映画の心理プロファイル

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『ドン・サバティーニ』(1990 米)

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原題:『THE FRESHMAN』(102分)
監督・脚本:アンドリュー・バーグマン
音楽:デヴィッド・ニューマン
出演:マーロン・ブランド
    マシュー・ブロデリック
    ブルーノ・カービィ

この映画を見た時はびっくりするやら、呆れるやら。
だって、本人が自分の代表作をパロってるんです
から。
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パロった作品と作中人物は、あの『ゴッドファーザー』
(1972)のドン・コルレオーネ。
そして、この映画でそのソックリさん、ドン・サバティーニ
を演じているのは誰あろうマーロン・ブランド本人なので
す!さすがマーロン“怪優”ブランド!

でも、老境のドン・コルレオーネを演じた頃のブランドは男盛りの47歳、ドン・
サバティーニを演じた時のブランドは65歳。キャラクターの設定年齢を考える
と、ソックリさんのほうが演じていてリアリティがあったかも。
一方、主人公クラークを演じるマシュー・ブロデリックは、童顔のせいか27歳
にして大学進学のため田舎町から大都会NYにやってきた純朴な大学1年生
(フレッシュマン)を演じています。
ところがNYは純朴な青年に優しくなかった。着いて早々、白タクの男に財布
を含む荷物をすべて持ち逃げされていきなり一文無しに。

たまたまその白タク男を街で見かけたクラークは「荷物を返せ!」と詰め寄り
ますが、男はしたたかなもの。
「返せないけど、その代わりにいい仕事を紹介する」と、クラークを丸め込んで
ある店に連れて行きます。「この店の主は街の顔役で、あのドン・コルレオー
ネのモデルになった人なんだぞ」と自慢げに囁きながら。
実際、クラークが会ってみると、まさにその通り!
ドン・コルレオーネにそっくりな男が、そっくりなあのしわがれ声で(当たり前で
す、本人がやってんですから)おいでおいでと手招きをするじゃありませんか。

ここまでは面白い。
問題はこのあと。さて映画はどんな展開を見せるでしょう。

「何を笑うかでその人の性格がわかる」と言ったのは文豪ゲーテ。
26日夜に発表されたラジー賞。その年の最低最悪の作品、俳優などを選ぶ
賞なんですが、今年の最悪女優賞に選ばれたアカデミー賞女優ハル・ベリー
はわざわざ授賞式に出席して堂々と受賞スピーチまでしたそうです。
自分で自分を笑う、その感性はこの映画に出演したマーロン・ブランドと近い
ものがあるのかも。
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by kiyotayoki | 2005-02-28 22:10 | 映画(た行)

『ブレード・ランナー』(1982 米・香港)

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原題:『BLADE RUNNER』(116分)
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
脚本:ハンプトン・フィンチャー
    デヴィッド・ウェッブ・ピープルズ
デザイン:シド・ミード
音楽:ヴァンゲリス
出演:ハリソン・フォード
    ルトガー・ハウアー
    ショーン・ヤング
    ダリル・ハンナ
    ジョセフ・ターケル

ここ数回、“怪優”を取り上げてきましたが、そもそも“怪優”ってどんな人のこと
をいうの?・・・って疑問を抱く方もいるでしょうね。
「怪物のような容貌の俳優」なのか
「怪奇な映画に出る俳優」なのか、
それとも「怪しい雰囲気を持つ俳優」をそう言うのか・・・。
実は思いつきで始めたので、そこんとこあまり考えてなかったんです(^^;)。
ですから、まことに勝手ながらそれらをひっくるめて「怪優」と呼びたいな、と思
っております。ついでに、『怪』には「普通じゃない、尋常ではない」という意味
があるので、そういう演技をする人も“怪優”と呼びたいなと。
というのも、今回取り上げるルトガー・ハウアーはそのタイプの“怪優”さんだか
らです。

