映画の心理プロファイル

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『グリーン・デスティニー』(2000 米・中)

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原題:『CROUCHING TIGER HIDDEN DRAGON』
    (120分)
監督:アン・リー
原作:ワン・ドゥルー
音楽:タン・ドゥン
    ヨーヨー・マ
出演:チョウ・ユンファ
    ミシェル・ヨー
    チャン・ツィイー
    チャン・チェン

今年ももう大晦日になってしまいました。早いものです、まったくぅ。
04年の最後はどの映画にしようかなと思いましたが、思い入れというよりは
ネタ先行で選んでしまいました。
この映画、アカデミー賞外国語映画賞他4部門をとるなどアメリカでの評価が
高かっただけに日本でも期待をもって迎えられましたが、観劇後の感想はと
いうと知人の間でも賛否両論でした。
「剣の達人達の激闘をこんなに美しく詩情豊かに描いた作品は見たことない」
と激賞する人もいれば(これは納得)、
「いくらなんでも飛びすぎ。中味もないし、収穫はチャン・ツィイーだけ」
と落胆した人も(こちらもちょっと納得)。
で、アメリカであんなに評価が高かったのはなぜなんだろうと思っていたら、
ある本(「くちコミ マーケティング」日本能率協会マネジメントセンター刊)に
「へえ、そうだったの」ということが書いてありました。
それによると、この映画が当たったのは周到な「くちコミ」戦略が功を奏したか
らだというのです。
配給元ではこの映画の未編集フィルムを観た時点で評価は高かったものの、
監督も出演者もまだ知名度が低く、中国語というハンデもあったため、プロモ
ーションには金はかけられないと判断。その低予算の中で最大限の効果を
あげるためにとられた方法が「くちコミ」だったのです。
それでどうしたかというと、格闘技映画、アクション映画、恋愛映画、外国映
画の要素を含んだこの映画をアピールするために、それぞれ空手ファン、ア
クション映画ファン、女性、外国映画ファン、ティーンエイジャー、ニュースキ
ャスターなどターゲットごとに試写会を上映。しかも招待客は空手スクール
などに所属している人、女性向けスポーツ誌の購読者など「くちコミ」を周囲
に派生させる影響力のある人に限定。
この戦略が見事に当たり、クチコミで「面白い」という噂が全米に広がり、当初
はアートシアター系の単館契約だったのが、全米700館以上での上映になっ
たっていうんですね。
アメリカでは「噂」や「くちコミ」に関しては心理学者のオルポートなどが昔から
盛んに研究しており、それが広告でも随分と活用されているんですね。

考えてみれば、このブログも「くちコミ」で輪が広がっていくコミュニケーション
ツールといえますね。
このブログにアクセスしてくださってる皆さん、コメントを寄せてくださった皆さん
ありがとうございました。来年もどうぞよろしく。
では、よいお年を! 

       
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by kiyotayoki | 2004-12-31 11:10 | 映画(か行)

『荒野の七人』(1960 米)

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原題:『THE MAGNIFICENT SEVEN』(128分)
監督・製作:ジョン・スタージェス
原作:黒澤 明他
音楽:エルマー・バーンスタイン
出演:ユル・ブリンナー
    スティーヴ・マックィーン
    チャールズ・ブロンソン
    ジェームズ・コバーン
    ロバート・ヴォーン
    ホルスト・ブッフホルツ
    ブラッド・デクスター
   イーライ・ウォラック
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リメイクものというと、思い浮かぶのはやはりこの映画。
オリジナルは、言わずと知れた黒澤明監督の『七人の侍』
(1954)。個人的には、『荒野の七人』のほうを先に(TVで)
見たので、リメイクというイメージはあまりないのですが・・・。
監督は、その後この映画に出てくるイキのいい役者さん達を
使って傑作『大脱走』を撮ることになるジョン・スタージェス。
一度聞いたら忘れられないテーマ曲の作曲者は、エルマー・
バーンスタイン。
主演は上のポスター写真には小さくしか写っていませんが、眼光鋭い
ユル・ブリンナー。上のポスターはリバイバル上映時のものらしく、人気絶頂
だったマックィーンとブロンソンがまるで主役のように前面にフィーチャーされ
ています。

