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映画の心理プロファイル

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『バンク・ジョブ』(2008 英)

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原題:『THE BANK JOB』(110分)
監督:ロジャー・ドナルドソン
脚本:ディック・クレメント
    イアン・ラ・フレネ 
音楽:J・ピーター・ロビンソン
出演:ジェイソン・ステイサム
    サフロン・バロウズ
    リチャード・リンターン
    デヴィッド・スーシェ 

今年、最後の“映画館で観る映画”はコレにしました。
劇場は、新宿駅東口のそばにあるお久しぶりの新宿武蔵野館。
3階フロアにミニシアターが3つ。そのうちの84席しかない小さな劇場で鑑賞。

灯りが落とされて予告が始まるかと思いきや、おおおっ!
スクリーンに映し出されたのは、地元飲食店の超ローカルなCMじゃありませんか。
な、懐かしや~。
今どきこんな、16mフィルムでても撮ったような古めかしいコマーシャルを流す映画館がまだ存在していたんだぁ。
劇場の設備が古めかしいこともあって、一瞬、1970年代あたりにタイムスリップしたかと思っちゃったほど(^~^;。
ま、映画のほうも1970年代初頭が舞台なので、その導入としてはピッタリな演出(?)ではあったのだけれど。

というわけで、本題。
本作は実際に起きた事件を元に映像化されたものだそうだ。
勿論かなりの部分、脚色が加えられているだろうけれど、
基本となる英国史上最大規模の被害額を出したという銀行強奪事件は1971年に現実に起こったもの。
銀行の地下貸し金庫にトンネルを掘って忍び込むというあまりにも大胆な手口に人々が驚き、
国中が事件の本格的捜査の成り行きを固唾を飲んで見守った。
ところが、事件は意外な展開をみせる。数日後、事件そのものの報道がぴたりと途絶え、
警察も沈黙、事件はそのまま迷宮入りしちゃったという。
なぜ?
その“なぜ”が次々につまびらかにされていくのだから、面白くならないわけがない?

実際、面白かった。
特に後半、お話がテンポアップしてからは、導入部の眠気がいっぺんに吹っ飛んだ。
実のところ導入部は、忘年会疲れと、登場人物が多くて人間関係が複雑だったことが相まって、睡魔に抗うのに苦労しておったのですが(^~^;。

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実際、登場人物が多いんです、この映画。
まず、銀行強盗を働くステイサム扮する主人公テリーの一味が7人いるでしょ。
で、それを裏から手引きする政府の秘密情報組織MI5だかMI6だかの連中がいる。
それにプラスして、目当ての地下貸金庫に表沙汰にできないものを預けているワケありの連中がわんさかいる。
そのため、テリーたちは思いも寄らぬ“秘密”を手にしてしまい、おかげでいろんな連中から命を狙われるハメになっちゃうんですが・・・・。
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そのワケあり連中の一人で、悪徳警官に渡す袖の下を記録した帳簿を貸金庫に預けている裏社会のボスは、おお、英国製のTVドラマ『名探偵ポワロ』でお馴染みのデヴィッド・スーシェじゃありませんか。

そうそう、映画の中に「似てるけど、まさかあの人じゃないよねぇ」という人が登場していたんだけど、帰って調べてみたら、その「まさか」が当たっていたのでビックリでした。
そのまさかの人の正体は、ミック・ジャガー!!!
ステージ上の彼を見慣れている人だと、「エーッ!この役の、この人がぁ?!」と、唖然としてしまうかもしれません。とにかく、そういう役で出てらっしゃった(^^ゞ。

この映画の特徴のひとつは、1971年という時代背景。
1971年のロンドンが舞台だから、風物やファッションも当時の雰囲気が再現されてる。
銀行の防犯体制も1971年の頃のものだから、つけ入るスキはいっぱい。
だから、素人に毛が生えたようなテリーたちでも仕事ができたのでありましょう。
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そうそう、貸金庫に表沙汰にできないものを預けている連中の筆頭株がこちらの黒人。
マルコムXならぬマイケルXという謎の政治活動家なんだけど、その隣に写ってる2人、誰かに似てると思いませんか(特にメガネの方)。
そう、LOVE&PEACEのあの有名なお二人です。
これ実話が元になっているので、マイケルXとお二人は、何か関わりがあったんでしょうね、きっと(^~^。
そんな風に、ストーリーとは関係ない部分でも、いろいろ楽しめる映画になっておりました。

