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映画の心理プロファイル

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『イルマーレ』(2001 韓)と『イルマーレ』(2006 米)

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原題:『IL MARE』(97分)
監督:イ・ヒョンスン
脚本:ヨ・ジナ
出演:イ・ジョンジェ
    チョン・ジヒョン
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原題:『THE LAKE HOUSE』
(98分)
監督:アレハンドロ・アグレスティ
脚本:デヴィッド・オーバーン
出演:キアヌ・リーヴス
    サンドラ・ブロック
    クリストファー・プラマー 




海辺(湖畔)に建つ一軒家に備え付けられた郵便受けを介して、2年の時を隔てて存在する男女が手紙を交換し愛を育んでいくロマンチック・ラブ・ストーリー。
韓国でヒットし、米国でリメイクされた作品。今回、両方を続けて鑑賞してみました。

来るはずのない返事の手紙が届く・・・というと思い出すのは、岩井俊二監督の『ラブレター』。あの映画は韓国でも大ヒットしたというし、『イルマーレ』の着想の原点は『ラブレター』だったかもしれないな、と思いながらの鑑賞でした。
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《オリジナルとリメイクの共通点》
2年前の世界に住む男性と現在に住む女性が郵便受けを介して、交流を始め、互いに相手への思慕の念を強めていくところは同じ。特に、導入部、女性が引っ越し、次の入居者に手紙を残すところ。時期は違うものの、同じ犬を飼うことになる顛末は同じ。

《オリジナルとリメイクの相違点》
韓国のお話が、どんな風にアメリカナイズされているか、気になるところ。
まず、ふたりが住む家の立地条件が違う。韓国版は海辺。米国版は湖畔。イルマーレというのは韓国版の主人公ソンヒョン(男)が家につけた名前。イタリア語で「海」という意味らしい。となると、米国版の日本語タイトルが『イルマーレ』というのは変かも。
米国では、海辺のコテージより湖畔のコテージのほうが一般的なんだろうか?

2人のいる世界をつなぐ郵便受けも、韓国版はかなりクラシカルな作りだけれど、米国版のほうはアメリカでよく見かける一般的なやつ。「神秘性」という点では韓国版のほうがこの映画にマッチしている感じだけれど、米国版のほうは手紙が届くと扉を開閉する取っ手が動いて知らせてくれるようになっていてファンタジー度が漫画チックに高められている。
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《彼》はどちらも建築関係の仕事をしている。だけど、《彼女》は韓国版はアニメの新米声優で、米国版は女医。
これは韓国版と米国版の主人公2人の年齢差ゆえの変更かな。湖畔のコテージに住むにはある程度の収入がなきゃムリだろうって合理的な配慮がなされたのかも(韓国版はその点ではリアリティに欠けていたようで、若いのに分不相応な家に住んでるという印象を受けちゃったな)。
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2人は、時空を超える不思議な郵便受けを使って手紙だけでなく、本だのカセットテープだのいろんな物をやりとりするんだけど、しそうでしないのが互いの顔写真の交換。これは韓国版、米国版、どちらもしない。しない理由は理解できる。できますよ。だけど、当然しそうなことをしないのはやっぱり「なんで?」って違和感を覚えちゃうんだな。

思わずニンマリしちゃったのは、米国版の配役名。
犬の名前がジャックで、《彼》の名前がアレックス。
これって、キアヌ・リーブスとサンドラ・ブロックが初共演した『スピード』(1994)を意識してるんじゃないだろうか。だって、その時のキアヌの役名はジャックだったし。キアヌが出演を蹴った『スピード2』じゃサンドラの恋人の役名がアレックスだったし(^~^。

一番の違いは、韓国版では2人は手さえ触れ合わないのに、米国版では触りまくるわ、キスするわ(^^;。これは国民性の違いかなぁ。キスさえしないラブストーリーなんて、アメリカじゃ考えられないのかも(^~^。
ただ、この映画のキモは「愛する人に触れたいのに触れられないもどかしさ」ってところにあるんだし、その点ではアメリカ版は掟破りな感じがする。

