映画の心理プロファイル

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『戦略大作戦』(1970 米)

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原題:『KELLY’S HEROES』
    (140分)
監督:ブライアン・G・ハットン
脚本:トロイ・ケネディ・マーティン
音楽:ラロ・シフリン
出演:クリント・イーストウッド
    ドナルド・サザーランド
    テリー・サヴァラス

新聞のテレビ欄で、昼間にこの映画をやると知って、思わず予約録画してしまいました。見たかったんです、しかも吹き替え版のやつ。
いやあ、懐かしかったなぁ。
イーストウッドの声は、今は亡き山田康雄さん。
サザーランドは、宍戸錠さん。
でもって、サヴァラスは、大平透さんという懐かしの声優陣。

『戦略大作戦』という日本語タイトルだけを見ると、本格派の戦争映画と思うかもしれません。実際、戦争の場面はかなり激しいものがあります。シャーマン戦車とタイガー戦車が一騎打ちするという華々しいシーンもあります(放映時間も140分と大作級!)。
勇猛果敢な米兵を指揮するのは、イーストウッド扮するケリーとサヴァラス扮するジョー。それにサザーランド扮する戦車隊の隊長オッドボールの3人。
でも、彼らの目的はフランスからドイツ軍を一掃するのではなく、ドイツ軍がある町の銀行に秘匿している1600万ドル相当の金塊を盗むためなのです。
目的が超不純^^;!
実はこの映画、第二次大戦下のフランスを舞台にしたピカレスク・ロマン大作なんですね。だから、3人に付き従う連中も欲の張った連中ばかり。彼らが勇猛果敢に独軍の最前線を突破し、敵中深く進入できたのも“分け前にあずかれる”というニンジンが目の前にぶら下がっていればこそというわけ。

こういう映画に心惹かれ、憎めない悪党どもにシンパシーを感じちゃうのは、やはり誰の心にもある『トリックスター』が刺激されるからではないかな。
『道化師』とも訳されているこの心理用語を考え出したのはC・G・ユング。どんな人でも持っている“いたずら心”や“困ったちゃん的な部分”をさす言葉です。
この部分があまりにも活性化しすぎちゃうと、ほんとに困ったちゃんになってしまうんですが、抑え込みすぎると遊びのない無味乾燥な人生を送ってしまうことにもなりかねません。
だいたい、社会に刺激を与えたり、あっと驚く創造力を発揮できるのは『トリックスター』タイプの人なんですよね。
最近、仕事をしてても遊んでいてもちっとも心がわき立たないという人は、心の中の『トリックスター』を抑え込み過ぎているのかも。もしそうなら、この映画はおすすめですよ!
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by kiyotayoki | 2005-08-31 13:25 | 映画(さ行)

TVドラマ『名探偵ポアロ』(2003、2004 英)

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今、毎週楽しみにして見ている海外ドラマは『名探偵モンク』ですが、それ以前に夢中になっていたシリーズといえば、この『名探偵ポアロ』でした。
先週、4晩に渡って新作のスペシャル版が公開されたのでたっぷり堪能させてもらいました。
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1988年から始まったシリーズですが、デヴィッド・スーシェ扮するエルキュール・ポアロがとにかく最高。声を担当している熊倉一雄さんがまた熟練の味でポアロを身近に感じさせてくれています(ヒッチコックの声や「ひょっこりひょうたん島」のトラヒゲでもお馴染みの熊倉さん、もう78歳になられるんですね)。
今回、ON AIRされたのは、
『ナイルに死す DEATH ON THE NILE』(2004)
『杉の柩 SADCYPRESS 』(2003)
『五匹の子豚 FIVE LITTLE PIGS』(2003)
『ホロー荘の殺人』(2004)
の4本。
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残念ながら、シリーズのレギュラーだったヘイスティング大尉もジャップ警部も、そして秘書のミス・レモンも登場しませんが、重厚なつくりは昔のまま(演出面では今風に、かなり凝ったつくりになっています)。
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1930年代の雰囲気を醸し出すアールデコ調の建築デザインや什器・装飾品はもちろん、小道具に至るまで相変わらず配慮が行き届いており、ポアロの世界にとっぷりと浸り込むことができるのが嬉しいですね、このシリーズは。
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by kiyotayoki | 2005-08-28 20:25 | TV

