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映画の心理プロファイル

『隣人』(1992 米)

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原題:『CONSENTING ADULTS』(100分)
監督:アラン・J・パクラ
脚本:マシュー・チャップマン
音楽:マイケル・スモール
出演:ケヴィン・クライン
    ケヴィン・スペイシー
    メアリー・エリザベス・マストラントニオ
    レベッカ・ミラー
    フォレスト・ウィテカー

主役は、ケヴィン・クラインだけど、
この映画の見どころは、やっぱりケヴィン・スペイシー演じる男の粘着性の強い狂気でありましょう。

しかも、製作年度は1992年
ってことは、あの『ユージュアル・サスペクツ』)や『セブン』の3年前の作品だ。
存在さえ知らなかった頃の、しかも両作品より3歳若いケヴィン・スペイシーってこんな役を演じていたんだね♪

ここでスペイシーが演じるのは、閑静な住宅街に住むリチャード&プリシラ夫妻の隣りに引っ越してきた“隣人”。
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出てきた途端に、オッ
なんと金髪なのです。しかも、いくらか髪の量が多い(^^;。
(撮影時、32歳ぐらいなんだから当然か^^)

でも、とろ~んとした眼差し、口元の微妙なたるみ、そして全身から醸し出されるいかがわしさはすでに『ユージュアル・サスペクト』時のそれだ。

男の名はエディ。主人公のリチャードが羨望の色を隠せないのは、エディがタブーを度外視し、社会常識にとらわれず飄々と生きているだけでなく、美しい妻(R・ミラー:作家でマリリン・モンローの元旦那アーサー・ミラーの娘さんなんだって!)がいるから。

リチャードにだって愛する妻(M・E・マストラントニオ)と娘がいるんだけど、
“隣の芝生”はやっぱり青々と新鮮に見えてしまうんだろうね。

そんな気持ちを見透かしたように、エディがリチャードに一夜限りの夫婦交換を持ちかけてきたところから、物語はサスペンスフルになってくる。
夫同士が交わす一夜限りのアバンチュールの密約(原題の『CONSENTING ADULTS』は、このあたりのことを指す言葉なのかしらん)。けれど、その甘い誘惑の代償としてリチャードを待ち受けていたのは恐ろしい罠だった・・・。

監督は、『大統領の陰謀』(1976)や『ペリカン文書』(1993)など社会派サスペンスを得意とするA・J・パクラ。
記憶から抜けていたけど、パクラさん、10年も前に交通事故で亡くなっていたんだね。

それにしても、怖い隣人をテーマにした映画って意外と多い。
たとえば、『隣人は静かに笑う』(1998)とか『パシフィック・ハイツ』(1990)とか。
コメデイタッチではあるけれど、『隣のヒットマン』(2000)や『隣のリッチマン』(2004)も迷惑至極な隣人の話だった。

壁や塀を一枚隔てた向こうにいるのは、顔見知りとはいえ赤の他人。
どんなことに悩み、いらつき、どんなことを企んでいるかわかったもんじゃない。
なんか胡散臭い、そう思いながら隣人と目が合うと、心理学でいう『嫌悪の返報性』が働いて、
相手も胡散臭そうにこっちを睨みつけるようになる。
それが高じて、隣同士で諍いや訴訟合戦にまで発展することはよくあること。
一応正常な人間でもそうなのだから、もしどちらかが精神に異常をきたした人間だとしたら・・・(^~^;

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でも、だからといって隣人とつき合わないわけにもいかない。
どうせつき合うのなら、『七年目の浮気』に登場するような隣人だといいんだけどな。

あ、いや、あんなセクシーな隣人も考えものかな。
ただでさえ熱帯夜で眠れないのに、もっと寝不足になっちゃいそうだもの(^^;。
by kiyotayoki | 2008-08-06 17:45 | 映画(ら行)