韓国版は、印象に残る台詞がいくつもちりばめられている。それも米国版との違いかな。
恋をして恋を失った人は、恋をしていない人より美しい」とか、
人には隠せないものが3つある。それは“咳”と“貧しさ”と“愛”」とかね。

そんなわけで、どちらが好みかと問われれば、
個人的には韓国版に軍配を上げちゃうかな。

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by kiyotayoki | 2007-10-30 10:05 | 映画(あ行)

『ミッドナイトクロス』(1981 米)

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原題:『BLOW OUT』(113分)
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ
音楽:ピノ・ドナッジオ
出演:ジョン・トラヴォルタ
    ナンシー・アレン
    ジョン・リスゴー

劇場で観て以来だから、四半世紀ぶりの鑑賞。
いや~、トラヴォルタが若い(当時26歳。でももうお腹がちょっと出てる^^;)!
ナンシーのしゃべり方がマリリン・モンローっぽい♪
わっ、殺し屋役がジョン・リスゴーだったなんて!
しかも、エンディング、こんなに切なかったっけ?

・・・・と、意外に新鮮に再見することができました。

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主人公のジャックは、B級映画の音響を担当する効果マン。
ある夜、戸外で効果音を収録中、自動車が川に転落するのを目撃。ジャックは川に飛び込び、車中から若い女性サリーを救出するんだけど同乗していた男性は死亡してしまいます。
が、それはただの事故じゃなかった。死亡した男性は次期大統領候補だったのです。
ジャックがきな臭いニオイを感じ取ったのは、事件後、録音したテープを聞き直した時でした。
タイヤのパンクの音の前に銃声らしき音が入っていたのです。
(※『BLOW OUT』には「吹き消す」の他に「パンクする」って意味もあるようです)
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助けたサリーにひとめ惚れしたこともあって、ジャックは事件の真相を探るたるめに危険な領域へと足を踏み入れていく・・・というストーリー。

コールガールを生業とするサリーを演じているのは、当時は監督のブライアン・デ・パルマと結婚していたナンシー・アレン(当時30歳)。
ベイビーボイスなんて言葉はないかもしれないけど、「幼声」で「まん丸おめめ」で「おちょぼ口」・・・と、幼児の特徴を備えた女性は男の保護欲求を駆り立てずにはおかないところがあります。動物行動学のコンラート・ローレンツ博士は、それを「ベイビネス(赤ちゃんらしさ)」という言葉で説明してる。この映画のナンシー・アレンは、それを意識した演技でジャックを悩殺しておりました。
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一方、悩殺ならぬ絞殺で次々にターゲットを仕留めていく不気味な殺し屋を演じているのがジョン・リスゴー。
ジョン・リスゴーという俳優さんを初めて意識したのは『ガープの世界』(1982)の性転換したオカマ役だと思ってたんだけど、それより1年前に映画で見ていたんだね。知らなかった。だけど、こんな印象的な役なのに覚えてないというのも不思議(^^;。
不気味な殺し屋と心優しいオカマという正反対な役だったから同じ人だと思わなかったのかもしれないけど(^~^;。


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『サイコ』へのオマージュ的シーンがあったり、長回しのシーンがあったりと、ヒッチコッキアン(ヒッチコックの大ファン)のデ・パルマ監督ならではという映画に仕上がっていましたが、ラストが切ない終わり方になったのは、前年に憧れのヒッチコック監督が亡くなったせいもあるのかもしれません。
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by kiyotayoki | 2007-10-28 11:59 | 映画(ま行)

広辞苑がまた重くなる?

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インターネットの検索機能が辞書代わりになって久しい今日このごろ。
それでも、今も手元に置いて、重宝させてもらっているのが広辞苑
これがないと、ものを書く時、やっぱりちょっと不安になる。
唯一の難点は、分厚い上に重いってこと。
我が家にある書物の中では、ヘビー級のタイトルホルダーかも。
片手で持ち上げようとすると、筋を違えるんじゃないかと心配しちゃうほどだもん(^~^;

そんな、今でさえメタボリックな広辞苑が来年1月に改訂(第6版)されるんですってね。
1万語が新たに加わって、24万語収録の辞書になるそうだから、ますます重くなることは確実(もし買い換えるとしたら、今度は電子辞書版にしちゃうかも^^;)。