舞台となるのは、メキシコの寒村イストラカン。村人達はただでさえ貧乏なの
に、毎年盗賊の一群に貢ぎ物を強要され困窮していました。そこで窮余の一
策、村人たちは助っ人を雇うことにします。まず白羽の矢を立てたのが黒い
テンガロンハットに黒い服の凄腕ガンマン・クリス(Y・ブリンナー)。
このクリスが『七人の侍』でいえば志村喬が演じた勘兵衛に当たる人物。
クリスは、頼りになそうな男達を仲間に引き込んで村へ向かいます。
その仲間というのが、ヴィン(S・マックィーン)、オライリー(C・ブロンソン)、
ハリー(B・デクスター)、ブリット(J・コバーン)、リー(R・ボーン)、そして
お邪魔虫のチコ(H・ブッフホルツ)の面々。
役柄でいえば、ブッフホルツの役が一番の儲け役のはずなんですが、存在
感の違いか、結局、目立ったのはマックィーンとブロンソンとコバーンの3人。
この3人はスタージェス監督の次なる大ヒット作『大脱走』にそろって起用され
またまた存在感を見せつけていますから、やっぱりスターになる人って輝き方
が違うんでしょうね。
この映画の中で、もうひとり強烈な個性を発揮しているのは盗賊のボスを演じ
ているイーライ・ウォラック。『荒野の七人』のうち6人は故人となってしまい、
残っているのはロバート・ヴォーンだけですが、敵キャラのイーライ・ウォラック
翁は89歳にしていまだ健在というのは嬉しいかぎり(『ミスティック・リバー』
にもちょい役で出ておられましたし)。

それにしても、今回ざっと見直してみて驚いたのは、村人からもらう7人の
報酬がひとりアタマたった20ドルだってこと。いくら当時は今より物価が安かっ
たからってねえ。しかも契約では「6日間で」と言ってたので、1日にすると
たった3ドルちょっと。マックィーン扮するヴィンが「拳銃の弾代にもならない」
ってグチってましたから、日給としては相当安かったに違いありません。
それでも彼らが命をかけたのはなぜだったのでしょう。

それは、『認知的不協和』という心理が働いたからだと思われます。
人は「こんなに安いのに、なんで危ない仕事をしなきゃならないんだ」という
心理的葛藤(不協和)が生じると、「いや、ギャラの安さなんか関係ない。
これは俺じゃなきゃできない仕事だし、村人を助ける崇高な仕事なんだ」と、
いろんな理由をつけて自分を納得させ、自分の行動を正当化しようとする
イキモノらしいのです。
ボランティアで働く人たちを見ると感心しちゃいますが、彼らは彼らで心に芽生
える葛藤をきっと『認知的不協和』の心理で解消しているんでしょうね。 
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by kiyotayoki | 2004-12-29 11:31 | 映画(か行)

『華麗なる賭け』(1968 米)

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原題:『THE THOMAS CROWN AFFAIR』(105分)
監督・製作:ノーマン・ジュイソン
脚本:アラン・R・トランストン
音楽:ミシェル・ルグラン『風のささやき』
出演:スティーヴ・マックィーン
    フェイ・ダナウェイ
    ポール・バーク
    ジャック・ウェストン

映画を見ていると、たまに別の映画が挿入されていることがあります。
例えば、前回ご紹介した『チャンス』。主人公のチャンスは大のテレビ好きなの
で、テレビを見るシーンが度々登場します。そんなシーンのひとつで、重要な
役割を果たすのがこの『華麗なる賭け』。
この映画には映画史に残る、まさに“目くるめく”という表現がぴったりのラブ
シーンが登場します。演じるのは硬派のイメージが強いS・マックィーンと当時
売り出し中の知的美人F・ダナウェイ。
テレビのマネをするのが大好きなチャンスは、そのシーンをマネて大富豪夫人
と生まれて初めて熱烈なキスを交わすことになるのです。

