映画の心理プロファイル

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明治神宮散歩

台風2号の影響で悪天候のなか、
中学時代の同級生たちと明治神宮を散策してきた。

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目的地は、明治神宮の敷地内にある代々木御苑。
その敷地内に咲いているかもしれない花菖蒲と、
パワースポットとして有名になった清正の井(井戸)を見ようというプランを、
なんと僕が立ててしまったから(;^^。

ところが、花菖蒲はまだ時期が早すぎて、咲いている株は100に1つぐらい。

ならば、せめて清正の井だけでもと、御苑の奥まったところにあるその場所へ。

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さすがの話題のスポットも、悪天候のおかげか見学者はちらほら。
なのでゆっくり眺めることができたのだけど、
湧き水がこんこんとあふれ出るという感じでは残念ながらなくて、
正直、パワーもあまり感じられなかった。
しかも、監視員がひとり常駐していて、湧き水に触れようとする不届き者に
睨みをきかせてる(別に睨まれたわけじゃありませんが^^;)。
入苑料の500円は、この方たちの人件費になっているんだろうか。

   ※この地には江戸時代初期に加藤家の下屋敷があり、井戸は当主だった清正が掘らせた
    のではないかという言い伝えがあるのだそう。

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とはいえ、東京でこの静謐な空間は貴重。
心洗われるひとときではありました(^_^)v。
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by kiyotayoki | 2011-05-30 10:16 | 閑話休題

『翼よ!あれが巴里の灯だ』(1957 米)

有名な映画だけれど、いやあ、知らなかったな、
これがビリー・ワイルダー監督作だったなんて。

驚いたのはそれだけじゃない。ワイルダー監督、同じ年に監督・脚本を務めた『情婦』と『昼下がりの情事』も公開していたんだね。
たまたま公開が同じ年になったのかもしれないけれど、当時50才のワイルダー監督、まさに働き盛りだったのかな。

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原題:『THE SPIRIT OF ST. LOUIS』(138分)
監督:ビリー・ワイルダー 
脚本:ビリー・ワイルダー ウェンデル・メイズ
音楽:フランツ・ワックスマン
出演:ジェームズ・スチュワート
   マーレイ・ハミルトン

映画はリンドバーグの歴史的な飛行の前夜(1927年)から始まり、
フラッシュバックを多用して、1923年の初めての単独飛行で始まる彼の飛行キャリアを物語っていく。
単なる伝記映画になっていないところは、さすがB・ワイルダー監督だ。

驚くのは、この横断飛行がライト兄弟による初非行から20年ちょっとしか経っていないってこと。
その間に、飛行技術は飛躍的に進歩したんだね。
それだけ「鳥のように自由に空を飛びたい」という人類の願望が強かったということだろう。

主人公のチャールズ・A・リンドバーグも空への夢にとりつかれた男。
整備士で飛行訓練はちょっと受けただけなのに、
自分のバイクと有り金400ドルでオンボロ飛行機を買い、いきなり空へ飛び立ってしまう。
以来、曲芸飛行団に入ったり、飛行教官や郵便機のパイロットをしたりしていたリンドバーグが、
次に目をつけたのが大西洋単独無着陸飛行というチャレンジングな飛行。
賞金と名誉が手に入るというので、この飛行に挑戦しようとしていたのは、もちろんリンドバーグだけじゃなかった。

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苦労の末、セントルイス商工会議所からの資金援助を受けたリンドバーグは、小さな飛行機製造工場でなんとか“セントルイス魂”号を作り上げ、
1927年5月、いよいよ大西洋横断に向けてニューヨーク、ルーズヴェルト空港から飛び立つ。
この時点で、ライバルたちは十分なサポートを受けていたのにも関わらず、ことごとく失敗してる。
一方、“セントルイス魂”号はというと、小さな機体に大量の燃料を積むため操縦席の前方に燃料タンクを設置したおかげで、
座席からは直接前方が見えないという不格好な機体。
前方を見るためには、潜望鏡を使うか、横の窓から顔を出すしか方法はない(ひゃあ、そうだったんだ)。

