映画の心理プロファイル

<   2005年 01月 ( 20 )   > この月の画像一覧

うちの猫

先日(1月25日)、外で世話をしていた猫が病院で息をひきとりました。
12歳くらいだったと思います。白ネコ3兄弟で一番の長生きクンでした。
というわけで、身内猫といえるのは下の写真のピリカだけになってしまい
ました(;_;)。
代官山の駅のそばに住んでいた頃、散歩してたら「わたしを拾って~」って
感じで走り寄ってきた(生後2ヶ月位)のが彼女。
以来21年、後ろ足がかなり弱ってきたものの、まだまだ元気なおばあちゃ
ん猫です。
a0037414_10184278.jpg

[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-31 10:20 | 閑話休題

『バンデットQ』(1981 英)

a0037414_10481844.jpg
原題:『TIME BANDITS』(103分)
監督・製作:テリー・ギリアム
脚本:テリー・ギリアム
    マイケル・パリン 
製作総指揮:ジョージ・ハリスン
        デニス・オブライエン
主題歌:ジョージ・ハリスン
出演:クレイグ・ワーノック
    ショーン・コネリー    
    ラルフ・リチャードソン
    シェリー・デュヴァル
    ジョン・クリーズ
    イアン・ホルム
   
この映画の主役クレイグ君も一発屋の子役かも。
でも、この映画のメガホンをとった監督のほうは一発屋では終わりませんで
した。この映画で、それまでのアニメーターというイメージを払拭し、異色の
監督として注目作を次々に世に送り出していくことになります。
その人の名はテリー・ギリアム。
a0037414_15332957.jpg
70年代にイギリスのBBCで放送されていた名物番組
「モンティ・パイソン」のアニメーター兼出演者として活躍していた
のでイギリス人だと思っていたら、出身はアメリカ・ミネソタ州。
この映画にも「モンティ・パイソン」に溢れていたブラックユーモア
や風刺の精神が詰め込まれていますが、構造的にはファンタジー。しかも
めくるめく、そして魅力的で、それでいてダークなファンタジー世界が用意され
てまいす。
ファンタジーの王道として、お話は子ども部屋から始まります。異世界につな
がっているのは、これまた王道の洋服ダンス。
けれどそこから出てきたのは、部屋の主ケヴィン少年とどっこいどっこいの背
丈の小汚い6人の盗賊たちでした。
実は彼ら、創造主である神の下で働いていた下僕たちだったんですが、
畏れ多くも神の目を盗んで時空を旅できる地図を持って逃げ出してきたので
す。地図には時空の穴が何カ所も記されており、その穴を通ると様々な時代
の様々な世界へ行くことができます。それを使って、あちこちからお宝をゲット
しようというのが6人の魂胆。
つまり時空の穴のひとつがケヴィン少年の部屋につながっていたというわけ。
しかし、一カ所に長居はできません。神様が怒って追っかけてきているからで
す。ケヴィンはそんな6人にわけもわからないうちに同行するはめになってしま
います。とは言っても、いやいやというワケではなかったのですが・・・。
というのも、ケヴィンは両親からの愛を受けられずに育った孤独な少年だった
から。冷たい両親といるより、6人と一緒に行ったほうがまだましと思ったの
かも。さあいよいよ時空を越えた旅の始まり始まりです!

不思議な旅は、近代フランスからシャーウッドの森、古代ギリシャ、タイタニッ
ク号・・・と、めまぐるしく変わり、登場する人物もナポレオン(I・ホルム)、
ロビンフッド(J・クリーズ)、アガメムノン王(S・コネリー)そして巨大な海坊主
と多士済々。
気の向くままにタイムホールを伝って行っているように見えた7人の旅は、で
も実はある存在に誘導されていました。
その存在とは暗黒城の主、悪魔(D・ワーナー)。悪魔も地図を我が物にしよう
と狙っていたのです。地図さえあれば神が造った世界を我が物にできるし、自
分の思うように改造できると。
7人は悪魔の囁きにまんまと乗り、暗黒城へと導かれて行きます。