さて、『華麗なる賭け』は、『夜の大捜査線』(1967)のノーマン・ジュイソン
監督が手がけたスタイリッシュなクライムムービーです。
子供の頃憧れていたマックィーンが演じるのは、大富豪の実業家トーマス・
クラウン。マックィーンというと『大脱走』や『荒野の七人』の埃にまみれた男の
イメージが強すぎるので、スーツ姿でビシッとキメる役柄はどうかなと思いまし
たが、なんのなんのしっかりと余裕で大富豪を演じてくれています。
でも、ただの大富豪ではありません。スリルを求めて、また自分の才能を証明
するために銀行強盗を働いてしまうのです。しかも自分は一切手は下さずに。
当時としては斬新だった画面分割で見せる銀行襲撃シーンは話題になりまし
た。
そんなトーマスを犯人とにらんで証拠を掴もうと接触を図ってくるのが保険会社
の腕利き調査員ヴィッキー(F・ダナウェイ)。けれど、そこは魅力的な男と女。
恋が芽生えないわけがなく、2人はまもなく恋に落ちてしまいます。
2人がチューンナップされたサンドバギーで砂浜をかっ飛ばすシーンはとても
印象的。あのサンドバキー、プラモでもいいから欲しかったなぁ。
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この『華麗なる賭け』は近年『トーマス・クラウン・アフェアー』
(1999)という、原題をそのまま使ったタイトルでリメイクされ
ています。トーマスを演じるのは007でおなじみのピアース・
ブロスナン。恋に落ちる保険調査員はレネ・ルッソ。
こちらの監督は、『ダイハード』のジョン・マクティアナン。
基本的な設定は同じですが、違う部分も多々あります。
オリジナルは銀行を襲いますが、リメイクが襲うのは美術館。
盗むのは金ではなく、モネの絵。
また、こちらではトーマス自ら美術館に出向き、絵を盗んでしまいます。
舞台もオリジナルは、よりハイソなイメージのボストン。こちらはニューヨーク。
テーマ曲は同じ『風のささやき』ですが、こちらはスティングが歌っています。
また、リメイク版にはオリジナルには登場しない精神科医が出てきます。実は
その精神科医を演じているのはフェイ・ダナウェイ。オールドファンならニヤリと
してしまう演出です。
そうそう、よくブログの行き来をさせていただいているgloriaさんが指摘してく
ださったんですが、リメイク版では美術館が犯行の舞台となるだけに、美術愛
好家をニヤリとさせてくれる演出も施されています。
トーマスをはじめとする犯人グループが皆、まるでマグリットの絵に出てくるよう
な紳士のスタイルで登場するのです。それが目くらましとなって、張り込んでい
た警察は右往左往してしまいます。

それにしても、トーマス・クラウンという主人公、頭はいいし、カッコイイし、金は
あるし、スポーツは万能だし・・・と非の打ち所のない男。なのにこんな犯罪を
おかしてしまうのは、心に満たされない何か、歪んだ部分があるのでしょうね。
F・ダナウェイ扮する精神科医なら、そんなトーマスに「自己愛性人格障害」と
いう診断を下すかもしれません。
その人格障害の特徴は、自分は人よりもユニークで、特別な才能を持ってい
るという自負があるという点。自分は特別だという思いが強いので、その才能
をことさらに見せつけようとしがちなのです。
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by kiyotayoki | 2004-12-28 10:12 | 映画(か行)

『チャンス』(1979 米)

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原題:『BEING THERE』(130分)
監督:ハル・アシュビー
原作・脚本:イエジー・コジンスキー
出演:ピーター・セラーズ
    シャーリー・マクレーン
    メルヴィン・ダグラス
    ジャック・ウォーデン