新しく加わるのは、「ニート」「メタボリック症候群」や「逆切れ」「イケメン」「めっちゃ」「うざい」といった若者言葉など。
そうそう、広辞苑に収録される日本の著名人は物故者に限られてるんですってね。そんなわけで、今回も植木等さんや、城山三郎さん、如月小春さん、今村昌平さん、丹下健三さんといった方々が新たに載るそうな(黒川紀章さんは間に合わなかったようデス)。

ちょっとした感慨を覚えたのは、今回の改訂で「ローリング・ストーンズ」が加わること(ビートルズは今の版にも載ってます)。初版発行以来52年の歴史を持つ広辞苑が、結成44年のローリング・ストーンズの実力と実績をやっと認めたということでしょうか。それとも、さすがに「不良」のイメージが薄れてきたせいかしらん・・・。

一方、検討の末に採用が見送られたた新語の中には、「イナバウアー」「できちゃった婚」「萌(も)え」なんてのがあったそうな。
今回の編集方針の一つは「若者言葉がわからない」という高齢者の要望に応えるためだったというし、 「萌え」は入れてもよかったんじゃないかしらん(^^。

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by kiyotayoki | 2007-10-26 16:39 | 閑話休題

『グッドナイト&グッドラック』(2005 米)

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原題:『GOOD NIGHT AND GOOD LUCK』
(93分)
監督:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョージ・クルーニー
    グラント・ヘスロヴ  
歌  :ダイアン・リーヴス
出演:デヴィッド・ストラザーン
    ジョージ・クルーニー
    ロバート・ダウニー・Jr

撮影現場にいたら、さぞかし煙かったことだろう・・・
そう思うほど、終始紫煙が立ちのぼっている映画です。
男性の喫煙率はほぼ100%。愛煙家が見たら、「こんな時代に生まれたかった」って嘆くんじゃないだろうか。
ああ、それと現場にいたら、ポマードの匂いもプンプンしていたかもな。
だけど、モノクロ映像で、硬質で、終始緊張感が漂っているので、そのニオイは画面からはあまり伝わってきません。ですから、煙草嫌いな人が見ても大丈夫だとは思います(^^。

映画として面白かったかと問われると、ちょっと首を傾げてしまうかもしれません。でも1950年代当時のTV番組作りの現場の様子を知ることができ、また、マッカーシズムの嵐の一端をかいま見ることができる興味深い作品でした。
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監督・脚本を務めたジョージ・クルーニーのお父さんはニュースキャスターだったらしく、クルーニーはこの映画を「父へのラブレター」のつもりで作ったそうな。そのせいでしょうか、クルーニーの演じるTVプロデューサーが主人公であるエド・マロー(D・ストラザーン)を見る目はとても温かで、慈愛まで感じさせるものでした。頑固一徹に社会正義を貫くエド・マローに父親の姿を投影していたのでしょうね、きっと。
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報道番組「See it Now」の人気キャスター、エド・マローがターゲットにしたのは、当時、泣く子も黙るマッカーシー上院議員。マッカーシーは強大化する共産主義体制とその国々(ソ連や中国)に対する国民の不安を利用して、国内にいる共産主義者ならびにその協力者、また少しでもその疑いが感じられる人間を弾劾し、世の中から葬り去ろうとした人物。
国民はそんなマッカーシーに拍手喝采。その反共ヒステリーぶりは、9.11以降の反テロヒステリーと似ていますね。
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マッカーシーによる赤狩り旋風はハリウッドにも及んだことはご存じの通り。
あの喜劇王チャップリンでさえも、「共容的」というだけで、国外追放の憂き目にあい、アメリカを去らざるを得なくなります。
この映画には、自身の主演作でそのチャップリンを演じたロバート・ダウニー・Jrも出演しています。さて、彼はどんな思いでこの役を引き受けたんでしょうね。
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面白いなと思ったのは音楽の使い方。
BGMとしては音楽をほとんど使っていないのです。
その代わり、お話の節目節目に、局内の録音スタジオを映して、そこでジャズ歌手のダイアン・リーヴスにジャズのスタンダードナンバーを歌わせるの。