『サイドウェイ』(2004 米)

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原題:『SIDEWAYS』(130分)
監督:アレクサンダー・ペイン
原作:レックス・ピケット
脚本:アレクサンダー・ペイン
    ジム・テイラー
出演:ポール・ジアマッティ
    トーマス・ヘイデン・チャーチ
    ヴァージニア・マドセン
    サンドラ・オー

淡々としたお話で出演者も地味なこの作品が批評家(主に男性)から絶賛され、アカデミー脚本賞までとったのは、一にも二にも“身につまされるお話(特に男性にとって)”だからなんでしょう。
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ポール・ジアマッティ扮するマイルスは、ワイン通なことが取り柄のバツイチ中年男。作家志望で、書き上げた作品を小さな出版社に持ち込んではいますが、難解な内容が災いしてか出版の可能性は限りなく低そう・・・と、本人も自覚してる。
つまりマイルスは、それなりの人生を経て何度も挫折を味わい、夢は夢でしかないと諦観しているのに、まだ言い訳しながらそれにすがって対面(自尊心)を保っている世の大多数の男性の象徴のような男なのです。
“大多数の”なんて決めつけちゃいましたが、我が身を振り返ってみても^^;この世代の男はたぶん、いや、きっとそう(;_;)。
マイルスと一緒に旅をすることになるジャック(T・H・チャーチ)にしても、趣味嗜好や職業(俳優業、マイルスは中学教師)はまるで違うものの、うまくいかない人生に言い訳しつつ何とか折り合いつけて生きてる点では同じ。
そんな2人が男同士で旅に出たのは、1週間後に式を挙げるジャックのため。マイルスは独身最後の記念にバチェラー・パーティならぬワインとゴルフ三昧の旅を提案したのでした。でも、ジャックとしてはワインとゴルフはほどほどにして独身のうちにたっぷりアバンチュールを楽しもうって腹づもりなんですが…。
目的地は、老舗ワイナリーが集中するサンタバーバラ。
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でも、出てくるのはカリフォルニア・ワインばかりではありません。
マイルスは61年物の『シュヴァル・ブラン』(仏、ボルドー)を宝物にしていますし、旅先で出会った2人の女性もワイン通で、マヤ(V・マドセン)イチオシはサッシカイヤ(伊、トスカーナ)だし、ステファニー(S・オー)のそれはリシュブール(仏、ブルゴーニュ)・・・と、ワイン好きならヨダレの出そうな銘柄が会話のあいだに出てまいります。手が出ない値段のものばかりですけど、volnay007さんは飲んだ経験おありでょうかしらん。
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2人の旅は、“面白うて やがて悲しき 宴かな(ホントは「鵜飼いかな」なんですってね)”という松尾芭蕉の一句のような様相を呈していきます。そのあいだに男の観客は、見栄っぱりな男の性、変なところにこだわりたがる男の性、未練がましい男の性を見せつけられ、思わずうつむいてしまいそうになります。自分を見ているような気になっちゃうからです^^;。いじけ虫のマイルスや快楽主義のジャックと自分を『同一視』しちゃうんですね。

出版の夢が絶たれ、別れた妻への未練から新しい恋にも踏み切れないイジケ虫マイルスは、61年物の宝物をこともあろうにハンバーガーショップに持ち込んで、がぶ飲みしてしまいます。あああ、もったいない。でもその気持ちわからないでもないけれど。
そんなマイルスに、この映画はどんなエンディングを用意してると思います?
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by kiyotayoki | 2005-08-27 12:28 | 映画(さ行)

『カンフー・ハッスル』(2004 中・米)

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原題:『KUNGFU HUSTLE』(99分)
監督:チャウ・シンチー
脚本:チャウ・シンチー他
出演:チャウ・シンチー
    ユン・チウ
    ユン・ワー
    ラム・ジーチョン
    ブルース・リャン
    ホアン・シェンイー
 
『少林サッカー』(2001)のチャウ・シンチー監督・脚本・主演の新作。
シンチー扮する街のチンピラ・シンが登場するとき、サッカーボールを踏みつぶすシーンがあるんですが、「俺はいつまでも過去の栄光にすがっちゃいないぜ」って意思表示みたいで、思わずニンマリ。