『グリンチ』が子供だけでなく大人も楽しめるファンタジーなら、
この作品は大人のためのファンタジーといえそう。
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主人公のチャンス(P・セラーズ)は、まるでマグリットの絵から
抜け出してきたような紳士然とした中年男性。身につけている
服が、高級ではあるけれどどこかアンティックな感じがするの
は、それらが全て死んだ雇い主からもらったお下がりだから。
ワシントンの街をあてもなく歩くチャンス。彼の職業は、昨日まではある屋敷
の庭師(ガーデナー)でした。物心ついた時にはもうその屋敷に住んでいて、
庭の手入れの手伝いをしていたようです。以来、チャンスは一歩も屋敷から
出ることなく日々庭の手入れをして暮らしてきました。まるで無菌室で純粋
培養された植物のように。
実のころ、チャンスは見た目は中年男ですが、心は子供のまんま。
外の世界を知る唯一の手段であるテレビをこよなく愛す純な男でした。
そんなチャンスに転機が訪れたのが昨日のこと。屋敷の主が死に、長年住ん
だ家から追い出されてしまったのです。
人生の転機はそれでは終わりません。バックしてきた車に挟まれてしまった
チャンスは、その車の持ち主の家に担ぎ込まれてしまいます。
でもその家はただの家ではありませんでした。アメリカの政治をも動かす
財界の大物ベンジャミン・ランド(M・ダグラス)の大邸宅だったのです。
財界の大物ランド氏は余命幾ばくもない身で、邸宅内には医療施設が完備
されており、チャンスは怪我が治るまでこの家の厄介になることに。
ここで、ちょっとした誤解が生じます。
チャンスが「チャンス、ガーデナー(庭師)です」と口ごもって名乗ったのを、
ランド氏の妻イブ(S・マクレーン)が「チャンシー・ガーディナー」と聞き間違え
たのです。
聞き間違えたのは、イブに先入観があったから。
人は相手のことを第一印象で判断しがち(「初頭効果」といいます)。
物腰柔らかで、高級な服を一分の隙もなく着こなしているチャンスを見て、
イブは「この人は名家の出に違いない」と思い込んでしまったのです。
セレブの彼女は、チャンスに自分と同じ匂いを感じ取ったんでしょうね。
そんな先入観ができあがると、人はその色眼鏡で相手を見、すべて判断する
ようになってしまいます(恋をした時も同じですね。思い込みで相手をどんどん
“理想の人”化していっちゃいますから)。
こうして、チャンスはチャンスのままで、けれどランド家の人々はチャンスを
“チャンシー・ガーディナー氏”として接するようになるのです。
欲というものがなく含蓄のある話をする(実は庭木の話をしているだけなの
ですが)“チャンシー”を気に入ったランド氏は、訪ねてきた大統領(J・ウォー
デン)にチャンスを友人として紹介します。
紹介された大統領も“チャンシー”を謎の大物と思い込み、FBIやCIAを総動
員してチャンスの経歴を調べさせます。そして、大統領が記者会見でチャンス
の言葉を引用して喋ったことで、マスコミまでが騒ぎ出すことに。
「大統領に意見が言えるチャンシー・ガードナー氏とは一体何者か?!」
そんな大騒動をよそに、チャンスはチャンスのままで相変わらずの日々を送っ
ていくのですが・・・。
原題の『BEING THERE』は「そこにあるがままに」とでも訳すのでしょうか。

この作品、ベルギーの画家マグリットの一連の作品にインスパイアーされた
ことは確かだと思います。マグリットの描くシュールな絵画は、世の既成観念
にとらわれません。重力からも解放されています。だから、大きな岩も空中に
軽々と浮遊していますし、チャンスと生き写しの紳士もすべての束縛から解放
されているかのように空中にふんわりと浮かんでいます。
そんなイメージを表現したようなシーンがこの映画にも登場しますので、未見
の方は是非その目で確かめてみてください。
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by kiyotayoki | 2004-12-27 11:52 | 映画(た行)

『グリンチ』(2000 米)