中でも印象に残ったのは、「HOW HIGH THE MOON」。
エラ・フィッツジェラルドの持ち歌のひとつとして有名ですが、映画の中ではダイアンがしっとりと哀切感たっふりに歌い上げてくれています。

Somewhere there's music
How faint the tune
Somewhere there's heaven
How high the moon

There is no moon above
When love is far away too
Till it comes true
That you love me as I love you

どこかからか音楽が流れてくる
でも、なんて微かな音色だろう
どこかに楽園がある
でも、月はなんて高いんだろう

月は見えず、私の愛も届かない
でもいつかは、私と同じくらい
あなたも私を好きになってくれたら・・・

試聴はこちらから

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上の写真が、本物のエド・マロー。57歳で亡くなったといいます。それだけ生放送のストレスは過酷だったということでしょうか。
ちなみに、マッカーシーはもっと早く48歳で、失意のうちに死亡。
2人が同じ1908年生まれというのは何か因縁を感じますね。
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by kiyotayoki | 2007-10-24 18:00 | 映画(か行)

黒山の人だかり

毎週末、早稲田大学の裏手にあるペットフードショップへ買い物に行くのが日課になっているけれど、この週末はそこへたどり着くまでが大変でした。
というのも、正門と大隈講堂の前辺りがすごい人だかりだったから。

土曜日は、ホームカミングデー
これ、卒業25年と35年目を迎えた人たちが懐かしのキャンパスに集って旧交を温める催しなんですね。
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でもって、日曜日は創立125周年の記念式典
なぜ125周年なんて中途半端な年に記念行事をやるかというと、創立者の大隈重信が「人生125年説」を唱えていたからなんだそうな。
人間、摂生に務めれば125歳までは生きられるという説(ちなみに、この説を唱えた大隈さんは83歳で亡くなっております。十分長生きだけど、摂生がちょいと足りなかったのかな^^;)。
拡声器から流れてきた情報によると、125年のあいだに53万人もの早大生が誕生してるんですってね。ちょっと計算してみたら、1家族を4人と考えると、57軒に1軒は早大出身者がいる(いた)ってこと。こりゃすごい。

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大隈講堂のシンボルになっている時計塔は、「人生125年説」にちなんで125尺(約37.8m)の高さになってるって誰かが教えてくれたっけ。
記念式典に備えて、化粧直しがされたので、以前よりレンガの色が明るくなったような・・・。

人より多めに5年も通ったところなので、校歌の斉唱とか懐かしくはあったけれど、親に連れられてきた小さな子供たちにとってはちょいとばかし苦痛のひとときだったかもしれません。
写真にうつってる子は肩車をしてもらっていたのでよかったけれど、他の子供たちはごった返す人ごみの中でおっきな大人たちの背中やお尻に挟まれて顔を歪めていたものなぁ(^~^;。
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by kiyotayoki | 2007-10-22 10:16 | 閑話休題

ジェイソン・ステイサム、フケ顔の変遷

ジェイソン・ステイサムがまだ35歳になったばかりだということを知って、
「若い時はどんなをしていたんだろう」って、素朴な疑問がわいてきました。
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こちらは、最新作『ローグ・アサシン』(2007)
のステイサム。
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でもって、こっち(→)が、デビュー作『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バブルズ』(1998)のステイサム。
9年前の作品だから、撮影時は25歳ぐらい?
今よりちょっとやせてるけど、顔はもうオッサン。
頭も今と変わらないぐらい髪が後退しちゃってる。
なーんだ、ほとんど変わらないじゃん(^~^;
これじゃ「フケ顔の変遷」にならな~い(T_T)

というわけで、急遽、企画を変更して、超久しぶりの「俳優そっくり犬」にトライしてみることにしました。
だけど、なにせ久しぶり。あんまり似ていなくてもご容赦を(^^;

ステイサムそっくり犬
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by kiyotayoki | 2007-10-20 15:34 | 閑話休題

『カオス』(2005 加、英、米)

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原題:『CHAOS』(107分)
監督・脚本:トニー・ジブリオ
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
出演:ジェイソン・ステイサム
    ウエズリー・スナイプス
    ライアン・フィリップ
    ジャスティン・ワデル

