映画の心理プロファイル

カテゴリ:映画(は行)( 139 )

『フィリップ、きみを愛してる!』(2009 仏)

ユアン・マクレガーファンの女性客は、彼が心優しいゲイに扮するこの映画をどういう気持ちで観たんだろう・・・。
となりに女性の一人客がいたこともあり、それが最後まで気になって気になって(^^ゞ。

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原題:『I LOVE YOU PHILLIP MORRIS』(97分)
監督・脚本:グレン・フィカーラ ジョン・レクア
原作:スティーヴ・マクヴィカー
音楽:ニック・ウラタ
出演:ジム・キャリー
   ユアン・マクレガー
   レスリー・マン

ジム・キャリーの相変わらずの怪演が楽しめる作品だけれど、それ以上にユアン・マクレガーの控えめでナイーブなゲイの演技を堪能した一作だった。
そのナヨナヨぶりは、歌舞伎の女形の仕草を見て研究したのではと思ってしまうほどでありました。
あまり期待していなかった分、大いに楽しめましたよ♪

ジム・キャリー扮する、IQ164の天才詐欺師・スティーヴンは、
収容された刑務所で心優しいフィリップ(ユアン)に一目惚れ。
スティーヴンはフィリップを幸せにしたい一心で、彼に内緒で詐欺を繰り返し、念願の2人きりのハッピーセレブ生活を実現。
が、それも束の間、詐欺が発覚し、再び投獄されることに。
それでも、たった一言、フィリップに「愛してる」と伝えるために、
人生の全てを賭けて詐欺と脱獄を繰り返す、というアンビリーバボーな物語。
これが実話を元にしたストーリーだというんだけど、どこまでが真実で、
どれくらいフィクションでまぶされているのかは???????(^^;
とにかく嘘のようなホントの話・・・・なんだよね、たぶん。

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だけど、ユアン・マクレガー扮する心優しいゲイの名前がフィリップ・モリスだなんて、
タバコ会社じゃあるましい、どうも怪しい。実話だとは、にわかには信じられない。
実話だけに本名を明かすわけにはいかず、偽名にしたというのならわかるけど。

じゃなぜフィリップ・モリスにしたか・・・。
考えられる理由は2つかな。
①ひょっとしたらフィリップモリスはゲイ御用達のタバコだったりして。
②ゲイだけに、くわえて吸うタバコを男の男性自身に喩えると、なんとなく・・・・。

おっととと、これ以上書くと、変なトラックバックやコメントが殺到するかもしれないので、
このあたりで自粛、自粛(;^^A

監督は、これまで「バッドサンタ」や「キャッツ&ドッグス」などの脚本を手掛けたコンビらしいけど、
監督業はこれがデビュー作なんだとか。


オープニングとエンディングの青い空に浮かぶ雲がやけに印象に残る映画でもありました(^^。

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原作者のスティーヴ・マックヴィカーはジャーナリストで、詐欺と脱獄を繰り返した実在の詐欺師
スティーヴン・ラッセルとその周辺の人々のインタビューをもとに書き上げたそうで、
スティーヴンがフィリップ会いたさに4度も脱獄を繰り返したのは紛れもない事実なんだそうな。
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by kiyotayoki | 2010-03-27 22:19 | 映画(は行)

『幕末太陽傳』(1957 日活)

この映画を観るのは今回で3度目くらいだと思うけど、こんなに何度観ても楽しめる日本のコメディ映画は珍しい。
とにかくテンポがいいのだ。テンポが良すぎる映画はシーンとシーンがぶつ切れになりがちだけど、それもない。
このテンポの良さは、お話のベースが落語の『居残り佐平次』だから?
いや、やっぱり監督の腕と、フランキー堺という役者の類い希なるコメディセンスのおかげでありましょう。

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(110分)
監督:川島雄三
脚本:田中啓一・川島雄三・今村昌平 
音楽:黛敏郎
出演:フランキー堺
   石原裕次郎
   左幸子
   南田洋子