ファンタジーの結末は「実は夢だった」というお話が多いもの。
この作品もラストはこれまたファンタジーの王道“夢オチ”で終わる・・・かと
思いきや、単純にそうならないところがデリー・ギリアムらしい。
とにかく見た当時、とってもワクワクドキドキ、そして想像力と創造力を刺激
された作品です。
ユングは、“夢は無意識からの贈り物”といいました。
自分の見た夢を具現化したウォルト・ディズニーも、「夢はあなたの心がつく
る希望である」という言葉を残しています。
実際、自分の見た夢からヒントを得て傑作を書き上げた作家、世界的な発明
・発見をした人は大勢います。
私たちも、たかが夢と忘れてしまわず、夢から何か人生を豊かにするヒントを
もらえたらいいですね。
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-29 10:15 | 映画(は行)

『カラー・オブ・ハート』(1998 米)

a0037414_20111266.gif
原題:『PLEASANTVILLE』(123分)
監督・脚本:ゲイリー・ロス
視覚効果監修:クリス・ワッツ
色彩効果:マイケル・サザード
音楽:ランディ・ニューマン
出演:トビー・マグワイア
    リース・ウィザースプーン
    ジョーン・アレン
    ジェフ・ダニエルズ
    ウィリアム・H・メイシー
    ドン・ノッツ
    J・T・ウォルシュ

『スパイダーマン』で一躍ビッグスターの仲間入りをしたトビー・マグワイアって
てっきり子役出身だと思っていたんですが・・・・。
この映画でトビーはディヴィッドという高校生を演じていますが、撮影当時は
22歳。『スパイダーマン』でも最初は高校生役でしたし、若く見えるタイプな
んでしょうね。デビュー作の『ボーイズライフ』の時が17、8歳。
子役といえるかどうか、微妙~。

お話は、50年代のTVドラマ『プレザントヴィル』の世界に迷い込んでしまった
高校生兄妹の冒険を描いた、ひと味違う異世界ファンタジーです。
兄妹といっても、彼らは双子(二卵性双生児)。兄のディヴィッドはTVドラマ
おたくの地味な若者。一方、妹のジェニファーは男とのデートしか頭にない
コギャル風の女の子。双子といっても、性格も趣味も正反対。
そんな2人が、突然やってきたテレビ修理のおじさんにもらった特製リモコン
のせいで、たまたま再放送中だった『プレザントヴィル』の中へ吸い込まれて
しまうのです。
『プレザントヴィル』は50年代に作られたTVドラマだけにモノクロの世界。
しかも品行方正・善良無垢な世界。犯罪もなければ、悪人もいない。
消防署はあっても火事はないから消防士たちの仕事は木から降りられなく
なった猫の救助のみ。
若者たちの男女交際もデートで手をつなぐのがやっという純情ぶり。
そんな世界に90年代後半の若者がやってきたのですから、さあ大変。
ディヴィッドはまだしも、ジェニファーは渋谷センター街を闊歩してそうな女の
子ですから、その影響力・破壊力は超ド級。
琵琶湖の魚を食い荒らす外来種のブラックバスのように、平和な町の秩序
を破壊し始めます。
ここで面白いのは、ジェニファーたちの影響を受けた相手や物に色がつき始
めるところ。
最初に色づいたのはバラの花。
モノクロの世界が一点だけ赤く染まるそのシーンはとても印象的。
赤は、力があふれ出ようとするエネルギーの色。
これから起こることを予感させるような色です。
ジェニファーにセックスを強要された男の子も心が色づくと同時に体全体が
カラー化してしまいます。
そんな風にして、モノクロの世界はどんどんカラー化。
普通、異世界に入り込んだ主人公は異世界の生物や人類に怖い目にあわさ
れるのが常。でも、ここでは逆!主人公たちがエイリアンと化すのです。
そこがこの映画の面白いところ。
町のカラー化に危機感を抱いた保守的な人々は徒党を組んで、今度は
“有色人種狩り”を始めます。このあたりからお話はちょっとシリアスに・・・。
さて、2人の、そして、善良な町「プレザントヴィル」の運命や如何に。

監督のゲイリー・ロスは、名作『ビック』の脚本を書いた人。なるほど彼らしい
作品かも。この後、またトビーを起用して秀作『シービスケット』(2003)の
メガホンをとることになるんですね。これからも要注目の監督さんです。

   
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-27 20:00 | 映画(か行)

『ポリー my love』 (2004 米)

a0037414_9463797.jpg
原題:『ALONG CAME POLLY』(90分)
監督・脚本:ジョン・ハンバーグ
出演:ベン・スティラー
    ジェニファー・アニストン
    フィリップ・シーモア・ホフマン
    アレック・ボールドウィン
    ハンク・アザリア