オープニングのクラッシュシーンからウエズリー・スナイプスが銀行を襲うシーンまでは、すごくテンポが良くて、ワクワク期待感の高まる映画でした。
なにしろ、アクションでは定評のあるジェイソン・ステイサムとウエズリー・スナイプスが共演する上に、若手の人気急上昇株ライアン・フィリップまで絡むんですから、期待しないわけがない♪
あ、でもね、調べてびっくり!ジェイソン・ステイサムとライアン・フィリップって2つしか違わないんだね。ちなみに2人の年齢は35歳と33歳デス。

最近のウエズリーってどうもパッとしなかったけど、久しぶりにカッコいい悪役、イイじゃんイイじゃん(^-^)・・・と、うなぎ登り状態だった期待感が急停止しちゃったのは、銀行強盗事件がなんともあっけなく収束しちゃったから。
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まあ、一気に収束するのは意外性があって悪かないんだけど、犯人達がどうやって銀行内から脱出したかがほとんど描かれていないから、外で見張ってたコナーズ刑事(J・ステイサム)や新米のデッカー刑事(R・フィリップ)同様、頭の中が?マークでいっぱいになっちゃった。

意外性といえば、普通、ベテラン刑事と新米刑事がコンビになると、新米がベテランの足を引っ張るのか常なんだけど、この映画じゃ新米刑事のシェーン・デッカー、なかなかの切れ者なんです。見ていくうちに、だんだん新米のシェーンのほうが主役なんじゃないかと思えてくるほど。ネタバレになるので理由は書けないけど、後半になればなるほど、そんな感じになっていく。
ってことは、それだけステイサムの存在感が薄まるわけで、ステイサムファンとしては何か物足りなさを感じてくる。
しかも、小夏さんも書いてらっしゃったけど、ステイサムとスナイプスの格闘シーンがないんだよなぁ。2人とも格闘技のセンスがあるから、期待してたのになぁ。スナイプスもスタート時の期待感が高かっただけに、なんだか尻すぼみになっちゃったし。

でも、2人の存在感が薄まった分、ライアン・フィリップファンには嬉しい作品になったんじゃないでしょうか。ほぼ1日の出来事なので、ライアン君、朝から夜中まで、もうジャック・バウワー並みの活躍を見せてくれますし。

期待が高かった分、どうしても点数は辛めになっちゃうんだけど(^^;、
お話自体は、急展開につぐ急展開、そして、どんでん返し的な結末へと、スピードをゆるめずに突き進んでいくので、十分楽しめる作品ではあります(ただ、お札が決め手になるところは、どうも引っかかるんだけどな・・・)。
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by kiyotayoki | 2007-10-19 21:44 | 映画(か行)

ちょびっとマイブーム


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自宅で飲むお酒は、ワインかビールが主で、焼酎を飲むことは滅多になかった。
だけど、先日、友人に「これはブランデーみたいでおいしいから、是非」と勧められてつい球磨焼酎を買ってしまいました。

球磨焼酎といっても、『Oak Road』っておしゃれなネーミングで、ボトルもレミー・マルタン風。
酒自体も薄い琥珀色をしてる。この色は、オーク樽を使って熟成させた結果みたいです。
アルコール度数は37度。
度数は高めだけど、確かに味わいはまろやか。

水で割るのはイヤなので、オン・ザ・ロックでちびちび飲んでいましたが、試しにレモンの果汁を絞って入れてみたら、味がキリッ。うまい♪
疲れてる時にくいっとやると頭までキリッとしそう。
これ、ちょっとマイブームになるかも。

だけど、口当たりがいいからって、調子に乗って飲み過ぎないように気をつけなきゃな(^^;
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by kiyotayoki | 2007-10-17 18:56 | 閑話休題

『太陽』(2005 露・伊・仏・瑞)

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原題:『SOLNTSE』(111分)
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
脚本:ユーリー・アラボフ
音楽:アンドレイ・シブレ
出演:イッセー尾形
    ロバート・ドーソン
    佐野史郎
    桃井かおり

