待ちぼう犬 vol.4
久しぶりに我が家にいた“待ちぼう犬”のことを思い出してしまいました。
名前はポチコ。
迷い犬だったポチコが我が家の一員になるまでには紆余曲折がありました。
まず近所に住む中学生の女の子が拾ったんだけど、「受験の邪魔になるから」と父親が上野の山に放置しちゃった。
それを聞いたご近所のWさんという犬好きの奥様が「それはひどい!」と探し回り、保健所に捕まっていたのを発見、無事連れ戻すことに成功したのです(あと1日2日遅ければ処分されるところだったんだとか)。
だけど、連れ戻したのはいいけれど、Wさんちには2匹犬がいてこれ以上飼う余裕がない。そこで白羽の矢が立ったのが我が家だったのです。
その年(1992年)は迷い犬の当たり年で、うちではポチコがやってくるまでに2匹も迷い犬を保護しておりました(ダックスとボルゾイで、どちらもほどなく飼い主が見つかりました)。そんな変な“実績”があったので、「ならばこの犬もお宅で」ってことになったんだと思います(^^;。
そんな経緯で飼い始めたので、
「いつか飼い主が現れるかもしれないし、ポチで・・・。
え?メス?じゃポチコでいいか」と、安易に命名。
ところが、飼い主はとうとう現れず、ポチコはポチコという名のままで10年、我が家で暮らすことになってしまったのでした。
考えてみたら、10年も待ちぼう犬をしていたってこと、かな・・・。
ポチコ、本当はなんて名前だったんだろ・・・
本当の名前で呼んだらどんな顔するだろ・・・、よくそう思ったものです。
うちに来た時はもう成犬で、3、4歳にはなっていたはず。
だから、本当の名前で呼んだらきっと目を輝かせたんじゃないか、と。
それが最後まで叶わなかったのは、今も心残りのひとつです。