この作品、久しぶりに見直してみましたが、ディレクターズ・カット版だったせい
か、かつて映画館で見た時とは印象が随分違いました。
それもそのはず、ハリソン・フォードのひとり語りがカットされいてたり、結末を
大幅に変えたりしてあるんですね。当時、カルト的人気のあった作品ですし、
ファンの間では賛否両論あったことでしょう。
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でも今回の主眼は、あくまでルトガー・ハウアー。
この人のこの映画での強烈な印象は、当時のままでした。
舞台は、2019年11月のL.A。最近はガンダムのキャラク
ターデザインも手がけているいるというシド・ミードの手によ
る近未来の街並みが今見ても斬新。
この時代、ロボット(レプリカント)開発は相当進んでおり、
ネクサス6型などは人間とほとんど見分けがつかないほど。
憎悪、恐怖、嫉妬心といった感情も有しているため、人類に危害が及ぶとして
レプリカントの活動は地球外に限定されており、しかも4年しか寿命がもたない
という安全装置が彼らの体内には組み込まれています。
そんなレプリカントたちが反乱を起こし、5体が密かに地球に戻ってきていると
いうので、当局はH・フォード扮する特別捜査官ブレード・ランナーに「発見し
次第、殺せ」という命令を下します。
自分でつくり出したものを制御できなくなって慌てる、墓穴を掘る・・・われら
人類が懲りずにやってることです。
その反乱レプリカントのリーダーがR・ハウアー扮するロイ。
鷹のような鋭い目と鋼のような肉体を持ち、自分と仲間の過酷な運命に怒りと
深い哀しみ、そして絶望感を抱くレプリカントを、当時37歳のハウアーが見事
なまでに演じきります。
そういう事情がわかっているせいか、主人公はハリソン・フォードなのに、見て
るこちらは敵役のルドガー・ハウアーにどんどん感情移入していっちゃう。
しかも、レプリカントたちがそろいもそろって美しい(例外が1人いますけど)!
ハウアーしかり、ショーン・ヤングしかり、ダリル・ハンナしかり、です。
ロボットという設定もあってか、みんなシンメトリー(左右対称)な顔をしてるか
ら尚更。ヒトがシンメトリーな個体に惹かれることは、動物行動学でも証明
されているようですしね(『シンメトリーな男』左のライフログを参照)。
それとは対照的に、この映画に出てくる人間たちは左右非対称な顔立ちの
人ばかり。
このお話、左右対称の新人類vs左右非対称の旧人類の戦いとも言えるかも。

この作品では、「H・フォード扮するデッカード=レプリカント」という説がもっぱら
ですけど、左右対称=レプリカントだとすればちょっと疑問符が。
ハリソン・フォードって微妙に顔の左右がズレてますものね。

今回、見直してみて一番印象に残ったのは、ハウアー扮するロイの死に様。
こんなに美しい死に姿(?)は他に例を知りません。
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by kiyotayoki | 2005-02-27 15:28 | 映画(は行)

『シザーハンズ』(1990 米)

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原題:『EDWARD SCISSORHANDS』(98分)
監督・原案:ティム・バートン
脚本:キャロライン・トンプソン
音楽:ダニー・エルフマン
出演:ジョニー・デップ
    ウィノナ・ライダー
    ダイアン・ウイースト
    アラン・アーキン
    ヴィンセント・プライス
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リー、カッシングに続く3人目は怪優御三家の最後のひとり、
ヴィンセント・プライス。
この映画に出演した頃はもう78歳でしたから、さすがにお年
をめした感じでしたが、鋭い眼光やダンディな仕草・語り口は
往年のそれでございました。
怪優御三家の中では、プライスだけがアメリカ人(2人はイギリス人)。
ロジャー・コーマンの怪奇映画などで名を売った人ですが、個人的にはリーや
カッシングに比べると愛着はいまひとつ。これは好みの問題ですね。
(プライスもリーと同じ身長=193㎝なんですって。しかも誕生日も同じ!)