以前から、気にはなっていた映画です。
何しろ、主人公が昭和天皇
しかも、描かれるのは終戦間際からマッカーサーとの会見あたりまでの昭和天皇の心模様。「いかにして天皇は人間宣言するに至ったのか」というところを中心に描かれてる。それには数々のタブーに挑戦する必要があるから、日本では自主規制というか、ついぞ描かれることのなかった題材。
それが可能になったのは、出てくる俳優は日本人が主だけど、作ったのは日本人ではないから。ロシア人監督のソクーロフさんは、この作品の前にも20世紀の大戦に関わった指導者、ヒトラーとレーニンを扱った作品を撮ってる。これが三部作の最終作らしい。

昭和天皇を演じるのはイッセー尾形。絶妙の配役というか、この人じゃなかったら、映画全体から醸し出されるそこはかとないおかしみは出せなかったかも。
映画自体が、取り巻きは登場するものの、イッセー尾形の一人芝居のような部分もあるから、ある意味、彼のステージを見ているような気にさせられましたしね。
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表情から、語り口調、そして仕草まで、その昭和天皇の人となりは、やや誇張された感じはしたものの、僕の中にある昭和天皇像とかなりシンクロしておりました。
ただ、僕が知っているのは年老いてからの、しかもTVの皇室番組などでお見かけした姿なので、終戦時44歳(尾形は52歳)だった天皇が映画の中のような人物だったかは不明ですけれど。もちろん、演じたイッセー尾形にしてもそうだったでしょう。

そもそも、天皇という存在を意識したのはいつ頃だったろう・・・。そう自問して思い当たったのは、祖母の部屋に飾ってあった天皇と皇后の肖像画(写真?)でした。
百歳の天寿を全うした祖母は、当時母屋とは別棟の古い日本家屋の二階に住んでおりました。二階に上がる階段がとても急で、しかも薄暗くて、小さな僕と姉はドキドキしながら、でも毎日のように通ってた。目的は、お菓子をもらうため(^^ゞ。
そんな祖母の部屋で目についたのが、観音開きの扉のついた白黒テレビと、梁の上の肖像画だったんですね。ただ、仏壇のほうに死んだ祖父の立派な写真もあったので、てっきりお二人も亡くなった歴史上の人物だと思っていたフシがありますけどね(^^;
祖母は明治天皇の御代に青春時代を過ごした人。それだけに現代人には想像できないほど、天皇家に対する敬愛の念は深かったのだと思います。

そういう敬愛・思慕の念を昭和天皇が明治天皇に対して持っていたことがわかるシーンが印象的でもありました。
ただ、マッカーサーと昭和天皇のやりとりは消化不良だったかなぁ。
戦争責任は天皇にあると考えていたマッカーサーが、天皇と直接言葉を交わすことで「強い印象」を受け、天皇制存続の方針に考えを改めることになる重要なシーンだけに、さて、どんな”強い印象”の会話が交わされるのか、注目しておりました。それだけに、ちょっと物足りなかったかな。


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by kiyotayoki | 2007-10-16 13:35 | 映画(た行)

『パンズ・ラビリンス』(2006 墨、西、米)

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原題:『EL LABERINTO DEL FAUNO』(119’)
監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
音楽:ハビエル・ナバレテ
出演:イバナ・バケロ
    セルジ・ロペス
    マリベル・ベルドゥ
    ダグ・ジョーンズ
    アリアドナ・ヒル

このポスターにはすっかりダマされたなぁ。
「スペイン内戦を背景に描くダーク・ファンタジー」ってことぐらいは事前の知識として頭に入っていたんだけど、ポスターがきらきら美しいだけに、ダークとはいえ子供も楽しめる内容にはなってるんだろうなと勝手に想像していたのです。
ところが、なんのなんの。
この映画、子供に見せるにはかなり勇気が必要です(理由は後述)。
鑑賞後の衝撃度・満足度では、今年ナンバーワンかな。