“子役は大成しにくい”というのが定説になっていますが、実際はどうなん
でしょうか。考えてみれば、大人の役者だってスターになれるのはほんの
一握りなんですし・・・。

この映画には、そんな“子役は大成しない説”を裏付けるようなキャラクター
が登場します。
このところバイプレーヤーとしていい味を出しているフィリップ・シーモア・ホフ
マン扮するサンディがその人。サンディはかつて名子役として名をはせた男。
でも今は売れない役者、っていうか素人劇団でやっと役をもらっている身。
でっぷり太り無精ひげを生やしたその風貌はからは、昔の面影は微塵も感じ
られません。
でも当人は昔の栄光が忘れられないのか、ニセの撮影クルーを仕立てて、
さも自分がまだ現役俳優であるかのように振る舞ったりもします。
この手の人、芸能界のはずれのほうにホントにいそうですよね。

そんな男を親友に持つのが、このお話の主人公ルーベン(B・スティラー)。
職業は保険会社のリスク査定員。死亡するリスク、倒産するリスクを算定し
て、そのクライアントが保険に加入させるに値する相手かどうかを判定する
のが仕事。そんな職業のせいか元々そうなのか、ルーベンは超慎重な性格
で、仕事同様生活すべてをリスク査定し、リスクのない選択しかしません。
そんな超安全主義のルーベンが大失敗をしてしまうのです。
それは結婚。こともあろうに新婚旅行先で新妻がダイビングのインストラクター
と浮気しちゃった上に、「本気になっちゃったの」とのたもうた。

旅行先からひとり淋しく帰ってきたルーベンは茫然自失の日々。
そんなルーベンを哀れに思った親友サンディは、彼をパーティに引っ張り出し
ます。そこで偶然出会ったのが中学時代の同級生ポリー(J・アニストン)。
そうです、去年あのブラピと離婚した彼女です。
今回、彼女の顔をよく見たら、誰かに似てる。で、誰かなーって頭をひねって
たら突然そっくりさんの顔が浮かんできました。
ジェニファーって、ダスティン・ホフマンに似てるんですね(本人が聞いたら
怒るでしょうけど)。
傷心のルーベンにはポリーが女神に見えました。
で、慎重派のルーベンにしては珍しく自分から彼女にアタック。
ところが、このポリーがルーベンとは性格も趣味・嗜好も正反対!
とってもリスクの高い女性だったものだから、さあ大変・・・・。
しかも、2人がいい感じになってきたところで、浮気した妻が戻ってきて
ヨリを戻そうと言い出します。
ルービンは2人を天秤にかけて悩みます。
リスクは大きいけど大好きなポリーをとるか、それとも自分を裏切ったけれど
生活していくリスクは小さい妻を選ぶか・・・・。
優柔不断なルービンは、仕事と同じ要領でパソコンに2人のデータを打ち込
み、パソコンに2人を査定してもらおうと考えます。
でもね、データって案外アテにならないものなんです。
例えばこんな心理トリックがあります。
「東京のある女子校では、全校生徒の3割強が教師と不倫関係にある」
こんなデータがあったらビックリしますよね(しない?)。
でもこれ実はビックリすることではないんです。東京の女子校というと先入観
で都会の女子校を思い浮かべますが、東京にだって過疎村があります。
実はこの女子校、全校生徒が3人の学校。そのうちの1人が教師と不倫をし
ていたら、データ上は「全校生徒の3割強が不倫してる」になっちゃう。
データだけを鵜呑みにしちゃうと大勘違いしてしまうことがあるということです。
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-24 09:28 | 映画(は行)

『ペーパームーン』(1973 米)

a0037414_11363867.jpg
原題:『PAPER MOON』(103分)
監督・製作:ピーター・ボグダノヴィッチ
原作:ジョー・デヴィッド・ブラウン
脚本:アルヴィン・サージェント
出演:ライアン・オニール
    テイタム・オニール
    マデリーン・カーン
    ジョン・ヒラーマン