でも、マイケル・ジャクソンの大ヒット曲『スリラー』のプロモーションビデオの
ナレーションが彼だと知って好印象を持ったものです。
その後、久しぶりに健在ぶりを確認したのがこの映画でした。
それもこれもプライスの追っかけのようなディム・バートン監督が出演を熱望し
てくれたおかげ。
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プライス翁が演じるのは、ジョニー・デップ扮する人造人間
エドワードの生みの親であるマッドサイエンティスト。
博士は、エドワードの頭と胴体を造ると、さっそく情操教育を
始めます。
それはフランケンシュタイン男爵の犯した過ちを繰り返さない
ためだったのかも。男爵が造り出した怪物は“心”をないがしろ
にしたために凶暴化してしまったからです。
博士の献身的な教育のおかげでエドワードは優しく純粋無垢な心を手に入れ
ます。ところが、今度はそちらに時間を費やしたばかりに、手を作る前に博士
の寿命が尽きてしまうことに・・・。
おかげで、エドワードは「手ができるまで、とりあえず」付けていたハサミの手
のまま一生を過ごすことになってしまうのです。
そして、ハサミの手のために好きになった女性(W・ライダー)を抱きしめること
さえできないという哀しい運命を背負うことにもなってしまうのでした。

「ヤマアラシのジレンマ」という言葉があります。
ヤマアラシのカップルは抱き合おうとしてもトゲ(エゴイズム)のために互いに
傷ついてしまう。だから、傷つくのを恐れるあまりに、いつまでたっても距離を
とってしかつき合えない・・・。
現代人にも心の距離の取り方がわからない人が大勢います。そういう人は
心にエドワードみたいなハサミの手を隠し持っているのかも。
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by kiyotayoki | 2005-02-26 12:57 | 映画(さ行)

『トップ・シークレット』(1984 米)

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原題:『TOP SECRET!』(90分)
監督:ジム・エイブラハム
    デヴィッド・ザッカー
    ジェリー・ザッカー
音楽:モーリス・ジャール
出演:ヴァル・キルマー
    オマー・シャリフ
    ピーター・カッシング
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2人目の怪優は、この人。
『スター・ウォーズ』(1977)に冷酷な帝国軍総統モフ・ターキン
役で出演したピーター・カッシングの最後の映画出演作がこの
作品。『フライングハイ』などのハチャメチャギャグでおなじみの
J・エイブラハム+ザッカー兄弟による爆笑コメディです。
これが最後で良かったのかな・・・・。いや、良かったんだと思いましょう。
この作品は、けっこう笑えましたしね。最後までB級に徹したと考えれば、
潔いとも言えますし。

カッシングは1913年5月26日生まれ(94年没)。当たり役は、やはりクリス
トファー・リー扮するドラキュラと対決したヴァン・ヘルシング教授でしょう。クー
ルで頭脳明晰な教授の演技はまさにハマリ役でした。
この映画の撮影当時は70歳。

お話の舞台は、まだ東西の壁が存在していた頃の東ドイツ。そこに招待され
たアメリカのロック歌手が、自由な社会を取り戻そうとするレジスタンスと共に
大暴れするお話・・・・。といってもお話はまあ二の次。いかに観客を笑わせる
かに心血が注がれた作品です。
そのために、この映画でデビューしたヴァル・キルマー(当時24歳)も、『アラ
ビアのロレンス』など数々の名作に出演している名優オーマ・シャリフ(当時51
歳)も体を張って笑わせてくれます。特に、O・シャリフの涙ぐましいまでの熱演
ぶりには脱帽。
そんな中、登場するのが、我らがピーター・カッシング。正直、出番は少ない。
けど、インパクトはあります。
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本をチェックしているカッシング。拡大鏡を使っているので目がデカい・・・と思ったら、拡大鏡を外しても目はデカいまま、というコテコテのギャグをクールに決めてくれます(特殊メイクする時間のほうが、出演時間より長かったかも)。
コテコテだけど「“笑い”は心の慣性(先入観や常識)を破壊することで生まれる」という笑いの心理法則にはちゃんとのっとったギャクではあります。
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by kiyotayoki | 2005-02-25 10:15 | 映画(た行)

『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(2002 米)