海外では『SHINAGAWA PATH』という英語タイトルで放映されていることを今回初めて知った。
「品川路」とか「品川宿」って意味なんだろうか。
舞台は、幕末(安政2年:1855年)品川の女郎屋。
品川は、江戸の表玄関。西国へ、そして西国から、武士から百姓、
はたまた裏の世界でしか生きられない連中まで、有象無象が町を行き交っている。
その吹き溜まりが街道筋に並ぶ女郎屋だ。

主人公の左平次は遊興代が払えずに女郎屋に居残っている男。
だけど悲壮感はこれっぽっちもない。それどころか、水を得た魚のようにイキイキとしてる。
というのも、左平次にとって金を稼ぐことなど朝飯前だからだ。
持ち前の図々しさと要領の良さ、そしてとびきりの才覚で、左平次は自分の立場を逆手にとって寝る間も惜しむように動き回り立ち回り、欲の亡者どもから金を吸い取っていく。

向かうところ敵なしの左平次だけど、唯一の弱みは当時不治の病だった労咳病みだということ。
それとて左平次は、調子に乗りすぎる自分への戒め(ブレーキの役割)としてプラスに受け取っている。
くよくよしたって始まらない。それより生きるのが先決だ、ともう前向きも前向き。
そんな左平次を見ていると、生命力の違いを痛感させられちゃう(^^;。
なにしろ「首だけになっても動いて見せまさァ!」って台詞を吐くようなヤツなんですから。

左平次ほどではないけれど、他の連中の生命力も半端じゃない。
若き日の左幸子や南田洋子が演じる女郎たちにしても、当時売り出し中の石原裕次郎扮する高杉晋作ら勤王の志士たちにしても、生きるのに貪欲で生命力にあふれてる。
まさに“太陽傳”。看板に偽りなしだ。
これは、昭和30年代初期という時代のせいもあるんだろうな。

そうそう、この監督がすごいなと思うのは、当時売り出し中の石原裕次郎や小林旭、二谷英明など当時の日活オールスターというか主役級の連中を脇役に使っているところ。
これには日活首脳陣も頭を抱えたんじゃないだろうか。

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お話には「居残り佐平次」以外にも「品川心中」「三枚起請」「お見立て」「明烏」といった落語でお馴染みの廓噺が随所にちりばめられていて、落語ファンにとっても大いに楽しめる作品になっていますよ。
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by kiyotayoki | 2010-03-12 10:28 | 映画(は行)

アカデミー賞 短編アニメ部門のノミネート作品

明日は、アカデミー賞2010の授賞式が行われる。 
そこで、自分的に最も気になる(受賞式では、ほんのちょっぴり、さわりしか見られないので^^;)
「短編アニメ部門」のノミネート作品を集めてみた。

ノミネート作品は、以下の5本。
「フレンチ・ロースト」(原題)
「ザ・レイディー&ザ・リーパー」(原題)
「グラニー・オー・グリムズ・スリーピング・ビューティ」(原題)
「ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢」
「ロゴラマ」(原題)

French Roast


The lady and the reaper


Granny O'Grimm's Sleeping Beauty




こちらは、Wallace and Gromit "A Matter of Loaf and Death"の予告編。



こちらは、Logoramaのオープニングシーン。



全部を観たわけじゃないので何とも言えないけれど、
さて、オスカー像はいずれの手に?
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by kiyotayoki | 2010-03-07 21:24 | 映画(は行)

P.S. アイラヴユー(2007 米)

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いまだに『ミリオンダラー・ベイビー』の女子プロボクサー・マギーの印象が強いヒラリー・スワンク。
いつも苦虫を噛みつぶしたような顔をしてる彼女の、こちらはラブロマンス物。
さて、どんな顔で演技をしているのか。そこに興味があって観てみることにした。
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原題:『P.S. I LOVE YOU』(126分)
監督・脚本:リチャード・ラグラヴェネーズ
音楽:ジョン・パウエル
出演:ヒラリー・スワンク
    ジェラルド・バトラー
    ハリー・コニック・Jr
    キャシー・ベイツ

