいい現代のアクション物を見慣れているせいか、143分がちょっと長く感じられたのは確か。

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映画の見どころは、大統領(カーター大統領らしき人物が一瞬登場)を含む8万人の観客を呑み込んだスーパーボウルの競技場を爆破しようと企むテロ組織と、イスラエル特殊部隊(モサド)の攻防。
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そのモサドの隊長カバコフを演じるのがロバート・ショウだ。
カバコフという名前からしても、イスラエル建国を押し進めたロシアやウクライナ系のユダヤ人なんだろう。
コテコテのシオニストって感じかな。だから、テロリストたちには容赦がない。
そんなカバコフが一つだけミスを犯す。テロリストのアジトを襲撃した際にひとり女を見逃してしまうのです。
その女が復讐の牙を剥くとは思いもよらず・・・(甘いゾ、カバコフ)。

思い出してみると、この映画が公開されるはずだった1977年頃はパニック映画がよく作られていた時代で、
この映画とよく似た設定の『パニック・イン・スタジアム』という作品もあった(調べたら1976年)。
『パニック~』のほうもスーパーボウルが行われているスタジアムが舞台となるパニック映画で。
だけど、テイストはかなり違うものだった。
あちらは、いわゆるグランドホテル形式で、その時スタジアムに居合わせた様々な人間の、
それこそ“人間模様”を描くところに主眼が置かれた作品だったという記憶がある。
それだけに、当時のスターがいっぱい出ておりまして(中には、『逃亡者』のデヴィッド・ジャンセンも)。

その点こちらは、主要なキャストは、ロバート・ショウと、ブルース・ダーンとマルト・ケラーの3人だけ。
その3人が3人ともスターというよりは、脇が似合う個性派俳優というところがなんとも渋いじゃありませんか。

そうそう今回、映画を実際に観て意外だったことが、ひとつ。
主演のロバート・ショウはこの映画があちらで公開された翌年、心臓発作で51歳の若さで亡くなっている。
そのことを知っていたので、きっとロバート・ショウの顔にはやつれ感というか死相が表れているんじゃないかと心配していたのです。
でもそれは杞憂でした。まあ、ロバート・ショウの走ること走ること!
死の予感なんか微塵も感じさせないタフガイぶりでありました。

ま、それだけに、本人もまさかこのあと1年余りで自分が死ぬとは思いもよらなかっただろうなぁ・・・
と、しみじみしてしまった帰り道ではありました。
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by kiyotayoki | 2012-06-20 10:54 | 映画(は行)

『ヒューゴの不思議な発明』(2011 米)

今年のオスカーを5つ(小さいのばかりだけど^^ゞ)受賞した話題作を鑑賞。
映画愛にあふれた作品で、映画史に明るい人なら「おおっ♪」と目を輝かせるシーン満載の映画でありました。

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原題:『HUGO』(126分)
監督:マーティン・スコセッシ
原作:ブライアン・セルズニック
脚本:ジョン・ローガン
音楽:ハワード・ショア
出演:ベン・キングズレー
    ジュード・ロウ
    エイサ・バターフィールド
    エミリー・モーティマー

1895年、リュミエール兄弟がパリのグランカフェで映写会を催したのが映画史の始まりだといわれてる。
この映画の中にも、それを再現したようなシーンが出てくるし、
実際その時上映された「ラ・シオタ駅への列車の到着」の映像も流される。
当時の人たちは、それだけで驚き、列車に轢かれないように身を避けようとまでしたというんだから、可愛いものです。



そんな迫力(?)の映像を観て大感激、
自分も映画を撮ってみたいと映写機まで自作して製作に乗り出したのが、
この映画にも登場するジョルジュ・メリエスだったというのは、今回初めて知ったことだった。
メリエスさんって当時は、マジシャンを本業になさってたんだね。
なので、舞台で披露するイリュージョンを、今度はスクリーンで見せて観客の度肝を抜きたいと考えたみたい。
そして、たった7年で特撮満載の映画『月世界旅行』を発表したんだからこれはスゴイの一語!
リュミエール兄弟の映画なんて、単なる動く映像だったのにね。



映画の中でメリエスの奥さんが言ってたけれど、作品がカラーなのは、
「自分たちでフィルム1枚1枚に着色をした」からなんだそうな。
その徹底したサービス精神は表現者の鑑です。

