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映画の心理プロファイル

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大盛況のボストン美術館展

まぼろしの国宝、ニッポンに帰る
と銘打って、3月から東京国立博物館で公開中のボストン美術館展
遅ればせながら行ってまいりました。

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"東洋美術の殿堂"と称される米国のボストン美術館には、
10万点を超える日本の美術品がコレクションされているんだそうな。
その中から厳選された仏像・仏画に絵巻、中世水墨画から近世絵画まで、約90点が里帰り。
中でも注目は、修復を終えて日本初公開となる曽我蕭白(そがしょうはく)の最高傑作『雲龍図』をはじめ、
長谷川等伯(はせがわとうはく)、尾形光琳(おがたこうりん)、伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)などの手による、
まぼろしの国宝"とも呼べる日本美術の至宝の数々
注目度は抜群だ。

だけど、公開されてもう2ヶ月余り。さすがにもう空いてるだろう。平日だしね。
念のために、オープン早々の9時半に行けば、のんびりゆったりと至宝を鑑賞できるんじゃないかなぁ・・・

な~んて思ってたら、
甘かった

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この写真は、鑑賞して出てきた時の行列風景だけど、最後尾は60分待ちですと!

入った時は、さすがにここまでは並んでいなかったけれど、すでに入場制限が始まっていて、
入場するまでには15分ぐらいは待たされた。

中に入っても、人、人、人で、美術品に近づけない。
仕方なく遠目からの鑑賞となりました(^^;

まぁそれでも、さすが至宝の数々。見応えはありましたよ♪

平安時代の長~い絵巻物(吉備大臣入唐絵巻)も面白かったけれど、
やはり、長谷川等伯の龍虎図屏風や、曽我蕭白の雲龍図(ポスターにもなってる)の迫力は凄かった。

個人的に目を奪われたのは、伊藤若冲の精緻な鸚鵡図(おうむず)と一気呵成の筆使いが印象的な十六羅漢図の対比。
同じ人が描いたとはとても思えない!

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博物館の帰り道で、思わず立ち止まってしまった。
知らないうちに、また昔懐かしい映画館が閉館していたのだ。

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この映画館は、去年の秋、したまちコメディ映画祭の前夜祭会場になったところなので、
思い出もある。

残念だけど、いまどきこんな裏通りにある映画館が55年ももったことのほうが奇跡もしれないな。

お疲れ様でした。
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by kiyotayoki | 2012-05-30 21:55 | ART

『テルマエ・ロマエ』(2012 日本)

この春のヒット邦画『テルマエ・ロマエ』を観てまいりました。

もっと大笑いさせてくれる映画なのかと思っていたけれど、
館内に笑いが起きたのはカルチャーギャップが描かれる前半のみ。
後半はタイムパラドックスをいかに解消しながらエンディングへ向かうかに焦点の当たった
ある意味“生真面目な”つくり方だったので館内はシーン。
ま、それはそれで、面白い展開ではあったんですが・・・。

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(108分)
監督:武内英樹
原作:ヤマザキ マリ
脚本:武藤将吾
テーマ曲:『誰も寝てはならぬ』
出演:阿部寛
    上戸彩
    北村一輝
    市村正親

ネットで原作漫画の第一話を見ることができたので、さらりと目を通してみた。
第一話の内容(阿部寛扮するルシウスが古代ローマから現代日本へタイムスリップするまで)は、
映画のオープニングでもほぼ忠実に描かれておりました。

原作は、マンガ大賞と手塚治虫文化賞のW受賞を果たした、ヤマザキマリの大ベストセラーコミック。
タイトルの“テルマエ・ロマエ”とは、ラテン語で“ローマの風呂”という意味。