この映画に実の父親ライアン・オニールと出
演し、9歳でこの年のアカデミー助演女優賞
をかっさらったのが天才子役テイタム・オニ
ールでした。

舞台は、1930年代のアメリカ中南部。詐欺師のモーゼ(R・オニール)は
女友達の葬儀に参列したばかりに、9歳の遺児アディ(T・オニール)を叔母
の家まで送り届ける役目を押しつけられてしまいます。
でも引き受けたのにはモーゼにもちゃんと目算があったから。
モーゼはアディをダシに、交通事故で母親を死なせた加害者側から200ドル
を脅し取り、その金で新車を買ってしまいます。
その釣り銭でアディを汽車に乗せてしまえばお役ご免、となるはずだったんで
すが、アディのほうがモーゼよりもう一枚うわてだったんですね。
「私のお金よ、200ドル返して!」
そう凄まれて、モーゼは大弱り。仕方なくアディを車に乗せてとりあえず町を
出ることに。
その“とりあえず”が、旅を続けていくうちに、いつの間にか互いに互いがなく
てはならない存在になっていく・・・という、楽しく愉快で、そして最後は心に
じぃーんと染みるロードムービーの秀作です。

モーゼを驚かせたのは、アディが齢9歳にして、世の中の酸いも甘いも噛み分
けた少女であったこと。大恐慌の時代、母一人子一人でさぞ苦労してきたんで
しょう。とにかく両切り煙草をふかす仕草は堂に入ったものだし、詐欺のテクニ
ックもすぐ覚えて自分なりに応用までしちゃう。
実際、アディとコンビを組んでからはモーゼの詐欺稼業は随分と効率がよく
なります。アディのような幼子と一緒だと、相手は警戒心を解きますし、
愛くるしい目で見つめられると、援助欲求が高まってつい高い商品でも
買ってしまうんですね。
「交渉事には童顔の同僚を連れて行け」
これも心理戦の鉄則。
そんなアディに舌を巻きながらも、モーゼは父親めいた愛情を感じ始めます。
アディのほうも減らず口はたたくもののモーゼのことを「本当のお父さんかも」
と思っている感じ。

タイトルは30年代にヒットしたという『It's Only A Paper Moon』から採られ
たもの。テーマ曲にもなっています。
「信じ合えば、愛し合えば、助け合えば、紙のお月様だって、ほら!本物に見
えるでしょ」という映画の宣伝コピーがすべてを言い表しているような感じです。
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-23 10:58 | 映画(は行)

『タクシードライバー』(1976 米)

a0037414_10111241.jpg
原題:『TAXI DRIVER』(114分)
監督:マーティン・スコセッジ
脚本:ポール・シュレイダー
音楽:バーナード・ハーマン
出演:ロバート・デ・ニーロ
    シビル・シェパード
    ピーター・ボイル
    ジョディ・フォスター
    ハーヴェイ・カイテル

ベトナム戦争の後遺症をテーマにした作品は数多ありますが、これはその中
でも強烈な印象を残した映画です。そんな作品に、しかも13歳の娼婦という
インパクトのあるキャラクターで出演し、それを見事に演じたために、その後の
人生が大きく揺さぶられたのがジョディ・フォスターでした。
この映画で彼女の熱狂的なファンになった男が81年にレーガン大統領の
暗殺未遂事件を起こしたのです。そのためかジョディは一時映画界から離れ
学業に専念していた時期がありました。でも彼女は強かった。
その後映画界に復帰したジョディは『告発の行方』(1988)と『羊たちの沈黙』
(1990)でアカデミー主演女優賞をゲットします。子役出身で2度も主演賞
に輝いたのは彼女ぐらいじゃないかしらん。

a0037414_10452876.jpg
映画は、道路の排気口から噴き上がる白い蒸気の中
からNY名物のイエローキャブ(タクシー)が姿を現す
シーンから始まります。
初めてNYを旅したのは1980年でしたが、旅の目的のひとつに“イエロー
キャブに乗る”ってのがありました。もちろん、この映画の影響です。
乗ったタクシーがクライスラーだったかチェッカーだったかは忘れましたが、
その頃はまだロバート・デ・ニーロ扮するトラヴィスが運転していたような旧式
のイエローキャブが現役で沢山走っていたので、首尾よくピックアップしても
らえました。
感動モノでした。後ろの席(特に足元)が広いのなんの!
後で知ったんですが、当時のイエローキャブはホイールベースを延ばして
客室を広くしてあったんですってね。しかし、こんなことで感動できるんですか
ら、若いって素晴らしい(;_;)。