ラブロマンス物でも、やっぱりヒラリーは苦虫を噛みつぶしたような顔をしていた。
ジェラルド・バトラー扮する夫ジェリーが突然、脳腫瘍でこの世を去ってからは特に(^^;。
もちろん、素敵な笑顔も見せてくれるんだけど、印象に残るのはやっぱり・・・。
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彼女が苦虫を噛みつぶしたような顔に見えるのは、口と口元の深い笑い皺が原因だと思う。
その笑い皺の入り方、誰かに似てるなと思っていたんだけど、映画を観ていてハッと思い当たったのがこの人、デンゼル・ワシントン。
このお二人、白人と黒人という人種の壁を越えて、口元だけ見るとソックリだと思いません?


さて、肝心の映画の感想はというと、
つれ合いを亡くすという物語だけに、同じ体験をした身としては涙腺がゆるくなって当然なのだけれど、
ううむ、夫が遺した10通の手紙と、それに導かれてゆく主人公ホリーのグリーフワーク(哀しみを癒すプロセス)と
その顛末にいまひとつ乗り切れなくて、ゆるみかけた涙腺はついに決壊せずに終わってしまったのでした(^^;。
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by kiyotayoki | 2010-01-10 00:34 | 映画(は行)

『僕の彼女はサイボーグ』(2008 日)

この正月三が日、TVでやっていた映画で、ちゃんと観たのはこれ1本っきりだった。
なぜよりによってこれだけ観たかですって?
それはね、たまたまタイミングが合ったということもあるんだけれど、
昨年暮れにやっていたテレビドラマ『JIN-仁』をみて、綾瀬はるかさんの俄ファンになっちゃったからデス(*^_^*)。
男性にとって、健気につくしてくれ、しかもその立ち居振る舞いに力みがなく自然に見える女性って、やっぱり魅力的に映るんでしょうね。

そうそう、この映画で共演した小出恵介と桐谷健太のお2人は『JIN-仁』 の共演者でもあるんだね♪
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監督・脚本:クァク・ジェヨン
主題歌:MISIA 『約束の翼』
出演:綾瀬はるか
   小出恵介

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この映画の彼女も、一見暴力的だけど、実は『JIN-仁』の彼女と同じように主人公の男性に「健気につくしてくれ、しかもその立ち居振る舞いが自然に見える」キャラクター。

ま、つくすのは当たり前かもしれません。だって彼女、主人公の命を守るために未来から現代に送り込まれたサイボーグなんですから。
それだけに計り知れないパワーを持ってる。暴力的なのはそのため。
設定は『ターミネーター』と瓜二つ。ただ、『ターミネーター』は人間社会の破滅を救うためだったけど、こちらは主人公を救うためだけにやってくる。超個人的(^^;。お話が日本の映画らしくこぢんまりとしているのはそのせいでしょう。

ただ、演出が『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨン監督なだけに、ベタだけど小気味よくギャグが挿入されている。また、ウェットな部分は過剰なほど切なく描かれているので、ちょっと日本映画離れしたところはあるんだけれど・・・。

現代の大学生の幼少時代がまるで昭和30年代の日本のごとくに描かれていたり、
物語の後半は、「うわっ」「えっ?」「そうなるわけ?」と、疑問符つきまくりな展開になる映画ではあるのですが、
まあそこに目くじらは立てないことにしました。
だってお正月ですし、綾瀬はるか嬢の魅力は満載の映画ですから。

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by kiyotayoki | 2010-01-05 17:35 | 映画(は行)

『パブリック・エネミーズ』(2009 米)

