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映画の心理プロファイル

『ゾンビランド』(2009 米)

おバカなゾンビ映画、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)は英国製、
『ゾンビーノ』(2006)はカナダ製。
そろそろ本場アメリカからおバカなゾンビ映画は出てこないものかしら・・・
そう思ってたら、やってくれました♪
しかも、予告編を見たら、ウディ・ハレルソンが若い頃に戻ったみたいに悪童っぽい演技を見せてくれてる!
これは観ないわけにはいきません(^-^)v

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原題:『ZOMBIELAND』(87分)
監督:ルーベン・フライシャー
脚本:レット・リース ポール・ワーニック 
音楽:デヴィッド・サーディ
出演:ウディ・ハレルソン
   ジェシー・アイゼンバーグ
   アビゲイル・ブレスリン
   エマ・ストーン
   ビル・マーレイ

映画は、ゾンビもののテイストはちゃんと踏襲しつつ、
引きこもり童貞男の成長譚や『リトル・ミス・サンシャイン』 のような家族再生のドラマを上手に盛り込んで、
しかも、 『ゴーストバスターズ』 へのオマージュまでおまけにトッピングした、案外上質のホラーチックコメディに仕上がっておりました。

舞台は、ゾンビであふれかえるアメリカ。
偶然出会った孤独な男女4人がゾンビのいない楽園を目指して繰り広げる命がけの大陸横断旅行を、ブラック・ユーモアとゾンビ映画らしいバイオレンス描写で紡ぎ出していきます。

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4人のうち最初に登場するのは、ジェシー・アイゼンバーグ扮するひきこもりの大学生コロンバス。
アメリカでも日本と同じようにこの種の若者は確実に増えているようで、
ひきこもり系俳優とでも名付けたくなるような人が最近何人もいる。
『ジュノ』に出ていたマイケル・セラ、『リトル・ミス・サンシャイン』のポール・ダノあたりがその代表格。
共通するのは、中性的で地味めのルックスと汗くささを感じさせないところかな(^^
アイゼンバーグ扮するコロンバスもそんな感じの男の子で、独自に編み出した護身術“32のルール”を実践してなんとか生き延びておりました。

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そんな彼が出会うのが2人目の“人間”、ゾンビ退治に執念を燃やすタフガイ、タラハシー。
これを演じているのがウディ・ハレルソン。
この人に注目したのは『ハード・プレイ』(1992)や『ナチュラル・ボーン・キラーズ』(1994)だけど、さすがの悪童俳優も50近くになって、このところは地味な役柄が多かった。
それが、10歳以上若返ったんじゃないかと思うほどのタフガイ&お茶目ぶりを披露してくれてるから嬉しくなっちゃった。
嬉しくなったのはそれだけじゃない。タラハシー愛用の銃が“ランダル銃”だったのだ♪
ランダル銃というのは、スディーブ・マックィーンの出世作『拳銃無宿』(TVドラマ)で主人公のジョッシュ・ランダルが使っていたライフルの銃身を切って短くした独特の銃。
それを腰のベルトのホルダーに拳銃のように下げてるマックィーンの姿がカッコ良かったのを子供心にも覚えている。
それをハレルソンがやってくれているんだから嬉しいじゃありませんか。それにしても、誰のアイディアだったんだろ、これ。

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そんな2人に合流して、一緒に旅をすることになるのがウィチタとリトルロックという姉妹。
演じているのは、エマ・ストーンと『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン。
この2人がまたタダ者じゃない。地球がこんな酷い状態になる前から、詐欺を生業にして生きてきた姉妹で、強い絆で結ばれている。
そんな2人に、コロンバスとタラハシーは一度ならず二度までもダマされて散々な目に遭わされてしまう。
でも、そこは絶滅危惧種の人間同士、結局4人で旅を続けることになるんですけどね。
目指すは“ゾンビとは無縁の天国”という噂の、ロサンジェルス郊外にある遊園地“パシフィックランド”。
さて、その旅の行き着く先は・・・。

面白いのは、4人が4人とも仮名であること。
本名を開示しない、できないというのは、それだけ互いを信用していない、できないという心理の表れ。
そういう点でも脚本は細かいところまでよく練られているなと感心。
脚本の巧さは、それだけじゃない。思わずニンマリする小ネタも沢山用意されているし、
また、映画ファンにはたまらないサプライズゲストが登場して、笑いを増幅させてくれます。
そのゲストは誰かって?この写真でわかるでしょうか。そうそう、『ゴーストバスターズ』のあの人です(^^。

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そうそう、映画の中で、何度も会話の中に登場するお菓子がある。
それがハレルソン扮するタラハシーの大好物「トゥインキー」。
探しても探しても見つからず、その度にタラハシーは地団駄を踏むのだけれど、さて、どんなお菓子なのかと思ったら・・・。

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アメリカじゃどこのスーパーにも売ってる有名な高カロリーのジャンクフードらしい。
「トゥインキーは30年放っておいても腐らない」という都市伝説まであるそうな(^^;。
どんだけ添加物まみれなんだろ。
へぇ~と思って調べてみたら、こんな動画も発見。
このお菓子、『ゴーストバスターズ』にも登場していたんだね。





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by kiyotayoki | 2010-08-21 16:56 | 映画(さ行)