ローマ人と日本人の共通項として風呂好きであることに着目した時点で、すでに“勝負あり”だったのかも。
原作者はイタリアに住んだ経験があり、ご主人もイタリア人だという。
昔はあった共同風呂がなぜ現代のイタリアにないのか。そのあたりの疑問を夫婦でディスカッションするうちに
このアイデアが生まれたんだとか。
お風呂限定のタイムスリップという設定もうまく効いていて、後は異質な部分を強調すれば笑いは自然に生まれてくる仕掛け。
浴場造りのアイディアに悩んでいた生真面目なルシウスには、銭湯の富士山の絵や、
ケロリンのマーク入り洗面器、フルーツ牛乳、シャワーキャップ、トイレのお尻洗浄装置などなど、
日本人には馴染みのある物すべてが驚愕の的になってしまうのです。
地味な顔の日本人を形容する“平たい顔族”というネーミングも秀逸。

阿部寛、北村一輝、市村正親などの、濃い顔の俳優たちが堂々とローマ人に扮するキャスティングも効いている。

ただ、それらの物語設定や人物紹介が一段落ついてしまうと、お話は凡庸になっていく。
というか、前半のインパクトが強すぎるので、凡庸に思えてしまうのかも。
いや、やっぱり設定やキャラクターの面白さに脚本や演出があぐらをかいてしまったのが原因か・・・。

現代の日本で阿部寛のルシウスと絡む売れない漫画家、真実という女の子(上戸彩)は
映画オリジナルのキャラクターなんだそうな。
この子が現代っ子のようで実は案外古風で健気なので、重しのような存在になって、
上戸彩ファンには申し訳ないけど、笑いを押し込めてしまったような気がする。
ファニーフェイスなのでコメディエンヌとしても、もっと輝けると思ったんだけどな。
できれば脚本をもうひとひねりふたひねりして、後半も何度か笑わせてくれていたら
第一級のコメディとして大推薦できたのに。

でもまあ、見終わると、なんだか風呂上りのようなぽかぽか&爽やかな気分になれる映画ではありましたよ(^^。


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by kiyotayoki | 2012-05-28 12:19 | 映画(た行)

思い込みって楽しい♪

子供の頃に耳で覚えた歌って、勘違いや思い込みで、とんでもない歌詞にして覚えているものがある。

例えば、「アルプス一万尺」。
アルプスいちまんじゃく~ こやりのう~えで
アルペンおどりをさぁおどりましょ♪

いちまんじゃくの「尺」を「弱」と思い込んでいたというのはよくある話。
(「こやり」というのは槍ヶ岳のそばにある「小槍」と呼ばれる岩山のことらしいね)。

他にも、
どんぐり ころころ どんぶりこ~ を 「どんぐりこ~」って唄ってたり・・・

だけど、これは知らなかったな。
ある人がこう思い込んでいたらしいんだね。

海は広いな、沖縄(ホントは、大きいな)~♪

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だけど、広い海と沖縄、見事にマッチしているじゃありません?
こういう思い込みならアリだと思うし、沖縄のPR(CM)にだって使えそうですよね(^_^)v
(出典はボキャブラ天国あたりだったりして^^;)
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by kiyotayoki | 2012-05-26 10:01 | 閑話休題

大人が楽しめる玩具“グランドピアニスト”

先週の土曜日の昼前、よく手作り料理をご馳走してくださるご近所のカメラマンKさんから電話があった。
何だろうと思ったら、「アレが届いたんだよ♪」とのこと。
アレって?
一瞬、頭をひねったけど、「あっ、アレか」とやっと察しがついた。
そういえば、前回手料理をご馳走になった時にグランドピアニストっておもちゃのピアノを買いたいとおっしゃっていたのだ。

近所なので、さっそく拝見しにうかがった。

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これ、セガトイズというオモチャメーカーが数年前に発売を開始したものらしい。
見た目は、フォルムにしろ光沢にしろまさにグランドピアノだ(ヤマハ社製グランドピアノを参考に制作されたんだとか)。
大きさは、本物の約6分の1。
鍵盤はちゃんと88並んでいて、驚くのは自動演奏の際はこれが音符に合わせて動くのだ。
鍵盤の幅は約4㎜。押せば音も出るという(壊すといけないと思って押せなかった^^;)。