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原題:『HOW THE GRINCH STOLE CHRISTMAS』
(105分)
監督:ロン・ハワード
原作:Dr.スース(セオドア・D・ガイゼル)
特殊メイク:リック・ベイカー
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演:ジム・キャリー
    ジェフリー・タンバー
    テイラー・モンセン
ナレーション:アンソニー・ホプキンス
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クリスマス映画は山ほどありますが、今日は前回の『コクーン』と
同じ監督ロン・ハワードが撮った『グリンチ』を取り上げてみまし
た。ロン・ハワードという人を初めて知ったのはジョージ・ルーカス
の『アメリカン・グラフィティ』(1973)。当時は役者でした。
その彼が1984年に監督として撮ったのが大好きな『スプラッシ
ュ』。翌年公開された『コクーン』が大当たりして、彼は大監督への道を歩み
始めます。でも、いくつになっても少年の心を忘れない人のようで、こんな愛
すべき作品も撮っちゃうんですね。
原作は、1957年に発表されてベストセラーになったDr.スースの童話
『グリンチはどうやってクリスマスを盗んだか』。

お話の舞台は、小さな小さな雪の結晶の中にある町フーヴィル。
この町には、自分たちを“フー”と呼ぶ鼻の尖った人々が住んでおり、自分
たちこそ世界で一番クリスマスを愛しているという自負を持っています。
そんなファンタジーランドに再びクリスマスの季節が。
特に今年は千年祭の年にあたるので町はまさにお祭り騒ぎ!
そんな中、ただ一人クリスマスに憎しみを抱く男がいました。
その男こそ町の裏にそびえるクランペット山に独り棲むグリンチ(J・キャリー)
でした。イタズラ好きでひねくれた心を持つ緑の毛むくじゃら男です。

  ※色に対する心理的なイメージは国によってちょっと違いがあり、緑色は
   日本では「癒し」のイメージしかありませんが、欧米には他に「毒々しい」
   「気味の悪い」というイメージもあるんですね。そういえば『悪魔の毒々モ
   ンスター』や『マスク』の怪人も緑色でしたし、『エクソシスト』で悪魔に取
   り憑かれた少女が吐くゲロにも緑色のグリーンピースのスープが使われ
   ていたそうです。

グリンチがクリスマスとそれを楽しみにしているフーヴィルの人々を嫌っている
のにはある理由がありました。
その理由があるからこそグリンチは唯一の相棒である愛犬マックスと、町の
ゴミ捨て場になっているクランペット山の洞穴で世捨て人のようにして暮らし
ているのです。
町の人々も、ときどき山から下りてきては悪さをするグリンチを忌み嫌っていま
した。ただひとり、郵便局員ルー・フーの娘シンディ(T・モンセン)を除いては。
シンディはどんなことにも疑問を持つ好奇心の強い女の子。
なぜ大人たちはクリスマスにこんなに燃えるのか、なぜグリンチを忌み嫌うの
か、不思議でなりません。
グリンチってホントにみんなが言うような悪い人なの?
好奇心をつのらせたシンディはグリンチに会ってみようと思い立ちます。
その頃グリンチは、クリスマスをぶち壊すアイディアを思いついてニンマリと
顔を醜く歪めていました・・・。

この映画、いかにもファンタジーっぽい美術セットと役者の頑張りでいい作品
に仕上がっているんですが、もっと毒のある、たとえばティム・バートン版の
『グリンチ』も見てみたい気がするのはきっと私だけではないでしょうね。 
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by kiyotayoki | 2004-12-25 11:26 | 映画(か行)

クリスマス・イブ

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ネットを検索していたら、こんなサイトを見つけました。
world sunight map

この地図を見ながら、
サンタさん、今ごろ、どのあたりを
ソリに乗って飛んでいるのかな・・・
太平洋を飛んでる時、おしっこしたくなったら、
お空の上からじょーろじょろってやっちゃうのかな・・・
それが凍って雪になり、きれいなホワイトクリスマスになるんだね・・・
いやいや、サンタさん、イブの夜は超忙しいから、
おしっこの色も濃くなって、
イエロークリスマスになっちゃうかも・・・

