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映画の心理プロファイル

『チャーリーとチョコレート工場』(2005 米・英)

原題:『CHARLIE AND THE CHOCOLATE FACTORY』(115分)
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監督:ティム・バートン
原作:ロアルド・ダール
脚本:ジョン・オーガスト
音楽:ダニー・エルフマン
Na:ジェフリー・ホールダー
出演:ジョニー・デップ
    フレディ・ハイモア
    デヴィッド・ケリー
    ディープ・ロイ
    クリストファー・リー

公開したらすぐに見に行こうと思っていたのに、こんなに遅くなってしまいました(^^;)。
でもその分、劇場内に微かに漂うチョコレートの香りを嗅ぎつつ、毒気の強いティム・ワールドをたっぷり堪能させてもらった感じ。

お話は、T・バートンらしく雪降りしきる架空の街の空撮から始まります。
その灰色の街の中心に古城のようにそびえるのは巨大なチョコレート工場。
主は孤独な男ウィリー・ウォンカ(J・デップ)。
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ある事件をきっかけに人間不信に陥ったウォンカは、従業員をすべて解雇し、工場の門を堅くシャットダウン。以来15年間、工場に入った者も出てきた者もいないという極秘工場の内部がついに公開されるというので、街だけでなく世界中が大騒ぎに。
というのも、ウォンカ製の美味なチョコは全世界で爆発的に売れており、秘密の工場に入れるのはそのチョコの中に5枚だけ入っているゴールデンチケットを手に入れた子供のみ(プラス付き添いの親ひとりずつ)だったから。

“限定”という言葉に弱いのは、子供から大人まで人間に共通した心理傾向なんですね(^^;)。ひとり当選者が出ると、このゴールデン・チケット争奪戦は益々ヒートアップします。
人は具体的事例を見せつけられると、統計的情報なんて無視してしまうんですね。宝くじなんかもそう。統計的に見ると3億円が当たるなんて夢のまた夢なのに、「この店で3億円クジが出ました」なんて書いてあると、なんだか自分も当たるような気になって我も我もとお金を投資しちゃう(^_^;)。ある心理学者はそういう人間の性行を「人は事実よりも、鮮やかな情報で説得される」という言葉で表現しています。

お話は、謎めいたチョコレート工場という迷宮に“招待された”というより“迷い込んだ”5人の子ども達のそれぞれの運命を表向きはファンタジックに、その実かなりブラックに描いていきます。なにしろ、このチョコレート工場というのが“裏”ディズニーランドみたいなところなものですから(かけ出しの頃ディズニーに勤めていて結局会社に馴染めなかったバートンらしい世界観とでもいいますか・・・)。
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このドラマで八面六臂の大活躍をするのは、アマゾン版ホビット族みたいなウンパルンパたち。
“たち”といっても演じているのはディープ・ロイという役者さんひとりみたいなんですけどね。労働時間や貢献度を考えると、ロイさんに一番高額のギャラを払ってもいいかもしれませんね。

そうそう、ウィリー・ウォンカのお父さん役でクリストファー・リーが出ていました。この人、80を過ぎてから大作や話題作に引っぱりだこですよね、ホント(^_^)v。
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by kiyotayoki | 2005-10-10 17:15 | 映画(た行)