ベトナム帰りのトラヴィスを夜勤の運転手として採用したタクシー会社が使って
いたのはチェッカー社製のイエローキャブ。
トラヴィスの応募理由は「不眠症だから」。
長らく厳しい戦場で過ごしていたことを匂わせるには十分なセリフです。
夕方6時から翌朝の6時まで12時間働いてもトラヴィスは眠れません。
結局、朝からポルノ映画を見て時間をつぶす毎日で、トラヴィスの心は荒んで
いくばかり。
PTSD(外傷後ストレス障害)という神経症の用語がベトナム戦争を機に誕生
したように、戦場から帰ってくる軍人には、体は無傷でも心に傷を負ってしまう
人が想像以上に多いようです。
次期大統領候補の選挙事務所に勤めるベッツィー(C・シェパード)に
振られてからは、その荒みぶりに益々拍車がかかます。
被害者意識が強くなり、また、自分を評価してくれない周囲への怒りが
腐った社会への正義の怒りへと転化していきます。
トラヴィスの怒りが向かったのは、ベッツィーの雇い主である次期大統領候補
パランタインと、幼気な13歳の少女を売春させてボロ儲けをしているスポーツ
(ロン毛!のH・カイテル)というポン引きでした。
トラビスはまずパランタインを暗殺するべく、拳銃を買いそろえ、ストイックに
肉体改造に励みます。
鏡に向かって早撃ちの練習をし、仮想敵に向かって凄みをきかすその狂気
ぶりは、デ・ニーロならでは。
そして決行の日、頭をモヒカン刈りに剃り上げたトラヴィスは、選挙演説中の
パラダインに一歩また一歩と近づいて行くのですが・・・。

今回見直してみて、自分勝手な正義感を振りかざして敵に襲いかかるトラヴ
ィスの姿が、今のブッシュ率いるアメリカとダブって見えてしまいました。
ということは、ブッシュさんたちアメリカの指導者たちもどこか心が病んでいる
ということでしょうか・・・・。
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-22 10:11 | 映画(た行)

『テキサスの五人の仲間』(1965 米)

a0037414_10341399.jpg
監督:『A BIG HAND FOR THE LITTLE LADY』
 (95分)
監督:フィルダー・クック
脚本:シドニー・キャロル
出演:ヘンリー・フォンダ
    ジョアン・ウッドワード
    ジェイソン・ロバーズ
    バージェス・メレディス
    チャールズ・ビックフォード
    ケヴィン・マッカーシー 
a0037414_10385917.jpg
子役の中には印象的なデビューをしても、その後
音沙汰がなくなってしまう人もよくいます。一発屋
っていうんでしょうか。
『グロリア』(1980)のカーリーヘアーの男の子も
そうだし、『オーメン』(1976)のダミアン役の男の子もそう。
この映画に出てくる子役も、印象に残る演技を披露してくれているのに、
その後のことはいくら調べてもわかりません。
以前、子役をしていた友人に聞いたことがあるんですが、思春期になると悩
むらしいんですね。仕事と学業の両立とか、学校で浮いた存在になってしまう
こととか、心と体の成長と役柄とのギャップとか・・・。
その友人も、そんなストレスが重なってやめてしまったんだそうです。
子役から大人の役者になっていくのってハタで見るほど楽じゃないんですね。

さて、映画のほうは、これがクセ者っていうか、思わず
「座布団1枚、いや2枚もっといで!」って言いたくなっちゃうような作品です。
昔、TVの映画劇場で見た時もそう思いましたし、つい最近、衛星放送で再見
した時もその思いを新たにしました。それだけよくできた作品ということ、かな。
写真でおわかりのように、西部劇です。でもドンパチは一切ありません。
最初から最後まで繰り広げられるのはポーカーの勝負。
ゲームの参加者は、テキサスきっての大金持ちの5人。
その5人が年に一度、ありったけの金を持って集まって大勝負をするのが
町の恒例行事になっているんですね。
そんな大勝負が繰り広げられているホテルに、旅姿の家族がやってきます。
メレディス(H・フォンダ)とメアリー(J・ウッドワード)夫妻とその一粒種の息子
ジャッキーの3人。
3人は旅の途中でしたが、夫のメレディスは大のポーカー好き。でも、賭けポ
ーカーで何度も痛い目にあってきたので妻からはポーカー禁止令をくらって
いる身。
メレディスは「見るだけだから」と、渋るメアリーを説得。なんとかOKをもらうん
ですが、ギャンブル好きが見るだけで我慢できるはずもなく、メアリーが留守
をしたのをいいことに、勝負の席についてしまいます。
参加費は最低1000ドル。庶民が参加できる金額ではありませんが、
メレディスには農場を買うために夫婦で貯めたお宝4000ドルがありました。
それを息子のジャッキーが止めるのも聞かずに使っちゃう。
そして結局、使い込んじゃう。
これで負けたら一文無し!というところで、メレディスにすごい手が回ってき
ます。これに勝てば一発逆転!
が、肝心なところでメレディスは心臓発作を起こして倒れてしまいます。
そんな夫の危機を救ったのは、貞淑な、そして、あんなにギャンブルに反対し
ていた妻のメアリーでした。夫の代わりにポーカーテーブルにつくメアリー。
けれど勝負を続けたくても、メアリーにはレイズされた場に払うお金がもう
ありません。その時メアリーがとった行動は5人を唖然とさせるものでした。