1930年代前半に「社会の敵(パブリック・エネミー)No.1」と称されたジョン・デリンジャーの半生を描いた作品。
1973年版でデリンジャーを演じたのは脇役俳優だったウォーレン・オーツ。今回は、いつも主役を張るジョニー・デップ。
そして、デリンジャーを追うパーヴィス捜査官は、いぶし銀のベン・ジョンソンから、やはりスター俳優のクリスチャン・ベイルへと替わった。
1973年版が脇役俳優の味で魅せる映画なら、新作はスターの輝きで魅せる映画というところでありましょうか。
さて、その出来映えは・・・。

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原題:『PUBLIC ENEMIES』(141分)
監督:マイケル・マン
原作:ブライアン・バーロウ
脚本:ロナン・ベネット他
音楽:エリオット・ゴールデンサール
出演:ジョニー・デップ
    クリスチャン・ベイル
    マリオン・コティヤール

監督も、ジョン・ミリアスからマイケル・マンに替わったけれど、
どちらもガンプレイは得意な人だから、その点では甲乙つけがたい。

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主人公のジョン・デリンジャーについては、本物に近いのはきっとウォーレン・オーツなんだろうな。
ジョニー・デップはカッコよすぎるし、洗練されすぎだものね。
だけど、デリンジャーの「汚れた金しか奪わない」「仲間は決して裏切らない」「愛した女は最後まで守る」といったマスコミが作り上げた“義賊”としての彼の信条を体現できている点は、デップのほうが上かも。

デリンジャーを追うパーヴィス捜査官は、貫禄・風格では断然ベン・ジョンソンの勝ち。
ただ、捜査能力はクリスチャン・ベイルのほうに軍配があがる。
当時としては、わりとまともに科学捜査を行っているし、盗聴も駆使している。それに、デリンジャーが監獄から脱走するや、愛人のビリーをぴったりマークし、盗聴で2人の電話の会話を傍受(そのわりに、抜けているところがあって、簡単にデリンジャーに出し抜かれたりするんだけど^^;)。
その点、強面のジョンソンは愛人ビリーを野放しにして、ひたすらマシンガンをぶちかますのみだった。

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デリンジャーの愛するビリーはというと、これはもう今回のマリオン・コティヤールのほうが断然光ってる。
不幸な生い立ちではあるけれど都会でひとりで生きていく術は身につけている女で、混血のせいか神秘的で毅然とした美しさの持ち主でもある。
1973年版のミシェル・フィリップスが演じたビリーは、ひたすらデリンジャーにつき従うだけの女だったけれど、こちらのビリーは一度は彼の求愛を拒んでみせる。芯の強い女なのだ。
その芯の強さが如実に表れていたのが捕縛されて激しい尋問を受けるシーン。
巨漢の捜査官はデリンジャーの居所を吐かせるために怒鳴りつけるのは当たり前、トイレにも行かせず、ビリーに殴る蹴るの暴行を働く。それに必死に立ち向かう彼女の姿、そしてエンディングに見せる彼女の居住まいは、さすがオスカー女優といった感じ。
この映画での一番の収穫は、マリオン・コティヤールの新たな一面を見ることができたことかもしれないな。

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1973年版は脇役俳優が光る映画だったけれど、こっちにも渋い脇役たちが登場する。
こちら(↑)は、デリンジャー逮捕のためにパーヴィスが呼んだ助っ人捜査官の面々。その登場の仕方は、まるで西部劇に出てくる助っ人用心棒のようででありました。
中でも目立っていたのは、真ん中のウィンステッド捜査官を演じたスティーヴン・ラング。この人、この冬の話題作『アバター』にも出ているようです。

音楽で印象的に使われているのは、当時流行っていたと思われるジャズの名曲『バイ・バイ・ブラックバード』。
歌っているのは、ダイアナ・クラール。
映画にもナイトクラブの歌手として登場するけど、この人の旦那ってエルヴィス・コステロなんだね。


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by kiyotayoki | 2009-12-28 10:38 | 映画(は行)

『ファニーゲーム U.S.A』(2007 米)

