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映画の心理プロファイル

『月の輝く夜に』(1987 米)

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原題:『MOONSTRUCK』(102分)
監督:ノーマン・ジュイソン
脚本:ジョン・パトリック・シャンレー
音楽:ディック・ハイマン
出演:シェール
    ニコラス・ケイジ
    オリンピア・デュカキス
    ヴィンセント・ガーディニア
    ダニー・アイエロ

久しぶりに観ましたが、オープニングとエンディングにかかる曲『That's Amore』の甘くてちょっと気だるい歌声・・・、ああ懐かしや、ディーン・マーティンではないですか♪

ディーン・マーティンというと思い出すのは、子どもの頃、NHKでやっていた『ディーン・マーティン・ショー』。
ウィスキーのオンザロックを片手に「エブリバティ、ラヴ、サムバティ、サムタ~ィム♪」って歌い出すタキシード姿のディーン・マーティン。いかにも「オトナ」って感じでかっこよかったなぁ。ショーも、彼の人柄が表れていて、陽気で笑いがあふれていて子どもが見ても楽しかったし。
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ディーン・マーテイン(写真、左)というと、シナトラ一家の一員としても有名ですね。御大のシナトラを別格とすれば、歌のうまさは断然サミー・ディヴィスだったけど、ルックスや雰囲気は彼が一番好みだったかも。
ほんとに、陽気なイタリアンって感じの人でした。
今もし40代で、日本でタレント活動していたら、ジローラモさんみたいにあちこちで引っぱりだこになってるんじゃないかな(^~^。

・・・なんて話はさておき、この映画に登場するのもディーン・マーティンに負けず劣らず、人生を楽しむことにかけてはどん欲な、N.Y.はブルックリン在住のイタリアンたち。
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主人公は、30歳で夫と死別した後、葬儀社の経理をしながら両親と実家で暮らしている37歳のロレッタ。演じるのは、思わず“姐さん”と呼びたくなるよな風格のあるシェール。
ある夜、ロレッタは死んだ夫の友人だった中年男のジョニー(D・アイエロ)からイタリアンレストランで求婚されます。
このレストラン、GRAND TICINOという店で、ワシントンスクエアのそばに実際にあるみたいですね。

「ひざまづいて求婚してくれたら」という条件付きでそれをOKしたロレッタ、式の手配から何から何まで私がやっておくから心配しないでと、慌ただしくジョニーを空港からシシリー島へ送り出します。実はジョニー、かなりのマザコンで、危篤の母を心配して緊急帰国することになっていたのです。
ロレッタにしたって、プロポーズの直後からもうジョニーの手綱をしっかり握ってて母親然としちゃってる。イタリアの男ってマザコンが多いという話は聞いていたけど、男がマザコンになるのはイタリア女性の母性が強いからでもあるんだな、きっと(^~^;。

自宅に戻ってからの母親(O・デュカキス)との会話もふるってる。
「あんた、ジョニーを愛してるの?」
いいえ。・・・優しいところは好きだけど」
ならいい。愛していたら振り回されるだけだから」
お、お母さんったら、これを真顔で言うの。
娘もそれを真顔で聞き、納得してる(^^;。
だけど、この言葉は母親の実体験から生まれた言葉だってことが、後でわかります。彼女は愛して結婚したばかりに夫の浮気に心を痛めていたから・・・。

お話は、そのまますんなり結婚へ・・・・と行くはずはない。
ここでロレッタは思わぬ出逢いをする。それがジョニーの弟のロニーでした。
「5年間、絶交状態になってるロニーに式に出るよう伝えてくれ」とジョニーに頼まれていたのです。ここでもロレッタは母性を発揮、何くれとなくロニーの世話を焼くうちに・・・
あららぁッッッ、2人は激情にかられて、速攻でベッドインしちゃった(〃^∇^〃。
さすがイタリアン♪ ロレッタは本気で愛しちゃったのです、婚約者の弟を。
その弟ロニーを演じるのは、ニコラス・ケイジ。まだ27、8だから青二才風で、ひょろっとしてるし、白目の部分に透明感があって、いかにも若い感じ(歳をとると、白目の部分がにごってくるんだな、これが^^;)。
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これは、リンカーンセンターにオペラを観劇に行った時のツーショット。
2人とも初対面の時とは180度違うパリッとした身なりだったので、きっと二度惚れしたと思います、お互いに。
人って、初対面の時とまるで違う相手の一面、しかもいい一面を見ると「新近効果」が働いて、相手により好感を持つからです。

確かに、タキシードを着たニコジーはかっこいいし、見違えるように変身したシェールもきれい。だけど、もし現実に恋人がこんな格好で現れたら、たじろぐだろうなぁ。日本人にはスゴすぎるもの、このヘアーやメイク(^~^;。

それはそれ、改めて見てみて、またこの映画が好きになりました♪
by kiyotayoki | 2007-06-15 13:53 | 映画(た行)