舞台は1930年代の上海。悪が横行する時代で、街は斧頭会というギャング団が牛耳っています。けれど一カ所だけその支配から逃れられている場所がありました。それが貧民街にある通称“豚小屋砦”という古いアパート。
なぜでしょう。貧乏過ぎて搾り取るものがないから?いや、それだけじゃなかったんです。この貧民窟は貧乏人の吹き溜まりだけでなく、引退した武術家たちの隠遁の場でもあったのです。
ただの麺職人、ただの仕立て屋、ただの荷担ぎ人足だと思っていた男たちが強いのなんの。おかげで小銭を巻き上げようとやってきたシンも、後で大挙してやってきた斧頭会の連中も、3人に散々な目にあわされてしまいます。
ただの麺職人は『吾郎八卦棍』、ただの仕立て屋は『洪家鐵線拳』、ただの荷担ぎ人足は『十二路譚腿』という武術の達人だったのです(^0^)v。
達人は、実は彼らだけでなく、強欲なだけと思われていた大家夫婦も、亭主は『太極拳』、女房は『獅子の咆吼』という技の達人であることが後に判明します。もう犬も歩けば達人に当たる状態!
怒った斧頭会のボス・サムは刺客を雇って3人の命を狙わせます。その刺客が使う怖ろしい技が『古琴波動拳』。それでもかなわないと見ると、今度は異人類研究センターで囚われの身となっていた史上最強の殺し屋・火雲邪神に達人退治を命じます。
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こいつがまたけた外れに強い!
繰り出す技は悟空やケンシロウも真っ青!
まわりの連中がやたら強すぎるので、
主人公がいるのを忘れるぐらい。
けど、史上最強の殺し屋・火雲邪神をやっつけるには、それ以上のカンフーの達人が登場する必要があります。その達人こそが主人公のシン・・・・のはずなのに、いつまでたってもシンはドジでマヌケなチンピラのまま。
おいおい、そろそろ本領発揮してもいいんじゃないの?
見てるこちら側がじれ始めたところを見計らって、チャウ・シンチー監督、いよいよ主役である自分を輝かせ始めます。この強さはもう尋常じゃありません。スーパーマン級。もう笑っちゃうほどのスゴさ。それでも、じらされた分、「待ってましたぁ、どんどんやれ~、もっとやれ~」って応援したくなっちゃう。これも一種の『リアクタンス』効果かな。
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by kiyotayoki | 2005-08-25 19:26 | 映画(か行)

『アイアン・ジャイアント』(1999 米)

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原題:『THE IRON GIANT』(86分)
監督・原案:ブラッド・バード
脚本:ティム・マッキャンリーズ
音楽:マイケル・ケイメン
声の出演:ヴィン・ディーゼル
       ジェニファー・アニストン
       ハリー・コニック・Jr
イーライ・マリエンタール
       クリストファー・マクドナルド

噂の映画、やっと見ました。
『Mr.インクレディブル』(2004)のブラッド・バードが撮ったアニメ作品です。
1957年、ソ連が打ち上げた人類初の人工衛星スプートニク1号が地球のまわりを回ってた時のお話。
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というと、すぐに思い浮かぶのは『遠い空の向こうに』(1999)という映画。主人公は夜空に浮かぶ小さな小さなスプートニク衛星を見て、自力でのロケット打ち上げの夢をふくらませていきます。
一方こちらは、別の場所で同じ衛星を見上げていた9歳の少年のめくるめく体験記。
当時の宇宙開発は軍事優先。米ソの対立深まる中でのソ連の打ち上げ成功は、大陸間弾道ミサイルによる核戦争が絵空事ではなくなったことも意味しており、アメリカ国民は空を見上げて恐怖におののいたと言われています。でも、子供はそんなこと知ったこっちゃありません。
そんな折も折、アメリカの山中に宇宙から隕石状の物体が落下します。
それを目撃した少年ホーガースは、さっそくおもちゃの銃を持って墜落現場へ向かいます。もし火星人がいたら、とっつかまえてやろうって意気込みで。
ところが出くわしたのは、雲さえ突き抜けかねない巨大なロボットだったものだからビックリ!
このロボット、食い意地がはっていて、鉄製の物なら見さかいなくバリバリゴクンと呑み込んじゃう。で、発電所の鉄塔を食おうとして感電。その危ういところを助けたのが縁でホーガースとロボットは大の仲良しになってしまいます。