で、肝心の“なぜ事件は迷宮入りしちゃったか”なんですが、
それはココでは書けませんよね、やっぱり。
是非、ご自分の目で、劇場かDVDでお確かめください♪

この映画のステイサム、アクションは控えめだったけど、相変わらず渋カッコ良かったですしね(^^
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by kiyotayoki | 2008-12-30 11:20 | 映画(は行)

『エバン・オールマイティ』(2007 米)

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原題:『Evan Almighty』(96分)
監督:トム・シャドヤック
脚本:スティーヴ・オーデカーク
音楽:ジョン・デブニー
出演:スティーヴ・カレル
    モーガン・フリーマン
    ジョン・グッドマン


2003年に公開されたジム・キャリー主演の『ブルース・オールマイティ』のスピンオフ作品です。
ただ、日本では米国製コメディーは当たらないという悪しき定評があるせいか、上映が見送られてしまったんだそうな(^へ^;。
日本でもだいぶ認知されてきたスティーヴ・カレルだけど、当時は一般の知名度はまだ低いと判断されちゃったのかなぁ。

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今回は、前作ではブルースのライバルだったエバン(スティーヴ・カレル)を主人公に、今度は彼が箱船を作るという無理難題を神さま(モーガン・フリーマン)から突きつけられ悪戦苦闘するというお話。

モーガン・フリーマンは相変わらず気持ちよさそうに神さま役を好演しているし、踏んだり蹴ったりの役はスティーヴ・カレルの得意とするところなので、これまた楽しませてくれる。

それに、
「命じられたと思うんじゃなく、チャンスをくれたと考えろ」
神さまの言う、こうしたポジティブ発想、見習うべきかもしれません。

ところで、この映画を観ていて、久しぶりにまた観てみたいなぁと思った作品がある。

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それが『オー!ゴッド』(1977)。

この映画にも、とってもカジュアルな出で立ちのウィットに富んだ神さまが登場します。
演じていたのは、当時81歳だった、じっちゃま俳優ジョージ・バーンズ。
このキャラクターがまた飄々としていて秀逸でした。
でもって、突然現れた神さまに、神のメッセンジャー役を仰せつかるのが、なんとジョン・デンバー。
カントリーロ~ド、テイクミーホ~ム♪って歌でお馴染みだったカントリーシンガーです。

その場に応じて、神さまバーンズはいろんな格好で登場して、ジョン・デンバー扮する平凡な男にいろいろと使命を与えます。

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しかし、なんでこんなアメカジじいさんが神なのか…
神さま曰く「神がこんな格好じゃいかんのか、誰が本当の姿を見た?!」。
ごもっとも。仰る通りです(^~^)


それにしても、なぜニンゲンは見たことも会ったこともないのに、
「神さま」なんて存在をどうしてこんなにも敬愛し、崇めたてまつるんでしょう。

その疑問に答えてくれるかもしれない研究が今、脳科学の分野で進んでいるそうな。
それが、脳の側頭葉の部分にある
「ゴッド・スポット」の存在。 文字通り、脳のなかにある、「神の場所」。

これは側頭葉の神経の接合部分にあるらしいんだけど、
話題が精神的なものや宗教的なものになるとこの部分がにわかに反応するんだとか。

そのことに注目したのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校の脳神経学者グループ。
以前から、側頭葉てんかんの患者が、「神を観る」体験や「天の声を聴く」体験をすることがあるのは知られていたそうな。
そこで、この大学の脳認知センター教授のラマチャンドラン教授と仲間たちは、側頭葉てんかん患者のグループと、そうでない人のグループに分けて実験をしてみた。
実験は、各グループに、「暴力的な言葉」「性的な言葉」「ふつうの言葉」「宗教的な言葉」など40個の単語を聴かせ、脳の反応を調べるもの。
すると、側頭葉てんかん患者のグループは、明らかにほかのグループに比べ、「宗教的な言葉」だけに強く反応したという。
彼らは、ほかの人間に比べて、極度に「宗教的な言葉」に対して敏感なのだ。