お話は、それから四半世紀ほど経った1930年代のパリから始まります。
たった一人の肉親である父(ジュード・ロウ)を亡くした少年ヒューゴは、駅構内の時計台に隠れ住み、
時計の整備をしながら孤独な毎日を送っております。
少年の心のよりどころは、父が遺した壊れたままの不思議な“機械人形(オートマタ)”。
その修理に悪戦苦闘していたヒューゴは、機械に必要な部品を手に入れようと駅構内のおもちゃ屋で
万引きを働こうとするのだけれど、店主の老人に捕まり、人形について書かれた大切な父の研究ノートも
取り上げられてしまう。
そんな中、ヒューゴは老人の養女イザベルと仲良くなり、一緒に機械人形の秘密を探ってゆくのだが…
といったお話なのだけど、
予告編を見てイザベルを演じているのが『キック・アス』でヒット・ガールを演じたクロエ・モレッツだと知って
観る前から期待と不安が入り交じっておりました。
だってかなり成長しちゃってるものなぁ。
『キック・アス』の頃はまだ子供子供していて、そのやんちゃぶりが魅力のひとつだったのだけど、
この映画の撮影時はもう14歳になろうという歳だったろうから、かなり大人びてる。
この年頃の1歳の違いは大きい。
できればこの映画、クロエちゃんの幼さを残すために一年前に撮影を開始して欲しかったというのが正直な感想だった。

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実家が時計屋で、幼い頃から時計の歯車やゼンマイが遊び道具のひとつだったせいか、
この映画のように大きな時計塔の歯車とゼンマイだらけの内部で暮らす主人公という設定は
それだけでヨダレが出てしまう。
しかも、なんともうすぐ90歳になられるクリストファー・リー翁のお元気な姿まで拝見することができたのだから
もっとテンションが上がってもよかったのだけど、
如何せん・・・
フランスのパリが舞台なのに、いきなり「ハロー」だものなぁ。
大きな歯車がパリの夜景にオーバーラップしていくオープニングがステキだっただけに、
「ハロー」で一気に興ざめしてしまった。
しかも、わりとこぢんまりとしたお話なのに、126分は冗長に感じたな。
せっかく、ピエロ役(くすぐり担当)として個性派のコメディ俳優サシャ・バロン・コーエンが起用されているのに、
ドタバタが笑いに昇華しきれていないのも残念。

スコセッシ監督には申し訳ないけど、この映画、
フランスで製作して、もっとエスプリを効かせて、100分ぐらいにまとめたら
傑作になったかもしれないのにな。

とはいえ、闘いや殺し合いの場面が目立ついまどきのファンタジーとは違い、
心温まる一編であったことは確かです。

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by kiyotayoki | 2012-03-05 14:38 | 映画(は行)

『50/50 フィフティ フィフティ』(2011 米)

ライト感覚の難病コメディ、なんて書いたら誤解する人がいるかもしれない?
ある日突然、ガンの宣告を受け、生存率は50%(フィフティ・フィフティ)だと告げられた
27歳の若者の、等身大の闘病物語です。

脚本を書いたウィル・ライザーって人は実際にガンを克服した人らしい。
実体験が反映されているわけで、ライト感覚とはいえ、感情移入させるところはしっかりさせてくれます。
そのせいか、となりの席の若い女の子は途中から最後まで鼻をぐすんぐすんさせておりました。

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原題:『50/50』(100分)
監督:ジョナサン・レヴィン
脚本:ウィル・ライザー
音楽:マイケル・ジアッキノ
出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット
    セス・ローゲン
    アナ・ケンドリック
    ブライス・ダラス・ハワード

アメリカでも草食系男子って増えてるのかな。
ジョセフ・ゴードン=レヴィット扮する主人公アダムは、ラジオ局に勤める27歳のちょっと、いやかなり地味めの男子だ。
アメリカの若者っていうと、元気でエネルギッシュで行動的で・・・ってイメージがあるけれど、アダムはまるで真逆のキャラクター。
決して暗くはないんだけれど、すべてにおいて薄味淡泊で、存在感が希薄。
そのせいだろうか、同棲している彼女はいるものの、いまだにエッチは無し。
「彼女がしたくないっていうから」と、当然のようにいうアダムに、親友のカイルは呆れ顔(こちらは脳天気な女好き男)。

そんなアダムに、青天の霹靂が。
腰痛の検査をしてもらった病院の医者から癌の宣告を受けてしまったのだ。
その医者の無表情で淡々とした口振りは、僕も相方の告知を受けた時に経験があるのでアダムに痛く共感を覚えてしまった。

その日から、アダムがどう自分の病気と向き合い、そして周囲の人々がそんなアダムにどう接していったかが
グラフィティタッチで綴られていく。

アダムの恋人を演じているのは、ブライス・ダラス・ハワード。
この女優(ロン・ハワード監督の娘さんですね)、イーストウッド監督作『ヒア・アフター』では、
主役のマット・デイモンを捨てる役だったけど、この作品でも同じような役柄で登場してらっしゃる。
嫌な女のイメージがつかなきゃいいけど(;^^