と、こんな感じで、映画の前半は夫を演じるヘンリー・フォンダやジェイソン・ロ
バーズら男優陣が渋い演技を見せてくれますが、後半は妻を演じるジョアン・
ウッドワードの独壇場となります。この人、ポール・ニューマンの奥さんとして
有名ですが、この映画を初めて見た時はとってもおばさんに見えたのに、
今回見たら若くてとてもキレイに見えてしまいました。それだけ、見てるこちら
が歳をとったってことでしょうね(^^;)。

そうそう、最後の大勝負を心理学的に見て、メアリーが有利かなと思えるの
は、彼女が一番強そうなジェイソン・ロバーズの左隣(心臓のある側)に座っ
ていること。人は心臓のある側からパーソナルスペースを破られたりすると
緊張して平常心を保ちにくくなっちゃう。
「相手より優位に立ちたいなら相手の左側から攻めろ」
これが心理戦の鉄則なのです。
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-21 10:29 | 映画(た行)

『魔女の宅急便』(1989 日)

a0037414_19422053.jpg
英語題:『KIKI’S DELIVERY SERVICE』(112分)
監督・脚本:宮崎 駿
原作:角野栄子
音楽:久石 譲
声の出演:高山みなみ(キキ)
       佐久間レイ(ジジ)
       戸田恵子(おソノさん)
       山口勝平(トンボ)
       加藤治子(老夫人)

先日、ある美術館で円山応挙(1733~95)の鳥瞰図絵を見ました。鳥の
視点で下界の川と両岸の景色を描いているんですが、もちろん想像の産物。
応挙さん、きっと生きている間に一度は空から下界を眺めたかったでしょうね。
「鳥のように自由に空を飛びたい」
それは太古の昔からヒトが抱いていた夢。現代ではそれがもう夢ではなくなり
ましたが、「鳥のように自由に」とはまだいかないようです。
そんな夢を疑似体験させてくれるのがこの映画。
主人公の魔女キキは箒にまたがれば鳥のようにとはいかないものの、かなり
自由に空を飛べます。
“かなり”なのは、キキがまだ修行中の身だから。
13歳のキキは、一族の古い掟に従い、一人前の魔女になるべく黒猫のジジ
と修行の旅に出たばかりなのです。
この作品は、角野栄子さんの同名童話を、大空を舞うことに強い憧れと執着心
を持つ宮崎駿監督がアニメ化したもの。
大空を飛ぶシーンもいいけど、街中を危なっかしく飛び、すり抜けていくシーン
もいいですね。
原作があるだけに、それまでの宮崎作品と違って“巨悪との戦い”がない分、
かえって新鮮に思えた作品でした。

お話はもう皆さんご存じ、キキの成長物語です。
ヨーロッパのどこかの海辺の街に降り立ったキキは、パン屋さんに下宿をしな
がら、自分が使えるたった一つの魔法“ほうきで飛べる”という力を使って
宅急便を始めます(考えてみれば、この頃やっと宅配サービスが根付き始めた
んでしたね)。さあ、修行開始です。
そんなキキの意気込みと不安が彼女のファッションにも表れている感じ。
キキのトレードマークは頭にした赤くて大きなリボン。勝負服に赤が使われるよ
うに、この赤は彼女の意気込みの表れでしょう。
一方、身につけている服はというど、地味な濃いグレーのワンピース。
濃いグレーは、黒と同様に防衛・防御的な心を表す色。また、弱い自分を守る
ために知識や特技を身につけたいと望む心も表しています。
かなりやぼったいけど、修行の身であれば、ウーン、なるほどと思わせる服の
センスではあります。