そんな飛行機で飛びだったリンドバーグを待ち受けていたのは、暴風雨や寒さといった自然の猛威、睡魔、そして33時間にも及ぶ絶対的な孤独感だった。

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さて、そんな孤独な長丁場をワイルダー監督はどう描くんだろと思ったら、
コックピットに迷いこんだ蝿や、ある少女から手渡された鏡など、小道具の扱い方も巧みで、だれることなく物語は進行。
ひとつの事に邁進し、それを達成する事の素晴らしさと感動が鮮やかに描き出されておりました。

愛すべき不屈の人を演じたのはジェームズ・スチュアート。
この方は第二次世界大戦中、実際に爆撃機のパイロットで、大佐まで昇進したんだそうな。
そんな自分だからこそリンドバーグを演じられるんだとワーナーブラザーズの経営陣に訴え、この役を勝ち取ったんだとか。
その時、スチュワートは47歳。
25歳のリンドバーグの役を演じるためにダイエットに励み節制をして少しでも外見を本人に近づけようと頑張ったらしい。
自然体で演じているように見えたけど、その役者魂にはいやいや感服の一言です。
 
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by kiyotayoki | 2011-05-28 12:03 | 映画(た行)

『ギター弾きの恋』(1999 米)

日曜日、海老会のメンバーのおひとりchiharaさんに誘われて、
ジプシー(マヌーシュ)スウィングバンドのライブを谷中へ聴きに行って来た。
今月初めにジャンゴ・ラインハルトのことを書いたら、
ジャンゴの音楽の系譜を受け継ぐバンドのライブがあると教えてくださったのだ。
バンド名は、Sous son Nuage(スーソンヌアージュ)
2人のギタリストを中心に、バイオリン、コントラバス、クラリネットの5人編成。
場所は、Petticoat Laneという可愛らしいお店で、客席は満席状態。

どの曲も耳に心地いい柔らかな響きなのだけれど、音の強弱にとても気をつかっていて、
ソロのパートの音が力強く際立っていたのが印象的だった。

で、せっかくマヌーシュジャズに親しんだことだし、
ここはジャンゴ・ラインハルトにインスパイアーされて生まれた映画『ギター弾きの恋』を観るしかないと、
ずっと棚に納まったままになっていたビデオを取り出したのでした。

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原題:『SWEET AND LOWDOWN』(95分)
監督・脚本:ウディ・アレン
音楽:ディック・ハイマン
出演:ショーン・ペン
   サマンサ・モートン
   ユマ・サーマン

なぜ、この映画をなかなか観る気になれなかったのかというと、
主演のショーン・ペンが実はやや苦手な部類に入る俳優さんだから。
理由は自分でも判然としないのだけど、ご本人から醸し出される役者としてのアクの強さのせいかも。
この映画でも、最初のうちはその強さにプライドとコンプレックスがやたらと強い役柄が相まって
「うわぁ」と、どん引きしそうになった(ペン主演の『ミルク』も、なので未見です^^;)。
だけど、これもいつもの事なのだけれど、しばらく見ているうちに苦手なはずのショーン・ペンに感情移入していくんだなぁ。
そこがショーン・ペンの上手さというか、演出の巧みさというか。
(なので苦手といいつ結構観てはいるんです、ショーン・ペンの主演作^^ゞ)

舞台は、1930年代のシカゴ。
派手で目立ちたがり屋のエメットは、才能に恵まれたジプシージャズのギタリスト。
口癖は、「俺は天才。世界で2番目に上手いギター弾きだ」。
1番はジャンゴ・ラインハルト(1910~1953)で、その演奏を聴いてエメットは2度とも失神してしまったのだそうな。
一方でエメットは娼婦のヒモという顔をもち、いい女には目がなく、芸術家にありがちな破滅的な毎日を送ってる。
そんなある日、エメットはひょんなことから口のきけない娘ハッティと出会い、次第に本気で愛すようになっていくのだけれど・・・。

プライドも高いがコンプレックスも強い恋愛下手な男といえば、まさにW・アレンの定番キャラクター。
若い頃は自分で演じていらっしゃった。それをここでは自分より25歳も若いショーン・ペンに演らせているせいか、
作風も25年前に戻ったみたいでユーモアと軽みがあって大いに楽しめた。
ウディ・アレンはこういう情けない男の失恋物語を描かせると本当に巧い。
また、ご自分でもジャズバーでクラリネットを吹いていらっしゃるほどだから、
ジャズへの愛も十分に感じられる作品に仕上がっておりました。