とかなんとか思いをはせてみるのも一興かも。
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by kiyotayoki | 2004-12-24 12:16

『コクーン』(1985 米)

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原題:『COCOON』(117分)
監督:ロン・ハワード
原作:デヴィッド・サパースティン
脚本:トム・ベネディク
特撮:ILM
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出演:スティーヴ・グッテンバーグ
    ドン・アメチー
    ターニー・ウェルチ
    ブライアン・デネヒー
    ジェシカ・タンディ

年末になると、雑誌やTVで過去を振り返る企画をよく見かけますが、
映画を題材にこんな文章を書いていると「アレ?あの人、今どうしてるんだろ」
と思うことがよくあります。
たとえば、この映画の主役のひとり、スティーヴ・グッテンバーグ。
この人、80年代はとても輝いてた役者さんでした。
『ダイナー』『ポリス・アカデミー・シリーズ』『スリーメン&ベイビー』
それから今回ご紹介する映画と、その続編『コクーン2/遙かなる地球』・・・と、
コメディを中心に立て続けにヒット作に出演していたのに、90年代に入ってからはパタッと
見かけなくなっちゃった。TVにでも転向しちゃったんでしょうか。
健在なら46歳になっていらっしゃるはずなんですが。

いつも元気で陽気なキャラで出ていた彼ですが、この『コクーン』では、
ちょっと抑えめの演技を心がけているように見えました。というのは、この映画の本当の主人公は、
ドン・アメチーをはじめとする老人たちだから。
この映画は、フロリダ沖の海底に隠したカプセルを回収するために1万年ぶりに地球を再訪したエイリアンと、
そのカプセルの不思議な力で若さを取り戻していく養老院の老人たちとの交流を描いたSFファンタジーなのです。

『未知との遭遇』(1977)あたりから始まった“宇宙人と地球人との交流”を描いた一連の映画には
秀作がたくさんありますが、これはその中でも異彩を放つ作品でした。
なにしろ、出演者のほとんどが老人ときてるんですから。
フロリダはリゾート地として有名ですが、冬でも20度以上ある温暖な気候のせいか
昔から老人の隠居場所、老人天国としても知られているところ。
でも、いくら降りそそぐ太陽が明るくても、老人たちの未来はお世辞にも明るいとはいえません。
誰の身にも死が間近に迫ってきているのですから。
外見はアロハに短パンでも、心は死に装束をまとっているような彼ら。
そんな彼らがエイリアンと接するうちに身も心も若返っていくところがこの映画の見どころのひとつです。

さて、この映画でのS・グッテンバーグの役どころは、貸しボート(といってもわりとデカイけど)の船長ジャック。
でも借り手があまりおらず、いつもサイフはからっけつ。
そんなジャックの船を27日も貸し切りたいという上客が現れます。
大喜びのジャック。でも実はその客がエイリアンだったのです。
その正体を知った時のジャックの慌てようときたらもう見苦しいほど。
正体を知られたエイリアンたちも慌てふためくかと思いきや、意外や泰然自若。
余裕の表情で、まるで子供をあやすようにしてパニクったジャックの心を鎮めてしまいます。
これは心理学的にいっても正しいやり方だったと思われます。
初対面で一気に親しくなる心理テクニックのひとつとして、
「まず自分が先にリラックスしてみせる」という鉄則があります。
正座で対面して膝を崩せずにいる時、相手が先に膝を崩してくれると、ホッとして自分も崩すことができますよね。
あの要領で、緊張状態にいる場合、こちらが先にリラックスして心を開けば、
相手も自然に和んで心を開いてくれるというわけです。
悪いエイリアンではないと知ったグッテンバーグ扮するジャックはホッとしていつもの笑顔を取り戻しますが、
あの笑顔、久しぶりに見てみたいものですが、今頃どうしてるんでしょうね、グッテンバーグさん。
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by kiyotayoki | 2004-12-23 09:52 | 映画(か行)

