映画の心理プロファイル

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『ローズマリーの赤ちゃん』(1968 米)

この映画の主な舞台となっているNYのアッパーウエストサイドにあるダコタ・ハウスは
ジョン・レノンが凶弾に斃れた地としても有名なところ。
この作品を観た当時はそんな不幸な出来事があるなんて知る由もなかっただけに、
今回は、より味わい深く画面に見入ってしまった。

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原題:『ROSEMARY'S BABY』(137分)
監督・脚本:ロマン・ポランスキー
原作:アイラ・レヴィン
音楽:クリストファー・コメダ
出演:ミア・ファロー
   ジョン・カサヴェテス
   ルース・ゴードン
   シドニー・ブラックマー
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ダコタハウスが建てられたのは1884年(明治17年)というから、築126年!
映画が撮影されたであろう1967年時点でも築83年だから、十分すぎるほど古い建物だったんだね。
実際、不動産屋に連れられてここを下見に来た若い夫婦ガイ(J・カサベテス)とローズマリー(M・ファロー)も、その古さにちょっと躊躇します。
エントランスからコートヤード(中庭)、そして蛇腹式の扉のついたエレベーターまで、すべてに前世紀の遺物感が漂ってる。しかも家賃は高い。
それでも、新妻ローズマリーの切なる望みで2人はこの古いアパートメントに越してくる。
それが不幸の始まりとも知らずに・・・。

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妊娠・出産という、女性にとっては大いなる嬉びであると共に不安をももたらす一大事業に焦点を当てたサスペンス・ホラーです。
そして何と言ってもミア・ファロー。
この人なくしては、この映画は語れない。
そばかすだらけで、やせっぽち。大きな目だけが際立つ彼女は、それまでのグラマー&厚化粧が売りのハリウッド女優とはかけ離れた存在で、すこぶる新鮮だった。
肌をさらすシーンも結構ある。だけど、中性っぽいせいかエロスはほとんど感じられない(失礼^^;)。

やがてローズマリーは身篭もり、隣人の奇妙な心遣いに感謝しながらも、妊娠期特有の情緒不安定に陥っていく。
そして彼女は、アパートで何か不気味なことが進行している、という不安と恐怖にとり憑かれていくのだが・・・・。
それは妊娠で神経過敏になったローズマリーの思い込みが引き起こした幻想?
それとも現実なのか・・・?

並みののホラー作品と違うのは、本作で描かれている不安や恐怖が物理的なものではなく、
ローズマリーが周囲の人間から感じ取っていくものであるということ。
親切だと思っていた隣人、信頼すべき医師、そして愛する夫が、自分を守ってくれる人間ではないのではないかという疑念。
それが疑念から確信に変わった時の絶望感が怖い。
そして、身重のローズマリーがたった一人、そんな自分の中の恐怖と必死に抗う孤独な姿が、観る側の共感を呼ぶ。

監督のロマン・ポランスキーは、ナチスによるユダヤ人迫害で母を失ったという。
とすると、心身共に消耗してゆくローズマリーの姿には、
アウシュビッツ送りになった母親の姿や思いが投影されていたのかもしれないな・・・
そう思ったら、ますます背筋が寒くなってきた。

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そうそう、舞台となったダコタハウスには、あの怪奇俳優ボリス・カーロフも住んでいたことがあったそうな。

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by kiyotayoki | 2010-08-30 07:37 | 映画(ら行)

銀座にて

たま~に行く銀座熊本館で故郷・熊本の食材を物色していたら、
このショップで働く友人から“食べるラー油”を頂いてしまった。

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京都ホテルオークラ内にある中国料理のお店「桃李」で売られている食べる辣油なんだそうで、
エシャロット・干にんにく・干エビ・唐辛子など旨みのもとになる具材がたっぷり入っていて、とっても美味しいんだとか。