「人はどういう相手を好きになりやすいか」
これは心理学でも随分研究されていて、「価値観の近い人を好きになりやすい」ことがいろんな心理実験で確かめられています。
つまり、「マヨネーズかけご飯」が好きな女性は、「カッコいいけどマヨネーズかけご飯はNG」男よりも「見た目は劣るけどマヨネーズかけご飯大好き」男のほうを好きになる可能性が高いってこと。
ホーガースとロボットが大親友になれたのも、きっと価値観が同じだったからなんでしょう。2人とも「大切な人を守るためなら自分の身を削ってでも働くスーパーヒーロー」に憧れていましたから。そしてその価値観がロボットの運命をある方向へ導いていくことになります。
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このロボット、頭にへこみがあるでしょ。落下した時にぶつけたみたいで、そのせいか記憶データが消えてしまったようで、自分が何者で、何のために地球に飛来したのか本人もわからないよう。でも、自分を助けてくれる者には友好的で、学習能力もある(知能的には幼稚園児並みかな?)。そんなロボットとホーガースが友情を育んでいく様は微笑ましいものがありますが、その間にも彼らには危険が迫っていました。
政府の調査官がこの地で起きた不穏な出来事を執拗に調べていたからです。彼にロボットが見つかったら、「ソ連の秘密殺人兵器だ!」と軍隊を繰り出してくることは必至でしょうから(実際、そうなっちゃうんですが)。

ネタバレしちゃうかもしれませんが、ラストはまるで『鉄腕アトム』の最終回。だから、感動的だし、哀しみで心がいっぱいになってしまいます(アメリカ人ってどうして原爆の被害をあんなに低く見積もれるんでしょ)。
だけど、そこで終わらせないのがブラッド・バードの偉いところ。ホッとさせてくれるエンディングがニクいッ。
 
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by kiyotayoki | 2005-08-24 09:40 | 映画(あ行)

『12モンキーズ』(1995 米)

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原題:『TWELVE MONKEYS』(130分)
監督:テリー・ギリアム
脚本:デヴィッド・ピープルズ
    ジャネット・ピープルズ
音楽:ポール・バックマスター
出演:ブルース・ウィリス
    マデリン・ストー
    ブラッド・ピット
    クリストファー・プラマー
    ジョン・セダ
    デヴィッド・モース

いま起こっていることは、現実なのか、妄想なのか・・・
主人公の混乱が、見ているこちら側にも伝染してしまいそうな映画です。
ピアソラのバンドネオンの音色がいつまでも耳に残る作品でもあります。
監督は、前回とり上げた『バロン』と同じテリー・ギリアム。
舞台は、人類の99%が謎のウィルスによって滅亡した近未来。残った人類は地下世界で細々と命脈を保っているような状態。
支配階級と科学者グループは、人類滅亡の原因を探るため、ウィルスが蔓延し始めた1996年の世界に囚人から選抜したジェームズ・コール(B・ウィルス)をタイムマシンで送り込むことにします。
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解明の鍵は「12モンキーズ」という名称とこの奇妙なマーク。
しかし、コールが行き着いたのは1996年ではなく、なぜか1990年のボルティモア(このタイムマシンは精度が悪く、コールは時空を行き来するたびにひどい目にあいます^^;)。
そこで出会うのが、その後運命を共にすることになる女性精神科医のキャサリン(M・ストー)。
そして、「12モンキーズ」と関係ありそうな“いかれ男”ジェフリー(B・ピット)。このプラピのいかれっぷりは見もので、目なんか完全にイッちゃってます^^;。
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ジェフリーと知り合ったのは、キャサリンが勤める精神病院。せっかく未来からやってきたコールでしたが、「6年後に人類は謎のウィルスにより滅亡する」なんて話を信じてもらえるはずもなく、妄想癖のある男として病院送りになったのです。
こういうのってあり得る話かもなぁ。統合失調症として病院に収容されている患者の中には、コールと同じように未来からやってきたのに信じてもらえないでいる人間が1人や2人いるのかもかも^^;。タイムマシンで時空を旅する人は、そんな目にあわないように善後策をちゃんと考えておく必要がありますね(コールがあまりにも無防備なだけかもしれませんけど)。
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その後、なんとか未来に戻ったコールは、特赦をもらうべく再び過去(1996年)へ向かいます。が、時空の旅は想像以上に心身にダメージを与えるようで、コールは混乱の極みへ。タイムトラベルも、ウィルスによる人類滅亡も自分の妄想だと思うようになるのです。
一方、キャサリンはというと、逆にコールの言葉が真実ではないかと思うようになります。そしてそれは次第に確信へと変わっていきます。
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この映画を見ていて、ユング派の心理学者ジェイムズ・ヒルマンの著書『魂のコード』(河出書房新社)を思い出しました。人間の運命は遺伝子や環境で決まるのではない。人はそれぞれ運命の声が書き込まれた“魂のコード”を持っていて、それに導かれていくのだと・・・。
コールは己が運命に導かれるように、よれよれになりながらも真相に向かって突き進んでいくことになりますが、さて、その結末は・・・・。