こうした事実から、宗教的な神秘体験の一部は、この側頭葉のある部分で引き起こされると考え、その場所を「ゴッド・スポット」と名付けたというんだね。
実際、その部分に電気的刺激を与えて、神の存在を感じる体験をした学者もいるらしい。

つまり、この映画のエバンみたいに神サマを見て啓示を受けちゃう人は、
「ゴッド・スポット」の活動が活発な人なんじゃないかと、博士たちは考えている模様。
脳の中になぜそんな場所があるのかはまだよくわかっていないようだけど、
普段は使われていないにしろ、神さまと交信するためのチャンネル(回路)がちゃんと脳に備わっているという考えは、SFチックでちょっと面白いネ(^~^。

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同じように宗教が絡んでも、この手のコメディは笑い(しかも、とってもシニカル)でいい具合に中和されていて、あまりお説教くさくないのがイイところかな。
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by kiyotayoki | 2008-12-26 10:33 | 映画(あ行)

新しい本

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年も押し詰まって、やっと出版社から新刊本の見本が送られてきた。

今度の本のタイトルは、かなりあざといです(^^;。
なにしろ、
絶対モテる!「心理話術」
というんですから(^^ゞ

今回の本を書こうと思ったきっかけは、
海外旅行によく携帯する「役立つ、簡単、英会話」のたぐいの本を見かけた時でした。
その時、思ったんですね。
人とつき合う時にもこういう本があったら便利なのになぁって。

どんなに口下手な人でも、このセリフさえ口にできれば、その場を切り抜けられるし、相手に好印象を与えることができる・・・、そんな、「とっさの英会話」の人間関係版みたいな本があったらなと思ったのでした。
だけど、そういう本はなかなか見当たらない。
ならば、自分で書いてみよう、と(^~^ゞ。

なんとか書き上げましたが、書いてみて改めて思ったのは、
どんなに素敵な言葉やセリフでも、棒読みでは相手のハートには伝わらないなぁということ。
素敵な表情が伴っていないと「絶対モテる」人にはならないし、なれないなと自戒した次第です(^~^;。

発売日は12月25日と聞いたけど、その日から本屋さんに並ぶかどうかは不明です(^^;
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by kiyotayoki | 2008-12-24 09:37 | 閑話休題

クリスマス・イルミネーション

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今年、初めてのクリスマス・イルミネーション体験をしてまいりました。

2ヶ月ぶりの海老会参加。
場所が東京ドームシティのラクーアにあるババガンプ・シュリンプだったので、その帰りに。

あたり一面、発光ダイオードの海が煌めき広がっておりました。

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by kiyotayoki | 2008-12-21 11:21 | 閑話休題

平和の象徴「鳩」がつくり出したもの

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テレビである映画を観ていて、
あ、こんなシーン、あったんだっけ・・・
と、思わず身を乗り出してしまいました。

それは、平和の象徴とされるハトたちの群が
つくり出したものだったんだけど、
さて、それはいったいどんなものだったと思います?

ハトの群がつくり出したものとは・・・
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by kiyotayoki | 2008-12-18 11:05 | 備忘録

続・俳優そっくり犬 その19

またクリスマスの季節がめぐってきました。
クリスマスの過ごし方は、人それぞれでしょうね。
お子さんのいらっしゃる家庭なら子供中心になるし、
ディンクスやカップルなら、2人っきりの素敵な時間を楽しむために趣向を凝らすことでしょう。

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じゃ、僕みたいな独り者の場合は・・・、
う~ん、子供の頃に想いを馳せるしかないかなぁ。
クリスマスぐらいは童心にかえってもよいかもしれないし(^^;

というわけで、今回の「そっくり犬」は、子供の頃、大好きだったキャラクターを思い出したので、ご紹介したいと思います。
それが、こちら。ディズニーアニメ『ピノキオ』に出てきた
コオロギのジミニー・クリケット

歌がうまくって、お話では遊び呆けるピノキオに人間の良心を教える役を担っておりました。
映画の冒頭、ジミニーの「星に願いを(When You Wish Upon A Star)」で物語が始まるので覚えている人も多いのでは?