しかし熊本の物産館の人が“熊本の”じゃない、他県のものをくれるなんて、なんとも心が広いじゃありませんか(^^。
あ、“熊本の”をタダでくれたら商売にならないか。



さっそく、今朝、冷や奴にたっぷりのせて食べてみた。

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具材がかなり細かく刻んであって、カリカリコリコリと食感が楽しい。
味は、しつこくなくて上品。いろんなものにトッピングできそうだ。


ご馳走様でした♪
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by kiyotayoki | 2010-08-28 11:20 | 閑話休題

『妄想代理人』(2004)

ネットのニュースで知ったのだけれど、
『千年女優』や『パプリカ』などを手がけたアニメ監督の今敏さんが8月24日、
膵臓がんのため亡くなったそうだ。しかも、46歳の若さで。
現在も新作「夢みる機械」を制作中だったとか。

日本のアニメには暗いし、作品も『千年女優』ぐらいしか観たことがない。
どんな方なのかもまったく知らなかったので、YouTubeで『妄想代理人』(もうそうだいりにん)という今敏監督によるTVアニメ作品をチェックしてみた。

見たのはオープニングとエンディングの映像なのだけれど、
これがとてもシュールで刺激的、しかも対照的な映像で思わず惹き込まれてしまった。
まずはどんな映像か、ご覧いただければと。








才能だけを惜しむようで誤解を生みそうだけど、
こんな想像力を刺激する映像を創り出す才能が、あたら46歳でこの世を去ってしまったとは
本当に残念というのが正直な心境。

監督の2006年の映画『パプリカ』は、いま公開中の『インセプション』と同じく“夢の共有”をテーマにしたものらしい。
是非観てみたいな。
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by kiyotayoki | 2010-08-26 09:33 | TV

『悪魔のような女』(1996 米)

ハリウッドがフランス映画をリメイクした作品というと、
『スリーメン&ベイビー』(仏版『赤ちゃんに乾杯!』)
『アサシン 暗・殺・者』(仏版『ニキータ』)
『バードケージ』(仏版『Mr.レディ Mr.マダム』)
など色々あるけれど、こちらは1955年にフランスで公開された『悪魔のような女』(未見)のリメイク作らしい。

リメイク作で、オリジナルを超えられる作品は少ないと言われているし、実際そうだけど、
さて、本作はどうだろう。

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原題:『DIABOLIQUE』(107分)
監督:ジェレマイア・チェチック
原作:ピエール・ボワロー トーマス・ナルスジャック
脚本:ドン・ルース
音楽:ランディ・エデルマン
出演:シャロン・ストーン
   イザベル・アジャーニ
   チャズ・パルミンテリ
   キャシー・ベイツ

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オリジナルを監督したのは、フランス映画の名作『恐怖の報酬』(1953)を撮った
アンリ=G・クルーゾー。
主演は、名女優シモーヌ・シニョレ。
未見なので想像だけど、
ヒッチコックがこの作品に嫉妬したというエピソードからしても、
スリリングなサスペンスだったに違いない。

シャロン・ストーンとイザベル・アジャーニという異色の組み合わせでリメイクされた
本作も、序盤は期待させる滑り出しだった。

舞台は全寮制の男子校。その理事長ガイ(C・パルミンテリ)は女教師ニコル(シャロン・ストーン)と愛人関係にあった。
ガイの病弱な妻ミア(I・アジャーニ)はその関係を暗黙の了解として認めていた。
だけど、その一方でミアはニコルとレズの関係にもあるという込み入った関係。
そんな関係ゆえか、ガイの暴力に苦しむミアに同情したニコルは、
2人でガイを殺害してしまおうとミアをそそのかし、実際に凶行に及んでしまう。

酒に仕込んだ薬でガイを眠らせ、バスタブで水死させてから学校のプールに放り込み、事故死に見せかけようという計画だった。

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企ては成功したように思えた。
ところが、プールから発見されるはずの死体がなんと消えてしまう。
恐慌をきたして何度も心臓発作を起こすミア。そんなミアに自重を促すニコル。
そこへ、中年の女刑事(キャシー・ベイツ)が事の真相を探ろうと出ばってきたものだから、
ミアの混乱ぶりにはますます拍車がかかってゆく。
この辺りのストーリー展開は、ヒッチコックも確かに好みそうだ。
ただ、この手のお話はこちらが慣れっこになっているせいか、わりと簡単に先が読めてしまうところがつらいところ(^^;

