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映画の心理プロファイル

『ノッティングヒルの恋人』(1999 米)

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原題:『NOTTING HILL』(123分)
監督:ロジャー・ミッシェル
脚本:リチャード・カーティス
音楽:トレヴァー・ジョーンズ
出演:ジュリア・ロバーツ
    ヒュー・グラント
    リス・アイファンズ

主人公の職業が本屋だということをすっかり忘れていた作品です。
思い出させてくれたcitydeさんakfkjpさん、感謝デス。
ロンドンの西にあるノッティングヒルの住人ウィリアム・タッカー(H・グラント)は、旅行専門の小さな本屋を営むバツイチ男。
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この本屋さん、実在するんですってね。地元じゃちょっとした観光名所になってることでしょう。
このお店の外観は青を基調にしていますが、この映画で青が目立つのはこのシーンだけではありません。
ウィリアムの住む家の玄関扉の色も青。
青は、抑制的・内省的な気持ちを表す色ですから、ウィリアムの心の色とシンクロしているのかもしれません。ウィリアムは、妻が“インディ・ジョーンズ似”の男と駆け落ちして以来、鬱々とした暮らしをしているのですから。

そんなウィリアムがなんと来英中のハリウッドスター、アナ・スコット(J・ロバーツ)と恋に落ちてしまうのです。しかも出会いは超偶発的。ノッティングヒルの街をオレンジジュースを持って歩いていたらアナと鉢合わせしちゃう!
もし自分が脚本家なら、気恥ずかしくて書けないようなハプニング。
だけどそれが不思議と許せちゃう映画なんですね、これが(^~^ヾ。
ちなみにオレンジ色は「ちょっと大胆な行動に出たいという欲求」を表す色。ま、そんなオレンジ色に刺激されたわけじゃないんでしょうが、ウィリアムはオレンジ色に染まったアナのTシャツの着替え場所として自分の家の提供を申し出ます。すると、アナったらノコノコとついて行くじゃありませんか。うそ~ッ。
実は2人は、正確にはこの時が初対面ではないんです。このちょっと前にアナはウィリアムの本屋を訪れていて、万引きしそうになった客との応対を見てその人柄に好感を覚えていた。それがあったからこそノコノコとついて行っちゃったと思われるんですね。
そういう所をちゃんと押さえてあるので、このあざといハプニングも許せちゃうのかも(^^ゞ。

アナの気まぐれから始まったような恋だし、身分違いの恋なので、ウイリアムはかなり苦労します。その苦労ぶりがユーモラスに描かれているところがこの映画の楽しいところかな(脚本のリチャード・カーティスは『ラブ・アクチュアリー(2003)』の監督・脚本を務めた人。恋愛物はお手の物なんでしょう)。

恋の心理法則に「あまり境遇の違いすぎるカップルは長続きしない」というのがあります。恋愛にも損得のバランス感覚が必要で、あまりにも違いすぎると、わだかまりや引け目がふくらんで関係が壊れてしまいがちなんでしょうね。
玉の輿に乗っても必ずしも幸せになるとは限らないことは芸能人の離婚劇を見れば一目瞭然ですよね。
さて、我等がウィリアムはその違いを乗り越えられるんでありましょうか?

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      こちらは、ウィリアムんちの居候スパイク(R・アイファンズ)。
      背中には「FANCY A FUCK(イッパツ、どう)?」とプリント
      されてます(^^;

テーマ曲の『she』はメロディアスで恋愛映画にぴったりな曲。
エンディングで歌ってるのはエルビス・コステロ。
これは聞けばすぐわかるけど、オープニングで歌ってるのがシャルル・アズナブールだということ、今回初めて知りました♪
by kiyotayoki | 2006-11-29 18:51 | 映画(な行)