人気ブログランキング | 話題のタグを見る

映画の心理プロファイル

『大列車作戦』(1964 米)

『大列車作戦』(1964 米)_a0037414_16321768.jpg
原題:『THE TRAIN』(131分)
監督:ジョン・フランケンハイマー
原作:ローズ・ヴァラン
脚本:フランクリン・コーエン他
音楽:モーリス・ジャール
出演:バート・ランカスター
    ポール・スコフィールド
    ジャンヌ・モロー
   
この映画の原題ってこんなにシンプルだったんたね♪
確かに機関車が主役といってもおかしくはないけど。

随分前にTVの洋画劇場で見て以来で中味をほとんど忘れていたせいか新鮮に鑑賞することができました。
男っぽい映画を撮り続けたジョン・フランケンハイマー(当時35歳)の力作です。
『大列車作戦』という日本語タイトルからは好戦的な戦争アクションをイメージするけど、実際に見てみると、ハードなアクションは用意されているものの、戦争をする人間の愚かさを痛烈に皮肉った作品でもあります。

舞台は第二次大戦末期のフランス。
『大列車作戦』(1964 米)_a0037414_2053314.jpg
連合軍がパリを奪還するのももう間近。
そんな中、ドイツ軍はバルドハイム大佐の指示により大量の名作絵画をパリの美術館から略奪、本国へ運び出すべく列車に積み込み始めている。
このバルドハイム大佐を演じるポール・スコフィールドが頑迷・冷徹を絵に描いたような、いかにもドイツ軍将校って感じの人。ご本人は英国人らしいけど、こういう役にぴったり♪

ドゴール率いる自由フランス軍は、国の誇りであり財産である絵画を敵国に奪い去られてなるものかと、鉄道事業に従事するレジスタンスに美術品奪還の指令を出します。
が、それにレジスタンスの長であるラビーシュは難色を示します。
戦争開始当初180人いた仲間も今やわずか3人。絵画にどんなに価値があろうとも、これ以上人命を犠牲にしてよいものだろうかと悩むラビーシュ。
『大列車作戦』(1964 米)_a0037414_1257087.jpg
そんなラビーシュを演じているのは、バート・ランカスター。撮影当時50歳。でも、さすがタフガイらしく、ほとんどのアクションをスタントマンなしでこなしてる(たぶん)。
ただ、役柄はフランス人。アメリカ映画だから、みんな英語を喋るのは仕方がないとしても、見えないんだよなぁこの人、フランス人には(^^;。
一方、機関車の老運転士を演じたミシェル・シモン(写真左)は、いかにもフランス人という顔の人。フランス人って年をとると鼻がでかくなって顔に存在感が増す気がするのは、僕の勝手な思い込み?
『大列車作戦』(1964 米)_a0037414_1316468.jpg
この老運転士の死が、ラビーシュに絵画奪還を決意させることになるんですが、紅一点として登場するのがフランスの名女優ジャンヌ・モロー(当時35歳)。
先日、『マルサの女』『マルサの女2』を見たけど、宮本信子とジャンヌ・モローって感じが似てますね。決して美人じゃないんだけど、ちゃんと華はあるところとか。

原作者のローズ・ヴァランという人は、当時のルーブル別館の館長なんだそうな。ってことは、奪還作戦自体は実際にあったことなのかも。
ルーブル美術館の壁に整然と飾られているルノワールやドガ、ピカソ、ブラックといった巨匠の名画の数々。でもその裏には、こんな血ぬられた歴史もあった、と・・・。この映画を観ると、絵の眺め方もちょっと変わってくるかもしれませんね。


『大列車作戦』(1964 米)_a0037414_214947.jpg

今年も一年、おつき合いいただき感謝です。
来年は子年。
干支でいうと、始まりの年。
気分一新、いい年にしたいものですね。
by kiyotayoki | 2007-12-31 07:03 | 映画(た行)