本体に内蔵されている楽曲は、クラシック、ジャズ、ポップスなど100曲。
さっそく聴かせていただいた(YouTubeに演奏シーンがあったので、よかったら)。


スピーカーにつなげてあったので、音色は本格的。
鍵盤が上下する際の摩擦音がちょっと気になったけど、それはご愛敬。
鍵盤の躍動するさまは臨場感たっぷり。見飽きることがなくて、ついつい何曲も聴き入ってしまった
(楽曲監修はヴァイオリニストの葉加瀬太郎さん)。

これは子供、特にちっちゃい子には触らせられないな。面白がってすぐ壊しちゃいそうだもの。

そういう意味でも、これはまさに大人のオモチャですね。
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by kiyotayoki | 2012-05-23 09:04 | 閑話休題

金環日食

金環日食を見ることができた♪

たまたま昨日、町でマンションの最上階に住んでいる知り合いにバッタリ会い、
「うちに来ればバッチリ見えるよ」と誘ってもらったのです。
だけど、あいにくと2人共、観察グラスを持っていなかった。
すると、うまい具合にそこへもうひとり知り合いがやってきて、その人は観察グラスを持っているというじゃありませんか。

ラッキー♪

ということで、その人の持ってる観察グラスを代わる代わる使わせてもらって観よう♪と話がまとまったのでした(^_^)v


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こちらは、携帯カメラでサングラス越しに撮ったもの(7時32分だったので、金環食になる2分前の太陽と月です)。
雲がフィルター代わりになってくれたおかげで、どうにか撮ることができました。

テレビで見ればいいやと思っていたけれど、やはり直に見ると感動的でありました。
雲がかかったせいもあったかもしれないけれど、金環食のあいだは空が幾分薄暗くなったし。


そうそう、昨日たまたま読んだ本に、「卑弥呼の死の原因は皆既日食のせいだったかも」という記述があった。
卑弥呼が亡くなった254年頃に、皆既日食が2年続けてあったらしいんだね。
なので、もしかしたら卑弥呼がそれを予言できなかったため、霊力がなくなったとして
お払い箱になったんじゃないか・・・というんだけど。
滅多にない自然現象を目の当たりにした後だけに、あり得ないことでもないなぁと思ってしまったのでした(^^ゞ
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by kiyotayoki | 2012-05-21 09:33 | 備忘録

『ミケランジェロの暗号』(2010 オーストリア)

第二次大戦中、ホロコースト下のユダヤ人をモチーフにした映画というと、
残虐なナチスドイツの支配下で、理不尽かつ過酷な運命に翻弄されるユダヤ人の悲劇を
扱った作品がほとんどだけど、本作はそんなステレオタイプな想像をあっさりと覆してくれる作品だった。
スリリングなのはもちろんだけど、時に笑いさえも誘う、
意外性たっぷりのエンタテインメント作に仕上がっていたのだから。

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原題:『MEIN BESTER FEIND』(英語題:MY BEST ENEMY 106分)
監督・脚色:ヴォルフガング・ムルンベルガー
脚本:ポール・ヘンゲ
音楽:マシアス・ウェバー
出演:モーリッツ・ブライブトロイ
    ゲオルク・フリードリヒ
    ウーズラ・シュトラウス

舞台は、1938年のオーストリア・ウィーン。
この年の3月、オーストリアはナチスドイツによって併合されてしまう。
その3ヶ月後に精神科医のフロイトは命からがらウィーンを脱出して、ロンドンへ亡命した。
だけど、この映画の主人公はそうはいかなかった。

原題「MEIN BESTER FEIND」は、「私の最高の敵」という意味だそうな。
“私”とは主人公のヴィクトル、“最高の敵”とは彼の幼馴染でオーストリアがドイツに併合された後は
ナチスに入隊してしまうルディの事。