ミアを演じるイザベル・アジャーニ、久しぶりにお姿を拝見。脱ぎっぷりの良さには感心したけれど、
ちょっとお顔がむくんでる感じで美貌にも陰りが・・・。そう思ったら、この時点でもう40歳ぐらいだったんだね。
一方、シモーヌ・シニョレの役を演ったシャロン・ストーンは何歳か年下ということもあるけれど、
ルックスといい、キャラクター設定といい、エッジが効いておりました。

47歳のキャシー・ベイツが演じたコロンボみたいな刑事は、オリジナルでは男だった模様。
それを女性にしたのは、タイトルにある“悪魔のような女”をもうひとり増やしたかったのだろうか。
それにしては、キャシー・ベイツにしろ、主演の2人にしろ“悪魔”になりきっていなかったような・・・。

まあ、オリジナルが公開されたのは1955年。まだ、男性上位の時代だったろうから、
女2人が力を合わせて旦那を殺すという設定はショッキングに(悪魔的に)受け取られたんだろうけど、こうも時代が変わると、ね。
時が経ってからリメイクされる作品の難しさはそういうところにもあるのかも。
じゃあ、時を経ずにヒッチコックがリメイクしていたら、さて、どうだったんだろ。

でも、ヒッチコックは賢明にもそうはせず、同じ原作者の小説を映画化して
『めまい』(1958)を撮り上げることになるんですが。


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by kiyotayoki | 2010-08-25 09:46 | 映画(あ行)

『モンキー・ビジネス』(1952 米)

この映画のタイトル、『モンキー・ビジネス』は直訳すると「サルの商売」。
だけど、「いんちき」や「不正行為」という意味があるんだそうな。

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原題:『MONKEY BUSINESS』(97分)
監督:ハワード・ホークス
原案:ハリー・シーガル
脚本:ベン・ヘクト、チャールズ・レデラー、I・A・L・ダイアモンド
音楽:リー・ハーライン
出演:ケイリー・グラント
   ジンジャー・ロジャース
   マリリン・モンロー

いい歳をした大人が、外見はそのままで若者や子供のように振る舞うことに気恥ずかしさを感じるのはなぜだろう。
それはやはり、らしく振る舞おうとするあまりに“らしさ”をデフォルメしてしまうからなんだろうな。
子供らしい演技が評判を呼んだトム・ハンクス主演の『ビッグ』にしても、正直なところアレはやりすぎだろうと思ったし(^^;。

新薬開発の研究所で、実験用のチンパンジーがひょんなことから若返りの薬を作ってしまう。
そうとは知らずに研究者のバーナビー(ケイリー・グラント)とその妻エドウィナ(ジンジャー・ロジャース)がそれを飲んでしまったことから始まるドタバタコメディです。
ハワード・ホークスって男くさいアクション映画が得意な監督かと思っていたら、こんなコメディも撮る監督だったんだね。
あ、『紳士は金髪がお好き』も監督はこの人だっけか。

気恥ずかしいのは置いといて、面白いのはこの薬、飲めば飲むほど若返りの度合いが進むところ。
たくさん飲めば飲むほど幼くなっちゃう。
外見自体は変わらないのだけれど、肉体的能力や精神は若返る。
なので、バーナビーは薬を飲むとまず視力が良くなって度の強い瓶底メガネが不要になる。
ファッションやヘアスタイルも若者らしくしちゃうし、車もスポーツカーに乗り換える。
ステレオタイプな若者に変身しちゃうのです。
そんな彼に一目惚れをしてしまうのが、ブレイク寸前のマリリン・モンロー。
彼女の役は、研究所のオーナー社長秘書。
出番はそれほど多くないのだけれど、コメディエンヌぶりを発揮して、年齢層の高い俳優陣の中を軽やかに泳ぎ回って若さをふりまいてくれる。


監督にしてもキャストにしても豪華なのに、これって劇場未公開だったんだね(?o?)