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ナオミ・ワッツとティム・ロスが主演してるというので、なんの気なしに軽い気持ちで見始めた映画。
ところが、先日観た『ある戦慄』(1967)以上に“まんじりともせず”度の高い、その上、後味のすこぶる悪い作品だった。

鑑賞後に知ったことだけど、この後味の悪さは監督の意図したものだったらしい。

原題:『FUNNY GAME U.S』(111分)
監督・脚本:ミヒャエル・ハイネ
製作総指揮:ナオミ・ワッツ他
出演:ナオミ・ワッツ
    ティム・ロス
    マイケル・ピット
    ブラディ・コーベット

この映画は、ドイツ人監督ミヒャエル・ハイネが1997年に撮った『ファニー・ゲーム』を自身で完全リメイクしたものらしい。
だからタイトルに『ファニーゲーム U.S.A』と“U.S.A”がついてるんだね。
97年当時は、そのあまりにも挑発的で暴力的な内容に世界各地で物議を醸したものだったらしい。
その問題作を、脚本はそのままにキャスティングだけ変えて米国で撮り直したのが本作。
オリジナルを知らないので、張りつめた展開に十分緊張させられ、また、ゆううつな気分にさせられちゃったけど、前作を観ていた人はどうだったんだろ。
製作総指揮には、主役を務めたナオミ・ワッツの名がある。
ってことは、彼女自身がリメイクを望み、主演も買って出たってことなんだろう。やるね、ナオミ・ワッツ。

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ワッツ扮するアンは、夫と息子と一緒に夏のバカンスを過ごすために湖の畔にある高級リゾート地へやってくる。
そういうところに別荘を持っているんだから、アンの家族は裕福に違いない。おとなりさんの別荘はもっとすごくて英国の貴族の別荘みたいだし。WASP専用の別荘地って感じ。

だけど嫌な違和感は、オープニングから炸裂する。
のどかな風景にのどかな音楽、のんびり走るステーションワゴン。
そこへ突然、ヘビメタのサウンドがカットインしてくるからだ。しかもタイトルのロゴの色は、鮮血のような赤だ。

別荘に着いた一家は翌日のボート・セーリングの準備を始める。
そこへピーターと名乗る見知らぬ若者がやって来る。となりの別荘の客で、主人から卵を借りてくるように言いつかったのだという。
はじめはシャイで礼儀正しい態度を見せていたピーターだったのだけれど、ここでまた違和感が。
清潔そうな白いテニスウエアを着ているのだけれど、なぜか両手には白い手袋をしているのだ。
そんなピーターだったけれど、もう一人ポールが姿を現す頃にはその態度は豹変し、横柄で不愉快なものとなっていく。

その不愉快さは、2人がアンの夫ジョージの膝をゴルフクラブで打ち砕いたあたりから恐怖へと変わる。
2人はなんと一家の皆殺しを宣言。
その時点から、一家はポールとピーターによる“ファニーゲーム”の参加者にされてしまうのだ。

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まるで覚めない悪夢を延々と見せられているような2時間だった。
悪夢のように現実では起こり得ないこと(時間巻き戻し)も平気で起こるしな。

こういう役に挑戦するナオミ・ワッツの役者魂には感服したけど、再見は御免こうむりたいな(^へ^;。
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by kiyotayoki | 2009-11-16 11:11 | 映画(は行)

松田優作

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明日(11月6日)で、松田優作さんが亡くなって20年になるんだそうだ。
ということは、遺作になった『ブラック・レイン』が公開されてからも、もう20年が経つということか。

遺作では、ぞっとするような目をした殺し屋を演じて鮮烈なハリウッドデビューを果たした彼だったけれど、
公開されてすぐに癌で亡くなってしまった。まだ40歳だったんだね。
ということは、ご存命なら60歳・・・・?
還暦の優作さん、ご存命ならどんな演技を見せてくれていたことだろう。