ヴィクトルは裕福なユダヤ人画商の跡取り息子、
ルディはその家の使用人の息子と立場は対照的。
兄弟の様に育ったことで、ヴィクトルは幼なじみのルディに心を許していたのだけれど、
一方のルディはヴィクトルに屈折した感情を抱いておりました。

そんな2人はレナという同じ女性に恋をするのだけれど、彼女は、金持ちぼんぼんのヴィクトルを選ぶ。
それが、ルディにナチス入りを決意させ、昇進のためにヴィクトルとその家族を危機に陥れる遠因になる。
ルディはSSの制服という「虎の衣」をまとったことで、ずっと隠してきた負の感情を解き放つチャンスを得たわけです。

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カウフマン家には国宝級の価値を持つミケランジェロの素描画が所蔵されていたのだけど、
ヴィクトルは酔った勢いで気心の知れたルディにそのありかを教えてしまうんですね。

ルディはSS入隊の手土産に、そのことを上官に通報してしまう。
すると上官は「名画をヒトラー総統に献上できる」と大喜び。
さっそくカウフマン家に出向き素描画を没収した上に、カウフマン家の人々を収容所送りにしてしまいます。

だけど、彼らは知らなかったんですね、実はヴィクトルの父ジェイコブが密かに贋作とすり替えていたことを。

後に贋作であることが判明し面子をつぶされたSSは、怒り狂ってルディに本物の奪取を命じるのですが、
そこから二転三転、荒唐無稽とも思えるドラマが展開し、お話は俄然面白くなってきます。

名画のありかを知っているのは収容所で死んだ父のみ。ヴィクトルも知らない。
けれどヴィクトルは母の命を救うため父の残した謎の遺言を頼りに、絵のありかを探りつつ、
ルディを手玉にとってハラハラドキドキの危険な駆け引きに出るのです。

思わずハラハラドキドキと書いてしまったけれど、
ユダヤ人のヴィクトルとナチスに取り入ったルディとの駆け引きが軽妙に描かれているので、悲壮感はあまりありません。
それにオチはほぼ予想できる。
だけど、そこにいたるまでの展開が二転三転して飽きさせないのがこの映画のいいところ。

鑑賞上の注意点としては、『ミケランジェロの暗号』という邦題から謎解きミステリーを期待してはいけないということ。
ユダヤ人の悲惨な歴史をベースにしたシニカルかつちょっとコミカルなヒューマンドラマだと思って観れば
楽しめること間違いなしです。

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by kiyotayoki | 2012-05-18 23:24 | 映画(ま行)

コーンの舞い



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by kiyotayoki | 2012-05-17 22:01 | 閑話休題

お昼だけやってるお店「イッツ シュリンプ!」

隙間ビジネスとかニッチビジネスというキーワードをよく耳にする。
大手の企業が手を出さないような、「えっ、こんな事が仕事になるの?」
ってところに目をつけて、それを収入に結びつけてしまう・・・そういうのを隙間ビジネスというのかな?

世の中には、人が思いもつかないような事や気づきもしないような「隙間」を実際にビジネスに結びつけて
収入にし、夢を実現している人達がいるんだね。

先日、ランチタイムに訪れた神楽坂の「It's shrimp!(イッツ シュリンプ)」というラーメン屋さんも
そんな隙間ビジネスを実践しているお店だった。

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一見すると普通のラーメン屋さん。それがなぜ隙間ビジネス実践店なのかというと、
このお店、ランチタイム(午前11時~午後2時 日・祭日休)しかやっていないから。
しかも、「魚串さくらさく」という魚串専門店の店鋪を昼間だけ借りて営業をしている店なのです。
つまり、他人の店が使っていない隙間の時間と場所を借用してビジネスをしてるんだね。

なるほど、こうすれば高い賃料を払って店を確保しなくても自分の店が持てるわけだ。
貸す側も、店舗を有効活用できて、いくらか賃料も入ってくるんだから、悪い話じゃない。

この「It's shrimp!(イッツ シュリンプ)」はエビ麺専門店。

お店のご主人がやっているブログによると、

エビ麺とは。。。

エビ好きの女の子の
エビ好きのおっさんによる
エビ好きの女の子の為の
新ラーメン

それが、、、エビ麺!