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by kiyotayoki | 2010-08-24 10:05 | 映画(ま行)

『ゾンビランド』(2009 米)

おバカなゾンビ映画、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)は英国製、
『ゾンビーノ』(2006)はカナダ製。
そろそろ本場アメリカからおバカなゾンビ映画は出てこないものかしら・・・
そう思ってたら、やってくれました♪
しかも、予告編を見たら、ウディ・ハレルソンが若い頃に戻ったみたいに悪童っぽい演技を見せてくれてる!
これは観ないわけにはいきません(^-^)v

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原題:『ZOMBIELAND』(87分)
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース ポール・ワーニック 
音楽:デヴィッド・サーディ
出演:ウディ・ハレルソン
   ジェシー・アイゼンバーグ
   アビゲイル・ブレスリン
   エマ・ストーン
   ビル・マーレイ

映画は、ゾンビもののテイストはちゃんと踏襲しつつ、
引きこもり童貞男の成長譚や『リトル・ミス・サンシャイン』 のような家族再生のドラマを上手に盛り込んで、
しかも、 『ゴーストバスターズ』 へのオマージュまでおまけにトッピングした、案外上質のホラーチックコメディに仕上がっておりました。

舞台は、ゾンビであふれかえるアメリカ。
偶然出会った孤独な男女4人がゾンビのいない楽園を目指して繰り広げる命がけの大陸横断旅行を、ブラック・ユーモアとゾンビ映画らしいバイオレンス描写で紡ぎ出していきます。

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4人のうち最初に登場するのは、ジェシー・アイゼンバーグ扮するひきこもりの大学生コロンバス。
アメリカでも日本と同じようにこの種の若者は確実に増えているようで、
ひきこもり系俳優とでも名付けたくなるような人が最近何人もいる。
『ジュノ』に出ていたマイケル・セラ、『リトル・ミス・サンシャイン』のポール・ダノあたりがその代表格。
共通するのは、中性的で地味めのルックスと汗くささを感じさせないところかな(^^
アイゼンバーグ扮するコロンバスもそんな感じの男の子で、独自に編み出した護身術“32のルール”を実践してなんとか生き延びておりました。

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そんな彼が出会うのが2人目の“人間”、ゾンビ退治に執念を燃やすタフガイ、タラハシー。
これを演じているのがウディ・ハレルソン。
この人に注目したのは『ハード・プレイ』(1992)や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)だけど、さすがの悪童俳優も50近くになって、このところは地味な役柄が多かった。
それが、10歳以上若返ったんじゃないかと思うほどのタフガイ&お茶目ぶりを披露してくれてるから嬉しくなっちゃった。
嬉しくなったのはそれだけじゃない。タラハシー愛用の銃が“ランダル銃”だったのだ♪
ランダル銃というのは、スディーブ・マックィーンの出世作『拳銃無宿』(TVドラマ)で主人公のジョッシュ・ランダルが使っていたライフルの銃身を切って短くした独特の銃。
それを腰のベルトのホルダーに拳銃のように下げてるマックィーンの姿がカッコ良かったのを子供心にも覚えている。
それをハレルソンがやってくれているんだから嬉しいじゃありませんか。それにしても、誰のアイディアだったんだろ、これ。

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そんな2人に合流して、一緒に旅をすることになるのがウィチタとリトルロックという姉妹。
演じているのは、エマ・ストーンと『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン。
この2人がまたタダ者じゃない。地球がこんな酷い状態になる前から、詐欺を生業にして生きてきた姉妹で、強い絆で結ばれている。
そんな2人に、コロンバスとタラハシーは一度ならず二度までもダマされて散々な目に遭わされてしまう。
でも、そこは絶滅危惧種の人間同士、結局4人で旅を続けることになるんですけどね。
目指すは“ゾンビとは無縁の天国”という噂の、ロサンジェルス郊外にある遊園地“パシフィックランド”。
さて、その旅の行き着く先は・・・。