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エメットが恋をする2人の女性を演じるのは、
サマンサ・モートンとユマ・サーマン。
特に、口のきけない娘ハッティを演じたサマンサ・モートンって、
どんな役をやってもしっかり自分のものにしている本当に愛すべき女優さんだなと再確認。

自分が捨てたのに、再び愛の告白をしたエメットがあっさりハッティにフラれてしまうシーンは秀逸だった。


「めめしい」という言葉は「女々しい」と書くけれど、
本来なら「男々しい」と書くべきなんだろうなと、
映画を観て改めて思い知った次第です(^^;
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by kiyotayoki | 2011-05-25 10:01 | 映画(か行)

『ドリーム・キャッチャー』(2003 米)

スティーヴン・キング原作の映画に興味をなくしたのはいつ頃からだっけ。
「こけおどし」という言葉がある。
見せかけはちょいと興味をそそるんだけど、中身がともなわない。
キング原作の映画ってまさにそんな感じがして(「スタンド・バイ・ミー」以外読んだことないけど原作も?)、
この映画もスルーしておりました。
だけど、先日、S.S.D.D.(くそったれな毎日、変わるのは日付だけ)を話題にした時、
これが『ドリーム・キャッチャー』によく出てくるフレーズだと知って、ちょっと観てみたくなってしまった。

そうしたら、都合良くCSでやってくれたので録画して鑑賞(^_^)v

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原題:『DREAMCATCHER』(135分)
監督:ローレンス・カスダン
脚本:ウィリアム・ゴールドマン ローレンス・カスダン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:モーガン・フリーマン
   トーマス・ジェーン
   トム・サイズモア

お話は、始まりこそ期待を持たせたけれど、結局相変わらずな展開で尻すぼみ。
しかし、いやホントにしつこいほど連発されるんです、S.S.D.D.(Same Shit, Different Day)って言葉が。

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大人になっても親友関係にある4人の男たちは、少年時代にダイディッツという不思議な少年から
ある能力(相手の心を読み取ったり透視したりできる)を授けられているのだけれど、
結局はその力を持てあまし、有効に使いこなすこともできずに、クソのような毎日を送っているという設定。

ひとりは一応その能力を活かして精神科医になっているのだけれど、そんな彼でさえ自殺を考えている。
何事も過ぎたるは及ばざるがごどし。相手の心が見えすぎるのもつらいものなんだろうな。
だけどね、犯罪捜査に携わるとか何か有効な使い道はなかったのかしらん・・・。
なぁんて余計なお世話を焼きたくなるほど、S.S.D.D.な日々を送る4人なのでした。
共感できなくもないところがちょっとナンだけど(;^^
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by kiyotayoki | 2011-05-22 11:22 | 映画(た行)

お騒がせしました(^_^;)

先月、「また一つ、お蔵消滅?」という記事を書いたのを覚えている方、いらっしゃるだろうか。

3.11の大地震のあと、件のお蔵の建つ西新宿3丁目へ行ってみたら、
お蔵が下の写真のような有様になっていたので、「うわっ、解体されちゃうのか?!」と
焦ってしまったのです。

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蔵の足下には、屋根から落ちたと思われる瓦が集められていた。
これだけ落ちたということは、そうとう傷んだんだろうな。
雨漏りもするようになって、持ち主もやむなく解体を決断したのかもしれないなぁ。
しかし、なんとも残念。なんとか修復してもらって、解体は避けていただけないものだろうか。
そう願っていたのだけれど・・・

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        こちらは()、去年6月、足場が立ってからしばらくして解体されてしまった大塚のお蔵。
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昨日、半月ぶりに現地へ行ってみたら、おおっ

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足場がなくなっているじゃありませんか
持主の方が解体ではなく修復を選んでくださったのだ。
修理代だって馬鹿にならなかっただろうに、よくぞ直してくださった。
持ち主の方を存じ上げていれば、お礼を言いたいくらいだった。