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女優では、新米セラピストを演じるアナ・ケンドリックも印象に残ったけれど、
それ以上にインパクトがあったのは、母親を演じてるアンジェリカ・ヒューストン。
こちらは名匠ジョン・ヒューストン監督の娘さんだけど、日本の女優でいえば
江波 杏子さん並みに顔のパーツが派手で存在感もあり過ぎるほどある女優さんだ。

男優では、やはりアダムの親友カイルを演じたセス・ローゲンかな。
この映画の脚本を書いたウィル・ライザーは実際に癌の闘病生活を経験した人らしいんだけど、そのライザーにその体験を脚本にするように勧めたのはセス・ローゲンだったんだそうな。
それもあってか、製作にも名を連ねているローゲンさん、劇中でもちゃっかりオイシイところを持っていってます。

アダムとカイルとの会話は、ホントに今の若者がくっちゃべりそうな内容ばかり。
たとえば、抗ガン剤の治療で髪が抜ける前に潔くバリカンで頭を丸坊主にしてしまったアダムにカイルが
「結構イケるよ、その頭。女の子が放っておかないぜ」と軽口をたたくと、
「誰がこんなヴォルデモートみたいなヤツを好きになるかっての」とアダムが返すといった具合。

こっちはいい加減年を食っているので、
喩えに出たヴォルデモートの顔が浮かぶのに随分と時間がかかってしまったのでした(^^;

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by kiyotayoki | 2011-12-17 17:54 | 映画(は行)

『ホール・パス/夢の独身許可証』(2011 米)

オーウェン・ウィルソン(左)って、若い若いと思っていたけれど、もう42歳なんだね。
そのせいか、それとも中年という役柄のせいか、この映画ではいつもの若々しさは封印されております。
この人、一応イケメンの部類に入ると思うんだけど、コメディ映画の出演が多い。
おとぼけキャラが持ち味。
ただケイメンが災いしてか、それほどはじけた役はやらないので印象はちょっと薄めかな。

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原題:『HALL PASS』()
監督:ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー
出演:オーウェン・ウィルソン
    ジェイソン・サダイキス

『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟とオーウェン・ウィルソンがタッグを組み、
中年男2人の悲しい性(さが)を描いたドタバタコメディ。
親友同士のリックとフレッドは、お互いに長年連れ添っている妻がいる。
だけど、若い女性に目が行きがちでどうも夫婦関係が上手くいかない。
そこで妻たちは2人に対して、1週間だけ結婚生活から離れて何をしてもいいという許可証
(=Hall Pass)を与えることにするのだけれど……。

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ホール・パスというのは初めて耳にした言葉。
本来は学校なんかでトイレなどへ行く際、
生徒が教師からもらう許可証のことを意味する言葉らしい。
だけど、この映画では、
一週間だけ結婚を解消し、独身の時のように好き勝手に過ごしていいし、
その間に起こったことは一切詮索しませんという
男性にとってはまことに嬉しい許可証の意味で使われていおります。

だけど、なぜそんな許可証を妻が出そうと思ったのか。
それは心理学者の女友達の入れ知恵でありました。
その友人がこう言うんですね。
「あなた、リアクタンスって心理、知ってる?」

リアクタンスというのは、「心残りの心理」とか「ないものねだりの心理」と訳されています。
人は自分の意見や態度を自由に決定したいという動機を持っているんだけど、それが脅かされると自由を回復したくなるんですね。
だから、浮気するなと言われると、「浮気をする」って自由を回復したくなって他の女によろめきたくなるし、
どうぞご勝手にという態度をとられると逆に「女房ひとすじ」って自由を回復したくなって浮気に抵抗を示すようになっちゃう。
そういう心理が働くから、たとえホールパスを与えても夫はなかなか浮気はできないし、
かえって女房の大切さに気づくはずだと心理学者の友人はアドバイスをしたんですね。

で、結果はというと・・・。
これを書くとネタバレになっちゃうので、書けないんだなぁ、残念ながら。
(な~んて書くと何げに結果が気になるでしょ。それはあなたにリアクタンスの心理が芽生えたからだと思われます^^ゞ)

お話自体は、わりとしっかりとしたラブコメに仕上がっておりました。
もちろん、ファレリー兄弟らしい下ネタも要所要所にちゃんと用意されており、
ちょいと目を疑うシーンも!

そうそう、この作品、エンドロールがすべて終わるまで
立ち上がってはいけないタイプの映画だということは書いておいたほうがいいでしょうね。
もし、DVDでご覧になる場合でも、どんなオマケ映像があるか気になる方はそこんところ、お忘れなく(^_^)v

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by kiyotayoki | 2011-10-08 19:07 | 映画(は行)