面白いのは、4人が4人とも仮名であること。
本名を開示しない、できないというのは、それだけ互いを信用していない、できないという心理の表れ。
そういう点でも脚本は細かいところまでよく練られているなと感心。
脚本の巧さは、それだけじゃない。思わずニンマリする小ネタも沢山用意されているし、
また、映画ファンにはたまらないサプライズゲストが登場して、笑いを増幅させてくれます。
そのゲストは誰かって?この写真でわかるでしょうか。そうそう、『ゴーストバスターズ』のあの人です(^^。

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そうそう、映画の中で、何度も会話の中に登場するお菓子がある。
それがハレルソン扮するタラハシーの大好物「トゥインキー」。
探しても探しても見つからず、その度にタラハシーは地団駄を踏むのだけれど、さて、どんなお菓子なのかと思ったら・・・。

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アメリカじゃどこのスーパーにも売ってる有名な高カロリーのジャンクフードらしい。
「トゥインキーは30年放っておいても腐らない」という都市伝説まであるそうな(^^;。
どんだけ添加物まみれなんだろ。
へぇ~と思って調べてみたら、こんな動画も発見。
このお菓子、『ゴーストバスターズ』にも登場していたんだね。





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by kiyotayoki | 2010-08-21 16:56 | 映画(さ行)

湯河原の海


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友人が住んでいるので何度も訪れている湯河原だけど、海辺を歩いたのは初めての体験。

照り返しのきつい海沿いの国道135号線から砂浜に降りたら、
思いの外涼しい風が吹いていてびっくり。

海水浴客もまばらで、ちょっと秋の気配を感じた昼下がりだった。


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             こちらは、友人宅の超フレンドリーなわんこ、モモちゃん(2歳)。



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by kiyotayoki | 2010-08-20 14:04 | 閑話休題

『カリフォルニア・トレジャー』(2007 米)

映画は観客が動員できてなんぼの世界なので、客が呼べそうにない作品は劇場未公開になってしまいがちだ。
また、劇場未公開の作品には、概して地味なものが多い。
だけど、そんな中にもキラリと光る作品はある。
これなんかも、地味で、盛り上がりに欠ける作品ではあるのだけれど、
見始めたらなんだか最後まで目が離せなくなってしまう魅力を備えた映画ではありましたよ。

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原題:『KING OF CALIFORNIA』(93分)
監督・脚本:マイク・ケイヒル
音楽:デヴィッド・ロビンス
出演:マイケル・ダグラス
   エヴァン・レイチェル・ウッド

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『カリフォルニア・トレジャー』なんて、ちょっと意味不明なタイトルのついたこの映画の魅力は、
なんといってももうすぐ17歳になる女の子ミランダを演じたエヴァン・レイチェル・ウッドかな。
この時、ウッドは19歳。同じ年に『アクロス・ザ・ユニバース』、翌年には『レスラー』に出演しているのだけれど、いつも違った顔を見せてくれる。
若くてきれいなだけの女優さんじゃなく演技派でもあるんだね、彼女は。

そしてもう一人、ミランダの父親チャーリーを演じるマイケル・ダグラス。
髭ぼうぼうで目玉がグリグリ動く、精神病院から退院してきたばかりのちょっと危なそうなパパを楽しそうに演じている。

マクドナルドで働く16歳のミランダ(ユニフォーム姿が可愛い)は、母親に捨てられ、父親は精神病院に入院中。
だけど、それなりに平和な日々を送ってた。
それが父親のチャーリーが退院してきてから、すべて変わってしまう。
チャーリーは、この町のどこかにスペイン人神父が300年前に隠した秘宝が眠っていると言い出したのだ。
そんな破天荒な父親に翻弄されっぱなしのミランダ。
だけど、気がつけば彼女もそんな親父の宝探しに付き合いはじめているのだった・・・。