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今回のそっくり犬は、そんなクリケット似のワンちゃんなんですが、
さて・・・

ジミニー・クリケット似犬
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by kiyotayoki | 2008-12-16 18:40 | 続・俳優そっくり犬

『ヴェラクルス』(1954 米)

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原題:『VERA CRUZ』(94分)
監督:ロバート・アルドリッチ
原作:ボーデン・チェイス
脚本:ローランド・キビー他
音楽:ヒューゴ・フリードホーファー
出演:ゲイリー・クーパー
    バート・ランカスター
    シーザー・ロメロ
   
ちゃんと観たの、初めてだったかも。
1954年に制作された映画とは思えないほど、テンポが良くキレも抜群にいい西部劇です。
アクションに次ぐアクション、裏切りに次ぐ裏切り、飛び交う銃弾や火薬の量もハンパじゃない。
その分、映画としての深みとか人物の描写面で欠けてる部分はあるんだろうけど、そんなものはどこ吹く風。面白けりゃいいじゃん精神で押し通した作品。
さ~すがアルドリッチ監督!

舞台は、南北戦争直後のメキシコ。
米国の内戦、南北戦争が起こったのは、1861年~1865年。
それが終結して、あり余った武器や艦船の一部が日本に運ばれ、
日本の内戦(戊辰戦争など)に使われたことは知られているけれど、メキシコも日本と似たような状況だったんだね。
しかも、メキシコの場合は内戦が終わって行き場を失ったアメリカの荒くれどもが一攫千金を夢見てわんさか入り込んできた模様。
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ゲイリー・クーパー扮する南軍の元大佐や、バート・ランカスター扮するならず者や
その手下たちが国境を越えてきた目的も同じく一攫千金だった。

元大佐トレーンとならず者エリンの共通点はもうひとつ、腕利きのガンマンであること。
違いは、エリンがガンマンとしての名をあげたいという欲求があったのに対して、元大佐トレーンの場合はガンマンとしての名前より戦争で失ってしまったプライドを取り戻したいという欲求のほうが強いというところか。
その違いが、結局は名うてのガンマン同士の決闘という結末につながっていくのだろうけれど。

残念だったのは、個性むき出し、歯むき出しのバート・ランカスターに比べて、主役のゲイリー・クーパーがくたびれて見えたこと。
もう60を過ぎた頃の作品なのかなと思ったら、まだ53歳(撮影時は52?)じゃないの。それにしては老いを感じるんだなぁ。2年前に『真昼の決闘』でオスカーをとって、安心しちゃったんだろうか。
ランカスターが男盛りの年齢(40歳)だけに、クーパーの老いが目立つ作品になっちゃったのは惜しまれるところ。
凶暴かつ野獣を思わせるランカスターを見ていたら、黒澤映画『用心棒』(1961)で短銃使いのやくざを演じた仲代達矢を思い出した。きっとすごい影響を与えたんじゃないだろうか。

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お話は、マキシミリアン皇帝に雇われたクーパーたちが、貴婦人を乗せた馬車(床下に300万ドルの金貨が隠されている)を護衛してメキシコシティ(たぶん)からヴェラクルスの港まで護衛の旅に出るというもの。
手下の中には、アルドリッチ監督作品の常連アーネスト・ボーグナインの顔も見えるし、若き日のチャールズ・ブロンソンもいる(当時は、ブキンスキーって芸名だったんだね)。

映像的に面白かったのは、途中でアステカ文明の古代遺跡(ピラミッド)の脇を通ること。地図を見たら、確かにルートのそば(★)にテオティワカンの遺跡群がある。
ちゃんと現地ロケを敢行したんだね。

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銃撃戦のハイライトは、ガトリング砲の乱れ撃ち。
当時としては新兵器であるこの機銃も南北戦争の遺物なんだろうな。

戊辰戦争で、河井継之助率いる長岡藩が多勢の官軍に一矢報いるために使ったのもガトリング砲だったけれど、それも南北戦争で使われたお古だったらしいし。

ちなみに、『ワイルドバンチ』に出てきたのもガトリング砲かと思ったら、あれはブローニング・マシンガンという機関銃なんだそうです(^へ^ゞ。
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by kiyotayoki | 2008-12-14 22:29 | 映画(は行)

夢の録画も夢じゃない?