 
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-20 20:22

『クジラの島の少女』(2002 新西蘭・独)

a0037414_11121942.jpg
原題:『WHALE RIDER』(101分)
監督・脚本:ニキ・カーロ
原作:ウィティ・イヒマエラ
出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ
    ラウイリ・パラテーン
    ヴィッキー・ホートン
    クリフ・カーティス 

近ごろ元気なニュージーランド産の映画です。
去年のアカデミー授賞式で主演女優賞ノミネート者にこの映画の主役を務め
た女の子が名を連ねていたので、どんな映画なんだろうってずっと気になっ
ていた作品。子役つながりでやっと見てみました。    
ニュージーランド出身の子役というと、『ピアノ・レッスン』(1993)でアカデミ
ー助演女優賞をとったアンナ・パキンを思い出しますが、彼女が曲者タイプ
なら、こちらのケイシャちゃんはナチュラル派。エキゾチックな顔立ちは半分
マオリ族の血が混じっているから。

原作者はニュージーランドの先住民マオリ族出身の作家ウィティ・イヒマエラ。
時代は現代。舞台はニュージーランド東海岸にある小さな浜辺の村。
美しい自然はたっぷり。でも、若者は街へ出ていくようで、村はひっそり。
この村には古い伝説がありました。
それは、1千年前、先祖のパイケアという勇者がクジラの背中に乗ってこの地
へやってきた、というもの。
村長のコロ(R・パラテーン)は、そのパイケアの血をひく勇者の家系で、長男
ポロランギ(C・カーティス)に跡継ぎが生まれるのを心待ちにしていました。
ところが好事魔多し。男女の双子を身ごもった妻が不幸にも命を落としてしま
ったのです。不幸は続き、男の子も死産で、無事生まれたのは女の子のほう
だけでした。
悲嘆にくれるポロランギに父であるコロは冷徹にこう言います。
「また妻をめとればいい。そして今度こそ男の子を産むのだ」
勇者の家系を次ぐのは“男”と決まっていたのです。
失意のポロランギは、そんな父に反発し家を出、ドイツへ渡ってしまいます。
父親にパイケアと名づけられた女の子は祖父母に育てられることに。

こうしてこの世に生を受けたパイケア。
祖父母は優しかったものの、自分は祖父の期待を裏切って生まれた子という
負い目がどうしても拭えません。
事実、祖父のコロは、伝統を守るためマラエ(集会所)へのパイケアの出入り
を禁じます。そして、マラエにパイケアと同じ12歳の男の子たちを集めて
勇者選抜の特訓と試験を始めます。自分の家系から勇者を出せないのなら
せめて村の男子から選ぼうと。
パイケアはなんとか祖父の期待に応えようと、隠れて武術の稽古をしたりしま
すが、かえって祖父の怒りを買う始末。
そんなパイケアの運命が変わる日が、ある日突然やってきます。
浜辺にクジラの群が打ち上げられたのです。
さて、クジラはパイケアにどんな運命を授けに現れたのでしょうか。

この映画は、12歳の少女パイケアの自立(自己確立)がテーマ。
子供の自立がテーマの映画を並べてみると、
『魔女の宅急便』(1989)のキキ、13歳。
『ビッグ』(1988)のジョッシュ、12歳。
『スタンド・バイ・ミー』(1986)のゴーディ、12歳。
『依頼人』(1994)のマーク、11歳・・・
と、どの主人公も年齢が12歳前後であることがわかります。
12歳前後という年齢は、発達心理学的にいうと、青年期前期にあたり、
思春期とも呼ばれる時期。また、この時期は子供が親離れを始める時期
(第二次反抗期)でもあります。また、肉体的にも大きな変化が起こる時期(第
二次性徴)でもあるんですね。つまり、心も体も子供から大人に変わっていく
時期ということ。そのせいか世界のあちこちに、その時期に成人の儀式を行う
風習が残っています。マオリ族の伝統儀式もそのひとつなんでしょうね。
ある意味ではとても不安定な時期、多感な時期ですから、その年頃の子は
とんでもないこともしでかしがち。それだけにドラマも生まれやすいし映画に
もしやすい。
このテーマの映画の主人公の年齢が12歳前後なのにもちゃんとワケがある
んですね。
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-18 10:11 | 映画(か行)

『ゴーストワールド』(2001 米)

a0037414_11163012.gif
原題:『GHOST WORLD』(111分)
監督:テリー・ツワイゴフ
製作:ジョン・マルコヴィッチ他
原作:ダニエル・クロウズ
脚本:ダニエル・クロウズ
    テリー・ツワイゴフ
出演:ゾーラ・バーチ
    スカーレット・ヨハンソン
    スティーヴ・ブシェミ
    ブラッド・レンフロ