なんだそうな。

いくつかメニューがあったけど、初めてだったので最もシンプルでオーソドックスな「エビ麺」を注文した。
料金は500円。「女の子のための新ラーメン」とあるように、女の子向けにサイズはやや小ぶり。

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これじゃ足りないと思う人は、プラス100円で麺をダブルにしてボリュームをアップさせることもできるらしい。

食べる前に、
お店の人から「こちら(海老を塩漬けにして発酵させた調味料)をよく混ぜてお召し上がりください」とのレクチャーあり。
まずは混ぜないでベースのスープをひとすすり。
桜エビの香りとちょいとピリ辛でコクのある味わいがう~ん美味しい♪
そのあと調味料を混ぜながら食べ進むと、海老の豊かな風味とエスニック感が増してきて美味しい美味しい♪

麺をダブルにしなくても、充分満足できる一杯だった。
若い女性だけでなく、男性も満足できるラーメンだと思いましたよ(^_^)v
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by kiyotayoki | 2012-05-16 11:15 | 美味

『ドライブ』(2011 米)

事前にほとんど何の情報も仕入れずに観に行った映画です。
『ドライブ』というタイトルから、派手なカーアクションが目玉の映画かな、ぐらいの予想はしていたけれど。

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原題:『DRIVE』(100分)
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
原作:ジェイムズ・サリス
脚本:ホセイン・アミニ
音楽:クリフ・マルティネス
出演:ライアン・ゴズリング
    キャリー・マリガン
    ロン・パールマン

オープニングは、想像通りカーアクションから始まった。
主人公は、強盗の逃走を請け負うプロのドライバーのようだ。
となると思い出すのは、ライアン・オニール主演の『ザ・ドライバー』(1978 W・ヒル監督作)だ。
役柄も同じように凄腕の逃がし屋ドライバーだった。おまけに、寡黙なところもそっくり。
だけど、ちょっと様子が違う。
普通なら、フルスロットルで、タイヤを軋ませながら疾走するところだけど、
このドライバーは法定速度をちゃんと守るし、赤信号ではちゃんと止まる。なのに捕まらない。
というのも、警察無線を傍受して、パトカーのいない所いない所をすり抜けていくから。
もちろん警察ヘリをまくドライブテクニックも持っているんだけれど、
頭がキレる上に判断力や察知能力に優れているので、冷静に危機を回避できるんだね。
このオープニングは意外性があって面白かったな。

オープニングで意外だったことがもう一つある。
タイトルや出演者紹介のロゴがピンク色なのだ。
都会の夜景にピンク色がやけに目立つんだな、これが。
こういう硬質でタイリッシュな始まり方をする映画にピンク色のロゴは珍しいと思う。

心理学的にはピンク色は「幸せを希求する色」「誰かに優しくされたい、優しくしたいという願望を表す色」
とされている。
そういう色をタイトルのロゴに使うというのは、どういう意味があるんだろう・・・・。
映画を観ながら、それが気になっていたのだけど、観ていくうちになんとなく腑に落ちた感じ。

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主人公には名前が与えられていない。
そのことに象徴されるように、主人公については映画のスタントドライバーをしているが、
普段は自動車修理工場で働いていること、質素なアパートに一人住まいであること、
寡黙で自分の過去については何も語らないことぐらいしか明らかにされない。
(あと、背中にサソリの刺繍のあるジャンパーを常時愛用していることぐらい)

そんな男の人生が、アパートの隣室に住む若い母子と知り合うことで少しずつ変わっていく。
母子の人生に関わり合いを持ち、二人を優しく見守ることに今までにない生き甲斐を感じ始めるんだね。
もしかしたら映画の作り手はそんな男の気持ちをタイトルのピンク色で表現したかったのかもしれない
(母と子に献身的に尽くす主人公の姿は、マチルダに命を捧げた孤独な殺し屋レオンの姿とオーバーラップした)。