長いあいだ地下で暮らしていたコールの夢は、すみきった青い空と海を見ることでした。
ああ、そういえば今年の夏は結局、海は見ずじまいだったなぁ・・・(;_;)
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by kiyotayoki | 2005-08-22 19:30 | 映画(た行)

『バロン』(1989 米)

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原題:『THE ADVENTURES OF
BARON MUNCHAUSEN』(125分)
監督:テリー・ギリアム
脚本:チャールズ・マッケオン
    テリー・ギリアム
出演:ジョン・ネヴィル
    サラ・ポーリー
    エリック・アイドル
    ジョナサン・プライス
    ロビン・ウィリアムズ
    ユマ・サーマン

見る人の想像力・空想力を刺激しないではおかない映画です。
『ほら吹き男爵の冒険』として知られるミュンヒハウゼン男爵の奇想天外にして奇妙奇天烈、そして欣喜雀躍してしまうファンタジー。
テリー・ギリアム監督作品はこれ以前に『バンデットQ』(1981)というこれまた不思議楽しい作品を撮っていますが、両作品は一卵性双生児のように似た部分が多分にあります。
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また、モンティ・パイソンの仲間エリック・アイドルが出ているのはファンには嬉しいかぎり。
あ、そうそう出演者で驚いたことが。
この作品では、サラ・ポーリーという9歳の女の子が重要な役をやっています。この子がダコタ・ファニングちゃんも真っ青って演技を披露してくれるんですが、この子役はその後どうなったんだろうと調べてみたら・・・。
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あ~らビックリ!『死ぬまでにしたい10のこと』(2003)や『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004)で主役を張ってた女優さんが彼女の成長した姿だったんですね。
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この作品にはデビュー間もないユマ・サーマンが出ていますが、若い頃の彼女と成長したサラは姉妹かと思うほどソックリ。

舞台は18世紀後半、トルコ軍に攻められて籠城を強いられているドイツの港町。長引く戦争で疲れ切った人々にとって唯一の楽しみは、崩れかけた劇場でやっている『バロンの冒険』という芝居を観劇することでした。その芝居が佳境に入った時、一人の老人がすごい剣幕でステージに上がり込んできます。
「インチキ芝居はやめろ!我こそは本物のミュンヒハウゼン男爵なるぞ!」
突然の本物の登場に騒然とする場内。そこにトルコ軍の砲撃が始まって町は大混乱。
「町を助けて!」と懇願する座長の娘サリー(S・ポーリー)の願いを聞き入れた男爵は、町の女性に呼びかけて下着を供出させ、それで気球をつくって町を脱出します。目的は昔の仲間探し。
男爵にはかつて、韋駄天のバートホールド(E・アイドル)、怪力のアルブレヒト、千里眼で鉄砲の名手のアルドファス、息で何でも吹き飛ばしてしまうクスタバスといった『Mr.インクレディブル』に出てきそうな超人の従者がいたのです。彼らさえいれば、トルコ軍など恐るるに足らず。
と、勇躍旅に出た男爵がサリーと向かった目的地は、な、なんと月!まさに、ほら吹き男爵の面目躍如たる展開!
前にもご紹介しましたが、人の脳はウソをついている時のほうが、本当のことを話している時より活性化することが米国の研究チームによって明からにされています。つまり、ホラを吹いている時って脳が活性化してる、天才的に働いているということ。
私たちもたまには男爵のような面白いホラを吹いて、固くなった頭を柔らかくする必要があるのかも^^;。
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by kiyotayoki | 2005-08-18 12:43 | 映画(は行)