このところ“子役が活躍する映画”を取り上げていますが、この映画は“子役の成長ぶりが
楽しめる映画”とも言えそう。
お話の主人公イーニドを演じるゾーラ・バーチを初めて見たのは『パトリオットゲーム』(1992)でしたが、
『オーメン』(1976)のダミアンの再来かと思ったその仏頂面はこの映画でも健在。
おまけに並みの男子生徒ならたじろいでしまいそうな黒縁メガネに個性的なファッションで登場します。
そのイーニドの親友レベッカを演じるのはスカーレット・ヨハンソン。この人も子役出身で、
最近は『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)で印象的な役を演じていました。
また、2人の男友達ジョシュ役でブラッド・レンフロも登場。『依頼人』(1994)や『マイ・フレンド・フォーエヴァー』(1995)で注目された子役でした。
でも、この映画での彼にはその頃の輝きはもはや見られませんでしたけれど・・・。

映画の原作は全米の若者の間でカリスマ的な人気があるというダニエル・クロウズの同名コミック。
ある映画専門サイトでは、「おしゃれでキッチュで、とびきり切ない低体温系青春ムービー」と紹介されていましたが、
“低体温系青春ムービー”というのは言い得て妙なフレーズだなと感心。
お話は、高校の卒業式から始まります。
みんなが卒業パーティで大騒ぎしている中、イーニドとレベッカだけはそんな連中をクールな目で眺めています。
そこへ男子生徒が美人のレベッカ目当てに話しかけてくる。
「何で大学行かないの?」
レベッカへの質問でしたが、それを遮るようにイーニドがこう答えます。
「Just because(なんとなくよ)」
《どうせ説明したってリアルワールドに住んでるあんたにゃ理解できないわよ》
とでも言いたげに・・・。
実際、リアルワールドの住人である大人の目から見るとイーニドの行動は不可解なことばかりです。
高校を出ても、大学へ行くでも職につくでもない。
せめて仕事を探すぐらいはしているかと思うと、ダイナーに通っては人を観察したりバカにしたりして
“なんとなく”暇をつぶしているだけ。
あげくの果てには、新聞の出会い欄に載っていた中年男を名前を騙ってダイナーに呼び出し、
待ちぼうけを食ってる惨めなその男の姿を見て舌を出して笑ってる。
大人が「何でそんなことをする」と問えば、またイーニドの口からは同じセリフ
「Just because(なんとなく、別にィ)」が飛び出すことでしょう。
所詮、リアルワールドの住人にはゴーストワールドに住むイーニドの気持ちはわからないと原作者は言いたげ。
この映画のイーニドの気持ちがわかる人、「イーニドは私だ」と思った人はきっとゴーストワールドの住人、
あるいは最近まで住んでいた人なんでしょう。
親友のレベッカが2人で住むアパート探しをしてるのに、イーニドが乗り気じゃないのは、
アパートに住むってことはリアルワールドに足を踏み入れることだということを無意識に察知したからではないかしらん。
また、イーニドが、からかった中年オタク男のシーモア(S・ブシェミ)に親近感を覚えたのは、
彼が自分とは違うけど、リアルワールドではなく別のゴーストワールドの住人だと知ったからではないでしょうか。
なのにイーニドは自分の気持ちを素直にシーモアに伝えられません。
伝えないどころか、恋人いない歴4年のシーモアに恋人をあてがってあげたりもします(心理学で言えば『反動形成』というやつ)。

リアルワールド(大人の世界)は浸食力が強く、曖昧で儚いゴーストワールドは油断するとアットいう間に
雲散霧消してしまいます。あれほど気の合う友だったレベッカもいつの間にかあちらの住人になって、
話がかみ合わなくなってしまった・・・。
自分基準の世界(ゴーストワールド)を保とうとすれば、イーニドみたいにつっぱるか、シーモアみたいにオタクになるしかないのかな。
でも、イーニドのゴーストワールドもあちこち浸食されて穴ぼこだらけ。
さて、イーニドはどうする?どうなる?
怪優スティーヴ・ブシェミのオタク演技も必見。未見の方は是非!
[PR]
by kiyotayoki | 2005-01-15 10:46 | 映画(か行)