いやしかし、お騒がせしました。
僕の早合点でした。ごめんなさい。
acoyo さん、シーゴラスさんのおっしゃってた通りでした。
そして励ましのコメントをくださった皆さん、お気遣いありがとうございました。
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by kiyotayoki | 2011-05-21 09:46 |

『ぼくの美しい人だから』(1990 米)

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映画を観ていて、登場人物の背景に何気なく映っている物が気になることがよくある。
この映画だと、玄関ドアのガラス窓に貼ってあったこのシールかな。
S.S.D.D.
Same Shit, Different Day
    
「この標語みたいなのは何だろ???」って。

これ、スラングなんだろうけれど、
「日が替わっても、くそったれなのは同じ」とでも訳すのかな。

調べてみたら、「くそったれな毎日。変わるのは日付だけ」と訳しているのもあった。
スティーブンキングの小説『ドリームキャッチャー』によく出てくる表現らしい。
日付が替わるだけで毎日がクソ(最低)なのは変わらないって、諦めにも似た気持ちが表現されているんだろうな。
そんなシールを貼っている家の主が、スーザン・サランドン扮するこの映画のヒロイン。
彼女がどんな暮らしをしているかは推して知るべしということでありましょう。

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原題:『WHITE PALACE』(103分)
監督:ルイス・マンドーキ
脚本:テッド・タリー アルヴィン・サージェント
音楽:ジョージ・フェントン
出演:スーザン・サランドン
   ジェームズ・スペイダー

原題の『WHITE PALACE』は、主人公のノーラがパート勤めしているバーガーショップの名前。
43才で独り身、酒と煙草が手放せない典型的なプアホワイト(ホワイトラッシュ)だ。まさにS.S.D.D.な毎日。
そんな彼女と一夜を共にすることになるのは、27才で独り身、ユダヤ系のリッチなエリート広告マン、マックス。
普通に暮らしていたら、出逢うことも、ましてや恋仲になることもなかった2人が
衝動的にSEXをしてしまうところから物語は始まる。
こういう場合、フツーは男のほうから仕掛けるのだけれど、
酔った勢いで強姦まがいにメイクラブを始めるのがノーラのほうだというところが、2人の関係性を象徴しておりました。

2人とも過去の心の傷を引きずって暮らしているのだけれど、
特にノーラ(本名ノーラ・ベイカー)は、名前が似ているということもあって自分とマリリン・モンロー(本名ノーマ・ジーン・ベイカー)の生き方(幸の薄さ)に共感、同一視しているところがある。
そのせいもあって、彼女の部屋の中はマリリンのポスターやグッズでいっぱいだ。

そんな43歳の女を、当時ほぼ同じ年齢だったスーザン・サランドンがリアルに演じてる。
彼女、この後が『テルマ&ルイーズ』なんだな。
以前、『テルマ&ルイーズ』で彼女はひと皮剥けたって書いたけど、訂正しなきゃ。
この映画出演が彼女の女優人生のターニングポイントになったんだなと実感いたしました。

そうそう、ジェームズ・スペイダー扮するマックスの車は、片方のライトがずっと壊れたまんま。
それは、マックスの心の有り様を表していたのだろう。
S.S.D.D.のシールといい、マリリンのポスターといい、そういう表現方法がお好きなんだな、この監督。


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by kiyotayoki | 2011-05-19 08:52 | 映画(は行)

『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュのそっくりさん

やっと『英国王のスピーチ』を観ることができた。
だけど、レビューを書く余裕がないので、
観ていて、「あっ、そうか」と思ったことをば。

何が「あっ、そうか」というと、
オスカー級の名演技だったジェフリー・ラッシュ、誰かに似てると思ったら・・・

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人気ドラマ『相棒』で捜査一課の伊丹刑事を演じている川原和久に似てるゾ、と。

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ね、目つきの悪いところとか、似てると思いません?