今朝の新聞の一面にも載っていたけれど、
エキサイトニュースにこんな記事があった。

夢、空想が「見える」かも 脳活動情報で画像再現

 人が見ている画像と脳活動の関係をコンピューターに学習させ、脳活動の情報から画像を再現させることに
 成功したと、国際電気通信基礎技術研究所(京都府)の神谷之康・室長らが11日付の米科学誌ニューロンに発表した。
 夢や空想など、頭で思い浮かべている映像も、ものを見るときと同じ脳の「視覚野」が働いているといい、
 神谷室長は「夢や空想の読み出しにつながる日も遠くはない」と話している。

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こちらが再現された画像。
実験では、脳などの血流を見ることができる「機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)」を使用。
この装置でチームのスタッフらが目の前の画像を見た際に、大脳の視覚野の血流がどう変化するかを調べたんだそうな。

約400枚の画像を1枚当たり12秒間見せて血流変化のデータを蓄積、画像の模様と脳活動を関連づけるコンピューターのプログラムに学習させ、その後、アルファベットなど新たな模様の画像を見せて脳の活動を測定し、プログラムで解析すると、ほぼ元の画像を再現できたんだとか。

研究者によると、この分野の研究の進歩は速く、10年後には脳の分析から、
人が何を考えているかある程度分かるようになるかも、とのこと。

映画『マイノリティ・リポート』の世界が、近いうち、現実のものになるのかも?

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by kiyotayoki | 2008-12-11 08:53 | 備忘録

『ワンダーボーイズ』(2000 米)

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原題:『WONDER BOYS』(111分)
監督:カーティス・ハンソン
原作:マイケル・シェイボン
脚本:スティーヴン・クローヴス
音楽:クリストファー・ヤング
出演:マイケル・ダグラス
    トビー・マグワイア
    ロバート・ダウニー・Jr
    フランシス・マクドーマンド

観たばかりの映画、『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
は、おまけ付きのお菓子みたいな映画で、
意外なところで実名の俳優がカメオ出演したり、特殊メイクで扮装した大物俳優が出てきたりして楽しませてくれたけど、そのひとりがトビー・マグワイアだった。

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出てくるのは、高名な神父と禁断の関係にあるゲイの修道士を描いた映画の予告編。
それは、ロバート・ダウニー・Jr扮するオスカー俳優ラザラスの主演作なんだけど、高名な神父役の彼とこっそり手をつなぎ、何食わぬ顔で並んで祈りを捧げているのがトビーなのです。

その2人が、この『ワンダーボーイズ』でも同じようにちょっと妖しい関係になる役で共演していることは、ダウニー・JrファンのRuijiさんがご自身のブログに書いていらっしゃった(^^。
それを先月、NHK-BS2でやってくれたので、僕も予習ができたのでした。

映画の主人公は、かつては天才作家(ワンダーボーイ)と騒がれたものの、出版された本は1冊のみで、その後は7年もの間、終わりの見えない大長編小説を延々と書き続けている大学教授のグラディ(M・ダグラス)。
この《一発当てた後はずっとスランプ状態の作家》というキャラクター設定は、映画の中にはホントによく出てきます。
『D.O.A』でデニス・クエイドがやった役はまさにそんなキャラだったし、生活の糧として大学教授をやっているのも同じ。
『主人公は僕だった』のエマ・トンプソンも長らくスランプ状態みたいだったし、
『小説家を見つけたら』のショーン・コネリーも新作が書けなくて隠遁生活を送ってた。
きっと実際に、そういう作家が山ほどいるのだろう。
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こちらの写真(→)がグラディのプライベートライフ。
手元にあるのはパソコンではなく、長年使い込んだタイプライター。
彼が羽織っているのは、出ていった妻のバスローブ。
この姿が彼の今を雄弁に物語っている。
過去に執着し、過去を捨てられずに生きている男なのです。

そういえばこの映画には、過去への執着を象徴するようなアイテムがいくつも出てくる。

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そのひとつが、マリリン・モンローがジョー・ディマジオと結婚した時、一度だけ袖を通したというジャケット(写真)。
グラディが勤める大学の学長自慢のコレクションなんだけれど、これをグラディの教え子ジェームズ(T・マグワイア)が気まぐれを起こして盗んだことから、物語が動き始める。

このジェームズが、ありがちな話じゃあるけど天才的な素質を持った作家のタマゴ、つまりワンダーボーイであることがわかって、グラディ担当の編集者テリー(ダウニー・Jr)が色めきだち、
ちょっと妖しい関係になっちゃうんですが、それは置いといて・・・。