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一応、宝探しがメインだし、マイケル・ダグラスといえば『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』(1984)や『ナイルの宝石』(1985)といった宝探しのアドベンチャー・ロマンス映画で名を売った人なので、日本の配給会社はそのイメージで売ろうとしたみたいだ。
ポスターだって、いかにもそんな感じでしょう。

だけど、映画を観ればわかることだけど、その手のアクションを期待してると肩すかしを食らうことになる。
宝探しのお話というより、疎遠だった父と娘が親子の絆を取り戻していくお話で、ほのぼのコミカルタッチのドラマなんですから。
実際、トップに貼り付けた本国製のポスターは正直に映画の内容を反映させたテイストになってる。映画はまさにこんな感じなのです。
日本のポスターみたいに、客に勘違いさせてまで映画館に足を運ばせようとはしていない。

調べてみたら、本作の製作を務めたのは、ポール・ジアマッティ主演のロードムービー
『サイドウェイ』で監督を務めたアレクサンダー・ペインなんだそうな。
さもありなんという作風ではありましたよ。



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by kiyotayoki | 2010-08-18 12:45 | 映画(か行)

『ホッタラケの島  遙と魔法の鏡』(2009 日)

TVをつけたら、たまたま始まるところで、ついつい最後まで観てしまったアニメ作品。
キャラクターがビニール製のお人形のように見えるこの手のCGアニメは、あまり好みじゃない。
なのに惹き込まれてしまったのは、ホッタラケの島の世界観がとてもカラフルで夢いっぱいに表現されていたからかな。
『不思議の国のアリス』や『モンスターズ・インク』、それから『ロボッツ』の世界観が好きな人、
また“ホッタラケ”経験のある人にはおすすめの作品です。

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(98分)
監督:佐藤信介
脚本:安達寛高 佐藤信介
主題歌:スピッツ「君は太陽」
声の出演:綾瀬はるか
     沢城みゆき

ホッタラケは「ほったらかしにしたもの」という意味のようだ。
かつては大事にしていたのに、いつの間にか忘れ去られて、どこへ行ったのかわからなくなってしまったもの。
それが”ホッタラケ”。
そして”ホッタラケの島”は、人間たちがホッタラケにしたものでできている島なのです。

主人公の遙は幼い頃に大好きなお母さんを病気で亡くしてしまう。
時が経ち、遥も16歳の女子高生に。仕事に追われる父親にはついつい冷たい態度をとり、
家出と称してはお祖母ちゃんの家を訪ねてしまう遙。

そんな遙の“ホッタラケ”は、母親から貰った大事な手鏡と縫いぐるみの人形。
いつの間にか身の回りから消えていて、どこを探しても見つからなくなってしまっていた。

お祖母ちゃんの家へ向かう道すがら、ふとお母さんから聞いた昔話を思い出し、お稲荷さんに
なくなった手鏡が見つかるようにお祈りをした遙は、そこで奇妙な生き物を目撃してしまう。
キツネのような顔だけど、ちゃんと服を着ている。
その生き物を追って行くうちに、遙はおかしな世界に迷い込んでしまう。
いよいよ冒険の旅の始まりだ。
この辺りは、アリスを彷彿とさせる展開。
だけど、ホッタラケの島が個性的で魅力的なので、二番煎じ感は薄い♪
どんな風に魅力的かは、実際にご覧になっていただければと。

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遙が目撃した奇妙な生き物の名前はテオ。
テオたち“ホッタラケの島”の住人たちは、人間たちが“ほったらかし=ホッタラケ”にしたモノを、いらないモノと決めつけて、せっせと島に運び込んでいたのでした。
遥は、母の手鏡もここにあるはずだと確信。テオを無理やりお供に巻き込み、2人で手鏡捜しを開始するのだけれど、もちろん一筋縄ではいかなくて・・・。