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原題:『STAR WARS EPISODEⅡ
   ATTACK OF THE CLONES 』(142分)
監督・製作総指揮:ジョージ・ルーカス
脚本:ジョナサン・ヘイルズ
    ジョージ・ルーカス
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ユアン・マクレガー
    ヘイデン・クリステンセン
    ナタリー・ポートマン
    クリストファー・リー 
    フランク・オズ(ヨーダの声)
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これからしばらくは『怪優』にスポットライトを当てたいなと
思っています。主演俳優って美男美女が多いもの。
目の保養にはなるけど、顔が整い過ぎていてインパクト
は今ひとつ。大根役者も多い。
そこへいくと『怪優』さんはインパクト強いです。苦労してる
人が多いから演技もしっかりしてる。
トップバッターに選んだこの方、クリストファー・リー、御歳82
才。5月27日には83才になられますが、今もなお現役、今なお強烈な個性
を放ち続けていらっしゃいます。
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しかも、このエピソード2ではオビワン、アナキンをライトセーバ
ーで軽くうち伏せ、ジェダイ最強の騎士ヨーダーとも互角に剣を
交えます。撮影当時79才位であったろうに、その身のこなしの
若々しいこと、力強いこと!
その勇姿は『ロード・オブ・ザ・リング』でも見ることができます。
こちらではイアン・マッケラン扮するガンダルフと対峙する悪の魔法使い
サルマン役。画面では同い年位に見えますが、実はマッケランのほうが
17才も年下。
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この人の運命を変えたのは、193㎝という身長の高さ。
最初は背が高すぎるということでろくな役をもらえなかった
らしいんですが、その偉丈夫さに目をつけたプロデューサ
ーが彼をフランケンシュタインに器用。それがきっかけと
なって彼の当たり役となる『吸血鬼ドラキュラ』(1958)のドラキュラ伯爵役
を手に入れることになるんですね。
狼男、フランケンシュタイン、ドラキュラの3大怪物の中で、ドラキュラがダント
ツで人気があるのは、人間の2大欲求であるエロス(性的欲求)とタナトス
(死への欲求)の両方を満足させてくれるからなんでしょうね。
美女に夜這いをかけて、その白い首筋から血を吸いとるドラキュラ伯爵の
色っぽいこと。リーが主演するドラキュラものは何本も作られましたが、個人
的にはリアルタイムで見た『ドラキュラ'72』(1971)が印象に残っています。
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そういえば、エピソード2の彼の役名はドゥークー伯爵。これはもう
ドラキュラ伯爵をアレンジしたとしか思えない。
ルーカスは『スター・ウォーズ』第一作でドラキュラ伯爵の宿敵ヘ
ルシング教授役だったピーター・カッシングを出演させていますか
ら、きっと2人のドラキュラシリーズの大ファンだったんでしょう。
リー翁は、この夏公開されるエピソード3にも出ているそうですし、老いて
ますます元気な“怪優”さんです。

《トリビア風情報》
 怪優リーが歌って踊る珍しいシーンをご覧になりたい方は、
 『キャプテン・ザ・ヒーロー』(1983:アラン・アーキン主演)をどうぞ。
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by kiyotayoki | 2005-02-23 11:14 | 映画(さ行)

『シェフと素顔とおいしい時間』(2002 仏)

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原題:『DECALAGE HORAIRE』(82分)
監督:ダニエル・トンプソン
脚本:ダニエル・トンプソン
    クリストファー・トンプソン
音楽:エリック・セラ
出演:ジャン・レノ
    ジュリエット・ビノシュ
    セルジ・ロペス

原題の英語題は『JET LAG』。どちらも「時差ボケ」という意味。
時差ボケでイメージするのは飛行機を使った海外旅行。この映画の舞台も
空の旅の玄関である空港です。
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主演は、これが初共演だというジャン・レノとジュリエット・ビノシュ。J・ビノシュというと、最近ではジョニー・デップと共演した『ショコラ』(2000)が印象に残っていますね。
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パリ郊外のシャルル・ド・ゴール空港。この日、空港は突然のストで大混乱。足止めを食らわされた乗客の中に2人もいました。
ローズ(J・ビノシュ)はDV男と縁を切ってメキシコでメイクアップアーチストとして一から出直そうとしている女。なのに空港に着いた途端、もう置き手紙をしてきたことを後悔しています。
フェリクス(ロン毛のJ・レノ)は元シェフで、今は米国で冷凍食品の会社を経営している男。9ヶ月前に別れた女に会いにドイツへ向かう途中、乗り継ぎでこの空港へ。2人は携帯電話の貸し借りをしたことで偶然、知り合います。

