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映画の心理プロファイル

『ポパイ』(1980 米)

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原題:『POPEYE』(107分)
監督:ロバート・アルトマン
原作:E・C・シーガー
出演:ロビン・ウィリアムズ
    シェリー・デュヴァル
    ポール・スミス

“父と息子の対立と和解”というテーマで思い出したのが、この映画。
あのロバート・アルトマン監督の大失敗作にして、興行的にも大コケした作品として知られています。
個人的には、とても印象に残ってる作品のひとつなんですが・・・。

なにしろ、あの超有名(今の若い人は知らないかも)なTVアニメの実写版ですし、ポパイを演じているのはこれが映画初主演のロビン・ウィリアムズ(当時27歳)ときてる。もちろん当時映画館で見た時は無名の役者さんでしたから、ただのポパイのソックリさんだと思っていましたけどね。
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実際、似てるんですよ。顔のしゃくれ具合といい、肘から下の腕のふくれ具合といい(これは特殊メイク)、独特の声やしぐさといい、まさにポパイそのもの!
他の役者さんたちもソックリさんのオンパレード。
特に、『シャイニング』のシェリー・デュバル演じるオリーブは、よくぞここまで似せてくれましたと拍手を送りたいほど。

ただ、人って他人から誰かに似てると言われるのはいい気がしないもののようです。
というのも、自分のソックリさんはいいところばかりが似ているわけではありません。自分の中の自己嫌悪を催すような部分も似ていたりするんですね。
そういう部分は、本人密かに気にしていますから、ソックリさんの中に目ざとく見つけちゃう。だから、「似てる」と言われると、その部分を指摘されたような気になって、いやーな気になるんでしょうね。

ま、それは置いといて、お話は生き別れになった父を探すポパイが、スイートヘブンという港町にたどり着くところから始まります。
この港町に住んでいるのが、オリーブやブルート(P・スミス)などアニメでおなじみの面々。そして、ブルートの雇い主で、この町の影の支配者がポパイの父親であることがのちに判明します。
けれど、金に目がくらんだブルートはポパイパパを裏切り、オリーブを拉致して姿をくらまします。それを追うポパイ。
そして孤島での対決。でも腕力ではブルートが上。ポパイ危うし!
そこでポパイパパが助け船。そう、ポパイといえばほうれん草の缶詰です。
ポパイはパパが投げてよこしたほうれん草を食べると勇気百倍、百人力。
ブルートをこてんぱんにやっつけて、めでたしめでたし・・・・と、そんなお話なんですが、中途半端にミュージカル仕立てになっていたり、コメディにしては色調が暗かったり、ギャグがすべりまくったり、決していい出来の作品とは
いえません。それでも捨てがたい作品ではあるんですね。
なかなか見る機会はないと思いますが、ポパイに郷愁を感じる方にはおすすめしたい作品です。

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by kiyotayoki | 2004-11-05 11:36 | 映画(は行)