だけど、男にとっての幸せな時間は長くは続かない。
若い母親の夫が刑務所から出所してきたからだ。
そして、その夫は不幸の種も一緒に持ち帰ってくる。
そのせいで母と子は命を狙われ、それを守ろうとする男の身辺にも死のニオイが立ちこめ始める。
ピンク色がいささか濃いのは、それによって流される血の色も連想させようという企みがあるのかも。
それもあってかバイオレンスシーンは過激だ。

若い母親を演じるのは、『17歳の肖像』で一躍脚光を浴びた若手女優のキャリー・マリガン。
ショートヘアーの似合うキュートな女優さんだ。

母子、そして主人公を死の淵に追いやるのは、2人の男。
一人は、ロン・パールマン。『ロスト・チルドレン』『ヘルボーイ』のあの怪優だ。

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そして、もう一人は、どこかで見たことがあると思ったけど、
映画を観てる時は思い出せなかったアルバート・ブルックス。

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帰って調べてみて驚いた。
この強面の人、コメディ畑出身で『ブロードキャストニュース』(1987)では軽妙な演技が印象に残る俳優さんだった。
いやあ、変われば変わるもんです。

悪役が強くて個性的で、ある意味魅力的なほど、主人公が輝く。
その点ではこの映画、主人公を輝かせるのには成功しているのかも。

その主人公を演じたライアン・ゴズリングはというと、『ステイ』(2005)で自殺志望の若者を演じた彼じゃありませんか。
最近では、ついこないだまで公開されていた『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』でも主演。
そうそう、先日観た『フラクチャー』(2007 日本未公開)でもA・ホプキンスを向こうにまわして
野心家の検事役をシャープに演じていた。これからが楽しみな若手の俳優さんだ。

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この映画、ワンシーン、ワンシーンが妙に長い。
普通ならここでカットかと思うシーンが、そのあと1、2秒、長い時は3秒ぐらい続く。
ま、それが一種独特のリズムを作り出していたのは確か。

監督のニコラス・ウィンディング・レフンはデンマーク出身の人らしいけど、
さて、次回作はどんなものを手がけてくれるだろうか。
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by kiyotayoki | 2012-05-13 22:53 | 映画(た行)

Fragments(かけら)というショートフィルム

YouTubeで
こんなショートフィルムを見つけた。




これ、ニコンのデジタルカメラの宣伝用にフランスで作られたものらしいけど、
ついつい引き込まれてしまい、最後まで見てしまった。

想像するに、50歳前後のこの男は離婚経験者で、幼い頃に別れたままになっている娘がいるんだろう。
そんな男の家に写真の断片が送られてくる。
やもめ暮らしが長いようだけど、几帳面なのか部屋はすっきり整理整頓されている。
その几帳面さが断片(かけら)集めに発揮されるんだね。

断片の最後のパーツが“のど”の部分だというところがまた憎い。
男にとっての娘は幼い頃のイメージのままだから、完成した女性の顔を見てもピンとこない。
送り主もそれは知っている。
だから、娘の証しである“のど”の部分を最後にしたんだね。

最後のパーツを手にした男があせるあまりにドアを閉め忘れるシーンもさりげなく入れてあって、
そのおかげで娘は苦もなく部屋に入ることができ、感動の対面と相成る。
いやいや、ちゃんと考えてあるなぁ。


それにしても、男が写真のかけらでジグソーパズルをやっている間、娘はどうしていたんだろうね。
娘としてみたら、思惑通りに男が行動してくれているかどうか心配だったと思うし。
向かいの建物からでも盗み見していたんだろうか。
それとも、宅配業者やハウスキーパーを装って一度や二度、男の部屋を訪れていたりして・・・。


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by kiyotayoki | 2012-05-10 08:08 | 閑話休題