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映画の心理プロファイル

『キャスト・アウェイ』(2000 米)

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原題:『CAST AWAY』(144分)
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ウィリアム・ブロイルズ・Jr
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:トム・ハンクス
    ヘレン・ハント

昨日公開された『ダヴィンチ・コード』。予告編で見るかぎりではトム・ハンクス、シェイプアップしてちょっとスリムになってるみたいですね。それで思い出したのがこの映画。
この作品でトムが演じるのは、飛行機事故で無人島に漂着し4年間もサバイバル生活を送った男。なので役作りのために25キロも減量したんだとか。

ロシアから始まる導入部は、FedExの企業PR映画かと思うほど。
というのも、主人公チャックがロシアでのFedEx運営のてこ入れにやってきた腕っこきの社員という設定だから。
これは最近では当たり前のように行われているプロダクトプレースメントという広告手法の典型例ではありますね。
CMは見たがらない視聴者も、ドラマの中に登場する商品や会社情報なら見てくれるし、場合によっては好印象も持つという視聴者心理を利用したものです。

お話が急展開するのは、チャックが婚約者のケリー(H・ハント)に「I'll be back(すぐ帰るよ)」と声をかけて飛行機に乗り込んだ後のこと。原因不明の故障で飛行機が嵐の海に不時着してしまったのです。この墜落シーン、久しぶりに見てみましたが、スリリングでかなりの迫力!
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奇跡的にひとり命拾いし、無人島に流れ着いたチャック。いよいよロビンソン生活の始まり始まりです。
漂流物はFedExの包みばかり。食料品を期待して開けてみると、中味はスケート靴やバレーボール、女性用ドレスなどクリスマスプレゼントだらけ。
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でも、結果的にこれがムダにはならないところがミソ。
チャックは、椰子の実から水分をとり、偶然割れた石を刃物に使い、摩擦熱で火を熾すことに成功、徐々にサバイバルの知恵を身につけていきます。

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月日は流れて、4年。
無人島生活に順応することはできても、癒しようがないのが孤独感です。
心の友は、出発前にケリーがくれた彼女の写真付きの懐中時計と、バレーボールのウィルソンだけ(名の由来はウィルソン社製だから)。
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特にウィルソン(→)は唯一の話相手だけに、チャックにとっては苦楽を共にした戦友のような存在になっていきます(それだけに後半のウィルソンとの別れのシーンはこちらまで涙目になるほど。空気の抜けたただのボールなんですけどね^^;)。

チャックがこの無人島からどうやって脱出するか、そして如何にして救助されるかがお話のハイライトになっていますが、この映画それで終わりではありません。浦島太郎状態で戻ってきてから、もうひと山あります。それは婚約者だったケリーとの再会と哀しい別れ。
4年という歳月は、チャックとケリーの辿る道を大きく隔ててしまっていたのです。

けれど、『フォレスト・ガンプ』のゼメキス監督、ただの哀しいお話では終わらせません。救いがあるんです。
しかも、『フォレスト・ガンプ』に通じるようなオチで♪
「人生はチョコレートの箱のようなもの。開けてみるまではわからない」
確かそんな名台詞が『フォレスト・ガンプ』にありましたよね。その台詞はこの映画でもそのまま使えそうな感じ♪
そうそう、その台詞が流れる時に宙をふわふわ飛んでいたのは白い羽根。今回のは白い天使の翼。なんかオーバーラップしてきちゃうんだなぁ。
そんな目で見ていたら、最後のチャックの顔が6つ歳をとったフォレスト・ガンプに見えてきてしまいました(^-^)。
by kiyotayoki | 2006-05-21 18:02 | 映画(か行)