お話は、過去への執着・愛着を象徴するものを登場人物たちが捨てて、前向きな人生を手に入れることができるかというところが焦点となって進んでいくことになります。
派手な展開はないものの、登場人物たちの謎の行動の理由がだんだんわかってくるサスペンスタッチの構成や、フランシス・マクドーマンド、リップ・トーンといった脇を固める顔ぶれも魅力的で(ケイティ・ホームズはあまり魅力的じゃなかったけれど^^;)、十分楽しめる一編に仕上がってた。
監督は『L.A.コンフィデンシャル』のカーティス・ハンソンで、脚本が『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』のスティーヴン・クローヴスだから、楽しめたのは当然かもしれないけどね。


【印象に残ったセリフ】

「(マリリンのジャケットを巡り巡って恋人からプレゼントされた女性に)
 そのジャケットはマリリン・モンローが着ていたんだ。
 彼女は肩幅が狭かった。君のようにね。
 意外だがね」

抱きしめると、壊れてしまいそうな華奢な肩の持ち主・・・
 マリリン・モンローが今も多くの人、特に男性に愛されるのは、このせいもあるんだろうな(^~^
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by kiyotayoki | 2008-12-09 10:21 | 映画(わ行)

『トロピック・サンダー』(2008 米)

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原題:『TROPIC THUNDER』(107分)
監督:ベン・スティラー
原案・脚本:ベン・スティラー
        ジャスティン・セロー
音楽:セオドア・シャピロ
出演:ベン・スティラー
    ジャック・ブラック
    ロバート・ダウニー・Jr
    ニック・ノルティ
    マシュー・マコノヒー

『ズーランダー』(2001)で、フアッション・モデル業界を戯画化し笑いのめした
ベン・スティラーが、今度は映画業界とそこで蠢く業界人をメッタ斬りにしたお馬鹿映画を作ってくれた。
これを“業界シリーズ”と捉えれば、次回はどんな業界にターゲットを当ててくれるか、
早くももう楽しみになっちゃった感じ(^~^。

モデル業界と俳優業界に共通するステレオタイプなイメージは、自己愛性パーソナリティぞろい、というか、自己チューで自分に酔うナルシストが多そうだなぁということ。
監督・脚本・主演を兼ねるスティラーは、そのあたりを大いに誇張し、笑いに持っていく。
それを考えると、次回スティラーが取り上げる“業界”は、政界とか官僚の世界かもしれないな。
白熱する大統領選なんかを舞台にすると面白いかも、なぁんてね(^皿^ゞ。

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スティラー、ブラック、ダウニー・Jrの3人が扮するのは、演技派への転向に失敗した落ち目のアクションスター、下ネタ専門のコメディ俳優、アカデミー賞を5度も受賞している超ストイックな役者バカ。
この三者三様の役者たちが、ベトナム戦争の英雄テイバック(N・ノルティ)が著した回顧録の映画化作品『トロピック・サンダー』に出演するというもの。

だけど、彼らや映画製作に関わる人間たちのワガママがたたってクランクイン5日目にして製作費予算オーバー。
映画を完成させたい監督は本物のジャングルで撮影を続行しようとするんだけれど、そこは凶悪な麻薬組織が支配する本物の戦場だった…、というストーリー。

戦争映画のパロディや悪のりギャグ満載の映画だけど、それだけじゃなく、
時には「ふうむ」と思わず納得させられる会話もあった。

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それが、なぜ演技派への転向を図ったスピードマン(B・スティラー)の野心作が不評だったか、その理由をラザラス(R・ダウニー・Jr)が語って聞かせるくだり。

スピードマンは知的障害のあるジャックという青年を演じていたんだけれど、その欠点をラザラスは同じようなキャラクターを演じた『レインマン』のダスティン・ホフマンと『アイ・アム・サム』のショーン・ペンを例に出して明快に説明してくれたのデス。

ダスティン・ホフマンはオスカーをとったのにショーン・ペンはとれなかった、その理由とは、さて何だったと思います?
知りたい方はぜひ劇場へ(^~^
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by kiyotayoki | 2008-12-07 13:21 | 映画(た行)