ひと夏の恋
いや、ちょっとどころか、驚きのあまりに
体がまるで金しばりにあったように動けなくなってしまった。
夜の公園とはいっても、まだ7時を過ぎたばかりで
周りを人が何人も行き交っているというのに、
キミったらホンットに大胆。
だけど、僕を見つめるキミの黒い瞳は真剣そのもので。
しかも、恥じらいながらも、少しずつ僕との距離を縮めてくる。
ちょっとちょっと、何をするつもり?
僕にだって心の準備というものが・・・。
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カメラのフラッシュにも微動だにしないキミって、どういう神経の持ち主?
それどころか、じわりじわりと近づいてくるし。
連れて帰って、せめて一夜だけでもキミと一緒に・・・
そうも思ったのだけど、
だってキミ、未成年でしょ。
羽化して1日?それとも2日目?
こっちは腕にモーラステープを貼っているようなおじさんだし、歳の差がありすぎる。
種の違いもありすぎだから、会話が成り立つかも疑問だし。
無理無理、やっぱり無理。
そんなわけで、僕は心を鬼にして、そばの木の幹に移るようキミを促した。
初めはためらっていたキミも、最後は諦めたように僕の腕から木の幹へ・・・。
ごめんね、
キミの愛を受け止められなくて。