過去に固着している2人が、空港に閉じ込められている間にそれぞれの過去に決着をつけ、未来に目を向けて歩き出す・・・・そんなお話。
でも固着している過去と決別するって「言うは易し行うは難し」なんですよね。
これがなかなかできない。だから苦労しちゃう。
2人はどうやって決着をつけるのか。そこのところが日本のタイトル『シェフと素顔と、おいしい時間』に反映しているみたいですね。
フェリクスは人のために美味しい料理を作るという料理人の原点を思い出すことで、ローズは自分に思い切りメイクをほどこし、それをぬぐい去る(素顔になる)ことで、踏ん切りをつけた感じ。

空港に閉じ込められるというシチュエーションは『ターミナル』(2004 米)と共通していますが、こちらの映画のほうが私たちも経験しそうなエピソードではあります。だけど、フェリクスみたいにファーストクラスには一生乗れないでしょうけど(;_;)。
ファーストクラスだとスト中の対応も違うんですね。エコノミー客はターミナルのベンチで夜明かししなきゃいけないのに、ファーストクラスの客は無料でホテルを手配してもらえるんですよッ(-_-;)。
で、ベンチで夜明かししようとしてるローズを見かねたフェリクスが手配してもらったホテルに彼女を誘うことになるんですが・・・。
フェリクスはルームサービスで料理を頼みます。その際注文したワインは「カロン・セギュールの96年」。何年ものだったか忘れましたが、昔、飲んだことがあります。今だと1万円位かな。最近は安ワイン専門ですが、たまにはこれくらいのワインも飲んでみたいなあ・・・。
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by kiyotayoki | 2005-02-22 12:59 | 映画(さ行)

『シックスセンス』(1999 米)

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原題:『THE SIXTH SENSE』(107分)
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
製作総指揮:サム・マーサー
撮影:タク・フジモト
出演:ブルース・ウィリス
    ハーレイ・ジョエル・オスメント
    トニー・コレット
    オリヴィア・ウィリアムズ
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子役つながりもそろそろ打ち止めにしたいな、
ということでハーレイ・ジョエル・オスメント君の
代表作を取り上げることにしました。撮影当時
10才だったハーレイ君も今年はもう17才。アメリカ人版えなり
かずきと言われて久しいですが、本家(?)のえなり君同様、今後どんな役者
人生を送っていくのかちょっぴり気になります。

これは2度見たくなる映画ですね。1度目は不可思議な世界と謎を堪能しつ
つ、2度目はトリックを検証しつつ。
この映画でハーレイ君が演じるのは、常人にはない特殊な第6感、死者を見
ることができる能力を持つ少年コール。

なぜコールには死者の姿が見えて、私たちには見えないのでしょう。
それを認知心理学的に考えてみると、私たちは成長するにつれて『認知的枠
組み(スキーマ)』でものを見るようになります。
『スキーマ』っていうのは、ものを見たり考えたりする時に便利な思考の枠組
みのこと。
たとえば、尻尾を見ただけで、「あ、猫だ」とわかっちゃうのは自分の中の
『スキーマ』に当てはめて全体像をイメージできちゃうから。
いちいち考えなくても瞬時に判断できるので、とっても便利な仕組みなんです
が、この『スキーマ』ができあがっちゃうと、その枠組み外のもの、あるはずが
ないと思い込んでいるものは、そこにそれがあっても見えなくなっちゃう。
目で見ていても、脳が判断できなくてそれを除外しちゃうってことが出てくる。

死者の霊なんてのは『認知的枠組み』外のものだから見えない、・・・のかも。
コール少年にはそういう『スキーマ』がない。だから見える、・・・のかも。
さて、ホントはどうなんでしょ。

そういえば、ハーレイ君は『僕のボーカス』(1996)って映画では、イマジナリ
ー・コンパニオン(空想の中の友達)が見える少年も演じていましたね。
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by kiyotayoki | 2005-02-21 10:34 | 映画(さ行)

『アップタウン・ガールズ』(2003 米)

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原題:『UPTOWN GIRLS』(93分)
監督:ボアズ・イェーキン
原案:アリソン・ジェイコブス
脚本:ジュリア・ダール他
出演:ブリタニー・マーフィ
    ダコタ・ファニング
    マーリー・シェルトン
    ジェシー・スペンサー
    ヘザー・ロックリア 