年末ジャンボ宝くじ

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所ジョージがやってる『年末ジャンボ宝くじ』のCM。
確認したいことがあったので、見たい見たいと思ってい
たのに、そういう時に限ってなかなか見られないもので
結局、発売は終了、CMも終わってしまいました。
何を確認したかったか、ですって?
いやそのナンです。ある人によるとOLに扮した女性の太ももが微妙に・・・。

そ~んなことより、そうそう某銀行に勤めている友人から面白い話を聞きまし
た。その友人も又聞きらしいんですが、宝くじを売ってる第一勧銀(現みずほ
銀行)には、当然のことながら宝くじ担当の行員がいます。
でも、その担当になるためには、ある条件をクリアしなきゃだめなんですって。
その条件とは、家が“裕福”であること。
担当者は、高額当選者とばかり接しなきゃいけません。客はうらやましすぎる
人ばかり。家が裕福じゃないと、つまりビンボーだと、仕事をこなせばこなす
ほどジェラシーのかたまりになって何をしでかすかわからない。
その点、裕福ならば「しもじもの皆さんは3億程度のお金でこんなに大喜び
なさるのね、オホホホホ」と余裕で対処できるというわけです。
昔、何かしでかした(家がビンボーな)担当行員がいたんでしょうか。
それとも人間の心理に長けた人が予防策としてそういう決まりをつくったんで
しょうか。
私は前者のような気がしますけど・・・。

ところで認知心理学者のカーネマンという人がちょっと面白い心理実験を
しています。それは「同じ一等のハズレくじでも、人が一番悔しがるのは
どんな番号くじか」というもの。
当選番号が15組199612だとして、悔しいのは次のどれだと思います?
①15組196912
②15組189612
③13組199612

結果、多くの人が一番悔しいと答えたのは③だったそうな。
理由は下6ケタの数字が当選番号と同じだから。
実際は、組が違うので大ハズレなんですが、心理的にはすごく惜しい気持ち
になっちゃうみたいなんですねぇ。

私も一応10枚買ってみましたが、当たらないまでも、せめてちょっぴり惜しい
気持ちぐらいは味わってみたいな。
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by kiyotayoki | 2004-12-21 20:13 | ART

『遠い空の向こうに』(1999 米)

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原題:『OCTOBER SKY』(108分)
監督:ジョー・ジョンストン
脚本:ルイス・コリック
    ホーマー・ヒッカム・Jr
出演:ジェイク・ギレンホール
    クリス・クーパー
    ローラ・ダーン
    クリス・オーウェン

よくおじゃまするブログサイトで軒並み評価の高かった作品です。
やっと観ることができました。
これやっぱり、もっと早く観ておくんでした。

頼まれ仕事でここ数年、専門学校で映画を教材にした心理学の講座をもって
るんですが、初っぱなの講義は「キミの脳を天才脳にする方法」ってタイトル
でやることにしています。
タイトルは仰々しいんですけど、その方法は超シンプル。
「面白がること」、それだけ。
ヒトの脳って、面白がれば面白がるほど活性化するようにできてるものらしい
んです。
学生時代、数学の成績がかんばしくなかったんで、成績のいい友達を見ると
「やっぱ頭のできが違うのかなあ」って劣等感を覚えたものですが、実は
そうじゃなかったんですね。
成績の良し悪しは、頭の構造の違いじゃなくて、面白がれるか面白がれない
かの違いであると。
数学の成績が悪いのは、面白がれないから。すると脳は活性化しないから、
いくら時間かけても全然頭に入らない。
数学の得意な人は、数式を解くのが面白くって仕様がない。すると脳が活性
化するからどんどん解ける。だから益々面白くなって成績も上がる。
つまり、面白がることさえできれば、誰だって脳を天才的に働かせることがで
きるってこと!
そういえば昔から言いますものね、“好きこそものの上手なれ”って。
面白がることさえできれば、自分の力ですごい未来を切りひらくことだって夢
じゃないってこと。
それを実践してるのが、この映画の主人公。しかもこの映画、実話です。