ただそれだけなんですけどね(;^^
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by kiyotayoki | 2011-05-16 23:29 | 閑話休題

『ハード・キャンディ』(2005 米)

以前からいつかチェックしてみたいと思っていた映画を
友人の好意で観ることができた♪

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原題:『HARD CANDY』(103分)
監督:デヴィッド・スレイド
脚本:ブライアン・ネルソン
音楽:ハリー・エスコット モリー・ナイマン
出演:パトリック・ウィルソン
   エレン・ペイジ

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抽象画家モンドリアンの絵を思わせるシンプルなタイトルデザインからして赤が強調されているこの作品。
赤は、情熱以外に“怒り”を表す色でもある。
もし赤ずきんが怒りを内に秘め、周到な計画を立て準備万端でオオカミに対して反撃(復讐)に出たら・・・・って感じの映画でありました。

ウィキペディアによると、日本の女子高生によるオヤジ狩りのニュースに着想を得て製作されたものなんだそうな。


登場人物は、ほぼ2人だけ(ちょい役を含めてもたった5人)。
ひとりは、32歳の売れっ子カメラマン、ジェフ。もうひとりは14歳の少女ヘイリー。
終始、この2人の顔のアップばかり。場所もオープニング以外はほとんどがカメラマン宅の室内だけ。
それで最後まで観客を惹きつけてしまう構成力と演出力はこの監督、ただ者ではないのかも?
低予算映画だけれど、安っぽさは微塵も感じなかったし。
当時まだ17歳だった(もっと幼く見えます)エレン・ベイジのユニセックスな魅力も全開だ。

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ただ、後味はよろしくないし、見ていて疑問符が幾つもついてしまう映画でもあった。
だって、いくら不用意だったにしてもオオカミにも反撃に出るチャンスは何度かあったし、
赤ずきんの都合のいい展開に協力さえしてしまうんだもの。
ラストにしてもさんざんいたぶられたオオカミ(カメラマン)の心理を考えると、
あの行動に出るとはちょっと思えないんだなぁ。

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この映画を観ていて、思い出したある心理実験があります。
オランダで1883年に実際に行われた、今なら絶対許されないであろう禁断の実験です。
目隠しをされベッドに縛り付けられた男はブアメードという名の死刑囚。
それを取り囲む白衣の医師たちの1人がブアメードに厳かにこう告げます。
「これから行うのは、どれだけ血を取ったら人は死ぬかを確かめる実験だ。では、これから足の親指にメスを入れる」
鋭い痛みに顔を歪ませるブアメード。
ぽとりぽとりと血のたれる音がブアメードの耳にも届きます。
それは死へのカウントダウンともいえる音でした。

数時間後、医師達はブアメードに聞こえるようにこんな会話を交わしました。
「これで血液の三分の一が流れたことになるな」
「うむ、人が死ぬには十分な出血量だ」
それを耳にしたブアメードが息を引き取ったのはそれから間もなくのことでした。

死因は出血多量?
いいえ。実は、ブアメードはどこも傷つけられていなかったのです。
医師達はただ足の指に痛みを与えただけでした。
そして、用意していた金だらいに水滴をぽとりぽとりと落とし続けただけ。
なのに、ブアメードは衰弱し、とうとう死んでしまったのです。

この実験は、心の状態がいかに体の健康状態に影響を与えるかを調べるためのものだったんですね。
「病は気から」というけれど、人は気持ちが落ち込むと治る病気も治らなくなるし、
気持ちが前向きであれば薬の世話にならなくても病気に打ち勝つことだってできるということを証明した実験であったということ。

だからって、死刑囚とはいえ人を死に至らしめちゃう実験なんて、ねぇ(^^;


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上の画像は、身動きできないオオカミ(カメラマン)におぞましくも屈辱的なある手術を施す前段階として、
彼の陰部の毛を剃ろうとしている赤ずきんちゃん。
さて、その恐怖の手術とはいったい・・・・


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by kiyotayoki | 2011-05-15 13:05 | 映画(は行)

Knock on woodをするシーン♪

先日、Knock on woodを話題にしたことがあった。
Knock on wood(幸運が長続きしますように!)
いいことがあった時に、その反動で災いがやってこないようにって祈りをこめて木製のテーブルなどをコンコンコンとやる、
おまじないの一種です。

映画でも時々見かけるんだけど、どの映画のどんなシーンに出てきたか、
なかなか思い出せなかった。

そうしたら、映画の神様が僕にプレゼントしてくれたのか、
なんと深夜に眠れなくて見始めた『ホームアローン2』(1992)にコンコンコンってやるシーンが出てきたではありませんか♪
そのシーンがこちら。

