『相棒 -劇場版- 』(2008 日)

サブタイトル:『絶体絶命!42.195km
東京ビッグシティマラソン』(117分)
監督:和泉聖治
脚本:戸田山雅司
音楽:池瀬広
出演:水谷 豊
寺脇康文
岸部一徳
木村佳乃
平幹二郎
西田敏行
津川雅彦
水谷豊扮する右京さんの「はいぃ?」が聞きたくて、遅ればせながら劇場に足を運んだ。
日本映画を劇場で観たのは、どれくらいぶりだろう。
人気の刑事ドラマ『相棒』の劇場版だ。
さて、映画らしいスケールアップがグレードアップにつながっているかどうか・・・。
ご贔屓のドラマだけに、ちょっと心配しながらの鑑賞となった。
オープニングは、意外にも清流が流れる長閑な田園風景から始まった。
日本ではないようだ。東南アジアかな。
その静寂を破って武装した軍隊と装甲車がキャタピラの音を轟かせて登場する。
おお、さすが映画版、スケールアップしてるじゃんってオープニングだった。
つかみはOKだったな♪
さて、肝心の中味は・・・。
うまくまとまっていたとは思います。
右京さんは相変わらず頭脳明晰で抜群の推理力を発揮するし、
薫ちゃんも『ダイハード3』みたいに犯人に振り回されるんだけど、持ち前の馬力でタフガイぶりを発揮してくれる。
それに、『相棒』らしく娯楽作でありながら体制批判、マスコミを含めた権力批判も忘れていない。
ただ、スケールアップがグレードアップにつながっていたかというと、
ちょっとo( ̄ー ̄;)ゞだったけれど・・・。
『相棒』の面白さのひとつは、2人が警察という国家権力を象徴するような機関の中にいながら、権力のために押しつぶされようとする個人を救おうと必死にもがく姿がしっかり描かれるところにある(そのために2人は特命係という閑職に追いやられている)んだけれど、それと推理の楽しみを両立させようとして、なおかつ2時間の中にまとめようとして、どっちつかずになっちゃったかな。頑張ってるんだけどなぁ・・・
なぁんてね、こっちは観てるだけだから何でも言えるけど、作る側は複雑なパーツを組み立てるのに悪戦苦闘したんだと思う。

杉下右京(水谷豊)は、連続殺人の現場で発見した記号から
それが犯人からのメッセージだと気づく。
その記号はチェスの棋譜を記号化したものだったんですね。
でもって、犯人とはチェスを介してやりとりをするようになるんだけど、
だもんだからお話の中には当然のようにチェス用語が出てくる。
たとえば、ツークツワンク。
これは「手詰まり」を表す用語で、以前にもドラマの中に出てきたような
記憶がある。
それから、ステイルメイト。
これもツークツワンクと似たような意味らしいけど、
盤上がこの状態になったらチェスでは引き分けになるんだそうな。
実は、このステイルメイトは犯人のハンドルネームになっている。
そして、それには深い意味が・・・・。
ああ、これ以上書くと、ネタバレになっちゃうから、やめておきましょうね(^~^;
