『ショーシャンクの空に』(1994 米)
原題:『THE SHAWSHANK
REDEMPTION』 (143分)
監督・脚本:フランク・ダラボン
原作:スティーヴン・キング
音楽:トーマス・ニューマン
出演:ティム・ロビンス
モーガン・フリーマン
ウィリアム・サドラー
ボブ・ガントン
ジェームズ・ホイットモア
グロリアさんが紹介してらっしゃったゾンビ映画『ショーン・オブ・ザ・デッド』が見つからなかった代わりに「ショー・・・」つながりで借りてきた作品です。
10年ぶりにDVDで見ました。
原作は、スティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』。ヘイワースは1940年代、セックスシンボル的女優さんだったみたいですね。さて、この女優が刑務所とどう絡むのか・・・。実は、これが重要なポイントになります^^。
浮気した妻とその愛人を殺した罪で終身刑となったエリート銀行員アンディ・デュフレーン(T・ロビンス)がショーシャンク刑務所に入所してきたのが1947年。以来19年に渡る刑務所生活が所内で彼が最初に知り合った囚人レッドの語りで綴られていきます。
レッドを演じるのは、『宇宙戦争』でも渋い語りを聞かせてくれていたモーガン・フリーマン。当時56才(さすがに今よりうんと若く見えます)。レッドは刑務所や収容所には欠かせない存在である『調達屋』。
殺風景な独房の壁にアンディが貼ることになるリタ・ヘイワースのポスターも、レッドが調達したもの。このポスター、刑務所生活が長くなるごとに、50年代には『七年目の浮気』のマリリン・モンローに、60年代には『恐竜100万年』のラクエル・ウェルチに貼り替えられていきます。
長~い刑務所生活を描いた秀作に『パピヨン』(1973)がありますが、同じ無実の罪での投獄でも、『パピヨン』のほうはキャラクターも濃くて脱獄を繰り返す波瀾万丈の物語。一方こちらの主人公は真面目が取り柄の銀行員で、脱獄の気配もない。それで面白くなるんだろうかと、初めて見たときは不安になったものですが、いやいやいや、再見の今回でさえお話にどんどん引き込まれてしまいました^^。
まず、主人公を生真面目が取り柄のコツコツ地道な銀行員にした意味がちゃんと幾重にもある。見た人なら納得ですよね^^。
しかも、伏線がさりげな~く、しっかりあちこちに張り巡らされていて、最後の最後で見事に収束するから、すごいカタルシスがある。
敵役の刑務所長や看守長も嬉しいほど憎々しい。やっぱり敵役はこうでなくっちゃ(そうそう、所長室の壁に「主の裁きはくだる。いずれ近く」という聖書の言葉が飾られているんですが、これもちゃんと伏線になっておりました)。
所長は自己中心的で自尊心の強い男。このタイプは「相手がどのように思っているか」という対人認知が苦手で、物事すべてを自分の都合のよいほうに解釈しがち。所長が墓穴を掘るとしたらそのあたりに・・・。
もちろん、人間ドラマとしても十分に楽しめるエピソードがふんだんに盛り込まれているんですから、引き込まれないわけがないか^^。
あんまりホメてばかりだとナンだから一つケチをつけると、19年もすさんだ生活をしてるのに主人公があまり老け込まないのが難点といえば難点、かな。