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個人的な思い出だけど、一度だけ松田優作さんの姿を間近で拝見したことがある。
場所は、銀座の映画館のロビー。
ちりちりのウェーブ頭にサングラス、そしてGジャンの上下という、いかにもって出で立ちだったから、ひと目でわかった。
ひとりでソファーに座ってらっしゃったけど、足が長いから膝頭の位置が高~い!
いつ頃だったか、思い出せないのだけれど、あの姿だからたぶん30歳ぐらい?
その頃、「松田優作は勉強家で、自分でチケットを買って映画館通いをしているらしい」という噂話を聞いたことがあったので、おお、噂は本当だったんだぁと納得したのを覚えてる。

残念なのは、その記憶があまりにも印象的だったので、そのとき観た映画が何だったのかを思い出せないこと(^^;。
何を観たんだっけ、あの時・・・・。
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by kiyotayoki | 2009-11-05 12:37 | 映画(は行)

『ハッピーエンド』(2008 日)

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(90分)
監督・脚本:山田篤弘
音楽:牧野将子 Lifeguard Nights
出演:菜葉菜
    長谷川朝晴
    河合龍之介
    広田レオナ 

今、渋谷のユーロスペースで「真夏の夜の万華鏡」と銘打って、夜9時から若手の映像作家たちの作品が逐次公開されている。
その1本、『ハッピーエンド』を観てきた。

監督は、山形国際フィルムフェスティバルの2007年度のグランプリ受賞者。
その賞金1000万円で撮り上げた作品らしい。
終始のんびりした雰囲気だったのは、全編オール山形市ロケだったためかな?

開演前に、監督やキャストによる舞台挨拶があった。
出演者からは「ポップで楽しい」「日本じゃないような風景や映像の撮り方をしてる」とのコメントがあったので期待が高まった。
『ゴーストワールド』みたいなこだわりのある作品だといいな。

オープニングはまさにそのコメント通り。
ポップで楽しげなタイトルロール。
ショートヘアーをを赤く染めた主人公桃子(菜葉菜)の住むアパートの部屋の壁は
隙間なくポスターだのチラシだのがおしゃれに貼られてる。インテリアの色使いもポップだ。
この室内、撮影前にスタッフ総出で作り上げたんだろうな。思えばセットらしきものはココだけ。
あとは有り物(ロケ)ばかりだから、余計に力が入ったのかもしれない。
そして、意味もなく空から洗濯機がドカッと降ってくる。
おおっと、このドラマ、この後どんな展開を見せるんだ???

・・・・と、興味津々だったのはそこまでだったかなぁ。


映画オタクの桃子の生活はわりとシンプル。
レンタルショップと仕事場の図書館と映画館、それにアパートを加えたエリアが彼女の生活圏。
好きな映画はホラー系で、ラブコメは大嫌い。というか、恋には不慣れで苦手なせいか、無視しているのが実状かな。
レンタルビデオ屋の店長・黒田(長谷川朝晴)が自分に特別な感情を抱いているのを知っているが、それも無視。
そっけない態度をとるし、逆にいじめる。Mっ気のある黒田はそんな関係に満足している風で、桃子が一人前に恋ができる女になれるようにと何かと世話を焼く。典型的なアガペー(献身)タイプの男。
ラブコメにありがち、ベタなキャラだし人間関係です。
ベタといえば、桃子のしゃべり方もそう。これがまさにラブコメの教科書どおりのセリフ回し。
桃子を演じた菜葉菜(なはな)という女優さんもラブコメの主人公の必須条件である「スレンダーで中性的」で「メガネをとるとちゃんと可愛くなる」女の子でありました。

そんな桃子が恋らしきものをして戸惑う姿、そして本当の恋を見つけるまでをカメラは追うのだけれど、
そのどれもがステレオタイプなんだな。それが監督の狙いなのかもしれないし上手くまとまってはいたけれど、新人監督がこんな冒険心のない映画を撮ってていいのかしらん。正直そう思ってしまった(^へ^ゞ。

