映画の心理プロファイル

『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』(2009 仏・香港)

先日、ジョニー・トー作品をWOWOWで3本立て続けにやってくれたのだけど、
録画していたので、観るのはこれが最後になってしまった。

今更だけど、ああ、これを最初に観るべきだったな。
『エレクション』の1と2があまりにも濃密だったので、このスタイリッシュなノワール映画が間延びして見えちゃったのだ。
この空気感は好きなんだけどな。観る順番を間違えちゃったな。

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原題:『VENGEANCE 復仇』(108分)
監督:ジョニー・トー
脚本:ワイ・カーファイ
音楽:ロー・ターヨウ バリー・チュン
出演:ジョニー・アリディ
   アンソニー・ウォン
   ラム・カートン
   ラム・シュー

ジョニー・トー監督作品の常連、アンソニー・ウォン、ラム・カートン、ラム・シューの3人のラストシーンが
いつになく淡泊だったので、おやあ、どうしたんだろうと思っていたら、
この作品って、フランスと香港の合作映画だったんだな。
なるほど、それで違和感が氷解した。
映画の主役はあくまでもジョニー・アリディ扮するコステロ。だから、3人は自分の役割を終えたら
出しゃばらずにさっさと退場する必要があったんだね。

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ならば、ジョニー・アリディにもう少し感情移入できれば、最後まで緊張感が持続できたのだろうけど、残念ながらアリディさんにはあまり共感できなかった。
なぜって、その~、演技力以前に、実は私、瞳の色の薄い人が苦手なのです。
「目は心の窓」というけれど、瞳の色の薄い人はどこを見ているのかもよくわからないので、心を覗くのを拒絶されてるように感じる。だからか、なんだか怖いのだ。
これは心理的・生理的なものなので、どうしようもない。
アリディさん、ごめんなさい。

とはいえ、ジョニー・トー監督らしさもちゃんと楽しめる一編ではあった。
それは、命に代えても惜しくはないといった男たちの友情であったり、
熟練した殺しのプロたちの鮮やかな仕事ぶりであったり、
いつ死んでも後悔しないとでも言いたげに“生きている”ことの証明でもある食事に興じるシーンであったり・・・

お話は、マカオで始まり、途中香港へ、そしてまたマカオへ戻る。
面白いなと思ったのは、コステロたちが娘の夫や子供達の暗殺を命じたボスに復讐するため秘密裏にマカオへ舞い戻った時だ。
4人は一時的に海辺で7、8人の私生児たちを育てているビッグママと呼ばれる女のもとに身を寄せるのだけれど、
その私生児たちがそろいもそろって欧米人との混血児なのだ。
マカオの現状をよく知らないけれど、観光とギャンブルで成り立っているところだから、夜の商売も横行しているんだろうか。
トー監督としては、それを皮肉ってのキャスティングだったのだろうか。
その子供達がコステロの復讐に手を貸すシーンは、ちょっとフランス映画っぽいファンタスティクな味わいがありましたよ。


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by kiyotayoki | 2011-06-20 12:06 | 映画(た行)