近ごろ大活躍の子役と、子役出身の売れっ子女優の2人が共演する、いかに
もアメリカ映画らしいライトコメディです。
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その2人とは、『アイ・アム・サム』のダコタ・ファニングちゃ
ん(撮影当時8歳)とブリタニー・マーフィ(当時25歳)。
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ブリタニーは『8mile』で注目された女優ですが、それ以前に『17才のカルテ』にも出ていたんですね。まったく気づきませんでした。
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というのも『17才のカルテ』の彼女は過食症の役だったせいかポッチャリ系の女の子だったから。それが今ではこんなにスリムに(左下)。クリスチーナ・リッチもそうですが、十代の頃ポッチャリしていても決して諦めちゃいけない、節制次第ではこんなにスリム美人になれるという見本みたいな人デス。

主人公のモリー(B・マーフィ)は、飛行機事故で死んだ伝説的ロックスターである父の遺産で贅沢三昧の生活をしているセレブのお嬢様。
飛行機事故で死んだロックスターって設定は、あちらの映画にはホントによく出てきます。1977年のレイナード・スキナードのメンバーの事故死はアメリカ人の心にトラウマのようにこびりついているんでしょうか・・・。

ところが、財産を管理していた会計士に全財産を持ち逃げされて、突然一文無しに。仕方なく生まれて初めての職探し。で、やっと見つけたのが、女性レコードプロデューサーの娘レイ(D・ファニング)のベビーシッターの職でした。
子守りなんて簡単・・・・と思ったら、そうは問屋が卸さなかった。レイは生意気で大人のような達観したセリフを吐く女の子。なりは大人でも中味は子どものモリーとは正反対。当然のごとく2人は初日から衝突。
「こんな仕事こっちがお断りよ!」と啖呵を切ったのは良かったけれど、背に腹はかえられません。結局、頼み込んでまた子守りを再開。
2人は互いにいがみ合い、それでも次第に友情を築いていくことに・・・。
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ダコタちゃん扮するレイは3才から精神科医にかかってるほどのツワモノ。というのも、母親(H・ロックリア)がバリバリのキャリアウーマンで、しかも父親は脳卒中で寝たきり。生活は豊かだけれど、子育ては子守り任せ。愛情の足りない家庭で育ったせいでレイは典型的な『回避タイプ』の子になっちゃった模様。
『回避タイプ』の子は、親に見捨てられたという思いが強いので、自己を防衛するために他人を信用しなくなる。他人が優しげに近づいてくると、何か魂胆があるんじゃないかと逆に警戒しちゃう。その警戒心の表れがサングラスなんでしょうね。黒いサングラスは彼女の頑なな心の象徴なのです。

  
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by kiyotayoki | 2005-02-19 10:01 | 映画(あ行)

『ぼくセザール10歳半1m39㎝』(2003 仏)

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原題:『MOI CESAR 10ANS1/2.1M39』(99分)
監督:リシャール・ベリ
製作:ミシェル・フェレ
脚本:リシャール・ベリ
    エリック・アスス
音楽:レノ・イザーク
出演:ジュール・シトリュク
    ジョセフィーヌ・ベリ
    マボ・クヤテ
    アンナ・カリーナ

ブログを始めてから色んな意味で映画の視野が広がった気がします。
それは、あちこちのサイトにお邪魔する度に新鮮な情報や刺激がもらえるから。
実はこの映画を見ることができたのも、manamizuさんのサイトで教えてもらったおかげです。

映画は、マリア・カラスが歌うベルリーニのアリア(清らかな女神)で幕が開きます。
「ぼくの名前はセザール・プティ、10歳半。身長は1m39㎝。
ちょっぴり太めだけど、そのことは言われたくない・・・・」といった感じで、
主人公セザール(J・シトリュク)のモノローグでお話は進行します。
しかもカメラの位置はセザールの身長に合わせてあります。子どもの視点で映像が動く。
だから、見ているうちに私たちは、どんどんセザールの気持ちになっていく。
感情移入せざるを得ないような心境になるように作られてるんですね。
これは倉本聡が『前略おふくろ様』や『北の国から』でも使っている心理テク。
一人称で語られると、見ていくうちに主人公がワクワクすれば見てるこちらもワクワクするようになるし、ドキドキすればこちらもドキドキしちゃう。
ただ、主人公の視点のみで描くことになると、お話が小さくまとまっちゃう危険性はあるんですけど(倉本作品は、そこは上手にクリアしてありますが)。