1957年の10月のある夜、17歳のホーマー(J・ギレンホール)はウエストバ
ージニア州の炭坑の町コールウッドである歴史的な出来事を目撃します。
それは星空をスーッと横切っていく小さな白い点でしたが、それこそがソ連が
世界で初めて打ち上げた人工衛星スプートニクの軌跡だったのです。
それを見てホーマーは決心します。「ボクもロケットを作る」と。
ホーマーは遊び仲間2人に数学の得意ないじめられっ子クエンティンを加えた
4人でロケット作りに熱中します。
作って飛ばすのが面白いから、どんなに失敗したって、父親のジョン(クリス・
クーパーが熱演)の反対にあったってめげません。
めげないどころか、それまで苦手だった数学さえ軌道の計算をするのが面白
いものだから自然に得意科目になってしまいます。
物語は、そんなホーマーが現実の厳しさをイヤというほど味わいながらも夢を
実現し、頑固な、でも男気のある父と和解するまでを感動的に綴っていきま
す。目頭じんわり、そして心が温か~くなる映画です。
初回の講義の教材にぴったりの作品ですし、来年の春から始まる講座では
是非使ってみいたいなぁ。  
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by kiyotayoki | 2004-12-20 18:38 | 映画(た行)

コンドーム

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『花嫁のパパ』という映画に、恋人とドライブに出かける娘を心配
した父親が「シートベルトを忘れずに」と言おうとして、思わず
「コンドームを忘れずに」とホンネを口走ってしまうシーンがある
ことは以前ご紹介しましたが、性行動の低年齢化が進んでいる
といわれる昨今、コンドームに対する意識も昔とは変わってきて
いるんでしょうか。それとも相変わらずなんでしょうか。

ちよっと前ですが、イギリスのCMにこんな一編がありました。
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薬局で初めてコンドームを買うティーン・エイジャーの話です。
店に入るとレジにいるのは、いつもの男の店主ではなく、妙
に色っぽいお姉さん。
一瞬ひるみますが、彼女との大事な一夜のためには絶対
欠かせないもの。なんとしても買わなくちゃ。
意を決した若者は、買わなくてもいい色んな品物と一緒に
コンドームをレジに持ち込みます。
すると店のお姉さん、やおら後ろをふり向くと、周囲にも聞こえるような声で、
「ねえ、○○(店主の名)、このコンドームいくらだっけ?」
それを聞いて恥ずかしさで卒倒しそうになる若者。
そこでナレーターがひとこと。
Na「薬局のお姉さんは仕事をしているのです。あなたは何も恥ずかしが
  ることはありません」

これはコンドームを普及させるために作られたCM。
性行動による性感染症の拡大や「望まない妊娠」を防ぐためには、
コンドームの普及が欠かせないからなんですが、性意識に関しては
日本より進んでると思われるイギリスでさえこんなCMが作られてるんです
からね、日本の現状は推して知るべしなのかも。

ま、それはともかく、このCMがいいたいのは、
「人の振り見てわが振り直せ」ということ。
私たちって人の振り、つまり他人の行動はよく見えますが、自分の行動は
案外見えてないもの。
このCMも他人事だから冷静に批判したり笑えたりするけど、いざ自分が
その当人になったら「コンドームなんか買ったら、あのお姉さんに何て思わ
れるだろう」って考えて似たような行動をとっちゃうかも。
対人心理学では、そんな人を「自己意識の強い人」と呼びますが、
案外ヒトって他人のことは気にしていないもの。
薬局のお姉さんだってそう。ただ日々の仕事をこなしているだけ。だから、
堂々とコンドームを買いましょう、ってのがこのCMの主旨なんですね。
ヘタにどぎまぎしたり変な行動をとると、かえって墓穴を掘ることにもなりま
すし。「まあ、この子ったらウブなのね」ってね。
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by kiyotayoki | 2004-12-20 10:20 | ART