『ロイヤル・セブンティーン』(2003 米)

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原題:『WHAT A GIRL WANTS』
    (105分)
監督:デニー・ゴードン
原作戯曲:ウィリアム・D・ウィリアムズ
音楽:ルパート・G・ウィリアムズ
出演:アマンダ・バインズ
    コリン・ファース
    ケリー・プレストン
    ジョナサン・プライス
    オリバー・ジェイムズ

またまた、想像・空想つながりで。
この映画の主人公は、生まれ落ちてから17年間、実体の父を知らずに生きてきた女の子。彼女の頭の中にある父親は、母親から聞かされた話と若い頃の写真からつくり上げた想像の産物。そんな女の子が実物の父親に会いたいと願うのは当然のこと。17歳のダフネはそれを実行に移します。
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父親がいるのはイギリスの首都ロンドン。その一角の広大な土地に屋敷をかまえるヘンリー・ダッシュフォード(C・ファース)は代々国家の防衛に尽くした由緒ある貴族の家系の現当主。世襲制で地位の安定した上院(貴族院)から、選挙で当選しなければならない下院への鞍替えを目指すリベラルな野心家でもあります。
ダフネはというとNYの下町チャイナタウンの安アパート住まいで、ミュージシャンの母リビー(K・プレストン)に女手ひとつで育てられたとってもアメリカンな女の子。
生まれも育ちも大違い。
母親のリビーによると、ヘンリーとはモロッコの砂漠で恋に落ち、ベドウィン族の儀式で結婚式をあげロンドンへ。けれど、運命は微笑んでくれず、側近たちに家督を継いだヘンリーのためだと丸め込まれて追い出されてしまったというのです。その数ヶ月後に生まれたのがダフネ。だから、ヘンリーは娘が誕生したことは知らないのだと・・・。
ロンドンに渡ったダフネは果敢に、というか無計画に警備厳重なヘンリー邸に忍び込み、めでたく親子の対面を果たします。

さて、ここで簡単な心理テスト。
あなたは初めてのところへ行く時、どちらの行動をとりがち?
Aダフネと同じで、とりあえず行ってしまう。
Bネット検索などして情報を集めてから行く。
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これは、「親離れ度」をチェックするテスト。
Aを選んだ人は、いつまでも親離れしない甘えん坊タイプ
Bを選んだ人は、金銭的なことは別にして早く親離れしてしまうタイプ。

さてさて、親子の名乗りをしたダフネですが、ここからが映画の見どころ。
ヘンリーにはグリニスという婚約者がおり、グリニスにはクラリッサというダフネと同年代の連れ子までいたのです。このグリニス・クラリッサ親子が『シンデレラ』でいえばイジワルな継母と連れ子の役回りでダフネをいじめにかかるんですね。しかも、17年前にダフネの母を追い出した側近というのがグリニスの父親ときたもんだ。
そんな最悪な環境の中で、ダフネは父親との交流を深めていくことができるでしょうか・・・。
アメリカンガールのダフネが堅苦しい英国上流社会に新鮮な風を吹き込んでいく様が愉快で爽やかな現代版おとぎ話です。
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『ブリジット・ジョーンズの日記』や『ラブ・アクチュアリー』で、シャイな男を好演していたコリン・ファースがここでもいい味出しています。
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by kiyotayoki | 2005-08-17 11:36 | 映画(ら行)

『チキ・チキ・バン・バン』(1968 英)

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原題:『CHITTY CHITTY BANG BANG』
  (143分)
監督:ケン・ヒューズ
原作:イアン・フレミング
脚本:ロアルド・ダール
    ケン・ヒューズ
作詞・作曲:R・B・シャーマン
出演:ディック・ヴァン・ダイク
    サリー・アン・ハウズ
    ゲルト・フレーベ