セザールにはモルガン(M・クヤテ)という親友がいます。モルガンはセザールとはすべてが正反対。
背が高くてスリムで運動も得意。だから当然、女の子にはモテモテ。
大の仲良しだけど内心ではコンプレックスを感じてばかり。
そんなセザールには気になる女の子がいます。それがサラ(J・ベリ)。
でも、モルガンもサラが好き。サラはというと、「私はどっちも好きよ」って態度。
セザールとしては悩ましい日々が続きます。

そんなある日、モルガンが母親に内緒でロンドンへ行くと言い出します。
生まれる前に母のもとを去った父がその地にいると知ったからです。
するとサラ、「私も行く。あなた英語ダメでしょ」。
そうなるとセザールだって黙ってはいられません。「僕も!」。
こうして、3人は親からこっそりお金を拝借し、GTV(新幹線)で一路ロンドンへ。冒険の始まりです。

セザールを演じているジュール君、太めの役なのでお腹やお尻に詰め物を入れられており、ちょっと可哀想な感じ。
見た目やキャラは、『打ち上げ花火、下から見るか、横から見るか』で山崎裕太クンが演じた典道似かな。
恋愛に関しては奥手な男の子を好演していますが、大きくなったらどんな役者さんになるのでありましょうか。
あ、そうそう60年代に美人女優としてゴダール作品等で活躍していたアンナ・カリーナがパンクファッションで鼻にリングをつけて現れたのにはビックリ!
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by kiyotayoki | 2005-02-17 21:55 | 映画(は行)

『ボーン・スプレマシー』(2004 米)


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原題:『THE BOURNE SUPREMACY』(108分)
監督:ポール・グリーングラス
原作:ロバート・ラドラム『殺戮のオデッセイ』
脚本:トニー・キルロイ
    ブライアン・ヘルゲランド
出演:マット・デイモン
    フランカ・ポテンテ
    ジョーン・アレン
    ブライアン・コックス
    カール・アーバン
    クリス・クーパー

前作はビデオで見て、いまひとつな印象だったんですが、今回は映画館の
大スクリーンで見たせいか、展開が小気味よかったせいか、案外楽しむこと
ができました。やっぱり映画って、スクリーンで見て評価すべきなんでしょう
ね(今さら何言ってんのってツッコミを入れられそうですが・・・)。

前作での危機を乗り切り、愛するマリー(F・ポテンテ)とインドのゴアで平和
に暮らしていたジェイソン・ボーン(M・デイモン)が、今回はCIA局員殺しの
犯人に仕立て上げられ、ロシア人の殺し屋からは命を狙われるはめに。
暗殺者(K・アーバン)の魔の手からは危うく逃れたボーンでしたが、マリーは
凶弾に倒れてしまいます。
なぜ自分は命を狙われ、幸せを奪われなければならなかったのか・・・。
いまだにある時期の記憶を失ったままのボーンには理解できません。その
謎を解き記憶を取り戻すためにボーンは、命令で動く殺人マシーンではなく
自分の意志で行動を起こします。

前回同様、ボーンはたった一人で巨大な組織に立ち向かっていきます。
頼りは、明晰な頭脳と動物的な勘、そして鍛えられた肉体のみ。
ボーンは身につけた能力で幾多の危機を乗り越えていくのですが、その能力
を表現したいためか、マット・デイモンの動き以上にカメラが激しく動き回るの
にはちょっと閉口。

今回も主な舞台はヨーロッパ。前回同様、激しいカーチェイスも用意されてい
ます。今回の目玉はモスクワ市内でのカーチェイス。
そうそう、モスクワのタクシーもニューヨーク同様、黄色なんですね。
黄色は原色の中で最も光を反射する色、遠くからでも目につく色なので、タク
シーの外装として一番適しているからなんでしょうね。
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役柄もありますが、青春スターだったマット・デ
イモン、ジミーちゃん似とからかわれたマット・
デイモンも、随分と大人っぽく、骨太な役者さん
になったのは確かです。


 
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by kiyotayoki | 2005-02-15 11:20 | 映画(は行)