映画を観ながら、僕のホッタラケといったら、さて何だろう・・・と、頭を巡らしてみた。
幼かった頃、姉貴と一緒にお人形さん遊びをした時のカエルやシチズンのマスコット人形、
いつの間にか遊ばなくなったけれど、あれはどこへ行っちゃったのかな。
東京へ出てきてからも、引っ越しをするたびに、何かなくなったような気がするし。
そういったものがみんな“ホッタラケの島”に運ばれていて、島の人たちに使ってもらえているのだとしたら、
それはそれでちょっと嬉しいことではあるかな(^^ゞ


今年の夏の大ヒットムービー『トイストーリー3』も、別口の“ホッタラケの島”送り
になったオモチャたちの脱出劇みたいなので、ぜひ観てみたいなぁ。

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by kiyotayoki | 2010-08-16 18:12 | 映画(は行)

中野のぶるちゃん

友人M氏に付き合って、
中野にオープンしたばかりの中野のぶるちゃんというお店へ行ってきた。

こちらは、かつて全日本女子プロレスの看板レスラーとして活躍したブル中野さんのお店。
ブル中野とえば、日本の女子プロレスが絶頂を極めた1990年代、その頂点に君臨していた人。
最近では、50キロのダイエットに成功した体験を基に執筆したダイエット本が話題になったし、めでたく結婚もされたそうな。

そんなブル中野さんが開いたお店に足を運んだのは、
現役時代の彼女をと崇めていた友人M氏に同行を頼まれたから。
なにしろM氏にとってブル中野さんは「ブル様」。
ご尊顔を拝するだけでも畏れ多い存在なので、ひとりでお店へ行く自信がないというのです(^^ゞ

そんなわけで、たまたま上京していた妹を誘って3人で行ってまいりました。

中野駅前のロータリーから、ふれあいロードを5分ほど歩いたところに中野のぶるちゃんはあった。
カウンターのみなので10人も入ったら満員になってしまいそうだけど、
きれいでセンスも良くて、そして何より明るくて、ウェルカムムードに溢れたお店だった。

開店早々の6時に入店したおかげか、客は僕たち3人だけ。
カウンター越しに、目の前にはM氏憧れのブル中野さんがにこやかに微笑んでいて、
その脇では現役時代は“バット吉永”という名でブルさんと一緒に闘っていたという
愛称バットさんが料理作りに勤しんでいる。
しかも、その貸し切り状態が1時間近く続いたものだから、M氏は感激するやら慌てて箸を落とすやら、もう完全にテンパり状態。
まあ、M氏の心情を考えれば、それも無理からぬことかなと。
だって、神と崇めていた遠い遠い存在の人と気軽に会話ができた上に、
こんな風にビールまで手ずから渡してもらえちゃったんだものね。
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ブル中野さんは、噂どおり現役時代とは打って変わって、スリムにそしてフェミニンになっていらっしゃった。
だけど、試合の話などを伺うと、元プロレスラーとしての顔が覗けたりして、これまた興味深かった。
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プロゴルファーの石川遼君が58という驚異的なコースレコードで優勝した時、勝利インタビューで
「これがゾーンってやつでしょうかね」と答えていたけれど、
ゾーンというのは、ハイパフォーマンスが生み出されるときの最高の集中状態をいうスポーツ心理学用語。
そういう状態の時は、何をやってもうまくいくのだけれど、この夜のM氏はまさにそんな状態だったのかも(^^。
店が混みだしてきたのを潮に会計を済ませて外に出たM氏が、突然、
「ブル様に花を贈りたい」と言い出したのです。
贈るにしても、さて花屋は開いているだろうか。
急ぎ足で中野駅の周辺を探すと、閉店間際の花屋を発見♪ そこで作ってもらったのが下の花束。

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それを持って店に引き返し、無事ご当人に手渡すことにも成功。
引き際も見事に決まって、女神とのご対面は、めでたしめでたしで終わったのでした。

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by kiyotayoki | 2010-08-14 18:59 | 美味