「夢はあなたの心がつくる希望である」という言葉を残したのは、ウォルト・ディズニーですが、人がつくり出す空想の世界も同じことが言えるのではないでしょうか・・・。
これは、空想つながりで思い出した夢と希望あふれる作品です。
で、見直してみたら、まずタイトルでビックリ!
タイトルの前に、“イアン・フレミングの”と冠されているんですね、これ。
ってのも、原作がイアン・フレミングの童話だから。いやー恥ずかしながら知りませんでした。007の原作者がこんな童話を書いていたなんて。原作名は『空とぶくるま(The Magical Car)』というんだそうです。
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そういう目でこの作品を見てみると、監督のケン・ヒューズは『007 カジノロワイヤル』(1967)を撮ってるし、脚本のロアルド・ダール(今秋公開の『チョコレート工場の秘密』の原作者)は『007は二度死ぬ』(1967)の脚本も書いてる。その上、出演者の中には『007 ゴールドフィンガー』(1964)で大富豪ゴールドフィンガーを演じたゲルト・フレーベまでいるじゃありませんか。
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しかも、水陸両用で空まで飛べちゃうチキチキバンバン号は、まるでボンドカー!っていうか、ディック・ヴァン・ダイク扮する発明家ポッツの空想の産物なので、ボンドカーの上をいく性能を備えています。


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舞台は1910年頃のイギリスの田舎町。主人公は男やもめの貧乏な発明家ポッツと2人の子供たち。でも本当の主人公は、ポッツがポンコツレースカーを元に作ったチキチキバンバン号でしょうね。彼(彼女?)の活躍抜きにはこのお話は語れませんもの。
チキチキバンバン号のベースになっているのは、フレミングが少年時代に感銘を受けたというレースカーの『パラゴン・パンサー』。チキチキバンバンという名前の由来は、車が出すエグゾーストノイズの音をそのまま付けたもの。あまり擬人化されていないので、ポッツに操られているように思えるかもしれませんが、実は意思をもっていてハンドルから手を離しても勝手に動いてくれるし、危険だと思えば翼を出して飛んでもくれます。
ナンバープレートの『GEN11』には何か意味がある?
あるんですね、これが。数字の1をアルファベットのIとしてその綴りを読むと、『Genii』となり『精霊』とか『魔神』という意味になっちゃう(これがわかったの、検索のおかげですが)。

実際のチキチキバンバン号は、波の上を走ることも、空を飛ぶこともありません。でも、ポッツと、彼が語る夢のような話にワクワクしながら耳を傾ける人には、車は驚くような性能を披露してくれるんですよ。
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by kiyotayoki | 2005-08-14 23:27 | 映画(た行)

『ネバーランド』の犬

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映画『ネバーランド』の主人公バリが飼っている愛犬ボーソスの犬種は“ニューファンドランド犬”。
バリがシルヴィアと4人の子ども達の前で、「熊と踊っているところを想像してごらん」と言って、愛犬とダンスをするシーンはとても印象的でした。

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でも、正直いうとあまり想像できなかったんですよね^^;。ニューファンドランド犬には白黒のブチの他に真っ黒な毛並みのもいるそうで、そっちを使っていてくれたら、もう少し簡単にイメージできたのに(なんだか想像力不足の言い訳をしてるみたいですけどね)。

とはいえ、白黒のブチは好みの柄ではあるんです。
この柄が好きになったのは、随分前になりますがオーストラリアのタスマニア島を旅したのがきっかけ。古くて小さなホテルの外観が気に入って飛び込みで泊めてもらったんですが、そこで飼われていたのがぺット羊のジョージ。
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写真がジョージ君。この子が人懐っこくて可愛いのなんの。許されるものなら日本に連れて帰りたかったくらい。
以来、犬でも猫でもいいからブチ柄の子を飼いたいと思ってたんですが、未だにその願いは叶っていません。

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性格は子犬っぽくて、猫ともお友だち☆


ちなみに、『ピーターパン』の中に出てくる乳母犬ナナは、バリの愛犬ボーソスがモデルであるということは言うまでもありません。
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by kiyotayoki | 2005-08-11 10:35 | 閑話休題