ただ、映画への愛は感じられたな。
会話の中に映画のタイトルやセリフがたくさん引用されているし。
だけど、みんな古い作品ばかりなんだよなぁ。新しいのでもトム・ハンクス&メグ・ライアンの『めぐり逢えたら』止まり。いくら映画オタクでも、若い子たちの口からこんなに古い映画ばかり出てくるかしら。

そうそう、こんなセリフがあった。
「ラブコメとラブストーリーの違いは、ハッピーエンドかそうじゃないかってとこ」
なるほどね。

嬉しかったのは、桃子の行きつけの映画館として、山形の古い映画館が使われていたこと。
たぶん下の「シネマ旭(あさひ)」という映画館だと思う。
前身の旭座は大正時代からあったらしく、下の建物ができてからも50年以上が経つという。
(残念ながら映画館としては2007年暮れに廃館となったらしい)
この映画館の姿を映像に留めることができただけでもこの映画の価値はあったかもしれないな。
ちょっと辛口になってしまったけれど、若い人たちには日本映画を面白くするためにも頑張ってほしいものデス。

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by kiyotayoki | 2009-09-22 12:15 | 映画(は行)

『フィアレス』(1993 米)

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原題:『FEARLESS』(122分)
監督:ピーター・ウィアー
脚本:ラファエル・イグレシアス
音楽:モーリス・ジャール
出演:ジェフ・ブリッジス
    イザベラ・ロッセリーニ
    ロージー・ペレス
    トム・ハルス
    ジョン・タートゥーロ
    ベネチオ・デル・トロ

先日の『刑事ジョンブック 目撃者』に続いて、
このピーター・ウィアー作品を久しぶりに観た。
最後はまたティッシュが必要になった。
そして、人間と宗教との関わりについて、柄にもなくしばらく思いにふけってしまった。

人間が神なる存在を創りあげた理由、その根源は「死への恐怖」だったのだろう。
この映画の主人公、ジェフ・ブリッジス扮するマックスは、飛行機の墜落事故で極限ともいえる死の恐怖を味わい、それを乗り越えて以来、生きることへの畏れすらなくしてしまったフィアレス男。
死への恐怖がないのだから、彼が神を信じないのは当然かもしれない。

けれどその一方で、マックスは炎上する機体からこともなげに、そして救世主のごとく生存者を救出していく。
それは、死を恐れないからこそできた行為でもあった。
その姿に、助けられた人々は彼に神を感じ、その慈愛にすがろうとする。
神を信じない男が神のごとき存在になってしまう皮肉・・・。

マックスにその気があって、計算の働くとりまきがいたら、即席で新興宗教でもできそうな勢いだ。
けれど、ピーター・ウィアーと原作・脚本を兼ねたラファエル・イグレシアスは、そんな話にはしなかった。そっちのほうがストーリーを展開していくには楽だったろうに。
ひとりの男がいかにして神や専門家の力を借りずに魂の救済を行うかという、困難な道のほうを選んだ。
それだけに、事故で我が子を失い、ただただ神にすがろうとする女性カーラ(ロージー・ペレス)をマックスがどう救済するのか、またそれをどう映像化して表現するのか、固唾をのんで見守った。

うーん、ウィアー監督、こうきたか。そして、ある意味神になりそこねた男を、ああ、こうやって人間に戻してやったか・・・
それに感動してやっぱりうるっとしちゃった。

この映画のもうひとつの魅力は、なんといっても主役のキャスティング。
ジェフ・ブリッジス、いい役者さんです。これがオスカーをかすりもしなかったのが不思議なくらい(この年は、トム・ハンクスが『フィラデルフィア』で受賞)。
いかにもプエルトリカンなロージー・ロペスも良かった(こちらは助演でノミネートされたらしい)。

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こちらは墜落現場から超然と姿を現した主人公の映像。

『フィールド・オブ・ドリームス』(1989)といい、これといい、トウモロコシ畑が生と死の境界線みたいになっている。
それにふさわしい場所だってあちらの人は思っているのかな。

そうそう
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by kiyotayoki | 2009-04-29 13:12 | 映画(は行)