この映画の存在を知ったのは、今年春のアカデミー賞授賞式(3部門受賞)。
ほんのさわりではあったけれど、その映像美には心を奪われたもの。
だけど月日が経ってすっかり忘れてしまい、公開中だということを知ったのは、ボー・BJ・ジングルズさんのおかげでした(感謝デス)。
ボーさんは、この映画をマイカルシネマズ板橋でご覧になったとのこと。僕もそうしようと思っていたんだけど、金曜日、たまたま銀座へ行く用ができたので、シネカノン有楽町での鑑賞となりました。

オープニングシーンから、いきなり観客は不安の渦の中に突き落とされます。
そのワンシーンで、主人公の行き着く先が漠然とですが予測できるからです。
う~ん、デル・トロ監督、罪作りな人だなぁ。

映画の舞台は、1944年のスペイン。内戦終結後もフランコ政権の圧政に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間の地。そんな不穏な地へ、少女オフェリアは、臨月の母カルメンと共にやって来ます。この地でゲリラの鎮圧にあたっている政府軍の将ビダル大尉と母が再婚したためでした。
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このビダル大尉、オスの中のオスって感じのヤツ。
脳内にはいつもテストステロンが充満してるんじゃないかと思うほどオスっぽい男。
テストステロンは性欲と攻撃のホルモン。これが脳内にあふれている男ほどオスらしくなり、オスらしい行動をとる。
どんな行動かといえば、
・女性をセックスや力で支配したがる
・自分の価値を証明するために家庭よりも仕事を優先する
・愛する人には物質的な満足さえ与えればよしと考える
・自分と対立する人を社会的に破滅させようとし、時には生命まで奪おうとする・・・etc
このタイプの男性は、強烈なリーダーシップを発揮する一方で、目的のためなら人を傷つけても心はあまり痛まない。ビダル大尉がまさにそうで、ゲリラ鎮圧のためなら手段を選ばないし、少しでも怪しい人間には顔が変形するほどの暴力をふるい、終いには射殺してしまう。その暴力描写は並の戦争映画よりリアルで凄まじい(見ていて何度顔をしかめたことか^^;)。
ビダルはその強烈なオスの血脈(遺伝子)を後世につなぐためにオフェリアの母を選び孕ませた。その上、ビダルは当然のように息子が生まれてくると信じて疑わない。

優しかった亡父の面影を胸に抱いているオフェリアには、そんなビダルを新しい父親として受け入れることはできません。でも、ビダルの庇護を受けなければ母親も自分も生きてはいけない。だからオフェリアとしてはファンタジーの世界へ逃げ込まざるを得なかったのでしょう。初めて訪れた山間の地は神秘的で、少女が想像をふくらませるには十分な佇まいをしていましたし。
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オフェリアは、妖精(なんとトビナナフシ!)に導かれて、朽ちた遺跡(迷宮)の奥でパン(牧羊神)と出会います。そして、そのパンから自分が地底にある魔法の国のプリンセスの生まれ変わりであること、また、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に帰ることが出来ると告げられます。
3つの試練さえクリアできれば、自分が王家の血脈であることを証明でき、幸せを手にできる。オフェリアはそれを信じて試練に立ち向かう決意を固めます。

こうして、オスの血脈をつなごうとする者と王女の血脈をつなごうとする者の対立の構図が出来上がるんですが、なにしろ現実が厳しすぎるんです。
普通のファンタジーであれば、不思議の世界へ行ったら、しばらくは戻ってこないものだけど、現実(政府軍とゲリラの戦い&母親の病)があまりに過酷なものだから、オフェリアはおちおちと空想に浸ってはいられないのです。すぐ現実に引き戻されちゃう。現実と空想が交錯するようにもなってくる。見てるこちら側もハラハラのしどおしでした。しかも、オープニングで「ある予感」が見ているほうには植え付けられていますから、余計にね(^^;
・・・とと、これ以上書くと、ネタバレしそうなので、やめておきましょうか。
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こちら(←)は、英語圏でのポスター。
こっちはかなりダークなイメージが強調されていますね。
日本のポスターは色調が明るいだけに、そのイメージで本編を見た人にはショックがダブルできちゃいそう。正当派のファンタジーファンを取り込もうという制作者の意図が感じられるけど、ある意味罪作りなポスターではありますね。

新たなクリーチャー俳優の誕生?
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by kiyotayoki | 2007-10-14 17:14 | 映画(は行)