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当時人気絶頂だった子役のマコーレ・カルキン扮する主人公ケヴィンの両親がやってくれたのです。
クリスマスに家族でマイアミにやってきたものの、ケヴィンがいない。
そこで空港の警察官に事情を説明しているシーンなのだけれど、
「今まで一度も旅行で荷物をなくしたことはないんですよ」ってセリフの後で、夫婦してコンコンコンとやるのです。
なのに、息子は2度までも“紛失”しちゃったと嘆く2人。

重要なシーンでもないし、その映像をYouTubeで見つけるのは無理かもなぁと思ったら、
なんと予告編にこのシーンが使われておりました♪
始まって25、6秒あたりに出てくるので、時間に余裕のある方はご覧になってみてください(^^ゞ




二人して仕草が同調しちやうことを、心理学では「シンクロニー(同調行為)」といったりしますが、
それはこの夫婦の仲がいい(円満である)証拠でもあるんですね。
何かの時に使えそうだから、キープしておこうかな、この映像(^-^)♪
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by kiyotayoki | 2011-05-12 07:30 | 閑話休題

『イリュージョニスト』(2010 英・仏)

ジャック・タチが娘のために書いた幻の脚本「FILM TATI No.4」。
結局作られることなくお蔵入りになってしまったらしい(理由は諸説あり)のだけれど、
娘であるソフィー・タチシェフさんがシルヴァン・ショメの作品に父の世界と通じるものを感じ、
遺稿をショメ監督に託すことにしたのだとか。
そうしてついに完成したのが本作『イリュージョニスト』。
一幅の絵画のような映像、
そして、ユーモアとペーソスで淡く彩られた佳作でありました。

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原題:『L'ILLUSIONNISTE』(80分)
監督・脚本・音楽:シルヴァン・ショメ
オリジナル脚本:ジャック・タチ

観ていて、まず思ったのはジャック・タチの遺した脚本がどのように書かれていたのかということ。
タチ作品の特徴は、セリフの極端な少なさにある。
この映画もセリフはほとんどない。登場人物の表情や仕草・動きで表現していく。
ってことは各シーンはほとんど地の文で書かれていたのかしらん。
それとも絵コンテで補足されていた?

それがとっても気になったのだけどそれはそれ、お話の舞台は1950年代のパリです。
戦後10年余り経ったパリはすでに流行の発信地になっていたんだろう。
時代の流れと共に、人々が求めるものも急速に変化していった時代。
新しいもの(ロックバンド)が受け入れられ、古いもの(奇術)は排除されていく。
見事な技を披露する老手品師のタチシェフも、客が入らないからすぐにお払い箱になってしまう。
この老手品師が、顔立ちから立ち居振る舞い、そしてズボンの短さまでジャック・タチそのままで、
見てるこちらも思わず顔がほころんでしまう。

やむなくタチシェフは、つてを頼って海を渡りスコットランドの寒村へ。
辺ぴな田舎町だとタチシェフの芸もまだまだ大ウケだし、バーで下働きとして働いていた少女アリスなどはタチシェフを“魔法使い”だと信じてしまうほど。
穴のあいた靴をはいている少女を哀れに思ったタチシェフは、
店で赤い靴を買い求め、あたかも魔法で出したかのようにしてプレゼントをしてやる。
誤算は、それに感激した娘が仕事を終えて町を去るタチシェフについてきてしまったこと。
戸惑うタチシェフ。
けれど、落ちぶれた自分を尊敬の眼差しで慕うアリスに、いつしか生き別れた娘の面影を重ねてしまい、同行を許してしまう。

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イリュージョニストは、観客をひとときの夢の世界に招待するのが仕事。
そして夢の世界に幕が降りたら、すーっと消えていくのが務め。決して楽屋裏(ネタばらし)は見せない。
そんな人生を生真面目に送ってきたタチシェフが、図らずも楽屋裏に入り込んできた娘に振り回される姿は滑稽というより切なさが募った。

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心に残る味わい深い作品だったけれど、
シルヴァン・ショメの、というよりジャック・タチ色の強い作品だったので、
次回作はショメ監督らしい作品を観てみたいなと思ったのも確かでありました。


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by kiyotayoki | 2011-05-11 09:45 | 映画(あ行)