映画の心理プロファイル

『ニューオリンズ・トライアングル』(2003)

原題『RUNAWAY JURY 』(128分)
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監督:ゲイリー・フレダー
原作:ジョン・グリシャム(『陪審評決』新潮文庫)
出演:ジョン・キューザック
    ダスティン・ホフマン
    ジーン・ハックマン


1日に80人が銃で殺されるというアメリカならではの作品。
陪審員制度の隙間を突いて、陪審員の取り込みを図り熾烈な駆け引きを展開
する原告・被告側双方と、ある目的を秘めて陪審員団に潜り込むことに成功し
た一人の男(ジョン・キューザック)の動きを追う緊迫の法廷バトルです。

前半で面白いのは、市民から無作為に選ばれた陪審員候補から陪審員12人
をいかにして選ぶかというところ。
銃乱射事件で夫を殺された原告の女性が雇ったベテラン弁護士(ダスティン・
ホフマン)が35年の勘と経験で選ぶのに対し、被告側の銃の製造メーカーに
雇われた陪審コンサルタント(こんな職業があるんですね!ジーン・ハックマン
)は潤沢な資金にモノを言わせ、候補者の性格から生い立ち、現在の生活ぶ
りまでのデータを徹底収集、また心理学に精通したスタッフに候補者の言葉
使いや仕草からその心理傾向を読みとらせ、被告側に有利な判断を下しそう
な人物を厳選するのです。

実際、何げない口ぐせや仕草に注目すると、その人のホンネが面白いほど読
みとれます。
例えば、話していて腕組みをする相手を見たら「威張ってるのかな」と思うかも
しれませんが、実は「ちょっと不安(不満)」のサインである場合が多いのです。
人は会話の中味や相手の態度に不安や不満を覚えると、無意識に腕を組ん
で自己防衛しようとするのです。腕組みをすると偉そうに見えますが、実は気
が小さいのかも。
(口ぐせや仕草で知る人のホンネについてもっと知りたい方は、拙著『心理学はおもちゃ箱』新紀元社刊 P66~73をご参照ください)

この作品で原告・被告側に分かれて戦うハックマンとホフマンは、若かりし頃、
役者としては全然売れず、ニューヨークの安アパートで同居していたこともあ
ったとか。そんな二人の初共演作品ですから、興味のある方は是非どうぞ。
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# by kiyotayoki | 2004-08-03 11:05 | 映画(な行)

『リクルート』(2003 米)

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原題『THE RECRUIT』(115分)
監督:ロジャー・ドナルドソン
出演:アル・パチーノ
     コリン・ファレル
  ブリジット・モイナハン

CIAのリクルート活動とスパイ養成を題材にしたサスペンス。売り出し中の男優コリン・ファレルが演じるのはCIAのベテラン教官(アル・パチーノ)にスカウトされたエリート学生。訓練の過程で張り巡らされた数々の罠と背後にうごめく陰謀に翻弄されていく主人公の姿をスリリングかつトリッキーに描いた作品です。
(10点満点なら7点位かな)
ファームと呼ばれる新人養成所に入った主人公は優秀なスパイになるべく様々な訓練を受けますが、その中で、嘘発見機による尋問から逃れる術を学ぶシーンが出てきます。
嘘発見機はいろんな映画に登場しますが、目新しいのはモニターで瞳孔の開き具合をチェックするシステムが導入されているところ。
「目は心の窓」といいます。どんなに冷静さを装っていても、人は緊張すると交感神経が働いて瞳孔が拡がってしまうのです。
ウソをつく時、人は緊張します。緊張すれば瞳孔が拡がる。だから、瞳孔をチェックしていれば、その人がウソをついているかどうかがわかるというわけです。
もっとも、瞳孔が拡がるのはウソをつく時だけではありません。
ある心理実験で男子学生に女性のヌード写真を見せたところ、外見はポーカーフェイスを装っていても瞳孔はみんな拡がっていたとか。人は興味のある対象を見ると瞳孔が拡がってしまうのです。
女子学生にも同様の実験をしてみましたが、やはり男性ヌード写真に反応はあったものの、最も瞳孔が拡がったのは赤ちゃんの写真だったとか。

『リクルート』は、何が真実で何がウソかがどんどんわからなくなっていくお話。
訓練で知り合った女性と恋に落ちた主人公は、その愛が本当かウソかもだんだんわからなくなってしまいます。その時彼が頼りにしたのは何だったのか・・・。
それは映画を観てのお楽しみとしておきましょう。
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# by kiyotayoki | 2004-08-02 11:30 | 映画(ら行)